著者
阪田 史郎 青木 秀憲 間瀬 憲一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.89, no.6, pp.811-823, 2006-06-01
参考文献数
56
被引用文献数
54

インターネットや携帯電話網などの従来のネットワークにはない無線マルチホップの新しい形態で通信を行うアドホックネットワークは,ユビキタスシステムにおける重要なネットワークとして,特に1990年代末以降活発な研究がなされてきた.2003〜2004年にはユニキャストルーチングについて,IETF(Internet Engineering Task Force)のMANET(Mobile Ad hoc NETwork) WGにおいて三つのプロトコルがExperimental RFCになり,現在Standard TrackのRFCに向けた作業が進展している.また,大規模なテストベッドの構築が進展し,実用化への期待が高まっている.本論文では,アドホックネットワークについて,これまでの研究,標準化の動向を述べた後,MAC層でのアドホック(無線マルチホップ)ネットワークの実現技術として,2004年5月に検討が開始されたIEEE802.11sにおける無線LANメッシュネットワークに関する標準化状況,研究内容,アドホックネットワークの今後の進展を展望する.
著者
阪田 史郎 山田 曉 飯塚 宏之 伊藤 哲也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 = The journal of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.92, no.10, pp.841-846, 2009-10-01
参考文献数
28
被引用文献数
7

アクセスポイント同士をメッシュ状に接続した無線マルチホップネットワークの一形態である,無線LANメッシュネットワークについては,多くの製品の出現とともに,IEEE802.11sにおける標準化が終了し,実用化が進展しつつある.通常のシングルホップの無線LANに比べて広い範囲で利用できるだけでなく,ネットワークの負荷分散,う回路の設定による信頼性向上などが可能となり,今後の普及が期待されている.本稿では,無線LANメッシュネットワークの最新技術について,標準仕様の概要,特徴的な製品の紹介とそれらの位置付けに関する動向を述べ,今後の進展を展望する.
著者
阪田 史郎 青木 秀憲 間瀬 憲一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J89-B, no.6, pp.811-823, 2006-06-01

インターネットや携帯電話網などの従来のネットワークにはない無線マルチホップの新しい形態で通信を行うアドホックネットワークは,ユビキタスシステムにおける重要なネットワークとして,特に1990年代末以降活発な研究がなされてきた.2003~2004年にはユニキャストルーチングについて,IETF(Internet Engineering Task Force)のMANET(Mobile Ad hoc NETwork)WGにおいて三つのプロトコルがExperimental RFCになり,現在Standard TrackのRFCに向けた作業が進展している.また,大規模なテストベッドの構築が進展し,実用化への期待が高まっている.本論文では,アドホックネットワークについて,これまでの研究,標準化の動向を述べた後,MAC層でのアドホック(無線マルチホップ)ネットワークの実現技術として,2004年5月に検討が開始されたIEEE802.11sにおける無線LANメッシュネットワークに関する標準化状況,研究内容,アドホックネットワークの今後の進展を展望する.
著者
上田 鉄雄 東 浩 縄田 敏郎 阪田 史郎
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1923-1924, 1986-10-01

会議支援システムは,電子黒板/タブレットやプロジェクタ等の会議用機器と,ワークステーション(WS)/パソコン(PC),ファイルサーバ,LANを有機的に結合し,手書きによる討議メモの作成や会議結果の保存,会議中におけるリアルタイムな情報検索,メールによる会議開催通知や議事録の配布など,会議をトータルに支援する各種の機能を提供している。本稿では,電子黒板/タブレットからの手書きデータの入力処理方式,手書き文書の作成や編集などの文書処理機能について述べる。
著者
阪田 史郎 上田 鉄雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.249-258, 1990-02-15
被引用文献数
5

ネットワーク技術やワークステーション(WS)技術の進展に伴い 分散オフィス環境下における意思決定や問題解決などのグループ協同作業を支援するシステムの研究開発が盛んになっている.グループ協同作業を支援する通信手段としては 電話やFAX 電子メールをはじめとするWSを用いた様々な形態のデータ転送などがあるが 現状ではこれらが個別に実現され 統合した形での効果的な利用には至っていない.本論文では これらの通信手段を結合した形態でのグループ協同作業の支援を目的として開発を行った在席会議システムについて述べる.本システムは LANに複数のパソコンを接続した構成により 多者間で自席にいながらにして打合せや協議を行うことを可能にする.各パソコンには電話機が結合され 音声で話をしながら 文字 図形 イメージ 手書きから構成されるマルチメディア情報の提示 同時参照を行うことができる.本論文では 本会議システムの設計基盤として採用した通信プロトコルについて述べた後 システムの特徴 利用機能 実現方式を説明する.さらに 実際のオフィスにおいて約1年間利用実験を行い 種々の観点から評価した結果とその考察を述べる.本システムを用いることにより 構内においても複数者間での会議・打合せ ソフトウェアの協同開発 文書の協同作成・編集などの協同作業を効果的に支援することが可能である.
著者
増田 修士 萩谷 展之 松尾 太一 後藤 康宏 阪田 史郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.578, pp.61-66, 2007-03-01
被引用文献数
5

アドホックネットワークにおけるルーティングにおいては,通信経路の確立後に経路上の中継ノードにかかる負荷のことは考えられていない.本稿では経路を構成している中継ノードを動的に切り替えることで,初めに経路に選ばれたノードに負荷が集中してしまうことを避け,その中継ノードの周りに存在するノードに負荷を分散させる方式を提案する.提案方式は,AODVで用いられている定期的にブロードキャストされる制御メッセージを利用し,切り替えのために必要な情報をそのメッセージに付加することで動的な切り替えを可能とする.また,シミュレーション評価によって提案方式の有効性を示す.
著者
阪田 史郎 塩田 茂雄
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

外部電源供給型の固定ノードとバッテリー駆動で無線中継機能を有する移動ノードが混在するハイブリッドノード構成型アドホックネットワークに関し、混在構成の特徴を活かした高信頼化・省電力化・高寿命化技術を確立し、その有効性を定量的に示すことにより、センサネットワーク、ホームネットワーク、VANET(車車間/路車間通信)、無線LANメッシュネットワーク、DTN(Delay/Disruption Tolerant Network)など多様な各マルチホップ・アドホックネットワークの共通的な技術課題を横断的に解決した。
著者
廣瀬 文哉 高橋 淳 阪田 史郎 柳原 健太郎 福永 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク : IEICE technical report (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.47, pp.31-36, 2009-05-15
被引用文献数
1

センサネットワークにおいて,無線端末はバッテリ駆動のため消費電力を削減することが重要な課題となる.IEEE 802.15.4ビーコンモードでは,スリープ制御の実装により省電力を実現する.しかし,間欠動作を行うため,トラッフィクの増大に伴う輻輳が起こり,到達率低下,遅延増大,再送による消費電力の増大などを引き起こす.本稿では,IEEE 802.15.4ビーコンモードにおいて,複数ビーコンを利用することで各ノードにマルチパスを持たせ,輻輳を回避する方式を提案する.間欠動作から起こる輻輳を回避するReal-Multipath,シンクノード周辺の輻輳を回避するVirtual-Multipathの二種類のマルチパスを設定する.シミュレーションによる性能評価を行い,提案方式を用いることで低消費電力を維持しながら高配信率,低遅延,負荷分散を実現することを示す.