- 著者
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上阪 彩香
- 雑誌
- じんもんこん2015論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.2015, pp.15-22, 2015-12-12
本研究では,江戸時代前期の俳諧師・浮世草子作者である井原西鶴(1642?~1693)の作品の文章 の特徴について,数量的な観点から検討を行った.西鶴作品は我が国の文学史における重要性から, 多くの国文学者によって思想や記述内容の検討,成立に関する歴史的考証が続けられてきたが,西鶴 作品の中でも浮世草子には,著者や成立年代等について今なお疑問が出され,解明すべき問題が残さ れている.西鶴は浮世草子のほかにも作品を残しており,役者評判記『難波の貌は伊勢の白粉』,浄 瑠璃『暦』『凱陣八島』,地誌『一目玉鉾』の 4 作品は西鶴著である.これらの作品は浮世草子と同 じ散文で書かれていることから,浮世草子に提出されている著者問題を検討する際に有効な情報とな る可能性がある.本研究では,浮世草子,役者評判記,浄瑠璃,地誌とジャンルの異なる作品におい ても,著者が西鶴とされている作品であれば,同一の文章の特徴を示すのかを主成分分析を用いて検 討した.