著者
河村 麻果 入江 智也 竹林 由武 関口 真有 岩野 卓 本谷 亮 坂野 雄二
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
認知行動療法研究 (ISSN:24339075)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.191-202, 2020-09-30 (Released:2020-12-23)
参考文献数
29
被引用文献数
1

セラピストが認知行動療法を効果的に実施するためには、クライエントとの良い治療的関係が必要である。そのなかでも特にアライアンスの質の向上が重要視されている。WAI-SRは、アライアンスを測定するうえで適切な心理測定的ツールであることが明らかとなっているが、その日本語版は作成されていない。そこで本研究では、WAI-SRの日本語版(J-WAI-SR)を作成し、その信頼性と妥当性を検討した。その結果、J-WAI-SRは3因子構造と捉えることが妥当であると判断した。収束的妥当性については、日本語版セッション評価尺度との間に想定されたとおりの強い正の相関があった。信頼性については、内的整合性(α=.93, .96)について十分な値が得られ、再検査信頼性についても、許容範囲内の値が得られた(ICCagreement=.75)。以上のことから、J-WAI-SRは一部の信頼性と妥当性が確認された。
著者
村上 覚史 金澤 美緒 村田 亮 関口 真樹 大場 剛実
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.65-69, 2013-01-20

廃用牛における腸管内細菌の生体内移行(bacterial translocation:BT)を解明するため,廃用牛12 頭の臓器を細菌学的,病理学的及び免疫組織化学的手法を用いて調べた.その結果,腸間膜リンパ節(MLN)の91.7 %,肝臓の100 %及び脾臓の66.7%から腸管内細菌が分離された.グラム陰性菌では,Escherichia coliがMLN の16.7%及び肝臓の8.3%から,Klebsiella pneumoniae とPseudomonas aeruginosa が肝臓の8.3%から分離された.グラム陽性菌では,Bacillus 属,Enterococcus 属あるいはStreptococcus 属及びStaphylococcus 属が分離された.S. aureusの分離率はMLN で8.3%,肝臓で25 %,脾臓で8.3%であった.抗E. coliポリクローナル及び抗S. aureus抗体陽性抗原は両菌種が分離された臓器から免疫組織化学的手法で検出された.病理組織学的所見では,多くの検査牛の脾臓濾胞周縁帯に好中球集積層が出現し,MLN 及び脾臓の濾胞にセロイド顆粒の蓄積が目立った.これらの成績から検査した肝臓に異常がみられた廃用牛でBT 及び消耗状態が確認された.
著者
三浦 周 関口 真理子 大倉 拓也 小竹 秀明 白玉 公一 斉藤 嘉彦 カラスコ-カサド アルベルト 阿部 侑真 辻 宏之
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J106-C, no.9, pp.344-353, 2023-09-01

5G/Beyond 5Gと衛星通信を含む非地上系通信網(Non-Terrestrial Networks:NTN)の連携に関し,現在の動向や技術課題,情報通信研究機構(NICT)による研究開発の取組みを俯瞰的に記述する.衛星通信を含むNTNプラットホームが低軌道(Low Earth Orbit:LEO)衛星,高高度プラットホーム(High-Altitude Platform Station: HAPS)等の登場や電波・光技術の進展によって従来よりも大容量化,低遅延化,低コスト化が進んでいる.これを背景として,衛星通信/NTN-5G/Beyond 5G連携のためのネットワークアーキテクチャや無線アクセス方式が検討され,The 3rd Generation Partnership Project(3GPP)等での標準化が進んでおり,国内でも議論や提言,構想の提案がなされている.衛星通信/NTN-5G/Beyond 5G連携のキーとなる技術はネットワーク技術と,これを支える電波・光技術である.NICTでは,Beyond5Gにおける海・空・宇宙をつなぐ3次元ネットワークの実現を目指して衛星通信/NTNと5G/Beyond 5Gの連携技術の研究開発の取組みを進めている.ネットワーク技術では,異なる特徴をもつ複数のネットワークを連携させ,ユーザ及び運用事業者の満足度を最大化するため,統合的なネットワーク制御が必要である.そのため5Gネットワークと衛星の連携の研究や,NTNと地上系を相互接続するためのシステム構成の検討,リソース割当アルゴリズムの開発を行っている.電波技術では,高速大容量化を実現するための高周波数帯(Ka/Q/V帯)の利用,高速大容量化のためのマルチビーム化と周波数利用効率を向上するためのデジタル化を活用したリソース割当の柔軟性の向上,移動体地球局の柔軟性向上のための電子走査型平面アンテナ(AESA)の開発を行っている.光技術では,高速大容量通信や小型軽量化を実現できる利点を生かし,GEO衛星やLEO衛星,HAPS,ドローン等様々なプラットホームに搭載可能な光通信機器の開発や,地上衛星間光通信における大気揺らぎを補償する補償光学の研究を行っている.
著者
前田 香 関口 真有 堀内 聡 Justin W. Weeks 坂野 雄二
出版者
日本不安症学会
雑誌
不安症研究 (ISSN:21887578)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.113-120, 2015-03-31 (Released:2015-05-29)
参考文献数
17
被引用文献数
5 6

