著者
古村 隆明 渥美 紀寿
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.220-225, 2021-05-01 (Released:2021-05-01)

京都大学では教員の教育・研究活動等の状況を公開するための教育研究活動データベースを運用している。本データベースでは,研究業績の一部をresearchmapと連携し,researchmapに登録された業績を取り込んでいる。また,京都大学での職歴や京都大学が発行した研究成果をORCIDに機関として登録することで,信頼性の高い情報として公開している。本稿ではこれらをどのように学内システムと連携しているかを紹介する。
著者
永田 治樹
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.54-59, 2016-02-01 (Released:2016-04-01)
被引用文献数
1

社会発展や,情報技術の急速な進展によって,図書館の価値がこれまでのように自明とはみなされず,その果たす役割が問われるようになった。本論は最初に,図書館のインパクトを紹介した国際規格ISO 16439:2014(図書館インパクト評価のための方法と手順)を取り上げる。次いで,学生の学習成果に関する分析事例を検討し,図書館の意義を実証するためのインパクト評価に,これまでのメトリクスだけでなく,種々の外部データを取り込んでデータにおける意味のあるパターンを発見・提示するというアナリティクスの適用を示唆する。
著者
渡邉 幸佑
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.192-194, 2023-05-01 (Released:2023-05-01)

坂口安吾の作品について,先行研究によると1945年ごろを境に一人称が「僕」から「私」に転じ,ふたたび「僕」に戻ることも混用もなかったという。しかし,この先行研究は「僕」と「私」の頻度を数えたものではなく,直感による論考に留まる。そこで,本稿では,坂口安吾のエッセイを対象に,KH coder(計量テキスト分析のためのフリーソフトウェア)を用いて,「僕」と「私」の頻度を数え,一人称の変化について検証した。その結果,1945年以前に「私」のみを使用した作品があり,1945年以後に「僕」と「私」の混用があるとみられるものがあった。先行研究の指摘は必ずしも妥当するものではなく,「僕」と「私」の使い分けについてさらなる検討が必要である。
著者
永田 知之
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.178-183, 2023-05-01 (Released:2023-05-01)

古代以来,日本では漢籍が多く収蔵されていたが,伝統的な四部分類に基づく書目は中世ではごく稀であった。これは,当時の書目の多くが仏典を対象とする聖教目録だったことを主因とする。19世紀に入ると,漢籍(非仏典)に四部分類を用いる書目の編纂が顕著となる。漢籍の増加,寺院の外での漢学の隆盛,『四庫全書総目』等による中国からの分類法の流入がその原因だろう。大正期以降は漢籍に特化し,四部分類を施す目録が珍しくなくなる。これは日本文化からの漢学など中国文化の析出が漢籍を他の書籍から独立させたことを一因とする。総じて言えば,書目での漢籍の扱いは中国文化が日本で占める位置の反映であり続けたと思しい。
著者
角田 裕之 長塚 隆 原田 智子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.8, pp.410-415, 2017-08-01 (Released:2017-08-01)

鶴見大学が2015年9月より開講している履修証明プログラム図書館員リカレント教育コースは,司書資格を有する現職の図書館員のために最新の知識や技術を学習するプログラムである。図書館員に対する研修は,国立国会図書館や日本図書館協会における研修があり,一部の大学でもリカレント教育が実施されているが十分とはいえない。本学では春季(4月~7月)と秋季(9月~2月)に各6科目ないし7科目を履修できるように開講している。6科目の単位取得が認められると計120時間になり,文部科学省が推奨する履修証明制度の条件を満たし,本学学長名の履修証明書(専門司書)を取得できる。授業は火・木曜日の夜間と土曜日の午後に行い,4名の教員が担当している。開講して2年が経過するが,現職の図書館員への教育プログラムをさらに浸透させてゆくためにはその内容をさらに見直し拡充することが必要と思われる。
著者
池上 雅人
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.73, no.3, pp.81-86, 2023-03-01 (Released:2023-03-01)

あらゆるものがインターネットに繋がっている現在,サイバー攻撃は社会に重大な影響を及ぼす脅威となっている。サイバー攻撃のトレンドは時代とともに変化しており,新型コロナウイルス感染症拡大の対策として急速に普及したリモートワーク環境は攻撃者に新たな攻撃の隙を与えた。2020年以降,マルウェアの検出数は高い水準で推移しており,その中でもとくに猛威を振るうマルウェアがLockBitなどのランサムウェアとEmotetである。本稿では,マルウェア解析者の視点でそれらの脅威を解説し,一般のユーザーが実施可能かつ実効性のある対策を紹介する。
著者
関口 兼司
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.51-57, 2023-02-01 (Released:2023-02-01)

大学医学部は,大学病院として診療面で,大学院医学研究科として研究面で,医学部医学科として教育面でそれぞれコロナ禍の影響を著しく受け,少なからずデジタル化が後押しされた。診療に関してはオンライン診療体制の導入の遅れが露呈されたが,ようやく素地が整った。研究面での遅れは少なかったものの,オンライン会議を除き研究環境のDXは進んでいない。医学部教育では公的な支援(Plus DX)をきっかけに,ハイブリッド講義室の整備や,VRやメタバースの活用など新しい教育手法の開発が進められた。今後医学教育はDXを進めて,増え続ける医学関連知識の習得を効率化し,直接対話による臨床教育の価値を再認識し実践していく必要がある。
著者
斎賀 和彦
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.44-48, 2022-02-01 (Released:2022-02-01)

