著者
川島 尊之
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.74, no.10, pp.555-561, 2018-10-01 (Released:2019-04-01)
参考文献数
11
著者
馬場 紘彦 江端 正直
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.425-436, 1995-06-01 (Released:2017-06-02)

本研究は、救急車の警告音について住民意識調査を行い、多重分析法を用いて因果分析を行い検討したものである。調査は、久留米市の救急病院周辺と住宅地の4地域を、メッシュ統計で区分けして、留め置き法で行い、1,183人の有効な回答を得た。分析結果を以下に述べる。警告音は、住民に交通騒音と同程度に邪魔に感じられており、不快感や睡眠の妨害等、心理的にかなりの影響を及ぼしている。次に、「気になる」ことに着目すると、その時間帯がほとんど夜間であり、昼間と答えた人は1.3%にすぎない。そして、すべての地域で「聞こえる回数」が強く影響を及ぼしている。また、「住居地と主要道路との間の距離」、「年齢」、「世帯」による差は、地区により異なる。
著者
西村 竜一 末永 司 鈴木 陽一 田中 章浩
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.63-72, 2008-02-01 (Released:2017-06-02)
参考文献数
19
被引用文献数
1

近年,一定の音質劣化を許容した符号化法が多く開発されている。これらの技術にはマスキングなど比較的末梢系に由来する聴覚特性が用いられている。しかし,人間は音の知覚の際にこれらの技術に用いられている聴覚特性以外にも多くのものを利用していると考えられる。そのような高次機能も含めた聴覚処理機構によって音質劣化がどのように知覚されるのかを,音質劣化を直接評価する評定実験とSD法による印象評定実験によって解明することを試みた。その結果,音質劣化が大きくなると共に美的・叙情的因子,明るさ因子が低下することが分かった。また,一部の刺激では,直接的な評価によっては知覚されなかった音質劣化が,印象の差として知覚されている様子が観察された。
著者
秋山 好一 松田 稔
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.53, no.12, pp.915-921, 1997-12-01 (Released:2017-06-02)

古賀政男音楽作品は"古賀メロディ"として多くの人々に親しまれてきた。本論文では, 古賀メロディに共通する旋律の特徴を述べている。特徴抽出にはメロディパタンのスペクトル表現に階層的ファジィクラスタ分析を適用した。クラスタ分析において古賀メロディが集群する階層が存在した。この集群したクラスタから得られる類似関係は, 旋律輪郭の滑らかさにあることが分かった。実験結果から, 古賀メロディの特徴の一つとして, 旋律全体の滑らかさと部分旋律における滑らかさに相似関係が存在することが明らかになった。このことは, 16小節程度の旋律進行は4小節程度の部分旋律における旋律進行から予測できることを意味している。