著者
キスチャック ウィリアム Kischuck William
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.151-166, 2005-03-15

シーラ・ワトソン(Sheila Watson, 1909年〜1998年)作の短編を試訳する。ワトソンは詩を1編,短編を6つ,それから2つの小説を発表した作家である。取り上げた短編は1956年に出版された. The Black Farm -A Modern Allegory-(「黒農場」)である。「黒農場」は,ギリシア神話にある名前を持つダイダロスの自滅までの経緯を描く物語である。オイディプスという名前の甥が刺激の一つとなり,ダイダロス叔父が黒農場を建設する野望に燃え上がる。周りの家族の皆と複雑な関係にあるダイダロスは,やがて黒農場に引き龍る。親戚が手を差し伸べようとする時に,ダイダロスは放牧場に火を付ける。シーラ・ワトソンは,名著,The Double Hookの作家であると共に,「黒農場」のような力作をも残した。俳優である執筆者は,極めて小規模でありながら,ワトソンの作品を舞台の上で演じることに努めており,ワトソンの作品の持つ演劇的な力を伝えようとするところである。
著者
湯浅 弘
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.97-111, 2004-03-15

本論文は,日本におけるニーチェ受容史研究の一環として西谷啓治のニヒリズム論に検討を加えようとするものである。西谷のニヒリズム論は,第二次世界大戦直後,日本でニヒリズムや実存思想が流行した時期における日本人のニーチェ解釈を代表する論考であり,その論考で西谷は,ニヒリズムに関するニーチェの言説を再構成して,ニヒリズムの諸相をニヒリズムの自己克服と見るある種の歴史哲学的視点を打ち出した。西谷の議論の特色は,ニヒリズム問題にアプローチする方法論を明確化した点に,またヨーロッパの思想史の中でニヒリズムという問題の位置を適切に洞察した点に,さらにはニヒリズム問題における科学的精神の意義を明確化した点などに求められるが,本論文では,以上のような論点について以下の項目に従って論じてゆくことにする。(1)日本人のニーチェ受容史における西谷のニヒリズム論の位置。(2)西谷のニヒリズム論の基本的視座。(3)ニーチェにおけるニヒリズムの諸相。(4)ニヒリズム問題における科学的精神の意義。
著者
内海崎 貴子 安藤 隆弘
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.193-209, 2003

「学制」の実施要領とされている『学制一覧』は, これまで, 学制取調掛長三洲の編輯によるものとされ, その刊行時期は不明であった。また, その体裁や内容についての詳細な研究はなされていない。 筆者らは『学制一覧』の現物を入手することができたことから, まず, その体裁を精査し刊行時期の特定を試みた。具体的には, 書誌学的観点から『学制一覧』の仕様, 版元を明らかにした。さらに, 『学制一覧』の掲載内容と「学制」関連文部省布達とを比較することによって, その編輯者と刊行時期について検討を加えた。 その結果, 以下の3点がわかった。1.『学制一覧』の編輯者は学制取調掛長三洲ではなく, 三洲の弟で, 「学制」発布の頃の文 部省職員長冰であった。長三洲と長冰は別人である。2.『学制一覧』の刊行時期は, 1873 (明治6)年3月18日から3月28日の問に限定するこ とができた。3.『学制一覧』は, 『学制』, 『小学教則』, 『中学教則略』と同様に, 首題はあるが尾題のな い木版印刷書籍であり, 書誌学的特徴として, 匡廓に凸廓が用いられている極めて稀な例 であった。
著者
箕輪 潤子
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.39-54, 2008

本研究では,3歳児から5歳児までの砂場における穴掘り遊びについて,ガーヴェイがごっこ遊びに見られると述べた「プラン」「役割」「物(の見立て)」「状況設定」という枠組みを用い,発達的検討を行なった。その結果,年齢があがるに従って,穴の掘り方のバリエーションが拡大し,穴を掘る際の道具の選択も行なわれるようになっていくことが明らかになった。また,発達によって,子どもが行なう行為の傾向が異なり,その結果行なわれる遊びの傾向も変化していくことが示唆された。
著者
金武 由利子
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.117-129, 2007

食生活の多様化に呼応するように,飲料に関わる習慣にも変化が見られる。清涼飲料のうち緑茶の選択に対しては,その機能性などに消費者の強い関心と嗜好が見られる。そこで,女子大学生の茶類に対する嗜好,習慣に対して質問紙調査を行った。その結果,清涼飲料としての茶類への嗜好は高く,清涼飲料の中でも多く選択されていた。茶類の選択に対しては,味が好まれることが寄与していると伺われた。また,抹茶に対する認知は高いものの,薄茶・濃茶は日常の中に無く,薄茶の喫茶の経験者は多くはない結果となった。しかし,薄茶に対しては概ね好まれる傾向にあり,茶道の経験など,より多くの喫茶の機会を持つことで,茶に対して味覚の感受性が高くなることが示唆された。今後,茶の機能性を十分に享受するためには,煎茶としての抽出液の利用から,抹茶として茶葉そのものの利用に対しても嗜好性が高まる可能性が伺われた。
著者
伊東 好次郎
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.13-41, 2004-03-15

