著者
細見 彰洋 瓦谷 光男
出版者
The Kansai Plant Protection Society
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.29-32, 2004 (Released:2011-09-12)
参考文献数
10
被引用文献数
8 6

いや地対策として選抜され,台木としての利用が普及しつつあるイチジク‘Zidi’や‘King’について,イチジク株枯病抵抗性の強度を明らかにするため,抵抗性が強いとされる‘Celeste’と,抵抗性が弱く本病の被害が問題になっている主要品種‘桝井ドーフィン’との間で抵抗性の比較を行った。1. 予めPDA培地で前培養し,培地ごと直径5mmに打ち抜いた株枯病菌Ceratocystis fimbriata の菌そうを直径8cmに切った供試品種の葉片に付傷接種した。その結果,接種部位からの病斑の広がりは‘Celeste’で遅く,‘King’や‘桝井ドーフィン’で速く,‘Zidi’はその中間にあった。2. 予めPDA培地で培養したC. fimbriata の菌そうを,培地ごとミキサーで粉砕して蒸留水に懸濁し,供試ポット苗の用土にかん注接種した。その結果,何れの品種においても病斑が形成され,C. fimbriata が再分離された。但し,‘Celeste’は接種後90日間ほとんど枯れなかったのに対し,‘Zidi’や‘King’は‘桝井ドーフィン’と同様に62%~89%の苗が枯死した。以上の結果から,いや地対策の台木として開発されたイチジク品種のイチジク株枯病抵抗性は,明らかに‘Celeste’より弱く,これらの台木を使った栽培においても,本病に対する注意が必要と考えられた。
著者
桂 〓一
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.101-103, 1968-02-01 (Released:2012-10-29)
参考文献数
10
被引用文献数
1
著者
森田 剛成 軸丸 祥大
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.77-80, 2018-05-31 (Released:2018-09-01)
参考文献数
9
被引用文献数
4 1

Ceratocystis canker is one of the most serious diseases of figs, Ficus carica, in Japan. Some fungicides, such as triflumizole WP (T) and thiophanate-methyl WP (TM), have been drenched monthly to control the disease. However, these fungicides are not applied during harvest season because of registration restrictions, and losses of soil drench during harvest season were feared. We evaluated effectiveness of control with soil drenches of the newly registered tebuconazole WP (TE), which can be used up to the day before harvest. We planted fig cuttings in the soil contaminated with Ceratocystis ficicola, causal agent of Ceratocystis canker. Treatments were as follows: 1) control, 2) existing treatment (T and TM drenched bimonthly from April to October, except for the harvest period from August to October), 3) existing treatment plus TE at harvest (TE drenched monthly from August to October). Cumulative death rates of plants in each treatment were evaluated for 3 years. More than half of the plants died in the control, and less than half of plants died in the existing treatment. On the contrary, no plants died in the existing treatment plus TE. These results suggest that existing treatment plus TE possess high control effect against the disease.
著者
田中 千晴 佐々木 彩乃 笹山 哲央 小谷 弘哉 藤澤 英二 近藤 和夫 西野 実
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.63, pp.47-51, 2021-05-31 (Released:2021-09-01)
参考文献数
12

三重県のゴマ圃場で多発するミナミアオカメムシNezara viridula(Linnaeus)の加害が収量および油脂の成分品質に及ぼす影響を調査した。登熟期間を通して成幼虫10頭/株を加害させたところ,精子実重は顕著に低下し,しぼんだ形状の未熟粒が多数発生した。また,精子実重および粒数の減少は登熟後期よりも登熟初期の加害において顕著であった。精子実の油脂の酸価は登熟後期よりも登熟中期に加害された場合に上昇した。無農薬栽培圃場では開花直後から成幼虫が発生し,開花5週目に成幼虫数は最多となった。
著者
井村 岳男
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.21-25, 2020-05-31 (Released:2020-09-01)
参考文献数
12
被引用文献数
2

奈良県の露地ナス圃場から採集したタバコノミハムシ成虫に対し,31種の殺虫剤について常用濃度での殺虫効果を調査した。その結果,効果が認められた殺虫剤は,アセフェート,MEP,ペルメトリン,エトフェンプロックス,ビフェントリン,イミダクロプリド,アセタミプリド,ジノテフラン,クロチアニジン,スルホキサフロル,スピノサド,クロルフェナピル,インドキサカルブ,メタフルミゾン,シアントラニリプロールおよびフルキサメタミドだった。露地ナス圃場では,5回の成虫発生ピークが認められ,年4世代を経過していると考えられた。また,ナス株内において成虫は最下位葉に最も多く,慣行の栽培管理で実施される下葉のかき取りによる耕種的防除ができる可能性が示唆された。
著者
德丸 晋虫 新谷 雅敏 上田 由里子 齊藤 篤
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.122-124, 2022-05-31 (Released:2022-06-01)
参考文献数
13

