著者
磯谷 奈緒子
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.8, pp.312-317, 2014-08-01

島を挙げ読書推進に取り組む隠岐島の海士町で,海士町中央図書館の蔵書充実を目的に,有志による「あま図書館応援プロジェクト」が発足した。クラウドファンデイングで全国に支援を募る新たな取り組みの実際について,有志メンバーとしても活動に携わっている図書館職員より海士の図書館活動全般も含め報告を行う。
著者
山内 直人
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.8, pp.294-299, 2014-08-01

日本の寄付市場は米英には比較してまだ小さいが,今後拡大することが期待される。NPOが寄付収入を増加させるためには,目標設定,潜在的寄付者のリストアップ,寄付の依頼,スチュワードシップといつたファンドレイジング・プロセスに従って,効果的に行う必要がある。マッチングギフト,コーズ・リレーテッド・マーケティング,クラウドファンディングなど新しい手法もファンドレイジングに取り入れていく必要がある。ファンドレイジングの効率性,費用対効果にも留意する必要がある。専門的知識を持ったファンドレイザーの養成も必要で,大学など高等教育機関の役割も大きい。
著者
鈴木 崇文 阪口 泰子 藤本 昌一 山田 久 田中 敦司
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.59, no.8, pp.403-410, 2009-08-01
被引用文献数
1

公共図書館における障害者サービスは,少しずつではあるが進んできている。ただ,自治体によってそのサービスの方法や広まりには差がある。名古屋市図書館では,比較的早い時期からこれらのサービスを開始している。その例として,対面読書と郵送貸出を取り上げる。また,試みたもののあまり成果の上がらなかった方策も例示する。これらを通して,公共図書館での障害者サービスの実状を紹介する。ここで,障害者サービスという言葉については,「図書館利用に障害のある人びとへのサービス」ととらえていることをお断りしておきたい。
著者
魚住 真司
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.119-125, 1999-03-01

全米にテレビニュースを保存している機関は多数あるが, 毎日の放送を継続して収録しているアーカイブはほんのわずかしかない。テレビ局はようやく1970年代半ばから, テレビニュースを部分的にではなく, 番組として完全なかたちで保存するようになったが, 一般公開にはほど遠い。国立公文書館や議会図書館は, 過去の二ュース番組を公開しているものの, コレクションが不完全であったり利用に制約があったりして, 一般が利用しやすい環境とは言いにくい。その一方で, ヴァンダービルト大学付属のテレビニュース・アーカイブは, インターネットによるアクセスも便利で, 研究者でなくとも利用しやすくなっている。
著者
有賀 康裕
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.279-286, 2014-07-01

特許の価値を数値に表すことは金銭的な価値評価として発展してきた。その過程で手法論が編み出されてきている。特に,数値化に対して有力な情報は特許の経過情報である。この数値は,人的判断に近い計算式としてチューニングして組み立てたることより,自動的に特許1件毎に数値(重み)を与えることができるようになる。このようにして得られた数値情報を利用し,実例としての「クロスカップリング反応を伴う技術」を収集して適用した。この反応を伴う応用技術の中で,評価値を使った特許マップを作成することを試みた。その結果,評価値の効果は特許の棚卸だけでなく,アライアンスなどに係わる情報をもたらしてくれる。この解析結果は従来の特許マップでは難しい技術の中身に踏み込んだ解析結果と共に,特許戦略的な面を持つ特許情報となる。
著者
大庭 亨
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.275-278, 2014-07-01

大学で化学を研究する立場から,特許に含まれる技術情報の受け止め方について私見を述べた。実際に実験を行う上で,実施例に記された実験方法やデータなどは参考になる。また,従来技術に関する記述は当該分野を俯瞰するのに役立つ。ただし,記述の形式こそ学術論文と似ていても,内容の事実性が審査されないまま公開されていることを考慮しなければならない。特許は技術文献ではあるが,より本質的には発明の技術的範囲を明示する権利書である。最小限の情報開示で最大限の権利を獲得しようとする結果として,明細書の記述に不充分さや曖昧さが含まれている可能性を,特許の技術情報を読む上では常に念頭に置く必要がある。
著者
佐藤 貢司
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.271-274, 2014-07-01

