著者
桐山 勉 安藤 俊幸
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.7, pp.340-349, 2017-07-01 (Released:2017-07-01)

人工知能の第三次ブームによりこの2~3年で巷の会話の中にでも頻繁に人工知能(AI)という言葉が聞くようになった。畳込み深層学習の進歩によりイメージネット大規模視覚認識コンテストの正解率が95%を超えた。更に,画像を見て言葉概念を理解する高度なレベルの研究が盛んになりつつある。AIの多方面への応用研究が急激に加速され,特許情報をその研究対象にすることに着目されるまでに至った。米国特許商標庁での先行技術調査への活用研究が盛んになって来た。プロバイダーでもその応用を特許情報サービスに活用しようと盛んになって来た。ここで,特集号にちなみ総論を纏める。
著者
石松 久幸
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.557-562, 2009-11-01 (Released:2017-04-25)
参考文献数
8

カリフォルニア大学バークリー校東アジア図書館で行なわれている日本の古地図のデジタル化プロジェクトは同図書館のサイトで一般公開されており,古地図に新たなパースペクティブを与えるものとして,いま世界的な注目を集めている。このサイトの画像は単なるイメージの表示に留まらず,同時に提供されているツールを用いてより有効に地図を活用できるよう配慮されている。またGoogle Earthと古地図との重ね合わせもプロジェクトの一部として進行中である。本稿ではそのプロジェクトの内容,使用しているソフトウエアの利用法,デジタル化を行なうことの意義,影響,そして新たに起きた問題点などについて説明する。
著者
山口 直比古 平輪 麻里子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.213-217, 2014-06-01 (Released:2017-04-13)

医科大学図書館における人的支援サービスとしてのレファレンスサービスには,事項調査,文献レビューの作成,文献検索などがある。中で,文献検索の技術を用いた診療ガイドライン作成支援などの新たなサービスを紹介した。また,アメリカにおける医学図書館員の新たな役割としてのInformationistの活動について紹介した。
著者
出井 甫
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.95-100, 2022-03-01 (Released:2022-03-01)

現在,社会全体のデジタル化が加速しており,その影響がコンテンツ業界に顕著に見られる。例えば,多分野のコンテンツがオンライン配信を通じて消費者に行き渡るようになっている。また,高精度のコンテンツ創作・編集ソリューションが普及したことで,誰でも容易にコンテンツを創作・発信することが可能になっている。その結果,創作者と利用者との境界が希薄化し,プロとアマチュアの境界も曖昧になりつつある。こうした現象を起こす重要な役割を果たしているのがUser generated contents(UGC)である。本稿では,UGCの現状を概観しつつ,UGCの創作及び利用に伴う課題,並びにそれに対する政府の取組み状況を報告し,今後の検討の方向性について考察する。
著者
水野 祐
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.101-107, 2022-03-01 (Released:2022-03-01)

クリエイティブ・コモンズ,Rights Statements等の著作権等に関する意思表示または権利状態を表記するツールは,情報資源の円滑な流通や利活用に資する。本稿では,著作権等に関する意思表示または権利状態を表記するツールを,(1)意思表示表記型,(2)権利状態表記型の2つに大別したうえで,(1)意思表示表記型については,(1-a)ライセンス表記型,(1-b)純粋意思表示表記型に区別する,という分類を試みている。そのうえで,これらの表記ツールの仕組み,普及状況及び意義に加えて今後の課題について考察している。
著者
松永 敦夫 石川 浩
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.265-270, 2014-07-01 (Released:2017-04-13)

今日,主要国特許庁から特許公報の全文がデータベースとして提供されている。このデータベースを自らサーチし,また必要に応じ審査経過情報にもアクセスして,誰もが関連する特許情報を取得することが可能になっている。特許情報の科学技術情報としての利用促進は,特許制度の要である。しかしながら,特許明細書は,出願人が特定の意図をもって技術情報を開示するものであり,また,玉石混交であることから,その利用には注意を要する。特許情報の利用者は,特許制度を良く知り,また技術分野毎の戦略のパターンを知って,特許情報を評価することが重要である。小論では医薬品に関する特許情報の評価や利用例を中心に紹介する。
著者
臼井 裕一
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.7, pp.298-303, 2013-07-01 (Released:2017-04-18)
参考文献数
9

日本において特許分類の付与は具体的にどのようになされているのか,また審査室の担当技術との関係はどのようになっているのかについて説明し,FIとIPCとのコンコーダンスの不備によってヒット件数0件のIPCが生じていることを示した。また,IPCの方がFIよりも細分化されている実例についても例示した。このような分類付与の問題点に対しては,やはりFI・Fタームを中心に検索すべきである旨指摘し,あわせてFI・Fタームのメインテナンスが適切になされているかについても触れた。なお,現在進行中のIPC細分化のCHCプロジェクトの進展も含めて今後の動向を注視する必要がある。
著者
西田 豊明
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.12, pp.586-590, 2018-12-01 (Released:2018-12-01)

