著者
渡部 俊彦
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.81-90, 2007-03-01 (Released:2019-04-30)
参考文献数
24

1848年にアメリカで発生した叩音事件から科学者らによる心霊現象の研究、近代心霊研究が始まった。欧米を中心として、心霊現象や死後の霊魂存在を実験によって探求する研究が行われ、イギリスでは心霊研究協会(SPR)が生まれた。さらに、霊魂存在や霊魂との交信の可能性を認めるスピリチュアリストが生まれた。ここから、新しい人生指導原理であるスピリチュアリズムが誕生した。欧米の心霊研究は浅野和三郎によって日本に紹介され、彼は心霊科学研究会を設立し日本スピリチュアリズム(日本神霊主義)を生んだ。脇長生が日本神霊主義を発展させた。さらに桑原啓善がイギリスの霊界通信の内容を加味させて、ネオ・スピリチュアリズムを作り出した。
著者
樋口 雄三 林 義貢 山本 竜隆
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.91-95, 2007-03-01 (Released:2019-04-30)
参考文献数
4

前立腺癌の患者に内分泌療法とともに霊的施療を行い、著しい改善が認められた症例について報告する。患者は67歳で、2003年12月から夜間頻尿、尿勢低下を訴え、2004年5月に受診し、前立腺癌(stage D_2)と診断された。前立腺特異抗原(PSA)は39.01ng/ml、直腸内触診(DRE)において硬く、針生検では中分化-低分化腺癌(Gleason grade 4+5, score 9)であった。さらにCT、MRIにおいても確認され、また骨シンチグラフィーにより左坐骨に異常集積が認められた。6月より内分泌療法を行うとともに7月から5回の霊的施療を行った結果、2005年2月に前立腺癌の縮小と左坐骨を含め骨には異常なしと診断された。
著者
戸部 有希子
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.194, 2019 (Released:2019-12-27)

精神科医療において催眠療法の知名度は低く、催眠を活用できる精神科医は極めて少ないが、プラセボやマインドフルネス、呼吸法、リラクセーションといった暗示やイメージを用いたアプローチは様々な場面で活用されている。 催眠状態とは、意識が内的に解放されセラピストの言葉や本人のイメージが潜在意識に深く浸透することのできる状態である。日常生活において一人の人物のただ一言によって非常に大きな衝撃を受けたという患者の語りを聞くことがあるだろう。催眠理論の活用によりそのような状況を意図的に作り出し、許しや解放などのポジティブな暗示を実践する。一般臨床での催眠誘導の実施は時間的、空間的、心理的な制約が大きいが、対話の中で、セラピストの言葉が深く暗示として入り込む瞬間を察知し、利用することで、誘導を行わない暗示療法が可能となる。 現代の心理精神療法は「今、ここで」を基準に行われている。しかし、根深い葛藤に対して「今、ここで」に限定した関与では太刀打ちが行かないという体験を臨床家はしているだろう。催眠療法は現在のみならず、過去、未来の葛藤に対してもダイレクトにアプローチすることのできる画期的な治療法である。 当日は、拒食し退院意欲の乏しい末期がん患者、パニック障害の若年女性、失声症をきたした中年男性などの事例を交えて発表する。
著者
森谷 峰雄
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.466, 2002 (Released:2019-05-01)

本報告は、筆者が20代の時に得た宗教体験を示し、人間能力の限界乃至可能性の一例を示したいと思う。学術的報告ではなく、たとえば、ウィリアム・ジェイムズ張りの「宗教体験の諸相」の一例にはなるであろう。しかし、私は散文ではなくて、詩の形で報告することをお許し願いたい。人間の生き方如何の問題の根本的問いかけに対するひとつの答えになると思う。キリスト教における宗教的体験は人に巨大な量の霊的エネルギーと新生を与えるものである(発表は筆者個人の経験による)。宗教経験は次の8つの要素で特色つけられる、1)罪の悔い改め、2)神の御子による罪の許しの真の感覚、3)心に洪水のような喜びが湧き上がる、4)霊的的宇宙に到達する、その広大さの中で、自らが針の大きさに縮小する現実感を得る、5)知性・感性は冴えている、6)良心の感覚は例外的に強まる、7)この世は神の世界からは絶望的なほど堕落しているという意識を持つ、8)超越的なるある実在者と常に一体となってその方から純粋の喜びが来る。
著者
種市 孝
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.42-45, 2016 (Released:2016-08-01)
参考文献数
3

