著者
斉藤 優理 伊藤 貴之
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

本報告では,タイトルなどのメタデータに依存せず,楽曲の雰囲気に基づいた楽曲提示インタフェース「MusiCube」を提案する.MusiCube とは,楽曲を立方体内部に散りばめ,サイコロを転がすようにして,さまざまな角度からユーザの嗜好の傾向を眺めることができるインタフェースである.ユーザの嗜好を考慮した楽曲提示の仕組みとして,人間の評価に基づいて嗜好を学習し,提示へ反映する対話型進化計算を用いる.
著者
大本 義正 戸田 泰史 植田 一博 岡田 将吾 西田 豊明
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

ファシリテーションによって議論を効果的かつ円滑に行なえることが知られているが、どのような情報に基づいて介入すべきかはよくわかっていない。本論文では上手なファシリテータが介入する直前の議論の状態と参加者の態度を、発散収束と視線・発話の有無に基づいて分析し、どのような状況でどのようなファシリテーション行動が行われるのかを検討した。この知見は、人間の会話への人工物による介入の実現に役立つと思われる。
著者
三野 陽子 小林 一郎
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

今日,生活習慣病などの有病者が増加しており,国民の健康改善への意識が向上している.そこで本研究では健康管理の一つとして,食事に注目した.個人のスケジュールを考慮しカロリー摂取量を制限したレシピの候補を選択し,更に線形計画法を用いて栄養バランスの良い健康面に配慮したレシピを推薦する手法を提案する.また,推薦された食事を食べなかった場合など様々な状況にも柔軟に対応し,レシピ推薦を行う.
著者
松村 真宏
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

ちょっとした仕掛けがちょっとした意識や行動の変化を生み、それが大きな社会的インパクトを及ぼすことがある。「フィールドマイニング」は、そのような社会現象、具体的には、人の意識や行動を変えるための仕掛けとその効果を体系的に明らかにすることを目指す新しい研究分野である.本発表ではフィールドマイニングの取り組みと課題について述べる。
著者
斉藤 賢爾 中村 俊介 黒澤 伸一郎 緒方 大輔 南 政樹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.1P2OS9a8, 2012

<p>「アカデミーキャンプ」は、東日本大震災や福島第一原子力発電所事故の影響を受け、心身ともにストレスを受けて生活している福島県の小中学生を対象に、静岡県御殿場市にて実施しているキャンプ型の遊びと学びのプログラムである。この報告では、2011年夏および2012年冬に実施したキャンプを通して、参加したこどもたちのみならず、ボランティアとして参加した大学生等に生じた心的・行動的変化を述べ、評価を試みる。</p>
著者
上村 章浩 藤波 努 山本 知幸
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.4, pp.219, 2004

技能修得の過程には個人差があるが、その差は「才能」や「素質」という言葉で片づけられてしまいがちである。しかし、そのような個人差はなぜ生じるのであろうか?本研究ではシェイカーによるサンバのリズム演奏を題材として、初心者が上達していく過程を観察するとともに、学習者間で身体技能の修得過程にどのような差異が存在するかを分析した。実験では、複数の被験者を対象として、シェイカーを振る動作をモーションキャプチャ装置を使って計測し、身体各部位の連携を分析した。また各被験者の動作と修得過程を比較して、どこに上達の差異が生じているかを特定した。
著者
大澤 昇平 松尾 豊
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.1I23in, 2014

<p>近年、ソーシャルメディアの台頭により、人間関係に関連する膨大な情報がウェブ上に蓄積されるようになり、信頼性に関する指標を定量化することが可能になっている。 本研究では、従来の組織内の文書を対象にしたエキスパート検索と、ソーシャルメディアに蓄積されている信頼性に関する情報を統一的に扱う枠組みを実現する。</p>
著者
中尾 悠里
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.4H1GS11b03, 2021

<p>機械学習が日常の意思決定を助けるために広く利用されるようになり、情報検索やレコメンデーションなどのAIアプリケーションの結果の影響を受ける人が増えている。一方で、これらのアプリケーションは、フィルターバブルやソーシャルエコーチャンバーと呼ばれる効果を通じて、個人の知覚する世界にバイアスを与えていることが指摘されている。就職先の決定や大学での進路決定など、将来の進路に関わる重要な意思決定において、ユーザーの知覚の偏りは、技術が人の可能性を捻じ曲げてしまう点で倫理的に致命的な問題である。しかし、個人にとって重要な意思決定を的確に支援するための具体的な方法はいまだ提示されていない。本論文では、個人が人生の中で数回しか経験しない、重要な意思決定を支援する技術を開発するために探求する必要がある内容を人の意思決定方策、選択肢のマッピング、批判的なインタラクションの支援の文脈から検討する。そして、ユーザーが自身の人生における選択肢を拡張するためには、システムの決定をユーザーが批判し覆せるシステムが必要であると結論づけ、批判可能なシステムを構築するための研究課題のリストを提案する。</p>
著者
宇田川 忠朋 久保 大亮 松崎 拓也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.3J4GS6c03, 2021