The Tigris flows on the east side and the Euphrates flows on the west side of Mesopotamia from the north to the south. Mesopotamia is a long flat land between these two big rivers. In the early times of the ancient history the oriental civilization developed and Christianity rooted deep in this area. Countries such as Babylonia, Assyria and Neo-Babylonia rose and fell one after another vieing with each other for power and land. The land is flat in Mesopotamia, so they founded the fortified cities in the wide expanse of plain. People built temples for their gods and goddesses and tombs for their kings in the centres of their cities. They enclosed their cities with high and thick walls against their enemies, especially putting stress on height. Their cities that were founded regularly on the square or oblong ground plan looked austere and stern. They were called the temple-citadels in Mesopotamia and Egypt. Their ruins have still remained. In upper and lower Egypt this type of temple-citadels developed as the trading as well as worshipping centres on the banks of the Nile. In Greece another type of temple-citadels developed under the influence of Asia Minor through the Aegean isles. As Greece is a mountainous country, the Greeks could not use the same ground plan as the people in Mesopotamia and Egypt. The new type of temple-citadels was first built at the high top of the rocky hill on the semi-circular ground plan by the clever employment of its location in Mycenae of the Peloponnesian Peninsula. This type of the temple-citadel was called 'acropolis' in Greece. Next another acropolis was built on the same ground plan in Tiryns near Mycenae. Then acropolises were reproduced in Athens and other places in Greek mainland. By the development of the acropolises in Greece, a new and more active defence system replaced the old passive methods of defence employed in the ancient Mesopotamia and Egypt.
著者
石井 龍一
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.19-31, 2004-03-15

経済不況下で進捗するグローバリゼーションと国家の役割をめぐり,各種の議論がみられるが,「ナショナリズム」「コスモポリタニズム」「普遍主義」等のキーワードの意味内容は,必ずしも一定していない。特に,「普遍主義」についは,硬直的,原理的なインプリケーションを有するとの理解も見られる。そこでこれらの用語の比較,整理と若干の考察を試みた。
著者
高山 啓子
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.79-90, 2005-03-15

観光をするという行為は,メディアを介した商品の消費である。本稿では,この商品の消費としての観光を一つの社会現象として捉え,特に観光とメディアの関係を社会学的に明らかにしていく。そのためにまず第一に,観光現象に対して社会学がどのようなアプローチをとりうるかを示す。第二に観光の商品化とその消費という側面に注目して,メディアとの関係を検討する。そのなかで記号的商品としての観光が消費されるために,メディアが非常に重要な存在であることを示す。第三に特に観光には不可欠であると思われる「場所」とメディアの関係を明らかにする。観光行動を「場所の消費」として捉えるJ. アーリの議論と,メディアのあり方が変化することによって場所に対する感覚が変化するというJ. メイロウィッツの議論を参照し,場所を経験する(消費する)ことに対してメディアが果たす役割を提示する。最後に観光に関するメディアの分析例として女性向け雑誌が観光をどのように取り扱っているかを提示する。
著者
斎藤 哲瑯 藤原 昌樹
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.153-176, 2003
被引用文献数
1

第15期中央教育審議会は, 「21世紀を展望したわが国の教育の在り方について」の答申の中で, 『今後における教育の在り方として, 「ゆとり」の中で子どもたちに生きる力を育んでいくことが基本である』と述べている。 今の子どもたちは, 「ゆとり」のない忙しい生活がストレスとなって, 「夜眠れない」「食欲がない」など身体的な症状を訴える者が増加してきている状況にある。そして, 人間関係の難しさなどもあって, 「いじめ」や「不登校」などの問題行動へとつながっているものと考えられる。 そこで本研究では, 今の子どもたちの生活の様子を探りながら, 「感動」や「感性」などについての調査研究を行い, 今後の子どもたちの健全育成に必要な資料を得ようと考えた。
著者
キスチャック ウィリアム Kischuck William
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.190-178, 2006-03-15

