著者
遠藤 隆久 鈴木 康修 桑原 伸明 天池 学
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.41, pp.285-286, 1990-09-04

多値画像を2値化し、疑似的に中間調画像を作るには、ディザ法、平均濃度近似法、誤差拡散法などの種々の手法が知られている。この誤差拡散法を用いて、原画に近い最適な中間調画像が得られるようアルゴリズムの改善及び最適化を行なったので報告する。
著者
都築 裕也 久保田 整一郎
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.175-176, 1996-03-06

大規模な分散システムを構築する場合には、柔軟で信頼性のあるアプリケーション間通信を実現する必要がある。アプリケーション間通信の要件を次に示す。分散アプリケーションの設計、開発、アプリケーション間の結合、システム稼動時の運用に際し通信相手やネットワークに関連する制約が少ないこと。メッセージを確実にかつ重複させずに転送でき、障害時のメッセージ回復ができること。広範囲なプラットフォーム(ハードウェアおよびオペレーティングシステム)上で動作することである。これらを実現する通信方式として、通信相手と非同期に連携するIBM社の提唱するメッセージキューイング(MQ)がある。そのAPI仕様およびプロトコル仕様に準拠した製品としてTP1/Message Queueを開発した。本稿ではメッセージキューイング機能の特長およびメッセージキューイング機能を適用した応用分野を考察する。
著者
河野 真治 中村 宏 藤田 昌宏 田中 英彦
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.2169-2170, 1986-10-01

論理回路設計を支援する場合に,ハードウェア記述を様々なレベルから,formalにおこなうことが重要である。Tokioは,時相論理(LITL)にもとづき,高度に抽象的なレベルからハードウェア記述をおこなうことができる。我々は,これまで各種のハードウェアをTokioにより実際に記述し,いくつかの記述に対して検証をおこなってきた。しかし,論理式による記述は,形式的に完全であるが,記述の階層化に問題がある。論理式自体が平坦な為に全体の記述が平坦になってしまう。この間題は,Cや,Prolog, Lispなどのプログラミング言語にも共通した問題である。ここでは,Tokioのプログラムの基本形であるClausal Formに,命題論理式を付け加えて,ハードウェアの同期部と機能部の記述を分離することを考察する。これにあわせて,Tokioの記述をモジュール化するために,オブジェクト指向の記述を導入する。これにより,平坦な記述を避けることができ,より実用的な記述が可能となる。
著者
小嶋 秀樹 古郡 廷治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.43-44, 1991-02-25

自然言語の"情報の部分性"は,伝達の効率性(efficiency)を保証するものであると同時に,曖昧性(ambiguity)の原因でもある.効率性と暖昧性は表裏一体であり,これらは同音性や多義性などの言語現象としてテキスト表層に現われている.テキストの解釈過程には,その表層に明示された構文的な情報だけでなく,次にあげる情報が必要となる.a)知識:世界に関する知識b)文脈:先行文脈=テキストの先行部分の解釈結果経験文脈=解釈者のもつ過去の経験テキストの解釈結果は,文脈にただ追カロされるだけなく,文脈を(過去にさかのぼって)変化させる力をもっている.本稿では,文脈を構成する要素の意味内容を意味ネットワーク(つまり知識)上の活性パターンによって表現する方法を提案し,これに基づいたテキスト解釈過程-とくに暖昧性の解消過程-をモデル化する.本モデルでは,文脈の要素の意味内容や要素間の関係に暖昧性を内在させ,各要素を意味ネットワーク上でパターン的に相互作用1)させることによって,漸進的(incremental)2)な曖昧生の解消を実現している.
著者
二村 良彦 平井 利冶
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.317-318, 1995-03-15