<p>本論文では、日本語係り受け解析にBERTを用いることで、既存手法と比較してどういった誤りが改善されるのかを調べた。BERTは、文章を入力し、その中の各単語について文脈に依存した埋め込みベクトルを得る手法である。本論文ではBERTを用いる手法として、係り受け候補に対応するBERTの出力ベクトルを順伝播型ニューラルネットワークに入力する方法と、双線形関数に入力する方法の2つを従来法と比較する。実験を行ったところ、BERTを用いる手法はどちらも従来法の精度を上回った。この差を係り受けペアの品詞の組み合わせや文節間距離などの観点から分析し主な精度向上の要因を探った。</p>
著者
庵 翔太 砂山 渡 畑中 裕司 小郷原 一智
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.3F2OS12b03, 2018

<p>近年,ソーシャルメディアの利用者の増加によって,多くの人々がオンラインでのコミュニケーションを行っている.しかしながら,昨今ソーシャルメディアにおける不適切投稿によって生じるトラブルが問題となっている.こういった現状を考えると,オンラインでの対話を行う際に,読み手の感情を考慮した文章作成を行うことは,良好な人間関係を構築する上で重要であると言える.そこで本研究では,文章を入力とし,書き手が読み手から良い印象を受ける文章の作成を支援することを目的とする.このために,好意と悪意を表す単語の可視化機能や文章修正を促す機能を実装した.実験の結果,本システムによって読み手に良い印象を与える文章の作成を支援できることがわかった.</p>
著者
西崎 絵麻 坂口 早紀 尾崎 知伸
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.2H15, 2017

<p>本研究では,簡易版人狼であるワンナイト人狼を対象とした投票行動の分析結果を報告する.10名の被験者による約100ゲームを対象に,投票先と投票理由を収集し,その変化やパターン,傾向について分析を行った.</p>
著者
髙島 愛理 尾関 基行 村山 加奈子 岡 夏樹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.2L4OS27a4, 2014

<p>本研究では,ユーザが自分で予約設定した家電の自動処理を(実際には存在しない)エージェントがやったことにして,「やっておいたよ」という書き置きを部屋に残しておくことにより,一人暮らしの寂しさを軽減するというアイデアを提案する.これはスマホアプリやメールによる完了通知を"書き置き"に替えただけであるが,それだけの演出で,自分がいない間に「誰かが存在したこと」をユーザに感じてもらう効果を狙っている.</p>
著者
于 楊 日永田 智絵 堀井 隆斗 長井 隆行
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.4F2OS25a03, 2020

<p>近年,スマートフォンやタブレットなどデジタル端末の発展により,ユーザーが視聴できる動画は膨大な量に達している.こうした中で,消費者のニーズに対応するパーソナライズされたビデオコンテンツの分類,検索および配信は依然として解決すべき課題である.一般に,人間は情緒的特性に基づいて映画や音楽を選ぶ傾向がある.従って,感情喚起を分析することで,この課題に対して一つの指針が得られる可能性がある.動画によって喚起される感情は,オーディオとビデオの両方のモダリティに関係している.そこで本研究では,マルチモーダル情報の統合によって動画による感情喚起を推定する深層学習モデルを提案する.映画データベースを用いた実験により,マルチモーダル情報を統合したことによる推定性能の変化について検証し,従来手法に比べ推定精度が向上することを示す.また最近話題となっているAutonomous Sensory Meridian Response (ASMR) 動画を解析し,感情喚起と閲覧回数,高・低評価数など視聴者の行動との関係性を検証する.</p>
著者
松井 藤五郎 蔦木 宏斗 加藤 準平 後藤 卓
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.2L5GS1301, 2020