カナダ人の女性作家、シーラ・ワトソン(Sheila Watson, 1909〜1998)作の短編を試訳する。シーラ・ワトソンは詩を一編、短編を六つ、それから二つの小説を発表した。今回取り上げた短編はAntigone(「アンティゴネ」)、である。Antigone(「アンティゴネ」)はワトソンの小説、名著The Double Hookと同年(一九五九年)に出版された。Antigone(「アンティゴネ」)は、ギリシャ神話に見られる名前を持つ登場人物の物語りだが、物語りの場所はカナダ、ブリティッシュ・コロンビア州にある精神病院とその周辺である。ナレーターが自分の父親を紹介することから始まる。父親は精神病院の院長を務めていると思われる。ナレーターのいとこに当たる少女二人、アンティゴネとイスメーネーをも紹介する。それから、物語りはアンティゴネが少女の頃、精神病院の敷地内にスズメの死体を埋葬する場面に移る。少年少女の三人に加えて、精神病院の女の患者であるカリストーの参列に恵まれ、お葬式は少年なりに厳粛に行われている。しかし、院長が姿を現し、この土地は公共の土地だ、とアンティゴネたちの行っているお葬式に反対をする。物語りの最後に、アンティゴネとナレーターの父親(院長)との間に生まれる同情、ナレーターの父親の寛大な態度は印象に残る瞬間である。
著者
松井 洋 中村 真 堀内 勝夫 石井 隆之
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.51-70, 2006-03-15

本研究の目的は日本の「子ども」の特徴について比較文化の視点から検討することであり,特に非行と非行を抑制する要因について明らかにすることである。そのため非行許容性と恥意識,道徳意識の関係について検討する。この目的のため,日本とトルコの中学・高校生1488人を対象に調査を行った。調査結果は,日本の中高生はトルコの中高生と比較して,道徳意識が低く,非行的行為に対して許容的という傾向があった。非行許容性,虞犯許容性,犯罪許容性については,日本の中学女子は男子より許容的であった。道徳意識は,日本よりトルコ,高校生より中学生,男子より女子が高いと言うという傾向があった恥意識について,自律的恥意識と他律的恥意識は,概ねトルコが日本より高く,男子より女子,高校生より中学生が高い傾向があった。しかし,他者同調的恥意識は,男子より女子,高校生より中学生が高いという傾向は前2者と同様だが,他の恥意識とは異なり,トルコより日本が高かった。非行許容性を従属変数とした重回帰分析の結果は,日本の生徒では非行許容性は他律的恥意識によって説明され,また,他律的恥意識が強いほど非行を許容しないと考えられ,そして,道徳意識が強いほど非行を許容しないという関係である。しかし,トルコの中高生の非行許容性は道徳意識によって説明され,恥の意識とは関係が無いということが言える。これらのことより,非行許容性の背景となる個人の態度には文化差があると考えられる。そして,トルコの中高生では,恥の意識より,良い悪いという道徳意識が非行的行為と関係が深いと言える。他方,日本の中高生では,良い悪いという判断より,他者を意識した「恥」の意識がより重要である。しかし,日本の中高生は,他者同調的恥意識は強いが,非行許容性と関係の深い他律的恥意識はトルコに比べて弱いという問題が明らかとなった。
著者
松井 洋
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.55-68, 2004-03-15

社会的迷惑行為について,以下のように調査を行った。調査1.では,日本,アメリカ,トルコの中高生を対象におこなった調査内容について,非行許容性,道徳意識,恥意識などを含めた因子分析を行った結果は,社会的迷惑行為に対する中高生の意識は,非行許容性,道徳意識,恥意識と同一の意識ではなく,これらからある程度独立した意識であることを示していた。他方,社会的迷惑行為に対する意識は,日本では自律的な恥意識と,アメリカでは道徳意識と関係が深いことがわかった。社会的迷惑行為に対する態度を3カ国の間で比較すると,三カ国の中で,アメリカの中高生は社会的迷惑行為について,もっとも,「悪い」,「恥ずかしい」と感じるブレーキが弱い。反対にトルコはもっとも抑制的で,多くの社会的迷惑行為を「悪い」または「恥ずかしい」と感じる傾向がある。日本の中高生は,アメリカと比べると,社会的迷惑行為に厳しいが,トルコほどではない。また,社会的迷惑行為についての態度には国による違いがある。調査2.では,日本の中学生と大学生を対象に調査を行った。まず,社会的迷惑行為についての経験と恥意識について因子分析を行った結果,社会的迷惑行為はいくつかの種類に分けることができ,また,恥の意識が社会的迷惑行為を抑制し得るということがわかった。
著者
小林 由利子
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.109-119, 2007-03-15

This paper analyzes the drama program at Shenton Primary School in England. The objective is to clarify the characteristics of this program. This study found : (1) Three groups have worked together to develop this program : Pupils, Teachers and Other Staff, and Parents and the Community. (2) Drama is not a subject at school but it is a school resource : using as a learning medium, incorporating teaching materials, and materials for the classroom.
著者
谷津 貴久
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.151-158, 2002

