著者
長井 隆行 影広 達彦 金子 正秀 搏松 明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.721, pp.103-108, 2001-03-22
被引用文献数
1

本報告では,複雑な背景を持つ情景画像から自動的に文字を抽出する手法について述べる.提案方法は.フィードフォワードニューラルネットワークをベースとしている.ニューラルネットワークは,画像中の小領域(ブロック)内の特徴量から.その領域が文字であるか非文字であるかを判別する.その際,文字の特徴量として.ウェーヴレット変換係数.独立成分分析の結果,特徴空間からの距離を組み合わせて用いることで.高精度の識別を行う.また.色による画像の領域分割をベースとした看板領域抽出手法も提案する.文字抽出法と看板抽出法を統合することにより.情景画像中に存在する文字を効率よく抽出することが可能となる.最後に.実際の情景画像を用いた実験結果により.提案方法の有効性を明らかにする.
著者
八木 康史 森島 繁生 金子 正秀 原島 博 谷内田 正彦 原 文雄 橋本 周司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.26, pp.65-72, 1998-03-19
被引用文献数
4

顔画像処理に対する様々な分野での関心の高まりや、工学分野における顔画像処理技術の研究成果の蓄積を背景にして、顔画像処理に関する共通ソフトウェアのツールの作成に向けた活動が進められている。この活動は、「感性擬人化エージェントのための顔情報処理システムの開発」(略称、アドバンストエージェントプロジェクト)と呼ばれ、情報処理振興技術協会(IPA)における独創的情報技術育成事業に関わる開発テーマの一つとして、平成7年度より3年間の計画で精力的に活動を行ってきた。擬人化エージェント技術はさまざまな技術要素から構成されているが、本プロジェクトでは、この中で特に『顔』の役割に着目し、顔画像の認識・合成に関わる顔情報処理システムの開発に主眼をおいた。これと同時に、本システムでは工学のみならず心理学や医学などの分野も含めた顔関連分野における共通の実験用ツールを広く提供することも目標としている。本稿では、平成10年3月で終了するこのプロジェクトの概要と、共通ソフトウェアの紹介を行う。The aim of Advanced Agent Project, supported by Information Technology Promotion Agency (IPA), is to develop the image processing environment for analysis and synthesis of human facial images. This report is mainly concerned with an introduction of an overview of the project and the developed environment for the facial image processing.
著者
花井 久美江 今井 順一 金子 正秀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.608, pp.59-64, 2007-03-12
参考文献数
5
被引用文献数
1

人が2人で廊下を移動する際,横に並んだ「並走」の形態で移動する.しかし前方に障害物があり廊下の幅が狭まっている状況では,相手と衝突せずにスムーズに進めるよう,「並走」から縦に並ぶ「縦走」の形態に自然に切り替える.本論文では,廊下でロボットがユーザと並走して移動する際に,人間同士の場合と同様に前方の障害物に応じてロボットに並走から縦走変切替えを自律的に行わせる方法について検討した.まず,ロボットはユーザがいつ障害物を回避しようとするかなどについて画像から得たデータをもとに判断する.そして,それをもとに,自分が先に行くのか,ユーザに先を譲るのか等の動作モードの切替え判断を行う.ロボットの実機による動作実験を行い,提案手法の有効性を確認した.
著者
渡部翔 金子正秀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.241-243, 2011-03-02

本研究は、自律移動ロボットにおける聴覚センサ(マイクロホン)を用いた<br />オクルージョン環境下での人物認識を目的とする。<br />物陰など視野外にいる人物に対しては、カメラやLRF等の視覚センサでは<br />情報の取得ができないが、音であれば反射や回折などによって情報を取得<br />することができる。<br />本研究では聴覚情報を用いてオクルージョン環境下での人物認識を行い、<br />曲がり角の先やロボット自身の背後など死角になっている部分の環境を予想する。<br />これにより、自律移動ロボットの安全性および利便性の向上に資する。
著者
土橋 正和 今井 順一 金子 正秀
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.11, pp.77-80, 2009-02-28
参考文献数
2
被引用文献数
1

入力顔画像から顔パーツを抽出・分析し、最適な似顔絵テンプレートを自動選択して似顔絵を生成する方法について述べる。形状ベースパターンマッチング手法により、入力顔画像から各顔パーツ(眼、眉、鼻、口)を抽出する。300人分の顔画像データベースから抽出した顔パーツに対して、輝度の主成分分析により特徴量を求め、階層的クラスタリングを用いて互いに似た形状でまとまるように各顔パーツの画像を分類する。特徴量と分類結果を用いてSVMによりマルチクラスの識別器を作成する。この識別器を用いて入力顔パーツのクラスを選択し、対応する似顔絵テンプレートにより似顔絵を描画する。実際にユーザに似顔絵を作成してもらい、手動での作成に比べユーザの負担を軽減でき、また、入力顔の特徴を良く表現した似顔絵を生成できることを確認した。
著者
金子 正秀
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.750-759, 1995-06-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
35
被引用文献数
1 1

知的画像情報処理には, 知識に基づく (知識を利用した) 画像情報処理と, 画像の意味内容に立ち入った画像情報処理という2通りの意味合いを考えることができる.画像理解の分野では, 3次元シーンの理解において, 対象や処理手法に関する知識の利用がいろいろと検討されてきた.一方, 画像理解とは異なる観点から, 画像通信・符号化や画像の編集・操作の分野を中心にして知的な処理要素の導入が進み, 新たな展開が活発になってきている.本稿では, まず知的画像情報処理の中で重要な役割を果たす画像情報の構造化について述べる.次に, 画像通信・符号化, 映像の編集・操作の分野における知的処理の基本的な考え方および研究動向について解説する.
著者
沙 秀 今井 順一 金子 正秀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.681, pp.61-66, 2006-03-15

