- 著者
-
大内 夏子
西浦 升人
濱田 高志
- 出版者
- 一般社団法人 電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会 通信ソサイエティマガジン (ISSN:21860661)
- 巻号頁・発行日
- vol.15, no.3, pp.219-227, 2021 (Released:2021-12-01)
- 参考文献数
- 11
災害発生後72 時間は災害応急活動において最も重要な時間とされているが,この時間は携帯電話網やWi-Fi によるインターネット接続などの既存通信網が利用できない「通信途絶」が想定される時間でもある.災害時に既存通信網が途絶した状況においても,コミュニケーション手段の確保は必須であり,特に東日本大震災以降様々な対策が取られてきた.しかし,自助・共助を支える被災者及び救援者が必要とするコミュニケーション手段の確保には課題が残る.筆者らは,この課題を解決するため,一般の人々に広く普及しているスマートフォンを用いた自律分散ネットワーク構築技術「スマホde リレー」の研究開発,社会実装に取り組んできた.本稿では,スマホde リレーの要素技術,通信性能の検証結果,社会展開に向けた取組み,災害時通信における今後の展開について紹介する.