著者
登 不二雄 井野 正興 橋本 周司 大照 完
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.397-398, 1992-02-24

茶の湯の舞台は、白雲を蓋とする屋外の茶庭と量の上に座ることを基本とする狭く天井も低い小間の茶室からなり、両者は背丈の半分にも満たない低いくぐり戸の躪(にじり)口により境される。この特殊な実空間の構築はもちろん、ここで使用されるおびただしい茶道具の準備には多大の費用、手間、時間を必要とし「一会の茶の湯に会うこと甚だ難し」である。筆者らは仮想空間の概念のもとに日本芸能の基礎的性質を考察し、茶の湯に対しても計設機支援により現実感の高い仮想空間の構築を試みた。これにより主、客は受動的なテレビ型でなく能動的な電話型で参加可能になった。
著者
平岩 真一 阿倍 博信 小高 俊之 野村 恭彦 横山 光男 松下 温
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.40, pp.777-778, 1990-03-14

現在のデータベースでは、情報が要求に対してマッチしているか否かの2値的な判断のみを行っているため、あいまいな概念(大きいとか、かっこいいなど)を含んだ要求を処理することが、非常に困難である。そのため、近年、あいまいさを含んだ検索要求が可能な、ファジィ理論を用いたデータベースがいくつか提案されている。しかし、何かを選んだり、買ったりするような場合には、より抽象的な概念による検索項目が必要となる。こうしたあいまいな検索要求に応えるため、本稿では、従来のファジィデータベースにおけるand、orの見直しと、検索項目の生成について提案する。
著者
土屋 雅子 吉田 正廣 畠間 晴夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.387-388, 1992-09-28

導入を予定して富士通(株)と共同研究を推進している数値風洞(NWTと略記する)は、要素計算機にベクトル計算機を配置する分散主記憶型並列計算機システムであり、搭載OSはUNIXベースのOS(NWT/OSと略記する)である。また、NWTは既設の大型電子計算機システム(FACOMVP2600:VPと略記する)をフロントエンドシステムとして有機的に結合した複合計算機システムを構成する。VPのOSはNWTとVPの緊密な連携をとるために、親和性の観点から、UNIXベースのOSを搭載する必要がある。しかし、航技研では10年来、現OS(MSPと略記する)で運用しており、JCL等ユーザ側からみた使い勝手のノウハウを含めたMSPの資産は膨大である。また、UNIXは不特定多数のユーザが混在して利用する大型汎用計算機システムのOSとしては、システムの管理運用機能が十分ではない。以上の観点から、VPには、MSPとUNIX(USXと略記する)の二つのOSを搭載し、ユーザインタフェースはMSPビューとする運用を検討した。MSPとUNIXでは、ユーザピューにおいて、種々な相違点がある。MSPピューとするためには、両OSの相違を吸収するための各種インタフェースが必要となる。本報告は、これらのインタフェースの実現方式の検討結果について述べる。
著者
宮崎 一哉 中嶋 春光 中川路 哲男
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.246-247, 1997-09-24
被引用文献数
2

インターネットの爆発的普及に伴い, その本格的な活用に対する要求が高まるなか, エレクトロニック・コマース(EC)が次代情報通信産業の牽引役として注目されている。とりわけECの対象商品をデジタルデータとする場合, 流通コストの削減効果は絶大であるため, 制作から配布, 利用まですべてネットワーク上で行なえるデジタルコンテンツは, ECにおいて最も有望な商品の一つとみなされている。ところが, デジタルコンテンツには「完全な複製が非常に容易である」という性質があることに起因する問題点を抱えている。これに対処するため, 著作権管理, 課金管理, 不正利用防止という切り口から情報セキュリティ技術を応用した様々な研究が行なわれている。一方, PCの高性能化やオーサリングツールの高機能化により, 専業者から非専業者まで, 計算機の熟練者から非熟練者までと, デジタルコンテンツの制作者の裾野は拡大をつづけている。このことは, コンテンツの配布者や利用者に対して, より弱い立場の制作者が増大することを示しているが, 従来の研究においては, コンテンツの配布者対利用者という視点からのアプローチがほとんどであり, 制作者からの視点に基づいたものがみられなかった。本稿では, 立場の弱い制作者の保護に重点を置いたデジタルコンテンツの配布方式について述べる。
著者
橋本 恵二
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.2069-2070, 1986-10-01