葉数最適整列法LOAS(Leaves-Optimal Adaptive Sort)は,基本的にはマージに基づいた整列法である.それは与えられた数列をまず葉数個の部分列に分割し,次に分割された部分列を2つづつマージする(ただし数列の葉とは,数列において隣人よりも値の小さい要素である).従ってLOASを実現するに際して,適正なマージ戦略を選択することが重要である.本稿に於いては,我々がLOASを実現する際に検討した下記3種類のマージ戦略とその性能について報告する.(1)単純マージ.(2) 2分マージ(binary merge).(3)基本的には単純マージであるが,マージする2つの数列の特徴に応じて2分法を利用したもの.例えば,一方の数列の長さが1のときのみ,その挿入個所を探索する為に2分法を利用したもの.葉数を制御したランダムな順列を用いて各種方式のキー比較回数および実行時間の比較評価をした.その結果,単純マージを利用した最も素朴な方法を陵駕する方式は,現在までには見つかっていない.LOASとその他の整列法との性能比較については報告した.以下では整列すべき数列は配列z(1),...,z(n)に格納されており,これを昇順に整列する場合について考える.
著者
溝渕 佐知
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.145-146, 1997-09-24

1.1 COIとは 電子メディアが我々のコミュニケーションに与えるインパクトとしては、時間的・空間的自由度の増大が挙げられる。すなわち、従来の集団が、地理的近接や年齢・職業といった属性の類似によって広がりの範囲を制限されたのに対し、電子メディアは、関心を同じくするものが時間的、空間的な距離を越えて結びつくことを可能にするといえる。本研究では、以下、このようなタイプの集まりを「Community Of Interest: COI」と呼ぶ。1.2 COIの現状と可能性 現在、メンバーの関心に基づいて形成される、電子メディアを介した集団には、メーリングリストや、商用ネットワークの「フォーラム」「SIG」などのユーザグループがある。これまでにネットワーク上にこのようなCOIが多数形成されてきているが、多くは「共通の関心領域の情報交換の場」として機能するに留まり、その集団として何らかの具体的成果物を出そうとする動きは稀である。しかし、多様なメンバが自発的に集まって形成されるCOIという場は、既成の枠に囚われず新しいものを生み出していくことのできる可能性を有しているといえる。本稿では、協調的創造活動の場としてのCOIの在り方を提案した上で、その実現の障害となる要因について指摘・分析を行う。
著者
向井 理朗 大和田 勇人 溝口 文雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.3-4, 1993-03-01
被引用文献数
1

本稿で扱うロボット動作計画とは作業環境内に存在する障害物を回避しつつどのように初期状態から目標状態へ移動するかという障害物回避問題について扱う.従来の障害物回避のアプローチとしてポテンシャル場を用いる方法とコンフィギュレーション空間を用いる方法がある.ポテンシャル場を用いる方法では衝突を避けるためのポテンシャルと目標状態に達するためのポテンシャルを用いるが,ポテンシャルの極小点に迷い込む可能性がある.コンフィギュレーション空間(以下C-Space)を用いる方法では物体の姿勢を一意に定めるパラメータによって張られるC-Spaceを定義し,この上で経路探索を行なう.インプリメントが簡単でマニピュレータ全体の経路が求まる反面,C-Spaceの生成に膨大な計算量を要するという問題点がある.ここでは,制約論理プログラミングの宣言性,モジュール性,数理的処理という特徴に着目し,コンフィギュレーション空間法に応用することにより経路を導出する方法を述べる.ここで使用した制約論理型言語は,CLP〓であり,対象としたロボットは回転型のマニピュレータである.
著者
仙石 浩明 吉原 郁夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.305-306, 1993-03-01
被引用文献数
4

遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm:GA)は生物進化のシステムをモデル化したものである。1975年にHollandによって提唱された。Grefenstetteが提案した遺伝子表現法および一点交叉法を用いると、GAで巡回セールスマン問題(Tyaveling Salesman Problem:TSP)が解けることから、近年GAが注目されている。ところがこの解法は収束が遅い。そこで本報告では、Grefenstetteの方法より高速に収束し、さらに最適解を高い確率で得ることが可能な、GAを用いたTSPの高効率探索アルゴリズムを提案する。
著者
山口 智治 市山 俊治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.211-212, 1993-03-01

