- 著者
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阿久津 英憲
- 出版者
- 国立研究開発法人国立成育医療研究センター
- 雑誌
- 挑戦的萌芽研究
- 巻号頁・発行日
- 2013-04-01
受精卵は細胞核リプログラミング現象に関して2つの非常に興味深い事象を提示している。これまで受精卵の全能性で重要である遺伝子発現量補正に関わるX染色体の不活化機序に着目し卵子細胞における刷込み型X染色体不活化が卵子細胞核タンパク質の特定の化学的修飾(H3K9me3)により制御されることを見出した。これを受け、X染色体不活化を制御することで全能性獲得に寄与する転写因子を探索し、Pou5f1(Oct4)がこのエピジェネティック リプログラミングに関与することを見出した(本成果は国際誌へ投稿中)。卵子のリプログラミング分子機序から受精卵の全能性機能を解明するキー因子の働きを明らかにできた。