物理学的基盤の上に立って、脳活動以外に意識の源泉を求める場合、多次元宇宙描像は困難で非自明な問題を解決してくれる。しかしそのような描像の、問題への単純適用は、ある種の階層性の問題とも言える別の問題に抵触してしまう。パラサイトフェルミオンは余剰次元、即ち我々の住む4次元宇宙の外側に存在する物質粒子である。我々の宇宙に存在する、ホストフェルミオンと名付けられる物質粒子とそれとの性質上の相違を、その相違を生む出すメカニズムと共に概括する。このメカニズムにより、当該物質粒子は、我々の近傍に存在するにも拘らず不可視となり得る。では、この新規な物質の存在様式を心身問題に適用すると、どのような成果が期待できるであろう?脳外に心の源を求める際に乗り越えなければならない問題を、パラサイトフェルミオンモデルが解決できることを示す。
著者
中村 泰治 河野 貴美子
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.96-102, 2007-03-01 (Released:2019-04-30)
参考文献数
6

祈り、統一により人は宇宙の根源と一体になりそのエネルギーを受け、その人の命は生かされ、同時に他の命も癒す。本研究は、報告者の一人が被測定者になり、祈り (統一)の測定中に本人が実体感した意識状況と測定された結果とを対比し、祈りと肉体の関連を究明するため行われた。祈り、統一中の脳波測定の結果、特にα波の変動状況は坐禅、瞑想、静功などに共通な点があることを前回述べた。今回測定したのは、脳波、脳内血液流量変化、皮膚電気活動である。脳波について、被測定者が深い統一に入っていたという時間帯を今回さらに詳細に検討し次の結果を得た。α波は徐波化が進み、減少し全頭においてθ波と周波数の低いα波が優勢となった。その時、β波は特に頭頂から左前頭部にかけて強く、左後頭部にも現れた。脳内血液流量変化の測定結果、頭頂と左前頭部に特に大きな変化(Oxyヘモグロビンの増加)が観測された。この部位は深い統一時のβ波の強い部位と一部一致しており、その関連性について今後研究する必要があると思われる。皮膚電気活動測定では、EDAは統一開始直後から低下し続け180秒以後はほぼ安定して低いレベルを保ち続けたことが認められた。この結果は、被測定者が実感したとおり、開始後3分頃から深い統一に入っていたとことを科学的に裏付けたものと言える。
著者
木戸 眞美
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.552-560, 2004-09-01 (Released:2019-05-03)
参考文献数
7

養生気功の1つである六字訣における中国人、日本人気功師による発声の音声解析を行った。その結果、14.8kHz 以上の高い周波数成分があることが分った。基本周波数は2次に倍音が基本だったが、どちらの六字訣の発声音かにより構造に違いが見られた。さらに、六字訣の気功師による発声音を聴くことによりどのような生理物理的変化が経絡に現れるかを、15人の被験者で単一矩形パルス法により測定した。六字訣による経絡間の順位変化の平均値は系統的な傾向を示した。つまり、これまで六字訣の実践は嘘、呵、呼、〓、吹、〓の6音韻を発声して体に響かせることにより対応した臓器を強化できると考えられてきたが、実際に特定の内臓や経絡に影響すると考えられる。
著者
有田 秀穂 滝本 裕之
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.73, 2016 (Released:2016-08-01)

脳幹のセロトニン神経は各種のリズム運動(丹田呼吸法、自転車漕ぎ、ガム噛みなど)によって活性化され、その結果として、脳波に開眼覚醒状態で、β波の中にα2成分(10−13Hz)が混入するようになる。この時、全血中のセロトニン濃度が増加し、POMS心理テストでネガティブな気分の改善が認められることを既に報告してきた。通常、α波は開眼から閉眼に移行すると直ちに出現することが知られているので、開眼状態で、かつ、リズム運動実施5分位から出現するα波に着目して、本研究では各種のセラピーによってセロトニン神経の活性化を検討した。その結果、眼球のリズミカルな運動と、顔面および背部のリズミカルなマッサージがセロトニン神経の活性化に有効であることを見出した。なお、マッサージは脳内オキシトシン分泌を促す効果が知られているので、オキシトシン受容体を持つセロトニン神経が二次的に活性化されたものと推察した。
著者
高木 治 坂本 政道 世一 秀雄 小久保 秀之 河野 貴美子 山本 幹男
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.60, 2019 (Released:2019-12-29)
参考文献数
13
被引用文献数
3