システムやソフトウェアを開発するに先立って行われる要求分析、要求定義の重要性が認識されて久しい。これまで要求を記述するための形式的なモデルと技法が種々提案されている。特にオフィスシステムの分析モデルとして、データフロー図(DFD)がよく知られている。DFDによる分析はまず、オフィスにおける帳票の動きや作業手順などをデータの流れ、変換活動、及びファイルという概念を用いて論理的に記述する。その上に計算機による処理部分を切り出し、要求仕様として用いる。しかし、上の方法ではどのようにDFDを記述することが論理的であるかが不明確である。またその記述の自由度が大きいために、書かれたものを検証することが難しいという問題がある。この点を改善するために、システムの実現手段を"完全"と仮定してDFDを記述するという提案がある。本論文では、このような研究の延長として、DFDにタイミングを取り入れたモデルと分析方法を提案する。事象とタイミングを手掛りに業務を分析すると、論理的なDFDの形態を規定することができる。それによって従来のDFDよりも記述の自由度が制限され、検証の可能性がより高められる。次に、実際の大規模なシステムを分析する機械的な方法を提示する。そこでは、対象システムを複数のローカルシステムに分割し、段階的な論理化を積み上げることによってシステム全体のモデルに至る方法を示す。
著者
島田 裕正 石川 広男 中島 達夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.70, pp.149-150, 2008-03-13

アプリケーションを構成する一部のプロセスが障害によって停止した場合、アプリケーションはプロセスを始動することによって復旧できる。しかし、その方法はアプリケーションに依存している。本稿ではLinux上で自動再起動可能な性質を持つプロセスを提案する。これにより、障害復旧処理をアプリケーションから非依存にすることが可能になる。自動再起動プロセスに関する一連の仕組みをユーザレベルおよびカーネルレベルでそれぞれ実装する。評価では、二つの実装を比較する。
著者
中尾 昌善 藤枝 秀生 大高 浩
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1165-1166, 1989-10-16

計算機システムで扱うデータ量の増大に伴い。それらの管理技術が重要な課題となってきている。特に従来の小型システム(1MIPS程度の能力)では、大量データの保管媒体として有効なものがなく、イメージデータのような長大データを扱うことが困難であるという問題があった。又、小型システムの特徴として人手操作の省力化を果たせることが、その必須条件であった。一方,書替え型光DKは、ビットコストが安価で小型な割に大容量であるという利点を持ち,かつライブラリ機構による自動マウント機能を備えているため、上記目的に適している。そこで、汎用OSで光DKの本格サポートを行うことにより、従来少量データしか扱うことが出来なかった小型システムにおいて、初めて以下に示すような大量データ管理の自動化を実現した。(1)小型システムでも大容量データベースを利用可能とした。(2)媒体の自動マウントを可能とし,人手操作を不要化した。本稿では,OSにおける光DKサポートの技術的課題のいくつかを紹介する。
著者
村山 尚 児玉 靖司 原田 賢一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.7-8, 1996-03-06

プログラミング言語は、型付き言語と型無しの言語に、大別できる。型付き言語は,静的型検査によって型誤りを起こさないことが保証される強く型付けされた言語、型誤りを起こす可能性のあるプログラムも型検査に合格してしまう弱く型付けされた言語とに分けられる。強く型付けされた言語では,型に関して安全で,信頼性の高いプログラムを作ることが可能である。型無しの言語では,型を明示的に指定する必要がないので,プログラムが簡潔に記述でき、変更などに対しても柔軟に対応できる。 強く型付けされた言語と型無しの言語の両方の長所を実現するために,型推論が考案された。型推論とは,プログラム中に現われる,非明示的な型に関する情報を使って,式の持ち得る型を厳密な推論規則によって、決定することである。型推論を行うことにより、明示的に型を指定しなくても,強い型検査を行うことができ,実行時の型誤りが起きないことが保証できる。
著者
鵜戸口 志郎 遠山 元道
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.312-313, 1997-09-24

