著者
百瀬 治彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.386-394, 1979

自動焦点カメラの焦点調節原理には, 像鮮明度を求めるものと, 被写体までの距離を求める方式に大別される.ここでは自動焦点カメラの開発動向と, 世界で初めて商品化された, 被写体までの距離を求める方式のコニカ C35AF を例にして, その距離検出原理, 自動焦点調節動作原理, 自動焦点カメラの今後の課題等について述べる.
著者
田中 元一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.8, pp.798-799, 1989-08-20

1988年5月5日「こどもの日」に, 日本テレビ開局35年番組「チョモランマがそこにある」で頂上からの360°パノラマ風景のテレビ生中継に成功し, 世界の茶の間にその感動を伝えることができた.その実現までの問題やエピソードを紹介する.
著者
宮里 勉
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.1123-1130, 1993-08-20
被引用文献数
2

画像内のレイアウト情報を検索キーとする画像検索手法で重要となる, 人間が持つ位置関係の想起精度の測定結果を報告する.レイアウト情報を用いる検索では, 検索者が想起した位置の正確さが重要であり, 指定された位置と一致したと判断する範囲の大小は, 検索時間の長短に影響する.しかし, これまで検索者が想起した位置の正確さについては充分に調べられていなかった, 本稿では, 興味の度合いの個人差による記憶保持の強さへの影響を避け, 短期記憶の記憶保持時間内での想起の精度を測定した.実験では, 被験者に画面内の一個の点の位置を記憶させ, 2秒後に想起させた位置と真の位置との差を測定した.また, 位置の記憶に対する表示領域の影響および記憶用と想起用の画面サイズの相異の影響を調べた.測定の結果, 短期記憶の保持時間内において, 真の座標からのズレの分布は, 平均値が0で標準偏差値は想起用の正方画面の1辺の長さの約5%であった.
著者
福地 一 都竹 愛一郎
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.318-325, 1993-03-20 (Released:2011-08-17)
参考文献数
44

近年, 通信・放送分野のみならず, 電波測位・航法, リモートセンシング, 産業等, 多くの分野での電波利用が進み, 周波数の有効利用がますます重要となっている.放送分野では, その技術の歴史が, 周波数有効利用技術の歴史ともいえる.ここでは放送分野での周波数有効利用の例を紹介するとともに, 新周波数帯の開拓に関する話題を紹介する.
著者
宮里 勉 岸野 文郎
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.1353-1356, 1995-10-20 (Released:2011-08-17)
参考文献数
11
被引用文献数
2 3

臨場感通信会議等の仮想環境と実環境の融合した状況において仮想物体を操作する際の, 力フィードバック装置から受ける力感覚情報と, 表示装置から受ける視覚情報との問の時間遅延を想定して, 視覚情報と触覚情報の問の遅延知覚を主観評価実験により調べた.
著者
大槻 義彦
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.41, no.12, pp.1162-1166, 1987-12-20 (Released:2011-08-17)
参考文献数
6

火の玉観測情報センターによって収集された2000件に及ぶ情報分析結果を報告する.さらに, 火の玉のメカニズムについての各種のモデルについて概説する.静電気説に基づいた実験についても述べ, 実際の実験結果についても述べる.
著者
伊藤 士郎
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.388-395, 1982-05-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
14

ここ一両年, 外国電波によるわが国テレビの受ける混信が顕著になってきた. これはスポラディックE層によるVHF電波の伝搬に伴う現象であり, ここでは, 混信妨害対策を検討する際に必要となるこの種伝搬の諸特性, 近隣諸国における関連周波数送信局の配置および混信の実情について述べる.
著者
金城 寿雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.179-183, 1982-03-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1
著者
竹田 仰 金子 照之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.1935-1940, 1996-12-20
参考文献数
18
被引用文献数
42 10

視覚情報によって生じる運動感覚は, 視覚誘導自己運動感覚(Vection)と呼ばれている.Vectionが人の生体生理に及ぼす影響について測定することは, 人工現実感における臨場感の効果を把握する上で重要である.我々は, Vectionに関する知見を深めるために, 非常に広い視野角を有する, ハーフドーム型スクリーンを用いて, 映像の揺れに対する被験者の直立姿勢時の重心動揺の測定を行った.本論文では, 水平面・垂直面を強調した2種類のCG映像, ロール・ピッチ・ヨーの3種類の揺れ方向, 0.1〜0.4Hzの4種類の揺れ周波数, 15〜45゜の3種類の揺れ角度に対する重心動揺の影響を調べた.その結果, 垂直面を強調した映像をロール方向に大きく揺らすなど, 重心動揺に及ぼす影響が大きいことが明らかになった.また, 映像の揺れ周波数が低いときは, 映像と重心動揺の位相は一致しているが, 揺れ周波数が高くなるにつれて, 位相のずれが大きくなり, 0.3Hzを越えたところで90゜の位相遅延を生じることが示された.
著者
杉原 尚示
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.45, no.8, pp.964-965, 1991-08-20