我々はピラミッド型構造物 (pyramidal structure: PS)の未知なる機能について2007年以来、10年以上研究を続けている。PSの研究方法として、PS内部に人間が入り瞑想をした。PSの未知なる機能を明らかにする手段として生体センサ (キュウリ果実切片) から放出されたガス濃度を測定した。生体センサの作成、設置、ガス測定は、零点同時補正法 (simultaneous calibration technique: SCAT) によって行われた。この方法は、国際総合研究機構 (International Research Institute: IRI) で研究開発され、ヒーラーに関わる多くの研究成果を得ている。ピラミッド型構造物と人間とが関わった実験において、次の2つの結果を得ることが出来た。(1) PS内部に人間が入り瞑想する以前に、人間の無意識 (フォースタイプI) による、生体センサに対する未知なる遠隔作用 (6 km以上離れた地点から生体センサに対して、遅延なく影響を与える長距離の非接触効果) が検出された。(2) PS内部に人間が入り瞑想した後、人間による何らかの影響 (フォースタイプII) によって、10日間以上続く遅延を伴った非接触効果 (PS内部の人間と生体センサの距離が0.5 mである短距離の非接触効果) が検出された。これらの結果から、ピラミッド型構造物と人間との関わりにおいて、人間から発する2つの異なるフォースタイプがあることが示唆された。しかし、2つの異なるフォースタイプは、PSによって変換速度は異なるが、どちらも生体センサが反応し得るエネルギーに変換され、非接触効果として検出されたと考えられる。ピラミッドパワー (効果) に関する学術的な研究において、統計的に高い有意性のある実験データを示した研究は、我々のグループ以外では皆無である。
著者
奥 健夫
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.412-427, 2006-09-01 (Released:2019-05-03)
参考文献数
49

本研究では、量子論及びホログラフィック宇宙原理に基づき、人間生命体における意識・心を情報・エネルギーとしてモデルを構築し、心身の健康に及ぼすメカニズムを考察することを目的とした。ホログラフィック原理による全宇宙時空間に遍在する情報・エネルギーは、非局在情報に関わり、それが局在化した状態が個人の意識として認識されると考えられる。これらの意識情報のフォトン的なエネルギー変換から、量子脳理論により説明される脳細胞内に発生するコヒーレントなトンネル発生及びそのエネルギー変換により、脳波微弱電圧の発生、微量伝達物質の脳内化学合成-制御などが生じ、結果としてDNAから身体全体の健康に影響が及ぶと考えられる。非局在医療のメカニズムとして二つの共時性モデルを提案した。第一が3次元境界ホログラム上の虚数時間で表される意識情報I_<C1>(r_1, it_1)及び健康に関する情報を含む非局在情報I_<NL>(r,-it)が共鳴する領域に生じる共時性モデルである。2つのホログラムが重なる領域での4次元時空r_<SH>・実時間t_<SH>において、I_<SH>の情報を有する非局在医療的共時性現象が生じる。第二のモデルとして、意識波動関数Ψc=Ae^<i(px-Et)/h>と非局在情報波動関数Ψ_<NL>が共鳴[(px-Et)c=n(px-Et)_<NLC>]した領域が、共時性現象として通常の4次元時空に現れ、非局在的癒しが生じるメカニズムを提案した。また非局在医療から心身医学、そして人間の存在全体を癒すホリスティック医療を、I_<NL>⇒I_C⇒hv⇒mc^2により情報エネルギーモデルとして記述する可能性を示した。特にI_Cは、希薄ながら宇宙全体の情報を含むホログラムであり、内部意識集中による非局在情報との共鳴により非局在的癒しが生じる可能性を示した。
著者
Manami OZAKI
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.115-122, 2007-03-01 (Released:2019-04-30)
参考文献数
17