視覚系によって認知される対象やその位置についての記憶を視空間記憶(visuospatial memory)と呼ぶ。高齢者と若年者とでこの能力に差があるのかという問題について, 本稿ではこれまでに行われてきた研究を概観することにより考察した。視空間記憶には様々な種類があるが, 本稿ではそれらを実験課題により分類し, 写真・絵の記憶, 単純な線画の記憶, 顔の記憶, 空間(位置)の記憶, 視空間作業記憶として取り上げた。高齢者と若年者との間に見られる記憶能力の差は個々の研究結果で異なり, 両者がほぼ同じである場合と高齢者の成績が低い場合とがあった。これらは課題や刺激の性質に依存し, 高齢者の成績が低下する直接の理由としてフォールスアラームの増加が挙げられた。また, 複数の視空間作業記憶の研究からも年齢差が見られたが, イメージ操作の研究では年齢差の有無について相反する結果が見られた。全体として, 高齢者は日常的な記憶課題については若年者と同程度の能力があるが, 実験室的な非日常的課題では若年者ほどの記憶成績が出ないと結論した。
著者
松井 洋
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.101-114, 2000

国際比較調査の結果から, 日本の若者の問題点について他の国と比較検討を行った。調査対象は, 日本, アメリカ, 中国, 韓国, トルコ, キプロスの中学生と高校生5634名である。質問調査の内容は対人関係, 親子関係, 非行許容性, 愛他性, 道徳意識, 価値観学校関連についての136項目である。分析方法は, 各質問項目の回答の選択肢のうち, 最も望ましくない選択肢を選んだ割合を6ヶ国の間で比較した。結果は, 日本の若者は人間関係に顕著な問題を抱えているということが明らかなった。日本の若者は愛他性, 共感性, 社会的スキルなどの人間関係についての個人的要因に問題があり, そのために人間関係に問題や悩みを抱えることとなるようだ。このような傾向は中学生男子で最も強い。その他にも, 日本の若者は性などの非行的行為に許容的であり, 物質志向, 外的統制などの価値観に問題があり, さらに, 自制心や情緒性, 意欲等も問題があり, そのようなことが悩みや人間関係の問題の原因にもなっていると考えられる。さらに, 親子関係についても親一子間が心理的に遠いという問題があり, このことが人間関係の問題の原因ではないかと推定できる。以上のような日本の若者の問題は, 人間関係を中心としてかなり顕著なものであり, 日本の若者は悪い意味でかなり「へん」だと言え, その問題を一言でいうと「社会性」の問題と言える。このような日本の若者の問題の原因は広く日本社会全体にあるともいえるが, 若者の問題は特に親子関係の問題と関連すると考えられる。そのため, まず親子関係の改善などの対策をはじめることが必要と考える。
著者
金尾 健美
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.1-28, 2006

Voici la premiere edition de deux manuscrits inedits et sa version japonaise accompagnee par un commentaire; ils sont conserves aux Archives Departementales de la Cote-d'Or a Dijon et cotes B11210. Ce sont deux lettres redigees par les membres de la Chambre des Comptes de Dijon concernant le marche monetaire aux derniers mois de 1420. Ils rapportaient que le prix de l'argent surpassait le prix officiel, 26 francs le marc, et s'approchait de 32 francs et que la demande de plusieurs maitres particuliers de monnaie pour en acheter etait anormalement forte. En ete 1420, Philippe le Bon, due de Bourgogne, ordonna la fabrication de monnaie de 80 mille marcs d'argent dont une grande partie serait affectee a l'acquittement de la rancon de Guillaume de Vienne en otage, conseiller fidele a son pere defunt, feu duc Jean sans Peur. Et encore la lettre annonce que deux ateliers monetaires essayerent avec ardeur a Troyes mais avec repugnance a Dijon a fabriquer un denier noir dont l'aloi etait 2 grains et demi, et echouerent egalement a le forger. L'equipe dijonnais craignit que la fabrication d'une telle mauvaise monnaie leur perdit la confiance du peuple et qu'elle nuisit a la gloire du duc finalement.
著者
坂口 武洋 坂口 早苗
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.91-106, 2005-03-15

地球は宇宙空間に漂う星雲の破片が集まって,約46億年前に誕生した。地球環境が整い約35億年前に誕生した生命は,長い時間をかけて進化を重ねた。人類の起源は,数百万年前にゴリラ,オランウータン等の類人猿から進化したとされる。人類は文明・文化を築き,自然・社会・文化などの生活環境を変化させ,今日に至っている。人類は発祥以来,他の動物同様他かな増加率であった。しかし,18世紀の産業革命以降,急増している。特に1970年代の人口爆発から,地球上で希有な増加が継続し,2004年には64億人となっている。人類が,今後も繁栄存続できるか否かは,生息できる地球環境をいかに維持していけるか,いかに他の生物と共存できるかにかかっている。そのためには,地球の歴史,環境,人類の発祥,文化などを学び,地球環境の保全がいかに重要であるか,生物の命,健康および存続がいかに重要であるかを,叡智をもって考察することが必要である。