著者
山中 政宣 小宮 常康 湯浅 太一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.275-276, 1997-09-24

今日, インターネットを中心とするネットワーク環境は急速な発展を見せている。その中心ともいえるWWWはマルチメディアを利用した情報発信の手段としてまたたく間に広がった。しかし, 発信される情報は一方的であり, ユーザはその情報を受け取ることしかできなかった。この状況はJavaの登場に大きく変わった。Javaはアプレットと呼ばれる対話性を実現できるプログラムをつくることができる。アプレットはネットワークを介してダウンロードされ, Java対応ブラウザによってWebページの中で実行される。このアプレットによりWWWの可能性は大きく広がった。こういった背景からJavaによるプログラミングはアプレットが中心となっており, 従来プログラミング言語により記述されていたアプリケーションの記述例は少ない。従来の言語で記述されてきたプログラムがJavaによってどのように記述できるかを検討することは興味深い。ところでLispの一方言にSchemeというプログラミング言語がある, Schemeの言語仕様は小さくシンプルであるが, 継続と呼ばれる強力な制御機構を備えている。Schemeはプログラミング言語や新しい言語機能などの研究, プログラム開発環境のための土台として使われる。本稿ではJava上で動作するScheme処理系「ぶぶ」の設計と実装, そしてJavaによる処理系の記述について述べる。
著者
佐藤 尚 近藤 邦雄 島田 静雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.97-98, 1994-09-20

飯高茂は1980年代後半より、Prologの持つバックトラッキングとパターンマッチの機能を利用して、数学の世界を組み立てることを行ってきた。その中で群論電卓の作成が大きなテーマとして取り上げられている。群論計算システムとして、CAYLEなどの大規模なシステムがよく知られている。飯高の群論電卓は、これらのシステムとは異なり、群論電卓の作成を通して、群論を理解することに力点がある。このような小規模なシステムでも新しい定理を発見するための具体例の計算にも使えることができる。数学では、「ある構造をもつ数学的対象の間に、その構造を保つ写像を考えつつ議論を進めるのが基本である」と言われている。飯高の群論電卓では、同時に複数の群を扱うことが出来ないので、この基本に沿った計算を実行することが出来ない。本報告では、Prologにオブジェクト指向風の拡張を施し、それを利用して複数の群を扱うことの出来る群論電卓の概要を報告する。
著者
薮内 康宏
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.375-376, 1992-09-28

株式投資において、ボートフォリオの構築に個別銘柄がどの業態のグループに所属しているかという情報が非常に重要視されている。それは次のような観点に基づくものである。まず第1に、リスク分散投資という視点に立った場合、同じ様な株価変動を示す銘柄に投資するよりも異なった株価変動を示す銘柄に投資する方がリスク分散効果が高くなる。それゆえ、株価変動に基づく業態のグループを構成することにより、リスク分散効果を狙った銘柄選択が容易になる。株価変動の類似性に基づいた業種分類の例には、クラスター分析を用いた業種分類[1]が挙げられる。第2に、企業の業態についての情報は個別銘柄を選別する上で重要な判断材料を提供してくれる。この業態に基づいた業種分類としては東証28業種分類が利用されている。しかしながら、この分類では業種が28と固定されているため、様々な投資家の要求に対して柔軟な対応ができないという問題点がある。本稿では、第2の視点に立ち、投資家の幅広い要求に対応できるような、企業業態に基づいた業種分類システムを、知識ベースを利用することによって実現する。
著者
菊地 淑晃 後藤 真孝 村岡 洋一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.459-460, 1996-03-06

