著者
Liz ALLEN
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.71, no.9, pp.404-407, 2021-09-01 (Released:2021-09-01)

学術出版システムは変革を遂げている。研究のオープンアクセス(OA)化を求めるポリシーや,研究を迅速に発見・アクセスでき,利用可能な形式やフォーマットで提供することへの需要が高まっていることを背景に,ほとんどの学術雑誌がデジタルソリューションを提供するために動いている。F1000などの多くの出版社は,単なるOAの提供に留まらず,知識へのアクセスと使用を民主化できる出版ソリューションの開発に取り組んでいる。本記事では,学術出版における最近の変化の要因とその影響を説明し,考えられる今後の動向について考察する。また,F1000を例として,出版社と研究システムにおけるその他の利害関係者(特に研究助成機関)との密接な連携がもたらすことができる,研究の使用,再利用,およびその影響の可能性を最大化する上で鍵となるイノベーションやカスタマイズされた研究出版ソリューションについて説明する。
著者
西尾 啓
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.197-202, 2020-04-01 (Released:2020-04-01)

最近,特許分析の比重が高まり,かつ扱うデータの量と種類が多くなっているのを実感している。それに伴い,使うツールもエクセルやパテントマップ作成ソフトから,Pythonといったプログラミング言語に移る必要が出てきた。これらのツールは高速にデータを処理でき,自動化に役立つだけでなく,毎回の手作業を排除することができ,分析の再現性,信頼性を高めることができる。そのため,今回はデータ分析によく用いられるプログラミング言語である「Python」,特にその中のデータ分析ライブラリである「pandas」を用いた特許データの処理(前処理,集計,可視化)について紹介する。
著者
岸 和良
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.71, no.7, pp.290-295, 2021-07-01 (Released:2021-07-01)

DX(Digital Transformation)は客との良好な関係の維持,企業や団体の業績向上,将来に向けた継続成長に必要である。しかし,日本ではDX導入に成功している事例はまだ少ない。今後成功事例を増やすためには,DXの成功要素を見つけることが重要である。DXが成功するか失敗するかは,DXの本質を理解しているかに依存する。DXの手段と目的を混同しないようにすることが重要である。DX成功要素は,客や社員に価値を提供する経営面での課題解決を実施すること,企業や団体の上層部が深く関与すること,適切な組織を設定すること,DX人材の能力定義を行うこと,適切な人材育成を行うことが必要である。
著者
阿部 重夫
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.8-14, 2015-01-01

月刊誌FACTAは調査報道を目的として創刊8年余,100号を超えた。インターネットの普及で新聞や雑誌など紙メディアが退潮するなかで,報道の使命はスクープを純化すること,すなわち官僚機構や企業組織に依存する「御用聞きメディア」から脱出し,独自にニュースを創出することにあると考えた。しかし,憲法21条で保証されている「表現の自由」に基づく「知る権利」は,インターネットを基盤とした検索エンジンやSNS(交流サイト)の勃興で個人情報がビッグデータの源として日常的に広範囲に収集されている時代に,もはや時代遅れの理念でしかない。現に欧州などでは「知られない権利」論が台頭,調査報道の根幹を揺るがしかねなくなってきた。その二律背反にどう理論武装するか。
著者
佐川 穣 中村 栄
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.71, no.7, pp.310-316, 2021-07-01 (Released:2021-07-01)

コロナ,第4次産業革命・DX,気候変動やグローバルサプライチェーンの寸断等の影響により,「不確実性」が高まる環境下,企業は,競争力を高めるDXと同時に,持続可能性が求められている。当社では,「持続可能な社会への貢献」と「持続的な企業価値の向上」との好循環を目指すという考え方の下,「事業高度化」のためのデジタルトランスフォーメーション推進の1つの柱としてIPランドスケープ(IPL)を導入し,その活動を推進している。本稿では,サステナビリティ時代のIPLの貢献として,短期,中期,長期の3段階でのアプローチを紹介する。
著者
出村 雅彦
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.252-257, 2021-06-01 (Released:2021-06-01)