オブジェクト指向技術が今日のアプリケーション開発の主流となりつつある。オブジェクトアプリケーションに相性がいいのは当然オブジェクト指向データベースであるが, 現状では大部分のデータ資産が関係データベースに格納されている。そこで本研究ではフラットな表型データに構造を持たせる能力を持つTFE処理形を用いて関係データベースに格納されているデータ資産をオブジェクト指向データ型に変換してオブジェクト指向データベースに移し変える処理系を試作した。なお, 今回使用したオブジェクト指向データベースはO_2 Technology社のO_2システムである。
著者
海老名 毅 樋口 英幸 伊藤 昭
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.78-79, 1991-02-25

実際に計算機を使っていて困った時、対話によりユーザを支援するシステムとしては、UNIXシェルについてのものが多く行なわれている。一方、マウスによるメニューやアイコンの選択により対話を行なう視覚的インターフェース(マックに代表される)については、自然言語による対話支援の例はあまり見られない。ところが、このような視覚的インターフェースは、慣れれば使いやすいものの、最初からマニュアルなしで使うことは(特に計算機の初心者には)難しい。このようなインターフェースにこそ、自然言語対話による利用支援が有効であるともいえる.そこで、視覚的インタ一フェースに対する対話型支援の効果を調べるため、Xウィンドウ上のメールムンドリングシステムXMHをとり上げ、対話型支援システムの設計開発を行なっている。
著者
清水 周一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.779-780, 1989-10-16

日本語文書中の誤りを計算機により指摘する、校正支援システムの研究は、これまで多く行なわれてきている。その一手法として、漢字かな混じり文を形態素レベルで解析し、解析用辞書中の単語では接続が不可能となる部分を、未知語として指摘する方法が多くのシステムで採用されている。しかし、日本語ワープロで作成された文書に対しては、英文におけるスペル・チェッカーほどの効果はない。漢字かな混じり文の入力方式として、かな漢字変換方式を用いているため、例えば、「欠裂(決裂)」や「速時(即時)」といったような書き間違いは起こらない。文書の修正時に、削り過ぎや削り残し等のため若干生じる程度である。それどころか、タイプミスした入力にさえ、形態素の接続関係の満たされた結果を出力しようとする。このような、形態素の接続では判定ができない誤りを、高いヒット率で、しかも高速に検出する実用的な校正支援システムを構築するには、ヒューリスティックな誤り検出ルールを数多く備えることが最も現実的であると考えられる。われわれは、実用的な校正支援システムを構築するためのツールとして、PCのOS/2上にFleCS(Flexible rule-based Critiquing System)を開発してきた。FleCSでは、校正ルール(誤り検出ルール)のために、柔軟なパターン記述用言語を提供している。
著者
武石 英二 林 良彦
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.300-301, 1991-02-25

マニュアル文書を対象とした日本文推敲支援システムの研究開発を進めている。これは文章中の推敲すべき表現(不適性表現)を検出するとともに、それに対する書換え候補を提示するシステムである。マニュアルに頻出する不適性表現の1つに長文があり、上記システムにおいては、形態素解析情報に基づく文分割機能の検討を進めている。従来の文分割方式では、基本的に(1)分割する文節(以下、分割点と呼ぶ)の接続形式と分割時に挿入する接続詞を一対一に対応させる、(2)分割点を終止形に変換する、という方式が多い。このとき連用中止表現や接続助詞「て」による接続(以下、本稿では両者を併せて連用中止表現と呼ぶ)は、通常並列接続として扱われるため、上記のような方式では「並列の接続詞の挿入(または接続詞なし)、分割点文節の終止形への書換え」という分割方法を採ると考えられる。しかし、連用中止表現はその前後に特定の意味関係(以下、連用中止表現の意味用法という)を担うことがあることが指摘されている。また実際にマニュアル文中の連用中止表現を収集した結果でも、単なる並列接続とみなし得ないものが比較的多く存在する[figure]1(1)。さらに連用中止表現は、述語に付加される付属表現(時制表現や様相表現)が省略された表現形式であるため、分割点文節を終止形に変換するという方法では有効な分割文候補を生成することができない場合がある[figure]1(2)(3)。本稿では、文分割の観点から連用中止表現の意味用法を整理するとともに、表現の形態的特徴と意味用法、分割時の接続詞、連用中止文節の形態素操作との関係に着目した連用中止表現を分割点とする文の分割方式について述べる。
著者
太田 昌克
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.155-156, 1996-03-06