本稿では、エレクトリックベースによって単独演奏された音楽を対象にした自動採譜システムについて述べる。従来の自動採譜システムや音源分離システムでは、主にピアノなどの鍵盤楽器や吹奏楽器を扱っており、ベースやギター等の弦楽器はほとんど扱われていなかった。これらの研究では、音高および音色(楽器種)を同定していたが、楽器をどのように弾いたかという奏法の種類は判別していなかった。また、楽譜だけでなく弦楽器に固有のタブ譜を出力するトータルな自動採譜システムは報告されていなかった。本研究では、ベースのみによって演奏された音響信号を入力とし、5種類の代表的な奏法の判別できる自動採譜システムを実現した。本システムは楽譜・タブ譜・標準MIDIファイルの3種類の形式で出力できる。これにより、楽譜の読めないベーシストや奏法を自分で判断しながら演奏するのが困難な初心者にとっても、奏法付きのタブ譜があることで自動採譜結果を有効に活用できる。
著者
田中 和明 吉田 隆一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.371-372, 1992-09-28

近年の計算機処理能力・画像表示能力・通信技術の向上により、さまざまな分野で、さまざまな画像データが計算機上で取り扱われている。しかしながら、質の高い画像を表現するために多くのデータ量を必要とし、これらを取り扱う技術が要求される。このような要求から、大容量の画像の蓄積・伝送を効率的に実現するための画像の符号化、つまり画像データの圧縮についての研究が行わてれいる。画像は多くの冗長を含むことが知られている。このことは、画像の伝送・蓄積を、その冗長を取り除くことによってより少ない資源で実現することが可能であることを意味している。本研究では、このような画像の冗長に着目してDCTを用いた画像符号化を行い、視覚的に劣化を口だたせないような量子化を行う。この量子化を決定するものが量子化テーブルである。ここでは、画像全体にわたって劣化が均一になるような量子化テーブルを自動生成し、画像符号化を行うアルゴリズムについて提案を行う。
著者
今井 豊 石崎 俊
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.127-128, 1995-03-15
被引用文献数
1

従来の概念辞書に記述されている内容としては、上位概念、下位概念などの体系情報と、他の概念との関係やインスタンスが満たすべきスロットの情報などの制約情報が主なものであった。しかし、これらの情報だけでは概念の記述力に限界があるため、著者らはいくつかの新しい概念情報の検討を行なっている。一つは意味空間の導入である。これは、対象とする概念集合に多次元尺度法を用いて3次元の距離空間を導入するものである。もう一つは各概念に多数の特徴(feature)の束を与えて、概念の意味記述を正確に表現すると同時に、その上での動的な意味の変化を定量的に扱うものである。本論文では、そのような概念の特徴の束を用いて比喩理解のメカニズムの一部が表現でき、解析が可能であることを示す。即ち、任意に与えられた二つの概念T、Vを「TはVだ」という形で比喩表現した時、比喩として理解するための二つの概念に共通の顕著な特徴を自動的に抽出する方法を提案する。
著者
岡田 雄一郎
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.1257-1258, 1989-03-15

コンピュータを利用した管理システムでは、データを単に蓄積し管理するだけではなく、データの意味を読みとったり、多様なユーザ・ビューを獲得したりするために、管理データを概念モデルとしてとらえること、つまりデータのモデル化が必要となる。ソフトウェア開発においてもスケジュール管理を支援するシステムが開発されているが、その多くはPERT/CPMなどのスケジューリング手法の機械化であったり、スケジュール表の作成支援であったりし、必ずしもソフトウェア開発におけるスケジュールデータを的確にモデル化したものではない。そこで、本論文ではソフトウェア開発におけるスケジュールデータのモデル化ならびにスケジュールデータのビューについて考察してみた。
著者
神藤 学 乾 伸雄 小谷 善行
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.91-92, 1996-03-06