材料分野においてもデータ駆動研究への期待が大きい。本稿では,データ駆動材料開発の最近の取り組みを概説する。材料データは必ずしも豊富にあるわけではないものの,データ駆動による材料・プロセスの探索は,金属,高分子,無機化合物等々へ広がり,自動実験・計測との連携も始まっている。メカニズムの探究など高度な活用や独自のツール開発も進んできている。基盤となる材料データプラットフォームについては,今後,全国的な展開が期待される。
著者
上村 順一
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.11, pp.516-522, 2019-11-01 (Released:2019-11-01)

国立情報学研究所は,前身である学術情報センター時代から電子図書館事業を行ってきた。冊子体の学術雑誌/研究紀要を裁断し,スキャナで電子化したのち,メタデータを付与して検索に供するものであった。運用当初は電子図書館サービス「NACSIS-ELS」として独立したサービスであったが,後年,検索を受け持つフロントエンドとして,学術コンテンツ・ポータル「GeNii(ジーニイ)」の一つの機能であるCiNii(サイニィ)と,コンテンツを保管しておくバックエンドとに分離する改変を行った。その後,文部科学省の施策として,バックエンド部分をJ-STAGEに移管し,CiNiiはCiNii Articlesに移行して,学術論文を検索するサービスに特化した。
著者
粕谷 直
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.214-219, 2021-05-01 (Released:2021-05-01)

researchmapは,科学技術振興機構が運営する日本の研究者総覧データベースであり,多くの研究者および研究機関が利用している。国を代表するデータベースとして,また研究業績管理サービスとして10年以上運用しているシステムであるが,特に近年は政策的な背景を受けて,競争的資金の応募・審査時に利用される等,その重要性はますます高まってきている。researchmapの概要と沿革,現在の利用状況,今後の展望について解説し,登録・利用をするメリット,またより負担無く快適に利用できるようなワークフロー等を紹介する。
著者
野崎 篤志
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.333-339, 2010-08-01 (Released:2017-04-25)
参考文献数
18

特許情報を調査・整理・分析して視覚化・ビジュアル化したものがパテントマップであり,R&D戦略立案や特許出願戦略の策定に欠かせないツールである。数多くの統計解析型パテントマップ作成ソフトやテキストマイニングによるビジュアル化ソフトが販売されているが,パソコンに通常インストールされているExcelを用いてもパテントマップを作成することが可能である。本稿ではExcelに搭載されているピボットテーブルというクロス集計機能の概要,パテントマップの中でも作成が難しいバブルチャートの作成方法,そしてパテントマップのビジュアル表現について述べる。
著者
藤垣 裕子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.102-108, 2004
参考文献数
15

レビュー誌とは,すでに出版された学術情報を再考し,批評し,回顧し,概説を与える(統合して評価する)雑誌を指す。レビュー誌にとりあげられることによって,もとの学術情報は再考され,全体における位置づけを得る。それでは,「もとの学術情報が再考され,全体における位置づけを得る」とは何を意味するのだろうか。この問いを考えるために,本稿では次の2つの考察を行った。まず,もとの学術情報とは何かという問いについて,知識生産論,ジャーナル共同体論の側面から考察した。続いて,もとの学術情報が再考され,全体における位置づけを変えることの意味について,引用論をもとに考察した。これらの2つの方向からの考察をもとに,レビューとは何を意味するかを再考した。
著者
李 慧瑛 下髙原 理恵 峰 和治 田松 裕一 緒方 重光
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.10, pp.515-521, 2020-10-01 (Released:2020-10-01)

近年,医学系分野でテキストマイニングへの関心が高まっている。この手法は看護学領域においては,臨床で起こる現象を掴むための定性的調査手法として,アンケート調査の自由記述やインタビュー調査の逐語録分析に用いられることが多い。また,文献データベースから得られる情報を基に,研究動向を概観する研究にも使用される。本稿では,研究対象として医中誌Web上で検索可能なテキストマイニングを活用した全論文を例に挙げて,研究動向をテキストマイニングの手法を使って分析した。この過程を通して,具体的にどのような新知見が得られるかについて考究し,これをベースとして医学系分野におけるテキストマイニング全般の将来展望について概括する。