報道記者が簡単に操作できる, 報道速報システムと, LAN接続されたパソコンによる電子テロップを開発し, ニュース報道における速報性やニュース項目の柔軟性に効果をあげている.
著者
宮原 誠 吉田 育弘
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.10, pp.1129-1136, 1989-10-20 (Released:2011-08-17)
参考文献数
12
被引用文献数
4 7

カラー画像処理や符号化の研究は, (1) 信号を人間の色知覚の3属性 (Hue, Value, Chroma) にもとづく均等知覚空間上で, (2) 処理誤差を実際に知覚される色差と関係づけて扱うことが有効である.この目的で用いる均等色空間として, 色差が定義されている (H, V, C) マンセル色空間を用いることとした.しかし, CIE (1976) L*a*b*色空間にもとづく (R, G, B) ↔ (H, V, C) データ相互変換は精度が低く, また変換表を用いる方法も, 表を内挿する必要があるなど, 実用上の支障が多い.そこで本論文では, MTMと名付けた数学的 (R, G, B) → (H, V, C) データ変換方法を提案する.MTMは, ある仮定した変換関数の未定係数を, カラーテレビの色再現範囲から均等にサンプルした250の代表色にもとつく重回帰分析によって決定したものである.また, ニュートン法を応用した逆変換の方法を示した.最後に, MTMとこの逆変換法を組み合せれば, 充分精度良く, かつ, 簡単に (R, G, B) ↔ (H, V, C) データ相互変換が行えることを確認した.
著者
河村 貴弘 土肥 浩 石塚 満
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.1296-1304, 1995-10-20
被引用文献数
5

魚のモデリングには, NURBS(Non-Uniform Rational B-Spline)を用いている.このことによって, 魚の形状データは簡素化され, タラのような紡錘型の魚であれば, 8×4程度の制御点で滑らかな魚の形状(片面)が生成される.魚のひねりは, NURBSの制御点をグループ化した制御点群を固有の数学関数で動かすことにより実現しており, 体長が変化しないように逆運動学の考え方を適用している.ひねりは自然ひねり, 左ひねり, 右ひねりの3種類を基本とし, ひねりの振幅やピッチはパラメータで調節できる.魚のグローバルな動きは, 直進, 左ターン, 右ターンの3種類を基本とし, ひねりと同期させることで自在な魚の動きを実時間で表示できるようになっている.また, 乱数を利用したメンタルモデルに基づいて, 魚の自律性を実現している.群れに関しては, 魚特有の側線器官を考慮し, 近接した魚どうしが速度と間隔を調整するという規則に基づいてシミュレートしている.
著者
外山 昇 三浦 秀一 小渕 知己 宮田 吉秀
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.67-74_1, 1989
被引用文献数
4

放送衛星3号 (BS-3) は, 昭和65年度にBS-3aを, 昭和66年度にBS-3bをH1ロケットにより打上げることを目標に開発が進められている.BS-3の放送用アンテナは, 沖縄地方の利得向上, 低サイドローブ化などBS-2よりも厳しい要求があるが, 楕円開口オフセットパラボラ反射鏡と, 1次放射器として楕円コルゲートホーンおよび短辺にコルゲートを施した長方形ホーンを用いることにより, 要求条件をすべて満たす設計とすることができた.設計の妥当性を確認するために開発モデル (EM) を製作し, 各種試験を実施した.パターン測定の結果, 12GHz帯テレビチャンネルにおいて, 東京39.6dBi以上, 那覇36.8dBi以上, などの利得が得られ設計の妥当性が確認できた.また, 熱歪による利得の変動は0.1~0.3dB程度で, 熱歪時でも要求利得を満たすことが解析により確認できた.
著者
福島 能久 大原 俊次 宮崎 弁一 守屋 充郎 佐藤 勲 吉田 富夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.10, pp.1410-1417, 1990-10-20

相変化材料を用いた1ビームオーバライト可能なデータファイル用光ディスク装置を開発した.追記型と同構成の光ヘッドを用いてオーバライト機能を実現した.ディスク径は86mm, 容量は280MBである.また, 可動部が9グラムの分離型光ヘッドにより42msのシーク時間を実現した.オーバライトは, 1つのレーザ光によりアモルファス状態と結晶状態を可逆的に生成することにより行う.再生信号はアモルファス部と結晶部の反射率差から得られる.光ディスクは, 実使用条件下で数10万回以上の書換えが可能であり, さらに, 欠陥管理を行うことにより, 実質的には100万回以上の書換えを可能にした.
著者
福田 忠彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.492-498, 1978-06-01
被引用文献数
4 2

アルファベット, 単純幾何学図形などを刺激図形とし, これを網膜上の各部位に短時間呈示した場合の見え方を測定した.その結果, 網膜上における視機能は, 周辺部では比較的単純であるが中心部になるほど複雑で高次のものとなる階層構造を形成していること, しかもそれは視覚心理における機能的構造の反映であることを明らかにした.