人は立体迷路を解いたり人に道を教えたりするときに「認知地図」[1]という知識を利用する。これは今スタート地点からどちらの方向に進んでいるか、どれくらいの距離にいるか、以前に通ったことのある道か、などのまとまった知識の総称である。本稿では人の認知地図を生成する過程でも特に重要視されると思われる「方向感覚」と「距離感覚」に着目し、様々な環境で実験を行うことによってこれらの感覚がどのように認知地図生成に影響を与えているかを調べることを目的としている。また、実験の環境には自然に基づいた仮想空間を使用した。自然迷路とはプリミティブがランダムに配置された、たとえば自然の洞窟のような迷路を指すもので、従来の迷路に比べれば比較的現実空間に近い仮想空間を作り出すことができ、現実空間での人の認知モデルをより深く追求する手がかりになると考えられる。
著者
山本 彬人 栗山 武雄 佐藤 康則
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.2391-2392, 1986-10-01

ソフトウェア開発が成功するか否かはプロジェクトリーダの管理能力によって決まる。また管理能力は経験によってしか身につかないと言われてきた。我々は,第一線のSE部門と協力し、プロジェクトの推進を体験できるシミュレータを開発した。そしてこれを使い教育によるプロジェクトリーダの養成を可能にした。本稿では、シミュレータの仕組みとその適用及び効果について述べる。
著者
村川 賀彦 杉山 悦男 大西 俊也
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.55-56, 1992-02-24

現在,金融・流通・製造などさまざまな業種のホストコンピューターではオンライン処理だけでなく,オンライン処理の集計などのデータの一括処理としてバッチ処理が行われている.近年,業務の拡大やEDP化の進行により,バッチ処理で扱うデータ量が急増し,それにともないバッチ処理時間も延びてきている.また,オンライン時間の延長により,主としてオンライン処理を行っていない夜間に実行されるバッチ処理の時間を短縮することは急務となっている.これまでも,各種チューニングにより短縮を図っていたが,それも限界となり新方式での解決が必要となってきた.そこで,バッチ処理の高速化を図る新方式としてエクセルバッチを開発した.本稿では,エクセルバッチの処理方式.その実現方式の概略と性態評価について述べる.
著者
藤村 茂 富田 昭司 飯間 昇 鈴木 明
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.37, pp.1228-1229, 1988-09-12

現在、エキスパート・システム構築用シェルとして、第二世代シェルが多く用いられている。この第二世代シェルは、いくつかの知識表現、及び、手続き記述のための汎用言語とが統合されたハイブリッド型のシェルである。これらのシェルは、グラフィックス表示によるユーザインタフェースを有するのも特徴の一つである。しかし、これらの知識処理、グラフィックス処理と、汎用言語との記述性のギャップは大きい。そのため、習熟したシステム開発者にとっても、知識表現の拡張、あるいは、柔軟なグラフィックス操作を行うことは難しい。そこで本稿では、これらの問題点を解決すべく、auk(autonomic knowledge unit:自律的知識単位)という知識の単位を用いたオブジェクト指向知識表現を提案する。更に、現在、この知識表現を用いた知的システム構築用シェルのプロトタイプを作成中であるので、その概要を示すことにする。
著者
宮間 千晴 池田 元 伊藤 誠 寺井 尚行
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.17-18, 1996-09-04

音楽に同期して、リアルタイムでアニメーションを作成するシステムを試作した。今回は、コンピュータ・グラフィクスとして、 特定の人物に特徴づけができる人体モデルを使用した。従来のシステムにおいては、 特定の音のシーケンスを検出することで動作づけをしているが、 今回は曲の感じ(音のテンポ、 曲調など)をつかみながら、 動きのパターンを変える機能を追加した。 また、 多人数で群舞したり、 特定の一人の動きに協調した動作をおこす等の機能の組み込みも考慮している。
著者
荻原 哲也 上野 晴樹
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.133-134, 1995-03-15