人間社会では,個人は集団から影響を受けながら意思決定を行うと同時に,集団の一員として集団全体の意思決定に影響を及ぼしている.このような現象の1つである同調行動について,個人が多数派見解へ同調していく過程を再現する意思決定モデルを提案した.これは,集団から個人への影響のみを考慮したモデルである.本稿では,この意思決定モデルに個人から集団への影響を取り入れた見解浸透モデルについて述べる.本モデルは,個人間のミクロな相互依存関係によって,ある見解が集団に浸透し,マクロな共通見解が形成されていく過程を再現する.さらに,同じ見解を持つ人の継りに着目した見解の浸透状態の解析について述べる.
著者
側嶋 康博
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.47, pp.205-206, 1993-09-27

従来の機械翻訳では文脈処理が行われないため、文脈に依存した表現は訳し分けは困難であった。これまで、対話文翻訳のための文脈処理として、ヒューリスティックに特定領域のプランを作成する手法、発話行為タイプ(IFT)の推移をn-gramなど統計的に処理する手法などが提案されているが、「文」を単位とした入力言語のモノリンガル解析に中心が置かれている。しかし、2.で述べるように、現実の翻訳では、文対応の割合は高くない。本研究は、用例主導翻訳の考えを文脈処理、特に訳語の選択に応用しようとするもので、IFTを付与したバイリンガル・コーパスを、対話文翻訳のための文脈知識として利用している。隣接するバイリンガル用例知識と翻訳対象とを比較して得点化し、最高得点の訳語を選択するこの局所文脈解析によリ、高頻出の「はい」「いいえ」「そうです」「が」「けれども」など、対話の進行に重要な表現の訳語を高精度で選択することができた。本稿では、この局所文脈解析の概要と、この処理を用いた翻訳実験の結果について報告する。
著者
大黒 篤 藤城 寿太郎 高本 孝頼
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.2270-2271, 1989-10-16

バス会社や鉄道会社の主業務であるダイヤ編成業務は、利用客のニーズ、労働協約の変更、他交通機関との関係、あるいは路線変更等の事情により、絶えず必要となっている。しかし、ダイヤ編成は、長年の経験を積んだ専門家をもってしても非常に時間のかかる作業であり、要求に対応できないのが現状である。ダイヤ編成を複雑なものとしている原因のひとつに、「線のつなぎ」の問題がある。線のつなぎとは、粗ダイヤを、労働協約や路線・停留所の事情を考慮しつつ、均一でかつ効率の良い仕業に分ける作業をいう。つまり、与えられた粗ダイヤを、なるべく少ない資源(人間及び車両)でつなぎ、なおかつなるべく効率の良い勤務となるように、各仕業に均一に分ける問題である。この作業は、従来、「スジ屋」と呼ばれる(少数の)ダイヤの専門家が、長い時間かけて行なってきたため、大幅なダイヤ編成作業は、数ケ月から1年もの期間を要することもあった。今回開発した「ダイヤ編成支援システム」は、この線のつなぎをシステムが自動的に行なう。本システム全体の構成を図1に示す。図に示すように、本システムは、基本運行計画に基づいて粗ダイヤをCADで作成する「作図サブシステム」、線のつなぎを支援する「つなぎサブシステム」、路線・停留所データや運行計画等を管理する「データ管理サブシステム」、完成したダイヤから種々の帳票を作成する「帳票作成サブシステム」の4つのサブシステムからなる。
著者
吉浦 紀晃 米崎 直樹
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.553-554, 1997-09-24
被引用文献数
1