本報告では、自然言語インタフェースにおいて、入力された自然言語文からアプリケーションで実行するタスクを表す意味表現の生成過程、特に構造の決定手法について述べる。意味表現をタスクを表すための言語であるとみなすと、意味表現生成とは言語生成であると言える。従来より、言語生成では構文構造木をトラバースする構造主導処理がよく用いられるが、この手法では自然言語表現の多様な構造に追従させることが困難であるという問題があった。しかし、自然言語インタフェースにおいては、アプリケーションの機能によって概念の担う役割は限定され、多様な表現を入力とする場合にもこれらに対応して生成すべき構造は制限される。そこで、概念主導による構造生成を考える。まず自然言語文中の概念をアプリケーションで受理可能な記号に変換し、記号の担う機能から記号間に可能な構造を絞り込んで決定する。この手法を関係データベースを対象アプリケーションとして研究試作中の自然言語インタフェース[市山91,谷91]に実装し、動作を確認した。
著者
安藤 真一 土井 伸一 村木 一至
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.47, pp.83-84, 1993-09-27
被引用文献数
2

近年、大量の電子化テキストが利用できるようになり、これらから有用な情報を得るための支援技術として要約や情報抽出が研究されている。要約技術には頻出するキーワード、文末表現、接続表現などを利用する手法がある。通常要約すべき主題はユーザの視点によって異なり、ユーザがこれを選べることが必要である。しかし、現在の要約技術では固定した視点からの情報しか提示することができない。一方、情報抽出技術は取り出すべき情報を予め詳細に定義し、これを正確に取り出す技術である。ここでは文章内容に対する視点を明確に定めているため、限られた空間内で情報を扱うことができる。このため情報抽出技術は一般的な意味解析やモデル化を必要とする要約技術に比べて実現性が高い。さらに、抽出すべき情報の種類を複数用意することにより、複数の明確な視点を提供できる要約技術として考えることができる。以上の観点から、我々は要約の基礎技術として、ある1つの視点からの情報を新聞記事から抽出する情報抽出システムVENIEXを試作した。本システムは抽出すべき分野に依存した語彙(以後、キーワードと呼ぶ)の知識を構文構造に応じて組み合わせることによって情報を抽出している。
著者
片山 裕一 笹尾 茂樹 菅田 一博 井須 尚紀 清水 忠昭
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.59-60, 1994-09-20

本研究の目的は,グラフ探索法としてA^*アルゴリズムを用い,ヒューリスティックな知識を利用したグラフ探索を行い,その結果からヒューリスティックな知識の質を向上させることである.グラフ探索とは,与えられた問題をグラフで表現し,問題を解くためにグラフを探索することである.グラフは節点と節点対を結ぶ枝から成り,枝にはコストが与えられている.出発節点から目標節点までの経路のうち,コストの総和が最小な経路(最適解)を見つけることが,グラフ探索の目的である.Aアルゴリズムは,任意の節点nから目標節点までのコストが推定でき,その推定値を取り入れることによって効率よく解を求める方法である.さらに,A^*アルゴリズムでは,目標までのコストの真値h(n)と推定値h^^(n)の間にh^^(n)≤h(n)の関係が成立しており,必ず最適解を見つけることができる.また,推定値h^^(n)が真値h(n)に近いほど,ヒューリスティックな知識の質が高いといい,グラフ探索の効率が高い.
著者
板倉 正佳 相沢 雅彦 大照 完 橋本 周司
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.321-322, 1991-02-25

最近、音楽の分野でも、リズムパターンの認識や旋律に対する和音付けなどニューラルネットワークの応用が盛んである。本研究では、ニューラルネットワークを用いてモーツァルトの遺した「音楽のさいころ遊び」の小節の自動分類を試みた。「音楽のさいころ遊び」は16小節からなり、第1小節目用、第2小節目用といった、各小節ごとに11種類ずつ、計176個の小節が用意されている。これを、各小節に1個ずつ選択し、第1小節から第16小節まで順次並べると、きれいなメヌエットができるというものである。作成例を図1.1に示す。
著者
野美山 浩
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.179-180, 1994-09-20