目的:本研究の日的は、宗教的伝統のあるS大学の学生と一般大学学生におけるスピリチュアリティーを比較し、意志の働き、内的な喜び、超越性、道徳性にどのような差があるか探索することである。その結果より、スピリチュアル・ヘルスとメンタルヘルスの構成概念を再考し、モデル構築をも目的とする。方法:心理的成熟度として表れるスピリチュアリティーの測定尺度であるSBAS-TEST(尾崎、2005)を、首都圏の一般大学生(N=287)とS大学生(N=107)とに試行し、総得点、各カテゴリー、因子ごとの単純加算得点を比較した。結果:S大学学生は、信念に基づいた行動、超越次元への気づき、倫理観、気遣い、スピリチュアリティーで、一般学生より有意に高得点を示した。しかしながら内面からあふれ出るスピリチュアルな喜びに関しては、一般学生と比較し低い傾向を示した。考察:S大学の宗教教育を背景とするスピリチュアリティーの側面は、超越的次元への気づきと、それに伴う道徳1生として表れた。しかし喜び得点が低いことから、それが必ずしも精神衛生の高さを意味しない可能性を示唆した。道徳性の高次への変容をスピリチュアル・ヘルスとして、適応中心のメンタルヘルスから区別することにより、スピリチュアリティーが、道徳性で記述できる可能性が示された。結論:メンタルヘルスとスピリチュアリティーの高さは必ずしも一致しない。高次の道徳性は、スピリチュアル・ヘルスのひとつの指標となりうる。
著者
河野 貴美子 坂本 政道 世一 秀雄 高木 治 小久保 秀之 山本 幹男
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.34-39, 2013-03-01 (Released:2018-12-11)
参考文献数
7

意識探究プログラムとして知られるヘミシンクは、左右の耳にわずかに異なる周波数の音を聞かせることにより、深くリラックスした状態を作り出し、通常と異なる意識状態に導くことが容易な方法とされている。著者らは、今まで様々な変性意識状態下の脳波を検討してきた。今回、5名のヘミシンクトレーナーの脳波計測からヘミシンク聴取による脳の変化を検討することを試みた。後頭部のα波平均振幅値は、セッション中に減少し、軽眠を思わせたが、各帯域含有率で、α帯域における比率が大きく減少していたわけではなく、通常の入眠時とは異なると思われた。β帯域含有率はフォーカスレベルF10とFl2で、交互に変化する様子が見られ、刺激音のうなり周波数との関係を示唆させた。左右脳波のコヒーレンス値が聴取時に大きくなる傾向が見られたが、セッション中に後頭から前頭にかけて位相同期的な瞑想様脳波が見られた被験者も複数おり、瞑想に近い状態を容易に実現することで、コヒーレンスが高くなっていることも考えられた。
著者
大門 正幸 稲垣 勝巳 末武 信宏 岡本 聡
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.128-139, 2010

退行催眠中に生じる異言(本人が学んだことのない言語を使うことが出来る異言と呼ばれる現象が生まれ変わり仮説を支持する強い証拠になることはよく知られている。大門他(2009)では、おそらく日本で初めての事例として、当人の経歴から、知っているはずがないネパール語を退行催眠中に話す日本人の例について報告した。本橋では、この事例について2009年の時点では十分検討がなされていなかった点を補い、より完全な形で報告を行う。
著者
山本 幹男
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.3-4, 2010

国際生命情報科学会(ISLIS)の1995年創立から2010年春までの14年半の活動と「潜在能力の科学」の推進について報告する。設立趣意は、物質中心の科学技術から、こころや精神を含んだ21世紀の科学技術へのパラダイム・シフト(枠組革新)のための、実証的科学技術研究の発展を通じて健康、福祉、教育と社会および個人の心の豊かさを増進させ、自然と調和した平和な世界創りに寄与する事である。創設以来、生命情報科学シンポジウムを年2回、計29回主催と国際学会誌Journal of International Society of Life Information Science(Journal of ISLIS)を年2号発行してきた。2002年には「潜在能力の科学国際シンポジウム」を、2004年8月には韓国ソウルで「Mind Body Science国際会議」を主催した。2004年には単行本「潜在能力の科学」を発行した。現在世界の9ヵ所に情報センターを、約10ヵ国に約270人の会員を有す。2010年8月には富士山近くで合宿をする。
著者
河野 貴美子
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.218-229, 1998