他者からの肯定的評価への恐れは,社交不安症の認知的特徴である。本研究の目的はFear of Positive Evaluation Scale(FPES)日本語版の信頼性と妥当性を検討することであった。対象者は324名の大学生であった。確認的因子分析の結果,原版と同様に8項目1因子構造が確認された。また,内的整合性と5週間の再検査信頼性は原版と同様に高いことが示された。妥当性を確認するために,他者からの否定的評価への恐れ,および対人交流への不安との関連性を検討した。その結果,予測された関連性が確認された。第一に,対人交流への不安,他者からの否定的評価への恐れとの間に正の相関が認められた。第二に,他者からの否定的評価への恐れを統制した場合に対人交流への不安を予測した。したがって,FPES日本語版の信頼性と妥当性が確認され,その有用性が議論された。
著者
河村 麻果 入江 智也 関口 真有 坂野 雄二 本谷 亮
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
認知行動療法研究 (ISSN:24339075)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.73-88, 2022-01-31 (Released:2022-04-01)
参考文献数
31

認知行動療法をより効果的に提供するためには、セラピストを対象とした同盟の質の向上を促す訓練が必要である。そこで本研究では、同盟の質の向上に重要だと考えられる訓練要素から構成される訓練プログラムを作成し、その効果検証と、よりよい訓練プログラムを作成するための情報を得ることを目的としたパイロットスタディを実施した。その結果、同盟の質の向上についての訓練効果はわずかであったが、同盟の質の改善のためのスキルを用いる自信を高めることができた。今後は、同盟の質を評価する方法を改善し、基礎的な治療関係スキルの訓練と困難事例を対象に治療関係スキルを用いるための2つのステップから訓練を構成する必要性があることが明らかとなった。
著者
志賀 朋子 志賀 清彦 菊池 式子 東岩井 久 米田 真美 関口 真紀 石垣 洋子 森山 紀之 小澤 信義
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.525-529, 2017 (Released:2017-12-22)
参考文献数
4

目的:当施設では2014年4月より婦人科検診の精度向上のため子宮頸部擦過細胞診をThinPrep法による液状化細胞診(liquid based cytology:以下,LBC法)に変更した.今回我々は,従来法とLBC法との検出率の比較を行い,LBC法の効用について報告する.対象と方法:当施設で実施した子宮頸部擦過細胞診について,2013年(1~12月)の20,341件従来法と2015年(1~12月)の21,690件LBC法を対象とした.不適正標本出現率と異型細胞診検出率を比較した.LBC法はThinPrep法(オートローダ―)を使用した.結果:不適正標本出現率は従来法0.39%,LBC法0.10%,異型細胞検出率はASC-US(Atypical squamous cells of undetermined significance):従来法0.84%,LBC法0.77%,ASC-H(Atypical squamous cells cannot exclude HSIL):従来法0.01%,LBC法0.03%,LSIL(Low-grade squamous intraepithelial lesion):従来法0.30%,LBC法0.60%,HSIL(High grade squamous intraepithelial lesion):従来法0.22%,LBC法0.29%であった.考察:LBC法は従来法と比べ,不適正標本出現率を軽減した.LBC法は細胞回収率を高く保ち,標本作製までの技術差を解消できたことが要因であると考えられる.鏡検過程でのスクリーナーの負担軽減やLBC法への移行に伴う細胞所見の観察に関する研修も必要であると考える.その反面デメリットは初期投資やランニングコストの増加,血液の前処理などの増加がある.結語:LBC法への移行は不適正標本の減少,異型細胞検出率の向上をもたらし,鏡検時間の短縮など,細胞検査士の負担も軽減したと考える.
著者
関口真大編著
出版者
大東出版社
巻号頁・発行日
1978
著者
峯松 信明 広瀬 啓吉 関口 真理子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.2186-2196, 2002-07-15
被引用文献数
9