我々は,約10年をかけてプログラミング教育向きの統合型知的プログラミング環境INTELLITUTORの開発を行ってきた.理系大学におけるアルゴリズム中心型のプログラミング教育の中で利用されることを意図している.主として,Pascalによるクイックソートプログラムを例題として,システム開発や評価を行ってきた.INTELLITUTORシステムは,プログラム入力支援システムGUIDE,論理ミスの検出,意図の推定,訂正の助言を行うプログラム理解システムALPUS,および,プログラミング知識の教授を行う知的CAIシステムTUTORから構成される.一方,近年,C言語がパーソナルコンピュータ,ワークステーションなどの小型コンピュータの世界で広く普及しつつあることを背景として,Pascalに代わってCの教育が行われるようになってきた.こうした背景に対応するために,INTELLITUTORを両言語対応に拡張しつつある.これにともなって,サブシステムであるALPUSも拡張を行っているが,その方法として,両言語で書かれたプログラムを一度言語独立な抽象表現に書き換えてから理解処理を行うやり方を採用した.本稿では,C言語プログラムを抽象化する方法とその能力の汎用化について報告する.なお,C言語はANSICとする.
著者
蒲池 正幸 程 京徳 牛島 和夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.199-200, 1995-09-20

ソフトウェアを開発,保守する際にはプログラムの振舞いを理解することが必要となる.プログラム中の各部分の理解を積み書ねて,プログラム全体としての動作を理解しなくてはならず手間や時間,そして経験や勘を要する作業となっている.これがプログラムの開発,保守を困難にしている大きな要因の1つだと考える.プログラムの理解を助けるための良い道具があれば,ソフトウェアの開発や保守の手間や時間を大幅に減少できる可能性がある.プログラム依存グラフはプログラムの理解を支援するのに有効だと考える.プログラム依存グラフとはプログラム中の文間に存在する依存関係を有向枝として表したグラフである.プログラム依存グラフは,デバッグ,プログラムの理解,保守,テスト,複雑さ評価などの幅広い応用が可能である.例えばデバッグなら,プログラム依存グラフを使うことでプログラムの中で誤りに関係する箇所だけを抽出し調べるといったことが可能になり,作業を効率化できる.さらにプログラム依存グラフを可視化することで,プログラム中の文間の関係が一目で分かり,プログラムの構造が理解しやすくなる.本研究ではプログラム依存グラフを可視化し,これをデバッグやプログラム理解などのソフトウェア開発の支援に応用する.
著者
神保 至 佐藤 徳幸 大熊 義嗣
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.203-204, 1995-09-20

企業のソフトウェア開発部門では、新規ソフトウェアの開発と比較して、既存ソフトウェアの保守作業工数が増大する傾向にある。これは、そのソフトウェアの不完全な仕様書しか残っていないために、多くの時間がそのプログラムの理解作業に費やされていることが一因である。そのために、最近注目を集めているのがリバースエンジニアリングである。しかし従来のリバースエンジニアリング・ツールの多くは、プログラムに対して構造的な分析のみを行ない、制御フロー図やデータフロー図などを出力するものであった。すなわち、保守作業自体を実施するのに有用な情報が得られる反面、そのプログラムが全体としてあるいは部分的に、どのような機能を果たすプログラムであるか(仕様情報)はわからなかった。このような仕様情報を出力するためには、プログラムの意味的な理解を行なわなければならない。そこで本稿では、プログラミング教育を主な目的とした、アルゴリズムに基づくプログラム理解手法をリバースエンジニアリングに応用し、C言語プログラムのソースコードから設計仕様書レベルの情報を導出するプログラム理解システムについて述べる。
著者
大場 克彦 井上 信介 二木 敬一 金戸 孝夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.41, pp.187-188, 1990-09-04

抽象データ型を用いて、代数的仕様記述法で得られるのと等価な木構造図が得られることを示した。この木構造図は、トップダウン設計法で作成するのと同じ手順で作成できるので、従来のプログラミング手法に慣れたプログラマでも、難解な理論を意識しなくても作成することが出来る。しかも、厳密に意味が定義された形式性を有している。このため、この木構造図を使って検証やソースコードの生成が可能である。一般にプログラムが順次、選択、反復の3つの制御構造の組合せで表現できることはよく知られている。抽象度が高いレベルでは順次処理だけでプログラムの構造を表現できるが、具体化した詳細な表現をするためには、選択や反復の制御構造が必要である。文献[1]で示した方法は、抽象度の高いレベルでの可能性を示したもので、より具体的な記述を可能にするためには、選択や反復などの制御構造を含めた記述を可能にする必要がある。本論ではこの点について論ずる。
著者
大場 克彦 金戸 孝夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.41, pp.185-186, 1990-09-04