気功と催眠の違いを検討すべく、それぞれ施術者、受け手の脳波同時測定を行なった。気功法実施中、気功師の前頭部には後頭部のα波と同期したα波の出現が見られた。即ち、後頭-前頭間におけるα波出現位相のずれ(τm)を計測すると、安静時よりずれ時間が小さくなる。この現象は気を受けた一般人にも見られた。また、気功師が特異なβ波パターンを示す時、受け手にも似たパターンが現れた。暗示による効果を極力除いた二重盲検法を導入しての実験でも、受け手のτm値は気功師同様小さくなった。両者の脳波の同調的現象から、何らかの信号が受け手に伝わっている可能性が示唆された。一方、充分にラポール(精神的意志疎通関係)のとれた相手に言語を用いず、かつ閉眼による催眠誘導を行なったところ、外見的には気功と類似の動きも見られたが、β帯域に同調的パターンは見られなかった。α波は催眠中、施術者、受け手とも前頭部にも多少現れわ、τm値は、両者ともに安静時より小さくなる傾向が見られた。しかし気功ほど顕著ではなく、暗算等課題集中時に見られる位相同期の範囲を超えないことから施術者に直接同調しての現象とは言い難かった。催眠では非言語誘導であっても、受け手は常時施術者から受けている誘導言語を自身のうちで反趨し、自ら催眠に入っているものと思われた。
著者
宋 孔智
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.198-214, 1999

この論文は4つ実験シリーズに基づき、特異功能の存在に関して報告する。第1実験シリーズでは、被験者張宝勝が透明なガラス瓶の中からメタクリル酸樹脂(PMMA)チップを取り出した。ガラス瓶に損壊は見られなかった。第2シリーズでは、実験試料は透明なガラス管に入れられたスプリング形状の長い針金であった。被験者はガラス管から針金を取り出したが、ガラス管は損壊していなかった。第3シリーズでは、我々は試料が容器から出る途中の状態を一連の写真で撮影した。第4シリーズでは、1角紙幣(人民元)が2枚のPMMA板の間に封入された。被験者は紙幣に焼けこげを生じさせ、多数の穴を作ることができた。一連の実験で、すべての試料容器には異常が見られなかった。これらの実験結果は、特異功能に物理的・生理的なメカニズムが存在していることを示唆している。
著者
永山 勝也 三浦 一郎 河越 景史
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.199-204, 2014-09-01

指先血管の画像処理による評価法についての研究を行った.指先毛細血管の臨床画像を用いて,特徴点抽出により指先血管の輪郭の抽出を試みた.また,臨床画像より指先血管の状態について数値化を行い,自動的にパラメータを算出するプログラムを作成したことで処理の簡易化を実現した.さらに,画像処理により血管形状のパラメータを測定しその測定結果をサプリメントの性能評価に役立てることができた.We examined the evaluation method by image processing of the fingertip blood vessels. Using the clinical Figures of the nailfold capillary, we tried to clear characteristics of the fingertip capillaries by the feature point extraction. Also it has been realized to simplify the process by performing the numerical values for the state of the fingertip blood vessel from the clinical picture, to prepare a program for calculating the parameters automatically. Further, it could be useful to evaluate the performance of supplementation measuring the parameters of the microcapillary shape by image processing.
著者
小久保 秀之 蛭川 立 清水 武 根本 泰行
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, 2011