近年、種々の機械可読の大規模コーバスが利用可能になってきており、それらを用いて、書語知識を獲得する多くの研究がなされている。効率的に知識を抽出するためには、文字列レベルだけでなく、形態素レベルの情報、構文レベルの情報、さらには、意味レベルの情報が必要となる。しかし、現技術レベルでは、形態素解析は、99%以上の精度で解析できるものの、構文解析は、よくても80%程度であり、十分な精度力糊待できない。そのため、日本語においてこのような言語データベースは、解析結果を人手で修正することによって作成されているが、その作業には非常に大きな労力を必要とする。かなり長い時間・多くの費用を掛けても、数万~数十万文程度の解析データしか得られない。統計的な情報の有効性は、その母集団の大きさに依存するものであり、実用的な自然言語処理に有効な情報を得るには、非常に大量のテキストから解析データを作成する必要がある。そこで、本稿では、大量のテキストデータから、その形態素解析の結果を利用して、依存構造を抽出する手法を提案する。依存構造は様々な用途に利用できるが、多くの場合、1文すべてに対する依存構造が必要であるわけではなく、1文中の一部の依存構造で十分である。単に2項の依存構造でも有効な情報を持つ。また、文節内のすべての単語についての掛かり受けが必要である訳ではなく、文節の中心となる語(以降ヘッドと呼ぶ)の間の関係のみで十分である。例えば、名詞複合語などが出現している場合は、その一番最後の単語のみの関係を抽出すればよい。本稿では、各文節のヘッドと関係およびそれらの依存構造を以下のように表す。提出13する考え19を示41:23つの文節があり、それらのヘッドと関係はそれぞれ、(提出13.する),(考え19,を),(示4)である。語幹の後の数字は品詞コードである(19は一般名詞)。最初の文節を0とすると、文節の掛かり受け関係は、0→1,1→2となる。本手法は、網羅的に情報を獲得するという従来の言語データベース作成の試みとは異なり、1つの文に対し、完全な解析結果を作成しない。そのかわりに、「文全体ではなく、非常に高い精度が期待できる部分のみを抽出する。」ことによって、大量の依存構造を自動的に抽出することを目的とする。
著者
増尾 剛
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1334-1335, 1989-10-16

TAOは、LispマシンELIS上におけるマルチパラダイムプログラミング言語である。一般のLispにおける関数型パラダイムの他に、論理型パラダイム、オブジェクト指向パラダイムを兼ねそなえている。また、TAOはマルチプロセスが可能で、そのための様々な基本機能が用意されている。しかし、これらの機能は若干プリミティブで、必ずしも一般のプログラマにとって使いやすいものとはいえない。そこで、TAOのマルチプロセス機能をプログラマにとって利用しやすいものとするため、TAO上に並行論理型言語CLLを実現した。CLLはTAOのマルチプロセス機能を、TAOの3つのパラダイムのうち特にそのセマンティクスが並行実行と相性が良い論理型パラダイムと組み合わせることによって、抽象化したものである。
著者
渡辺 和文 山崎 憲一 三上 博英 梅村 恭司
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1732-1733, 1989-10-16

ELISは、Lisp専用のアーキテクチャを持ったプロセッサであり、インタプリタの性能が高いことが大きな特徴である。この高いLisp処理能力を優れたユーザインタフェースと融合させることにより、ELISの利用分野を新たに開拓、広められる可能性がある。筆者らは、ユーザインタフェースに定評のあるApple社のMacintoshII(以下Mac IIと呼ぶ)を選び、これにELISを接続した(これをMacELISと呼ぶ)。本報告では、Mac IIへの接続ハードウェアについて述べる。
著者
山崎 憲一 三上 博英 梅村 恭司 渡邊 和文
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1734-1735, 1989-10-16