似顔絵においては個人の顔特徴が端的に表現されると同時に、感性情報を付加することによって、より豊かな個人表現を行うことが可能である。本論文では、異なる表情を持つ二つの顔画像(学習サンプル)の組について、表情の特徴だけを表す表情ベクトルをFisherの線形判別法で決定する。さらに、主成分分析により顔特徴を表す成分と表情の特徴を表す成分とが混合した主成分に対応する固有空間(「特徴固有空間」と呼ぶ)を求める。次に、表情ベクトルと特徴固有空間からGram-Schmidtの直交化法により、顔部品の形状や配置の特徴を表す成分と表情の特徴を表す成分を分離した正規直交基底(「表情独立固有空間」と呼ぶ)を構築する。この表情独立固有空間を用いて、入力顔画像に異なる表情を付与する。合成した表情顔形状が本人の実写表情写真とどの位近いかを確かめるために主観評価実験を行い、表情独立固有空間を用いた表情合成方法の有効性を明らかにした。
著者
奥宮 啓司 金子 正秀 原島 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学
巻号頁・発行日
vol.95, no.533, pp.1-8, 1996-02-23

我々はすでに、画像内容の抽象化という観点から、動画像シーンの階層的表現と抽象化索引映像の利用について提案している。抽象化索引映像とは、人間が見た時にその主題が理解できる程度の概略画像であり、画像データベースにおける見出し画像や、画像を編集、加工、符号化する際の補助画像としての役割等、様々な面での応用が可能である。本稿では、楕円や長方形といったプリミティブ図形を用いて、静止画像並びに動画像に対する抽象化索引映像を作成する方法について述べる。プリミティブ図形を利用することにより、大まかな構造情報を担った形で、コンパクトに記述を行なうことが可能となる。また、動画像シーンの階層的表現と抽象化索引映像を利用したアプリケーションについても検討を行う。
著者
徐 光哲 金子 正秀 榑松 明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.7, pp.1279-1288, 2001-07-01
参考文献数
6
被引用文献数
25

似顔絵は個人の顔の特徴を端的に表現したものであり, 新聞, 雑誌での利用のほか, ホームページへの掲載, エージェントとしての利用など多くの用途が考えられる. 本論文では, 各顔部品の形状特徴, 配置に関する特徴, 及び傾きに関する特徴を個別に制御可能な, より柔軟性の高い似顔絵生成方法について述べる. まず, 眉, 目, 口などの顔部品の各々について輪郭形状に対する固有空間を求める. これとは別に, 各顔部品の配置情報に関する固有空間を求める. 次に似顔絵を生成しようとする対象顔画像について, 各顔部品の形状, 配置の各々について平均顔との差を求め, 固有空間の基底(固有ベクトル)への直交展開を行う. 直交展開により求められた係数に従って強調倍率を決め, 固有ベクトルに対する強調処理を施す. 顔部品の傾きに対しては, 平均顔における顔部品の傾きとの差を2次関数を用いて強調する. これらの結果に平均形状, 平均配置, 及び平均の傾きを加えることにより, 似顔絵の形状を得る. 生成した似顔絵に対して主観評価実験を行い, 似顔絵の生成方法としての有効性を明らかにする.
著者
ロクマン ジュアンダ 金子 正秀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.744, pp.35-40, 2005-03-17

日常生活の中で、我々は環境内の一つ或いは複数のオブジェクトに関わるような行動を良くする。例えば、キーボードをタイプする、電話をしながら歩く、コップで水を飲む、本を読む等である。日常生活における人間の動作の多くは環境内のオブジェクトと密接に関係している。本論文では、オブジェクトとの関係における拘束を考慮して、観測された身体部分の動作を解析することにより、人間の動作を理解する方法について述べる。環境内のオブジェクトと人物の動作との関係の取扱いを容易にするために、環境の3次元モデル及び人物の上半身のスティックモデルからなる仮想世界を構成する。実環境における人物動作をこの仮想世界に反映させることにより、オブジェクトとの関係に基づく人物動作の理解を行う。机の前に座ったユーザが机上のオブジェクトを手で動かすようなシーンに対する実験例により、本方法による人物動作の理解の結果を具体的に示す。
著者
立木 翔一 今井 順一 金子 正秀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.683, pp.43-48, 2006-03-15

人と人とのコミュニケーションにおいて,3次元空間内の相対的位置関係の把握は日常的に行われる.人間共存型ロボットとユーザとが3次元空間内でインタラクションを行う場合についても,ロボットがユーザや空間内のオブジェクトとの相対的位置関係を把握しておくことが重要である.本論文ではロボット,ユーザ,オブジェクトの3者の相対的位置関係を考慮した,実空間内でのロボットとユーザとのインタラクションについて述べる.具体的には,ユーザが目的としたオブジェクトの位置に,ユーザを誘導させるような指示をロボットが行う.入力画像に対し顔領域や髪領域の抽出結果からユーザの位置や向きを認識し,さらに色情報からオブジェクトの位置情報を取得する.これらの認識結果を統合することにより相対的な位置関係を把握し,「1m右」,「2m前」などユーザにとって自然な指示を行う.ロボットの実機を用いた実験により,具体的なインタラクション動作を実証する.