意識が微小スケールの確率現象に特異な影響を与えるといわれており、その作用を研究する装置として乱数発生器(RNG)がよく使われている。しかし、乱数発生器がどのようにして特異な作用を検出しているのか、どのように実験すれば効率的なのかなど、不明な点も多い。このワークショップでは、次の3点を中心に、乱数発生器を用いた測定系の問題を討論する。1) これまで波動関数は直接測定できないとされていたが、2011年、カナダのグループの実験によって波動関数の直接測定が可能であることが実証された。これは従来の波動関数の解釈に変更をもたらすだろうか? また、RNGの実験結果を意識の量子的な作用で解釈しようとする試みに、どのような影響があるだろうか?2) RNGの装置本体、あるいはデータ処理の最初期において、XOR処理が行われることが多い。この処理を行うと乱数が「なまった状態」になるため、検出器としてのRNGの性能が低まることが懸念されている。XOR処理は本当に必要なのだろうか? XOR処理をせずとも実験が可能だろうか?3) 近年、実験における距離や方向の重要性が認識されつつある。たとえば、地球意識計画(GCP)は第1期の研究として、地球規模のスケールの現象の研究を行っていたが、第2期では、やや到達距離の短い、地域的な影響を研究している。また、生体センサを使った非接触ヒーリングの研究では、ヒーリング時の人体の近傍(2m程度の範囲)に波型のポテンシャル分布が生じることがわかっている。では、10~数100m規模のスケールで実施されるフィールドRNG実験は、距離や方向の問題をどう考えればよいだろうか?
著者
田中 禎
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.175, 2019 (Released:2019-12-27)

アドラー心理学は、臨床現場における「人間が健康的に生きていくこと」「他者を援助し、協力的に暮らしていくこと」などをテーマに、理論的に「全体論」「目的論」「仮想論」「社会統合論」「個人の主体性」などの基本前提から構築されている臨床心理学である。機械論的な人間解釈や動物実験の延長で人間を理解しようとする動きとは一線を画し、人間を人間として、機械でも動物でもない人間として、固有の精神を持った人間としてみようとする立場をとる。その理論は、仮説検証的な自然科学的理論ではなく、仮想のシステムに過ぎない。いわゆる真理の追究ではなく、ある一つの解釈の仕方に過ぎない。 人間が健康的に生きていくこと、特に人間が精神的に健康で生きるためには、他者との関係が良好でなければならず、他者との関係が良好であるためには、他者の関心に関心をもち、それにもとづいて他者に貢献しようと決心していなければならない。そのような他者への関心と貢献の感覚を「共同体感覚」と呼び、アドラー心理学の思想の根幹をなす。また、この思想があるため、アドラー心理学は科学そのものではない。 アドラー心理学の技法としては、「目標の一致」「解釈と推量」「課題の分離」「代替案の提示」「勇気づけ」「ライフスタイル診断」などがある。しかし、多くのアドラー派の治療者は、心理治療の技法は流派を超えた共有財産だと考えており、折衷的で、古典アドラー心理学に忠実にライフスタイル診断を行うこともあれば、アドラー心理学の理論と思想の文脈において、認知行動療法やナラティブ・セラピーやミルトン・エリクソンの系統のさまざまな治療を採用することも珍しくない。さらに近年、日本では、サイコドラマに古武術的技法を取り入れたボディ・ワークなども報告されている。 本シンポジウムでは、このようなアドラー心理学の文脈においてあらためて「自然治癒力」及び「その可能性について」考察してみたい。
著者
上田 至宏 樫葉 均 石井 昌明 柳田 利雄 喜多村 祐里 佐伯 吉捷
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.269-275, 2000-03-01 (Released:2019-04-30)
参考文献数
2

オルゴールの音色には可聴域以外の高周波が含まれ、かつオルゴール特有のリズムとも相俟って心が安まると指摘する人があり、この効果を癒しとして利用しようとする音楽療法の一種にオルゴール療法がある。そこでオルゴール音の脳波、光トポグラム等への影響を検討した。一般に健常人の安静閉眼時の脳波は後頭部を中心にα波成分が優位になるが、リラクゼーションが得られると、α波パワーの増大と徐波化がみられる。しかし、今回のオルゴール音を使用したリラクゼーション時の結果では、αパワーの増大と徐波化もみられたが、他の周波数帯域(特にβ帯域)のパワーも増大した。今回、脳梗塞後に末梢の感覚障害等を有する患者に、オルゴール療法を行っている時の脳波を測定する機会があり、その患者では特にβ帯域のパワーの増大傾向が顕著に表れた。オルゴール音は、皮膚の活動を賦活する働きがあるだけではなく、高周波による影響が骨伝導を通して深部の脳波活動にも影響をあたえているようであった。