著者
岡本 青史
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.185-186, 1996-09-04

最小近傍法は,パターン認識の分野に起源を持つ分類手法であり,機械学習や情報検索等の広い分野に応用されている.最小近傍法は理論的にもよく研究されているが(例えば[1]),最小近傍法の正答率がノイズによってどのような影響を受けるかは明らかになっていない.本論文では,平均的解析の枠組を用いることにより,最小近傍法に対するノイズの影響を解明する.対象とするノイズは,関連属性ノイズ,非関連属性ノイズ,クラスノイズの3つのタイプである.本解析ではまず,既存の平均的解析の枠組を3つのタイプのノイズが扱えるように拡張し,最小近傍法の正答率を理論的に導出する.次に,この導出結果を用いて,各ノイズが最小近傍法の正答率に与える影響を明らかにする.
著者
宮原 景泰 依田 文夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.103-104, 1997-09-24

情景画像中の文字を認識する場合, 影の存在が大きく悪影響するため, 影を除去する手法が種々提案されている。これらは, 入力画像から文字線を消去した背景画像を作成し, 入力画像と背景画像の画像間演算により影の影響を除去する。背景画像の作成手法としては, 画像を矩形の部分画像に分割し, 部分画像毎に求めた。背景濃度を補完して背景画像とするもの, 2次元の局所最大値フィルタ/局所最小値フィルタを適用するものなどがある。しかし, 前者は影の境界での濃淡差が急峻な場合に境界部に影の影響が残る。また後者は, あらゆる方向の影に対応できるものの, 全画素を多回数アクセスする必要があるため処理時間がかかり, 影の方向が水平/垂直などある程度決まっている場合に効率が悪い。そこで本稿では, 水平/垂直な影に対して少ない処理量で対応できるようにするため, 異なる方向に圧縮して作成した複数の背景画像を合成して最終的な背景画像を作成する背景画像作成法を検討したので報告する。
著者
小嶋 卓 松林 美弥子 清 千和
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.62-63, 1989-03-15

計算機内部の浮動小数点数の表現はパソコンやワークステーションを中心にIEEE規格が定着し、この規格のFPUが普及期に入っている。次々に発表されるマシンはIEEE規格を採用しており、ここしばらくはIEEE規格の時代が続きそうである。IEEE規格の浮動小数点数は、指数部が若干長くなったものの、長さが一定であることには変わりなく、いくつかの問題ではオーバーフローやアンダーフローが起こりうる。このことを解消するため松井、伊理の方式や浜田の方式が提案されている。これらの指数部と仮数部の境界可変型の浮動小数点数はソフトウェアで実現すると実用的な速度にならず、ハードウェアの実現が必要不可欠である。これらの方式が普及するかどうかは、次世代の規格に取り上げられるかどうかにかかっていると言えよう。そこで、現行のハードウェアを前提として、ソフトウェアでオーバフローやアンダーフローのない実用的な計算環境を実現するにはどうしたら良いかについて考察し、以下に述べるような効率の良い実現をみた。この報告では前回より次の点が新しい。(1)プログラムの改良による高速化がなされたこと。(2)入出力や定数設定や比較など非数への完全対応が取られていること。(3)IEEE規格でないマシン上でも動作するように非数の演算表を持たせたこと。(4)新しい浮動小数点数を含む式が書けるようにデータ抽象化機能のあるC++への対応部分を作成し、速度の点を考慮して初等関数等の中はC版で、一般のプログラムはC++版で書くことにした。
著者
横田 誠 薦田 幸一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.327-328, 1991-02-25