特許は権利書としてだけでなく,特許情報自身が技術文献としての意義を有し,また,事業戦略等への更なる活用が可能である。近年,テキストマイニングを利用した特許分析ツールの開発が進んでいる。見える化の手段として利用されている特許マップツールや特許の価値といった独自の指標も提供されるようになってきており特許情報の分析は活発に行われている。弊社においても,従来から行っている出願件数推移といった統計的な分析に加え,これらの分析ツールを利用し特許解析を行っている。また,従来から行っている先行技術調査等の調査に加え,さらなる解析を目的として分析ツールの拡大利用を検討している。本稿ではその一例を紹介する。
著者
井出 達徳 今野 亮介 五藤 智久 北谷 謙一 嶋田 明代
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.259-264, 2014-07-01

特許の技術情報としての活用及び企業の経営戦略の策定に貢献する経営情報としての活用について電機業界での一例を紹介する。電機業界では,非常に多数の特許が事業に関与するため,個々の特許の質はもちろんのこと特許の量も事業遂行上,重要となってくる。特許明細書から得られる情報,特許のマクロな分析手法とマクロ分析から得られる情報について述べると共に,ベクトルを用いた新しい特許ポートフォリオ分析手法について紹介する。さらに,特許から得られる情報を補強するために様々な情報源,データベースも駆使して研究開発動向やビジネス情報等を総合的に分析する「総合調査」について述べる。
著者
臼井 裕一
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 = The journal of Information Science and Technology Association (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.250-254, 2014

特許情報は,特許制度の目的から必然的に権利情報と技術情報との側面を持っている。また特許情報は論文などと比較してその発行数の多さのゆえに研究者がその全てに目を通すことは困難である。研究者が読むべき特許を選別する者が必要と考える。また,多量の特許情報を用いて解析を行い,更に利用価値の高い経営情報を再生産することが可能であることを考慮しても特許情報は大いに利用すべきである。このために「知的財産情報プロデューサー」と仮に呼ぶような専門家集団が必要であると結論づけた。
著者
松木 秀彰
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.282-288, 2004-06-01

「科学研究費補助金」(通称「科研費」)は,人文・社会科学から自然科学まで全ての分野にわたり,基礎研究から応用研究まで,あらゆる「学術研究」を対象として交付される研究資金である。科研費は我が国を代表する「競争的資金」であり,「ピア・レビュー」と呼ばれる厳しい審査をくぐりぬけた研究者だけがこの補助金の交付を受けることができる。この科研費を用いて研究を行った者が,その研究成果を社会に還元するために,成果を冊子体にまとめたものが「研究成果報告書」である。本稿は,一般の書店では販売されない特殊な冊子である「研究成果報告書」ができるまでのプロセスを解説する。
著者
松木 秀彰
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.282-288, 2004

「科学研究費補助金」(通称「科研費」)は,人文・社会科学から自然科学まで全ての分野にわたり,基礎研究から応用研究まで,あらゆる「学術研究」を対象として交付される研究資金である。科研費は我が国を代表する「競争的資金」であり,「ピア・レビュー」と呼ばれる厳しい審査をくぐりぬけた研究者だけがこの補助金の交付を受けることができる。この科研費を用いて研究を行った者が,その研究成果を社会に還元するために,成果を冊子体にまとめたものが「研究成果報告書」である。本稿は,一般の書店では販売されない特殊な冊子である「研究成果報告書」ができるまでのプロセスを解説する。
著者
高木 秀彰
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.58, no.11, pp.542-547, 2008-11-01

神奈川県寒川町は,平成18年11月,寒川総合図書館と寒川文書館の複合館をオープンさせた。文書館は公文書館法にもとづき,寒川地域の記録資料を収集・保存・活用するために設置されたものである。開館にあたって両館は,資料の取り扱いについて協議した結果,地域の資料は行政刊行物も含めて文書館の担当と決めた。文書館ではこれを受け,資料の種類ごとにさまざまな提供サービスを展開している。さらに,レファレンス,検索システム,普及事業などにおいて,図書館との相互協力を実践しており,これが利用者にとって複合館のメリットとなっている.
著者
森實 彩乃
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.223-229, 2014-06-01

近年,安価な労働力として学生を雇うアルバイトとは一線を画し,学生と職員が協働して図書館を運営する学生協働という取り組みが注目され,多くの大学図書館で実施されている。筆者も大学在学中に学生協働を経験した一人だ。その時に得た経験から大学図書館員という仕事に興味を持ち,母校の大学図書館に就職して今年で3年目になる。本稿では,学生時代の実体験を振り返りながら,学生協働の意義と課題について考察するとともに,図書館員になるための最近の勉強法や,図書館員として実際に働いてみて感じたこと,図書館員の将来について思うことを述べる。