対話システムの高度化にともない,入力音声から単に言語情報(文字情報)を抽出するだけでなく,話者性や感情など,話者の静的および動的特徴を的確に把握しながら効率的に対話を遂行することを目的とした研究が行われるようになってきた.本論文では種々の話者特性の中でも「年齢」に焦点を当てる.特に高齢化社会を考慮し,音声の音響情報より高齢話者を特定する手法を提案する.本論文ではまず,高齢話者音声データベースに対して聴取実験を行い,「高齢者であることを意識した対応が必要である」と考えられる話者を特定した(主観的高齢者).先行研究より高齢者としての特徴がスペクトル情報に反映されるとの知見があるので,主観的高齢者の同定を話者認識技術を利用して行った.その結果,約91%の正答率が得られた.さらに,聴取実験の結果得られた「高齢者としての対応が必要である」と判断した理由について分析し,スペクトル情報以外の音響情報である韻律的特徴を実験的に検討した.その結果,話速とパワーの局所変動を考慮することで,同定率を約95%まで向上することができた.また,提案手法に基づいて,発話者に対する主観的年代の自動推定に関する分析を行ったのでその結果についても報告する.Recent advancement of spoken dialogue systems requires techniques not only torecognize users' utterances, but also to capture their static and dynamiccharacters, with which more efficient and fruitful dialogue between humans andmachines can be realized. In the current paper, research focus is placed uponspeakers' agedness as one of the static characters and a method of automaticallyidentifying elderly speakers only with their voices is proposed. Firstly inthis paper, a listening test was done for JNAS and S-JNAS databases wheresubjects were asked to estimate each speaker's agedness subjectively and judgewhether the subjects should take special care of their speaking styles when talking tothe speakers. Secondly, a series of experiments were carried out to automaticallyidentify the subjectively-defined elderly speakers. In the first experiment,GMM-based speaker recognition techniques were immediately used and 91 %accuracy was obtained. Through experimental examinations of various prosodicfeatures, speech rate and local power perturbation were added to the GMM-basedidentification in the second experiment. The performance was raised up to 95 %.Finally, a method was also devised to estimate speakers' agedness using theproposed techniques. A rather high correlation between the agedness estimated bythe method and that obtained by the subjective listening test indicates thehigh validity of the method.
著者
関口 真良 中島 隆 奥村 康行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.1209-1218, 2006-04-15

いつでもどこでもネットワークにつながるユビキタス時代の到来により,ユーザはその場にある端末を利用して自分の環境へアクセスできるようになる.この際,ヘテロジーニアスな環境から一様にアプリケーションを操作できるシステムが必要である.本論文では,サーバベースコンピューティングを利用し,単一なユーザ環境を提供するための,ユビキタスな各端末で動作するシンクライアントについて述べる.特に,ユビキタス端末の中でもスペックの厳しい携帯電話上で動作するシンクライアントを実現することを目標とする.携帯電話の狭帯域・高遅延な通信特性を克服するために,UI コンポーネントベースの軽量プロトコルと,ユーザイベントの予測に基づいた投機的実行の2 つの手法を提案し,携帯電話上でも高速なレスポンスを実現できることを述べる.また,プロトタイプシステムと,その上で動く2 つのアプリケーションについても述べる.In the coming ubiquitous age, people can browse their own information space anytime and anywhere. In that age, it is important to provide the unique interface for users whenever and wherever they are. In this paper, thin client system is proposed, which provides unique interface, operates on the several terminals, and is based on Server-Based Computing technology. To achieve comfortable operation even on a cellular phone, two techniques are proposed. One is UI component based lightweight protocol. The other is speculative execution mechanism based on user event prediction. These two proposals can achieve quick response even on a cellular phone. In addition, two applications implemented on the prototyping system are described.
著者
関口 真 右田 剛史 尺長健
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.18, pp.189-196, 2005-03-04
参考文献数
9

物体表面の反射特性の表現法として双方向テクスチャ関数(BTF)が提案されている.厳密なBTFの獲得はパラメータの自由度が高く,困難である.そこで本稿では,パラメータの自由度を減らすために,基底反射モデルの線形結合による表現方法について述べ,これを用いた反射特性と物体形状の同時復元について検討する.基底モデルにTorrance-Sparrowモデルを利用して,反射特性の表現に必要なパラメータ(基底モデル・結合重み・形状・光源位置)の推定を行う.推定するパラメータ数が十万を超える大規模非線形最適化問題であるが,共役勾配法を拡張したBDCG法によって解くことができる.陶器を対象物体とし実験を行い,手法の有効性を確認した.Synthesizing photo-realistic images requires realistic models for geometry and photometry. We address an acquisition and representation method for a Bidirectional Texture Function which is a 2D array of functions representing appearance changes of a texture with respect to changes in lighting condition. We discuss a method for simultaneous estimation of the model parameters and the object shape from real images of potteries