The southern green stink bug, Nezara viridula (Linnaeus) (Hemiptera: Pentatomidae), causes damage to various crops such as rice and soybean. The bug species is regarded to overwinter as adults among the foliage of plants such as Cryptomeria japonica (L.f.) D.Don, Juniperus chinensis L. var. chinensis, and Yucca recurvifolia Salisb. However, we found adults of the species in tea fields in southern Kyoto Prefecture where there were none of the above-mentioned plants in the neighborhood in May 2014. This observation led us to suspect that they overwintered in the tea fields. The 2015 to 2018 investigation of the bugs in the tea fields, found that each year they were among the folded cover materials of the tea fields, but not in the foliage of the tea trees. The proportion of surviving adults during winter varied from 22% to 40%, with year-to-year fluctuations. These results imply that the bugs used the cover materials of the tea fields as overwintering sites.
著者
吉田 和弘 栁澤 由加里 三浦 宏晴 冨原 工弥 八瀬 順也
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.165-167, 2019-05-31 (Released:2019-09-01)
参考文献数
16

We investigated the effect of ploughing on overwintering populations of Laodelphax striatellus nymphs in two successive periods. The population densities of L. striatellus were remarkably lower after ploughing. Almost identical results were recorded irrespective of the ploughing seasons (November or January). In addition, the population densities remained low until early spring when the examinations ended.
著者
西 優輔 長森 茂之 佐野 敏広 難波 加奈 松岡 寛之
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.63, pp.21-25, 2021-05-31 (Released:2021-09-01)
参考文献数
21

岡山県内の促成栽培イチゴで採集したナミハダニ黄緑型8個体群に対する殺ダニ剤10剤の殺虫効果,11剤の殺卵効果を調査した。さらに,ビフェナゼート剤とアシノナピル剤に対する各個体群雌成虫の半数致死濃度(LC50 値)を調べ,抵抗性比を求めた。その結果,雌成虫に対する殺虫効果は,エマメクチン安息香酸塩剤,ミルベメクチン剤,クロルフェナピル剤,アセキノシル剤,テブフェンピラド剤,シエノピラフェン剤,シフルメトフェン剤およびピフルブミド剤について,多くの個体群において低かった。アシノナピル剤とビフェナゼート剤の殺虫効果は総じて高かった。2剤のLC50 値を調査したところ,アシノナピル剤は,すべての個体群において抵抗性比が1以下であった。一方,ビフェナゼート剤では,抵抗性比が最大で42.04を示し,感受性低下が疑われた。殺卵効果は,エマメクチン安息香酸塩剤,ミルベメクチン剤,エトキサゾール剤,クロルフェナピル剤,テブフェンピラド剤,シエノピラフェン剤,シフルメトフェン剤およびピフルブミド剤について,多くの個体群で低かった。一方,アセキノシル剤,ビフェナゼート剤およびアシノナピル剤の殺卵効果はほとんどの個体群で高かった。
著者
足立 年一 久保 清 山下 優勝
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.5-10, 1982
被引用文献数
1

兵庫県におけるイノシシの生態や行動習性, 農作物の被害実態について聞き取り調査を行うとともに, 電気柵によるイノシシの侵入防止の現地試験を併せて実施した.<BR>1. 被害を受ける農作物には水稲・イモ類・マメ類・栗・柿・竹の子などがあり, なかでも水稲の被害程度が高い.<BR>2. 兵庫県下の生息状況は捕獲数と被害面積から判断すると, 昭和48~51年頃 (約7,800頭捕獲/年) をピークに減少傾向を示している.<BR>3.イノシシは夜行獣で, 夜出没して農作物に被害を与える. ヌタうち, スリ木, きばかけなどの習性がある.<BR>4. イノシシは12月~2月に交尾を行い, 妊娠期間は約120日で4~6月頃出産し, 普通4~6頭産仔する.<BR>5. 餌のし好性を飼育イノシシでみると, 熟柿, サワガニ, 腐植土, 栗, マオ, クズの葉, シュズダマ, サツマイモのつるなどや, 野ネズミ, ヘビ類, ミミズなどの小動物を食べ, 非常に雑食性である.<BR>6. 電気柵による侵入防止効果試験において, 夜光塗料塗布線区ではイノシシの侵入を防止することはできなかった. 電気柵 (ポリステンレス線3~4段張り) 区では, 最初配線不備なところから侵入したが, 設置面を平らにし, 完全に配線したのちは, イノシシの侵入を防止することができた.
著者
石川 陽介 桑山 健二
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.47-53, 2020-05-31 (Released:2020-09-01)
参考文献数
15