<p>本論文では、株価時系列データを対象として、企業をクラスタリングする方法を提案する。企業の中には、事業を多面的に展開し、単一の業種には留まらないものもあるが、従来の業種分類ではいずれか1つの業種に分類されており、業種分類が実態とは乖離しているものが存在している。また、業種分類の中には本来は異なる複数の業種が1つの業種としてまとめられている業種もある。これまでに、投資信託のリターンを対象として同一ベンチマークのインデックス型投資信託をクラスタリングする手法が提案されている。そこで本論文では、業種ごとに企業をクラスタリングできるようにこの手法を拡張し、株価時系列データを対象として企業をクラスタリングする。また、提案手法を実際の株価データに適用し、その有効性を確認する。</p>
著者
古川 康一 升田 俊樹 西山 武繁
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.1O1OS64, 2012

<p>弦楽器の運弓動作は、曲が要求する状況に合せて腕を振りながら弓を操作する動作である。同様の動作には野球のバッティング、投球、テニスのストロークなどがある。これらの動作の第1の共通点は体幹の力の上肢への鞭のような伝達方式であり、第2は動作自身の習熟の困難性である。本論文ではそれらの動作の習熟支援のための言葉に注目し、それら言葉を収集・整理するとともに、省エネルギーの観点から動きの力学的な考察を行う。</p>
著者
河合 珠空 小野 淳平 小方 孝
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.3D1OS22a04, 2020

<p>歌舞伎舞踊『京鹿子娘道成寺』は,道成寺伝説の一種の後日譚でありながら,もともとの伝説を越えた独自の内容を持った作品として,古くから多くの優れた女形によって上演されて来た.本研究では,渡辺保による『京鹿子娘道成寺』の分析を参考に,人物・背景(舞台装置)・音楽(楽器,演奏者,ジャンル)・詞章と台詞,さらに場面ごとの核心的な精神的主題などを主な構成要素とする,その「舞台上演構造」の詳細な分析を試みる.さらに,物語生成システムのアニメ―ションツールとして以前に筆者らが開発したKOSERUBEと呼ばれるシステムを用いて,その舞台上演構造を簡易な可視的イメージとして構成する.本研究は,物語生成システムの一表現方式,コンピュータゲーム,自動生成コンテンツなどへの応用を目指して進められている.</p>
著者
福田 和維 小野 淳平 小方 孝
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.3D1OS22a03, 2020

<p>筆者らは,物語のストーリー・深層の修辞的構造(物語言説)・表層的な表現を生成する,「統合物語生成システム」の開発を進めて来た.本研究では,この統合物語生成システムを用いて,「蘊蓄」―特定の対象や主題に関する詳細(で過剰)な知識内容―を生成する機構を提案する.具体的には,統合物語生成システムの主に名詞概念辞書中に,Wikipediaその他から個々の名詞概念に関する自動獲得された属性概念を格納し,システムによって生成された物語の合間に随時その属性情報を編集して埋め込むことで,ある対象や主題についての蘊蓄生成を可能とする.研究の焦点は,ある対象や主題に関連した属性情報の自動獲得及びその編集による利用方式である.今回は,対象・主題を歌舞伎とし,歌舞伎に関する蘊蓄生成機構の実装を試みる.</p>
著者
日永田 智絵 堀井 隆斗 長井 隆行
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.3G3OS18a02, 2019

<p>感情は人において重要な要素であるといわれているが,そのメカニズムは完全には明らかになっていない.その中で有名な仮説として,神経科学者のDamasioは,情動を身体シグナルとし,外部の刺激によって引き起こされる身体シグナルが意思決定を効率化しているというソマティック・マーカー仮説を提唱した.本研究では感情メカニズム解明への足掛かりとして,計算機シミュレーションにて,ソマティック・マーカー仮説の検証を行った.具体的には,深層学習を用い,行動方策を学習するネットワークを構築し,身体シグナルがあることによって,報酬の高い行動の選択が行われるかを検証した.結果として,身体シグナルがあるものが最も報酬の高い行動を選択できるようになっていることが明らかとなった.</p>
著者
高野 雅典 水野 寛
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.1B304, 2018

<p>現実の社会関係では相談しにくいことも匿名のオンラインコミュニケーションではしやすくなる。しかし日本の若者が主に利用するオンラインコミュニケーションツール(Facebook、Twitter、LINE)は現実の社会関係を多く含む。そのような現実とその拡張の社会関係を補完するコミュニケーションツールは重要であろう。本研究は、アバターチャットサービス「ピグパーティ」におけるソーシャルサポートについて考察することが目的である。そのためにサービス運営者によるインタビュー結果をオンラインソーシャルサポートの観点から整理した。</p>