カメラの普及,その動画ファイルを編集,加工するパソコンの低価格化と普及により,動画制作はプロだけのものではなく身近になった。時を同じくするように拡大したコロナ禍におけるオンライン授業の流れは,教育における講義用の動画コンテンツ制作を加速し,多くの教育関係者が動画制作に関与せざるを得なくなった。しかし,動画作成と言っても,その範囲は広く何億ドルというハリウッド映画からTikTokのような数十秒に満たないショートビデオまで含むと,その制作思想も手法も多岐に渡る。本稿では主に大学での発信を想定した広報(インフォメーション),講義配信を基本として制作フローの解説と基礎知識のまとめを行う。
著者
増田 豊
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.71, no.9, pp.386-391, 2021-09-01 (Released:2021-09-01)

本稿では,学術コミュニケーションの中で信頼される学術成果を発信する役割を負っている学術出版社の近年の動向を,世界的な業界団体として存在感のある国際STM出版社協会の活動から考察する。具体的には,同機関が毎年発表する業界の動向予測「STM Trends」を現状俯瞰のための材料として取り上げ,利用認証のイニシアチブSeamlessAccessやフルテキストアクセスのGetFTR,AIなどへの取り組みも概説する。
著者
倉田 敬子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.352-357, 2013-09-01 (Released:2017-04-18)
被引用文献数
1

e-Scienceを厳密に定義することなく,検討する視点として1)研究プロセスと2)基盤を,指向として1)技術的と2)社会的を定めた。当初から,研究を支援する基盤という方向からの議論が存在した。研究プロセスとしてのe-Scienceの構成要素として,1)共同性として「共同研究」と「オープンサイエンス」を,2)データとして「データ駆動科学」と「データ共有」を挙げた。オープンサイエンスとデータ共有が最近は注目されてきていることを示した。現在のところ,研究者はデータ共有の意義は認めながらも消極的であることを述べた。
著者
小河 邦雄
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.148-153, 2022-04-01 (Released:2022-04-01)

本稿はヘルスリテラシーの観点から医薬品を中心に調査に使用できる基本的な情報資料の特徴について述べる。そのため,医療関係者以外の情報サービスに携わる人を主な対象とした内容としている。はじめに医薬品の情報が必要とされる場面について整理し,医薬品を適正使用するための情報と治療に用いる医薬品自体の適切性を判断するための情報と二つがあることを述べた。次に,情報の信頼性に大きく関係してくる要因として,提供する組織で分類し,具体的な情報資料の特徴についてまとめた。最後にインターネットを使用して情報を探す際の情報リテラシーの役割,信頼できる情報,インフォプロの役割について述べた。
著者
小川 恵
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.104-109, 2017-03-01 (Released:2017-03-01)

精神保健学の視点から,職務の負担が生み出すメンタルヘルスの問題を,就労環境から受ける生理学的影響と心理社会的負担感の影響から分析した。仕事忌避感が自己中心性を招き,対人ストレスと捉えることが,職場の緊張を増す構造を検討し,メンタルヘルスリテラシーの視点からうつ病とバーンアウトを予防する働き方を考察した。負担感は必ずストレスコーピングを招くが,準備がいる良いコーピングより容易な悪いコーピングを無自覚にとる結果,不適切な生活習慣が疲労蓄積や生活習慣病を生むメカニズムを見,ストレスマネジメントの基本を健康生活習慣とコーピングの自覚と選択であるとし,これを図書館員固有のストレス構造において検討した。
著者
兼宗 進
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.78-83, 2004-02-01 (Released:2017-05-25)
参考文献数
21
被引用文献数
2

WWW(World Wide Web)上の文書を検索する検索エンジンは,インターネットを利用する上で不可欠な存在である。検索エンジンは従来の情報検索技術を基礎としながら,独自の発展を遂げてきた。しかし,内部の検索アルゴリズムが十分に公開されていないことから,検索エンジンは,中の見えないブラックボックスとして手探りの使い方をされることが多い。そこで本稿では,検索エンジンの検索アルゴリズムを構成する「適切なページの収集手法」「ノイズや漏れのない検索を高速に行う手法」「適切にランキングして表示する手法」について解説する。
著者
佐藤 正惠
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.128-132, 2022-04-01 (Released:2022-04-01)

2020年3月にパンデミックが宣言されたCOVID-19感染症は,2022年1月現在もウイルス変異により猛威を振るい続けており,社会生活は大きく変貌した。医療体制,ワクチン接種等をめぐり,根拠の不確かなニュースが氾濫するインフォデミックが危惧される状況となっている。本稿は,主に公共図書館における情報の吟味と提供を考える。疑問の定型化,エビデンス・ピラミッドや6Sピラミッドと情報検索,フェイクニュースへの海外の対応について述べる。さらに医療・健康に関する報道について質の向上を目指すメディアドクター研究会の活動を紹介し,メディアリテラシーについての話題を提供する。
著者
情報科学技術協会OUG特許分科会
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.398-402, 2005-09-01 (Released:2017-05-25)

本稿では, 医薬品の最大市場である米国における医薬品の特許存続期間延長制度やデータ保護などについて述べるともに, 延長後の特許満了日やデータ保護期間の調査方法について概説する。