論理の主たる目的は, 人間の行なう演繹的な推論を形式化することである。しかし, 古典論理における含意「ならば」は, 日常利用する「ならば」とは, 違和を感じる箇所もある。例えば, 古典論理では, 「2+3=5」が真であることから, 「雪は白いならば, 2+3=5」が真となる。しかし, このような推論は, 奇異に感じられる。古典論理の含意が持つこのような違和感は次のように3つに分類される。1. 関連性の違和感 A→(B→A), 2. 恒真性の違和感 (A∧¬A)→B, A→(B∨¬B), 3. 偶然性の違和感 A→((A→B)→B)。適切さの論理は, これらの違和感を除去することを目的として研究されてきた。Lewisによる関連性の違和感が除去された厳密含意の提案に始まり, 多くの適切さの論理の体系が提案されている。代表的な体系としては, ChurchやMohによる, 関連性と恒真性の違和感が除去された論理体系Rや, Ackennannによる, すべての違和感が除去された論理体系Eなどがある。関連性・恒真性の違和感は強い違和感とみなされ, ほとんどの体系で, これらは除去されている。一方, 適切さの論理では, 体系が弱いという問題がある。例えば, 自然演繹における推論規則Disjunctive syllogism (DS)が許されない。[numerical formula]この推論規則が認められない理由は, 以下のように(A∨¬A)+Bが証明可能となるためである。[numerical formula][5]では, DSが問題のある規則と見なされ, 適切さの論理では, この推論規則は除去されている。また, 違和感を含んでいない以下の式が, 適切さの論理では定理ではない。1. A→(B→(A∧B)), 2. A→(A∧(B∨¬B))。適切さの論理では, 1.が定理である場合, A→(B→A)が定理となり, また, 2.が定理である場合, A→(B∨¬B)が定理となるため, これら2つの式は定理とはならない。このように, 適切さの論理では, 違和感を除去するために, 結果として, 定理となることが自然であると考えられる式が定理とはならず, また, 自然な推論規則が成り立たない。本稿では, 関連性・恒真性の違和感が除去されており, 体系Rよりも強い論理体系ERを提案する。ERは, [4]に示されているsequentによる自然演繹の体系として与えられ, 各推論規則では, 式の属性が利用される。この属性は, 証明を制御し, 違和感を含む式の推論を防ぐために利用される。また, 属性を利用する点からみると, ERは, Labelled deductive systemの一種であるといえる。
著者
鷲見 和彦 橋本 学 泉井 良夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.47, pp.129-130, 1993-09-27

画像による点検・検査・分類などに応用できるクラス分け手法を開発した.このクラス分け手法は多重解像度ラプラシアンガウシアンで処理した入力画像を正負に対称な閥値で処理して得られる3値画像を中間表現として用い,3値画像の局所的な特徴を自己相関に基づくテンプレートで抽出し,その発生頻度をGRBFクラスタリングヘの入力ベクトルとしたものである.3値輪郭の表現が多階調のシーンを表現する能力が高いことと,従来の2値画像処理で用いられてきた認識手法を拡張して応用できることは文献[1][2]で紹介した.この時点でのアルゴリズムは,文献[3]に記載された2値画像に対する局所自己相関に基づくマスク型特徴抽出および特徴のヒストグラムを入力とする重回帰分析による線形判別を3値画像に適用できるように拡張したものであった.そのため局所特徴ヒストグラムの特徴空間が線形分離可能な事例にしか適用できなかった.我々は特徴空間を非線形にクラス分けする手法としてGRBF(Generalized Radial Basis Function)を応用したクラスタリングを導入し,認識能力の向上を計った.GRBFの画像の認識への応用に関しては文献[4]ですでに紹介されているが,我々は最近傍のGRBFのみを考慮することで簡略化を計っている.