信頼性の高いプログラムを開発する手法の1つとして、代数的仕様記述法が注目され始めている。しかし、逐次処理型の実用レベルのプログラムの仕様を、平均的プログラマが代数的仕様記述法を用いて書くのは難しい。平均的プログラマが利用できるようになるためには、難解な基礎理論を意識しなくても、定められた手順に従って記述すれば、厳密であいまいさのない形式的な仕様が得られることが必要である。これを可能にするために、抽象データ型を用いたプログラム設計法について検討した。
著者
平野 泰宏 三浦 史光 武田 英昭
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.185-186, 1993-03-01

データ量nの変化に柔軟に対応でき、検索時間がO(n)となる索引方式であるExtendibIe Hash,Linear Hashなどの動的ハッシュ法が種々提案されている。Extendible Hashはエントリの追加/更新によって溢れたバケットを必ず分割するため、溢れたバケットが分割されるとは限らないLinear Hashよりも安定した検索速度が得られる。しかし、ExtendibIe Hashでは、バケット分割の際に多くのディレクトリエントリを更新する必要があり、クリティカルセクションが長くなるため同時実行性が低下するという欠点があった。本稿では、Extendible Hashを改良し、同時実行性を高めた新しい動的ハッシュ法を提案する。
著者
羽倉 淳 嘉数 侑昇
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.57-58, 1992-02-24

これまでの推論、知識生成といった知識活動に関する研究において扱われてきた知識は一般に離散空間内で表現されており,基本的に与えられた知識を用いた知識活動が扱われてきたといえる。しかしながら,知識,及び概念とは空間的性質をもつ連続的なものであり,そこに知識活動の巧妙さが隠されていると考えられる。従って,本研究ではそういった見地に立ち,概念に与えられる特徴によって構成される特徴空間内にインスタンスを用いてn個の特徴間に関係付けを行い得られる特徴空間内の超曲面として表現される知識,すなわち,特徴間関係を用い,未知のインスタンスの同定,未知の特徴量の決定問題,さらにその他の応用へのアプローチを試みる。
著者
大沢 裕 坂内 正夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.37, pp.1600-1601, 1988-09-12

筆者らは従来より図形の輪郭線をベースにした図面自動入力システムAI-MUDAMSの開発を行っている。予め全ての図形の輪郭線を追跡し折れ線近似(ベクトル化)しておき、以後の処理は全てこの輪郭線データを参照しつつ行うというものである。このシステムで処理の中心となるのは、線図形の輪郭線から、その中心線を求める処理(芯線化処理)である。芯線化は線的な図形部に対してのみ行い、線の交点部分や他の図形との接触部では芯線は途切れさせたままで扱う。図面の認識・理解、会話的な図形修正に際しては、この「芯線が途切れている部分には図形を理解する上で重要な特徴点が存在する」という性質を有効に利用している。芯線が途切れている部分の周辺の図形(即ち輪郭線の形)を詳しく調べるための演算としては、途切れた芯線の端点を中心としてある大きさの探査枠を設定し、この枠内に何本の輪郭線と芯線が存在するか、輪郭線の形はどの様になっているかを、順に追跡して調べるという方法を取っている。この演算は2次元的なベクトルデータの管理に適したBD木と呼ぶデータ構造を用いて全てのデータ管理を行い、演算をこのデータ構造上で行うことにより高速化している。しかし、問題は特徴的な部分を詳細に調べる時の探査枠の大きさを一意に決定することが出来ず、実際には数種類のサイズで試みることが必要になる。この繰り返しが処理時間の増大につながっている。