エキスパートシステムや知識処理システムにおいては、高速でかつ強力な記号処理機能と共にユーザインタフェースが重要である。そこで優れたユーザインタフェースをもつ米Apple社のMacintosh II(以下Mac)と、高速な記号処理機能を持ったLispマシンELISを結合したシステムMacELISを開発した。MacELISはELIS自身のプログラミング環境のユーザインタフェースを向上させること、および優れたユーザインタフェース構築のための環境を提供することを目的として設計され、次のような特徴を持つ。・ELISからMacのユーザインタフェースを使用できる。・Macに接続可能なデバイス(スキャナ、MIDコントローラ、光ディスク等)をELISから使用しマルチメディアに対応することができる。・デスクトップ型程度にまでコンパクトにできる。このようにMacELISではMacのユーザインタフェース機能を用いて、X-Windowに代表されるネットワークを介したウィンドウシステム以上の環境を提供できる。さらにMacELIS(1)はMacELIS IIとして現在開発中のシステムのプロトタイプでもあり、ハードウェア、ソフトウェアのフィージビリティ確認の役割をも持つ。
著者
白崎 昌俊 坂本 常豊 仲山 幸司 塚本 隆啓
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.763-764, 1989-10-16

最近、マルチメディアを扱うことのできるプレゼンテーションシステムの利用が進むにつれ、三次元図形の表示機能や、さらに高度な文書レイアウト機能が望まれている。そこで我々は、先に実現したLispマシン上の三次元グラフィックパッケージPHIGSにおけるCSS(階層的図形データベース)の機能と、Lispエバリュエータの機能とを用いることによって、ハイパーテキストの機能を持つプレゼンテーションシステム「HPS(Hyper Presentation System)」を実現した。HPSは、装置に依存しないPHIGSを用いたアプリケーションプログラムとして構築されているため、グラフィック装置としてPHIGSでサポートされている多種多様な装置を使用することができる。さらにHPSでは、強力な数式組版機能を持つTeXの出力ファイルであるdviファイルをPHIGSの出力プリミティブへ変換し、CSSへ登録する機能を持っている。このため、HPSではTeXによってレイアウトされた文書とPHIGSによる三次元図形とを混在しながら表示することができる。以下、このHPSの実現方法について報告する。なお、HPSの記述言語はLispマシンELIS8200上のCommon LISPであり、dviファイルは、アスキー社から配布されている日本語TeXによる出力ファイルを用いた。
著者
杉村 利明 岸田 克己
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1340-1341, 1989-10-16

ELIS-1の知能処理言語TAOは、マルチパラダイムとマルチプログラミングの機能が特徴である。そして、各種のプログラム開発を通して、マルチパラダイムの機能が開発効率の向上に有効であること、マルチプログラミングの機能が実用的なAPを実現するために不可欠であること、が確認されてきた。一方、Common LispによるLispの標準化が進み、多くのAPがCommon Lispで開発されている。そこで、新ELIS(ELIS 8200シリーズ)では、Common Lispをマルチパラダイム化する形でTAOの特徴を継承することとした(ELIS Common Lisp)。TAOとCommon Lispと相矛盾するところは、Common Lispを優先した。マルチプログラミングの機能については、Common Lispで書いたプログラムが、マルチプロセスによるマルチプログラミングの環境でも共有してそのまま使えること(上位互換)を前提に実現することとした。本稿では、このマルチプログラミングの機能と実現法について述べる。
著者
五味 弘 伊藤 丹二 長坂 篤
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1346-1347, 1989-10-16

LispマシンELISは、インタプリタの高速実行に重点を置いたアーキテクチャであるが、コンパイル・コードはバイトコードの解釈によって実行され、実行速度の点から改良の余地があった。我々は現在ELIS 8200上にCommon Lispのコンパイラを開発しており、レジスタマシン化、バイトコードの改良、広域最適化等によりコンパイルコードの高速化を行った。本稿ではELIS最適化コンパイラの構成とバイトコードについて述べる。