2011年ころから第3回目のブームとなった現代人工知能技術の特色は,社会を広く巻き込んでいる点である。本稿では,人工知能の本質について議論した上で,倫理的,法的,社会的課題(Ethical, Legal and Social Issues, ELSI)への取り組みの現状を俯瞰し,その原則的な側面についての議論の概要をまとめ,利活用の視点からの検討を紹介する。さらに,ELSI問題のはっきりと捉えにくい側面についても触れ,今後の見通しを探る。
著者
田中 厚子 高井 史比古 西川 幸江 本田 孝行 川本 敦子 中島 勇 堀越 節子 小川 隆司
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.72, no.7, pp.269-275, 2022-07-01 (Released:2022-07-01)

日本EPI協議会のワーキング活動において,IPランドスケープをテーマに,知財関連の解析手法について研究を行った。テーマとしては炊飯器を題材に,3チームに分かれ,それぞれが異なる炊飯器メーカーを担当した。国内市場をターゲットに分析を行い,市場におけるポジションの確認や,事業戦略,経営層への提言を検討した。各チームでまずは市場における外部要因を確認し,ベンチマークを行った上で,SWOT分析,ファイブフォース分析,ポジショニング分析,特許分析,テキストマイニング,ワードクラウド等の手法を駆使し,それぞれの結論へと導いた。本稿では,研究活動を通して得られた分析手法の知見を紹介する。
著者
神崎 正英 佐藤 良
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.453-459, 2011-11-01 (Released:2017-04-20)
参考文献数
23

国立国会図書館(NDL)は,書誌データの開放性・利用可能性を向上させる取り組みの1つとして,書誌データ提供におけるセマンティックウェブ技術への対応を進めている。この一環として,2010年6月には「ウェブ版国立国会図書館件名標目表(Web NDLSH)」,2011年7月には提供範囲を全典拠レコードに拡大し,システムの機能を拡張した「国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス(Web NDL Authorities)」の開発版をリリースした。「国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス(Web NDL Authorities)」の開発版では,典拠データをRDFモデルにより表現し,Linked Dataのスキームに準拠する等,セマンティックウェブ技術に対応した形式により提供している。本稿では,当サービスの概要,提供する典拠データの内容,RDFモデルの設計等について紹介をする。
著者
木目沢 司 村山 泰啓
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.9, pp.459-464, 2017-09-01 (Released:2017-09-01)

インターネットの普及以降,ウェブサイトで多くのデータベースが公開されているが,内容やURLの変更,サイト閉鎖等により長期的なアクセスが保証されず,とくに調査研究において調査結果の根拠として用いる上で大きな課題となる。本稿では,2002-2014年に運用された国立国会図書館データベース・ナビゲーション・サービス(Dnavi)に収載されていたデータベース情報について,2017年時点でのアクセス可否を調査した結果を報告する。またデータベースの長期保存の方法について,国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)の利用や,電子情報の長期保存の規格であるOAIS参照モデルを参照した考察を行う。
著者
藤本 徹
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.502-507, 2012-12-01 (Released:2017-04-18)
参考文献数
14

本稿では,「サービスとしてのゲーム」を一つの切り口として,ゲームの要素や枠組み,そしてその社会的利用における考え方を論した。ゲームの社会的利用に関連する概念を検討し,「サービスとしてのゲーム」の観点から,ゲーム産業におけるゲームのサービス化や情報サービス産業におけるサービスのゲーム化といった異なる角度から考察した。その上で,情報サービスにおいてゲームの要素を取り入れるアプローチを3つのレベルに整理して,それぞれの特徴について図書館におけるサービス開発の文脈で例示しながら,今後このような取り組みに向かう際に考慮すべき課題を検討した。
著者
数藤 雅彦
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.71, no.11, pp.484-490, 2021-11-01 (Released:2021-11-01)

インターネット上で匿名の第三者に自分の肖像をアップロードされ,肖像権を侵害された場合に,加害者である第三者の氏名や住所等の情報を得るために,プロバイダを被告とする発信者情報開示請求訴訟を提起することが考えられる。この訴訟における肖像権侵害の判断には,関連する法律の規定や事案の特質等をふまえ,通常の損害賠償請求事件とは異なる特徴も見られる。本稿では,裁判例の分析をふまえ,発信者情報開示請求事件における肖像権侵害の判断の特徴を明らかにする。