Haplothrips nigricornis Bagnallは,我が国では,2019年現在,京都府,大阪府,兵庫県,和歌山県の数種のキク科雑草で発生が確認されている。本種は,詳しい生態が明らかとなっていないため,今後の研究の基礎的資料とするため,発生状況調査を実施した。大阪市において,キク科植物を対象にアザミウマ類の個体数調査及び本種の発生消長調査を実施し,併せて,本種の食性及び植物への加害性を調査するため,同地域において7科23種の植物を対象に放虫調査を実施した。調査の結果,クダアザミウマ科1属及びアザミウマ科6属が採集された。本種は最も多く採集され,ナルトサワギクから特に多く見つかった。本種の発生消長は,ナルトサワギクの開花率と連動している傾向が見られた。また,アザミウマ科の種と比較して,飛翔による移動性は高くないことが示唆された。本種は,ナルトサワギクを好適寄主としており,どのキク科植物でも繁殖できるとは限らず,主として本植物の花上で生活環を完結していると推察される。また,対象としたいずれの植物においても本種による植物への明確な加害は確認されなかった。
著者
新田 浩通 赤阪 信二
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
no.48, pp.81-82, 2006

For Japanese pear the change in the temperature of fruit was monitored from the day before to the day after harvest and the resultant expression of fruit core rot after storage were compared for two handling regimes. Fruit were either harvested at 3 p.m., left in the field overnight and then moved indoors at 8 a.m. on the following morning, or moved indoors (25&deg;C) immediately after being harvested at 8 a.m.. Fruit harvested at 3 p.m. and left in the field maintained a higher flesh temperature than fruit moved indoors (25&deg;C) immediately after harvest. As well, the delay in moving fruit indoors resulted in a higher incidence of fruit core rot after storage.
著者
佐古 勇 谷口 達雄 尾崎 武司 井上 忠男
出版者
The Kansai Plant Protection Society
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.21-27, 1990
被引用文献数
1

ネギ属植物に潜在感染し, 広く発生分布しているGLVの発生生態解明の一環として伝染方法などについて2, 3の実験を行った.<BR>1. 鳥取県下のラッキョウ畑におけるアブラムシ類の飛来は4月中旬頃から見られ, 5月になると急激に増加し, 5月下旬までその傾向は続いた. その後の飛来は夏季をピークに9月にはしだいに減少したが, 10月下旬まで持続した. 最も飛来数の多かったのはモモアカアブラムシで, 次いでワタアブラムシであった.<BR>2. GLVはモモアカアブラムシによりワケギ, ネギ及びラッキョウの保毒株での5~60分間の獲得吸汁,ラッキョウでの10~60分間の接種吸汁により10~20%の割合で伝搬が確認された. また, ネギァブラムシによってもネギ及びラッキョウの保毒株からラッキョウに10~30%の割合で伝搬された.<BR>3. ラッキョウ畑でのGLVの株の接触による伝染及びソラマメでの種子伝染は認められなかった.<BR>4. ラッキョウ産地においてウイルスフリー株を植え付けると, 再感染株率は植え付け当年の秋季には平均26.7%, 翌春には平均50.0%と高率となったが, 寒冷紗トンネル被覆により再感染が防止された.<BR>5. 種苗伝染試験では, 当代感染した株に形成される新分球のGLVの保毒率は20~69%であったが, 当代感染株からの保毒球を種球として栽培した株に形成される新分球の保毒率は100%となった. また, 在来保毒株からの分球もGLVを100%保毒していた. <BR>6. ELISA法によりりん茎部位別のウイルス濃度を比較すると, 外部より芯部の, また下部より上部のりん葉のウイルス濃度が高かった. しかし, 当代感染株と在来保毒株では全体に前者のウイルス濃度が低い傾向があり, 種苗伝染はりん茎のウイルス濃度との関係が示唆された.
著者
松浦 誠 八田 茂嘉
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.27-31, 1975-03-01 (Released:2012-10-29)
参考文献数
6