近頃,主に物理系で問題化している人間原理に関して,伝送工学の立場で考えて行こうしている。今回の絵画パタン等は,楽曲パタンと同様に,確かに物理的線路空間の問題あって,これ等のパタンの形成と認識は従来,主に人間にのみよってなされて来た。これ等性の問題に対して,部分的ながら人間に代行する人工のステム回路を考える事態に立ち至ている。ここで基本的イデアとしは,人間あるいは,そのモデル回路が物理的パタンを産出、形成し、且それ等を認識するということが,そのモデル回路とそれに対時する物理的タンが共通の因子を内蔵するということが基にあるということをとる。このような観点から、従来のTEMにおける伝送工学の基本的イデア対であ「線路」「回路」を生物系,人文系とも学際的に整合とる必要から、伝子工学として一般化,特に今回は人間の情報的パーフォーマンスの基本として,絵画環境の形成と認知に関する「線路」「回路」について考えてみた。線路系には電話線のような「沿線」系と,アンテナとしての「射線」系があり,楽曲パンは「沿線」系であり、今回の絵画パタンは「射線」系である。TEM系の線路系の基礎,単相伝送の線路長l=λ/4の,いわゆるue(:unit element)であり,その系はueの分布措置集合である。この分布電気通信大学措置集合は、一般に相互直交関係にある「沿線」系である衡伝送(b)系と,「射線」系である不平衡伝送(u)系との混在系である,これから絵的に放射され,これが人間の外皮系(ここでは視覚系の一次入力端子としてのンテナ系としての眼球系)を通して,中皮覚系を経由して,内皮(大脳皮質系)に至り,絵画的認謝され、絵画的創作等のバーフォーマンスに結びついてゆく。ー方,このような感受系の(部分的ながら)人工回路系を考えゆく為に,これと共通内蔵の因子としての入力系,この場合の絵画的線路系を,味覚的素子としての分類の必要が出てくる。赤,青等を,白絵画的原子として,これ等が絵画的分子的に画面に分布配置され,絵画的(意)味を供するとして,どのような分子構造が,それに相当するかを考える。ここで絵画系の源系系と元型系を考える。今回の「モンドリアン系」は人類の絵画史上,西欧的ルネッサンスの延長上、近世日本美術の抽象化の影響下の印象派のある種の帰結と考えられる。これは源系系的見地であるが,もう一方の,元型系としては幾何学的と心理学的方向が考えられる。幾何学的としては、ノンメトリックとメトリックが考えられる。形成された絵画パタンは色彩面素のワク内分布系であるが,これに取り組むのに2通りあって,1つは全体を2分割することから複雑多分割を進め基礎的パタンの集合とする方向,もう1つは,画面の1部点あるいは複数部点の,局部的基礎的パタンの成長系と見る方向が考えられる。モンドリアンが残した習作では,その成分の叉点(交差点)がT分岐と十字分岐のみからなっている。今回は,これを一般化して,加えて延長(-),鈎型(L)を含めた系としたものを考えた。そして今回のは;このように,一般の曲線交叉や斜線交叉でない,直角交叉メッシュ系に属するものである。アミダ・メッシュとか楽曲パタンの乗る5線譜様のMM(ミュージカル、メッシュ)等も直交メッシュ系である。但しこれ等の例は「沿線」系であり,これ等の一般系はデダール(迷路)系である。この線路パタンを絵画パタンととしても受け取ることも可能で,特に各区画面に彩色を施せばそれ等は一般的モンドリアン系に含まれることになる。ここで問題はマクロ的画面分割,ミクロな部分核画素に関して,いかに原子的絵画パタンと,その結合系としての絵画的(意)味を与える分子的絵画パタンをを抽出し,そして,これを味覚する代行の回路の建設に向かうことになる。
著者
小澤 英昭 上野 香里 鈴木 健也
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.321-322, 1997-03-12

マニュアルやカタログのような大量の文書情報を一元的に管理したり, 組織間や異種のシステム間で情報の流通を促進することを目的として, SGML (Standard Generalized Markup Language) を利用する例が増えている. SGML は, 例えば章や節と言った論理的な構造を付与した電子的な情報の記述法を規定しているだけであり, 電子的な文書情報システムとして誰もが簡単に利用するためには, 簡単に SGML データを作成できるエディタや, ディスプレイ上で SGML データを見易いビューワといった, 各種のツールが必要である. 我々はディスプレイ上で誰でもが簡単にマルチメディア情報を閲覧, 検索するためのインタフェースとして, 本のメタファを用いたブックメタファシステムを提案してきた.本稿は, このブックメタファシステムをべースとして, マニュアルの様な大量の SGML で記述された情報を, 電子的な本に自動的に展開し, 利用者に提供する SGML ブックメタファを提案する.
著者
田中 哲 渡部 卓雄
出版者
情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.73-74, 1995-09-20
被引用文献数
1

自己反映計算とは、通常の計算対象だけでなく計算を行なっている自己をも対象として計算を行なう、という概念である。自己反映的プログラミング言語とは、自己(動作中のプログラムや処理系の状態など)をその言語自身の枠組の中で扱うことができるようなプログラミング言語のことである。自己反映的なシステムでは、自己の構成、状態を動的に変更することが可能である。従って、自己反映的プログラミング言語は問題領域に合わせて自分自身をカスタマイズでき、柔軟なソフトウェアの構築に有用であることが認識されている。また、プログラム自体を扱う部分(メタレベル)と、問題を扱う部分(ベースレベル)に分けるという意味でモジュール化の促進を可能とする。本稿では、手続き的自己反映計算(ベースレベルを何らかのプログラムとすると、メタレベルをそのプログラムを実行するインタプリタとする枠組)において、モジュール化という側面を重視し、メタレベルの再利用性を考慮した自己反映的プログラミング言語のアーキテクチャを提案する。