著者
木村 元
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.79-84, 2013-03-25 (Released:2017-08-01)
参考文献数
44

The problem to search physical principles of Quantum Mechanics is discussed by focusing on its significance from both points of view of instrumentalism and realism. After a brief review of the general probabilistic theories, we introduce the recent developments of the problem which are derived especially in the field of quantum information theory.
著者
佐藤 広大
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.21-26, 2020 (Released:2020-11-18)
参考文献数
12

The topic of this paper is an intention. John Searle distinguished two types of intention: a prior intention and an intention in action. Subsequently, Hubert Dreyfus and Elisabeth Pacherie presented their views of intention in action. This paper places importance on Dreyfus’ view among three views of intention in action. In my view, on the one hand, Searle and Dreyfus discussed a propositional intention in action. Regarding this discussion, I argue that Dreyfus’ view is superior to Searle’s view. On the other hand, Pacherie presented the view of non-propositional intention in action. I argue against her view by invoking Dreyfus’ insights about a propositional intention in action.
著者
田中 裕
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.117-122, 1989-12-25 (Released:2009-07-23)
参考文献数
9

1964年に発表されたベルの不等式の実験的検証は1970年代から複数の科学者グループによって遂行されたが, 1982年にフランスの物理学者アラン・アスペによって行なわれた光子対の偏極相関の範囲を測定する実験は, 実験の精度の高さと遅延選択の採用による非局所的相関の確認によって, 量子物理学の解釈をめぐる原理的諸問題の考察に新しい局面を拓いたといえる(1)。嘗ては思考実験にすぎなかったものが技術の進歩によって現実の実験となることによって, 1930年代にボーアとアインシュタインの間でなされた量子力学の完全性をめぐる哲学的論争が新しい姿で甦ることとなった。この論文は二部に分かれる。第一部ではEPRの議論に要約されるアインシュタインの量子力学批判を適切な形で再定式化することによって, ベルの定理との論理的な関係を明らかにすることを目的とする。ベルの不等式の実験的反証によって明らかとなった「分離不可能性」の事実を確認したあとで, 第二部ではEPR相関と相対性理論の基本思想との関係を主題とする。
著者
石田 知子
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.59-79, 2020 (Released:2020-04-11)
参考文献数
39

The common idea that a gene encodes a phenotypic character has played an important role in the theory of evolution, one of whose origin is population genetics. Today, the relationship between a gene and a phenotype is sometimes interpreted informationally, i.e., a gene conveys phenotypic information. In this study, the nature of genetic information about phenotypes is discussed by considering teleosemantics. It shows that phenotypic information is not carried by a single gene, but by a genome containing multiple genes and the regulatory regions which form the related gene networks.
著者
永岑 光恵
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.93-101, 2008-03-30 (Released:2010-06-17)
参考文献数
46

Lying is a complex cognitive process involving cognitive-emotional interactions, and exhibits features consistent with the use of the ‘higher’ or ‘executive’ centers of the brain. While the lie detector relies on the peripheral response and has brought very little insight into the neural mechanism of lying, functional neuroimaging techniques (especially functional magnetic resonance imaging) have recently been used to clarify the brain mechanisms for lying. These techniques have enabled to clarify the functional contributions of the prefrontal cortex during lying, however, its precise anatomy and accurate detection of deception await elucidation.
著者
伊佐敷 隆弘
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.9-16, 2005-10-25 (Released:2009-07-23)
参考文献数
34
被引用文献数
1 1

「見かけの現在 (specious present) 」とはウィリアム・ジェイムズ (William James 1842~1910) が1890年に公刊した心理学に関する主著『心理学原理』の中で提出した概念である.本論文では同書に拠りジェイムズのこの概念に関して以下のことを明らかにする.即ち, 見かけの現在は瞬間ではなく幅を持つ現在であり, 「時間が経過しても過去へ移行しない」, 「その中で継起的経験が生じうる」という特徴を持つ (1, 2節).この特徴は, 見かけの現在が「一体として経験される」こと即ち「意識の連続性」に基づく.さらに, 意識の連続性は, 見かけの現在がその内部において, また未来と過去へ向けて, 「辺縁」を持つことに基づく (3, 4節).未来向きの辺縁とは「予視的時間感覚」であり, 過去向きの辺縁とは「再生的記憶」から区別された「1次記憶」である.また, これらの辺縁が我々の未来経験や過去経験の原型である (5, 6節).しかし, 「見かけの現在」はあくまでも物理的時間の存在を前提にした心理学的概念であり, 物理的時間における現在は瞬間であるとジェイムズは考えている (7節).
著者
青山 拓央
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.25-29, 2005-10-25 (Released:2009-07-23)
参考文献数
11

心身相関の同時性はどのように確保されるのだろうか.あるいは現象的経験における「現在」の存在を認めるとき, 私と他者との現在は共有されているのだろうか.スーパーヴィーニエンスの概念やトークン同一性に訴える議論は, 物的一元論と調和する反面, これらの問いに答えてはいない (循環に陥る危険性が高い).他方, 心身の相互作用を認める素朴な二元論は, 意外にもこれらの問いに明確な返答を可能とする.本稿の議論が妥当であるなら, 素朴な心身二元論はむしろ, 心身や自他の時間的な一元化をうながすといえるだろう.
著者
石垣 壽郎
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.49-53, 2005-03-25 (Released:2009-07-23)
参考文献数
4

確率論の数学的な考察が始まったとき, 確率は状況がもっている傾向性として考察されていたことを指摘する. そして, 本質的に確率的な過程における対象の実在的な状態と確率との関係, および, これらとわれわれの知識との関係を考察し, 確率の傾向性解釈のもとで量子力学の観測問題を再考する.