柑橘類の訪花害虫であるコアオハナムグリについて, 野外成虫の卵巣の発育経過および産卵数などについて調査した. 7月下旬以降に出現した新世代の個体は,すべて年内には交尾, 産卵を行なわず,越冬直後まで卵巣はまったく未発達の状態で, 卵細胞と栄養細胞はともにみられなかった. 越冬後の訪花開始により交尾が行なわれ, 卵巣の発育が始まり, 産卵は5月下旬より8月中旬まで続いた. 1雌虫の産卵数は9-42卵(平均21.6±9.1卵), 産卵期間は2-82日(平均37.1±21日)でこの間に2-10日(平均5.0±2.0日)の産卵日がみられた. また1回の産卵数は1-21卵(平均4.4卵)であった.
著者
福富 雅夫 平形 〓 浜田 正博
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.20-27, 1982

本報告はブラジル国パラ州トメアスー地方の篤農家について聞き取り調査により, <I>Fusarium solani</I>, β-typeの菌に基因する根腐病および胴枯病の過去における発生の実態を調べた結果である.<BR>1) 本病発生に関係がみられなかった要因-挿穂母樹の樹令, 枝令, 挿穂の節数, 圃場における定植間隔, 植穴の大きさ, 土性, 地形, 通風, 前作植物 (コショウを除く) の種類などは本病発生に影響しなかった.<BR>2) 本病発生に関係のあった要因-苗床に表土を用いた場合, 堆肥などを混用した場合は心土盛土の場合に比して育苗中の根腐の発生が多くなった. 焼土を高く盛土した苗床では種々病害の発生が少なくなった. 重粘土質の排水不良の圃場, 有機質肥料および敷草施用ならびに草生栽培は本病の発生を助長する傾向にあった. 無肥料, 極端な少肥, 年6~7回の分施, 燐酸, カリ主体の極端な窒素少量施用, 鶏糞単用などは一般に胴枯病の発生を減ずる傾向にあった. 特に, 雨季に1度に多量の施肥は本病が激発する傾向にあった. 樹令と本病発生との間には明瞭な関係があり, 1~2年木では本病の発生はほとんど見られないが, 3年木より多発し始めた.<BR>3) 本病発生の地域的推移一根腐病はコショウ栽培の当初より点発的に発生していた. 胴枯病は1962年にブレウで始めて発生が見られた. 初発地よりの距離と根腐病, 胴枯病の初発年との間には高い正の相関が認められ, 年速3.9±2.9kmの速さで新しい移住地へと拡がって行った. 以前はコショウ栽培開始後約20年を経て病害の発生を見ていたが, 現在では3~5年木ですでに激発している.<BR>4) 本病発生の季節的消長-毎年3月頃より発生が見られ, 5~7月に激発した. 感染は雨季に入った1月~2月より盛んに起っていた. 乾季には新しい感染はほとんどないようである.
著者
山田 偉雄
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.8-11, 1979-03-31 (Released:2012-10-29)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

ベニフキノメイガの発育と温度および日長との関係について調査を行なった.1. 幼虫は4令を経過し, 23℃恒温条件下においては約2週間で蠕化した.2. 卵, 幼虫および蜻期の発育零点は, それぞれ10.9, 12.7および12.9℃と推定された. 発育有効積算温量は, それぞれ51, 156および89日度となり, 産卵から成虫羽化に至るまでの発育零点はほぼ12℃で, 発育有効積算温量は約295日度と算出された. 成虫の産卵前期間における発育有効積算温量は約328日度と推定された.3. 幼虫は, 短日条件によって4令期に休眠した. 休眠誘起の臨界日長は13~14時間であった.4. 雌雄成虫の寿命は, 23℃条件下でともに10日前後, 産卵数は1雌当り約180卵で, 羽化の5日後に産卵のピークがみられた.5. 本種は, 東海地方では, 1年に3~4世代を経過していることが推定された.
著者
松浦 誠 八田 茂嘉
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.21-24, 1971

本報では温州ミカンを加害するサンホーゼカイガラムシの天敵についての調査結果を述べた.<BR>捕食種として, ヒメアカボシテントウ, トビイロケアリ, チャミノガの3種, 寄生蜂として, ハネケナガツヤコバチ, <I>Prospaltella</I> sp., <I>Aphytis</I> sp. <I>Physcus</I> sp.の4種が認められた. 優占種はヒメアカボシテントウとハネケナガツヤコバチであったが, 前種はアシガルトビコバチ, 後種はマダラツヤコバチにそれぞれ寄生をうけた. これらの天敵の年間発生消長, 寄生様式, 攻撃発育態などの知見も述べた.