著者
森野 晶人
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.27, 2012 (Released:2012-06-11)

崇城大学芸術学部デザイン学科のカリキュラムに含まれる写真の授業をベースとした展開として、地域活性化を目指した3例のプロジェクト学習について報告する。「熊本の仕事人70人街中ギャラリー」:熊本市商工課、有限会社ウルトラハウス(出版社)および崇城大学芸術学部の連携により企画・運営され、学生がインタビュー、写真撮影、デザイン、印刷を含むタペストリーの製作および設置に携わった。「市民会館工事フェンスデザイン」:熊本市民会館の改修建築工事にあたり、同会館周囲が約170mの工事用フェンスで包囲された。一般には触れてはいけない工事フェンスをメディアとして昇華し、市民同志のコミュニケーションの場づくりを提案した。「まちxひと城下町ガイド制作参画」:熊本朝日放送が熊本市の中心市街地を中心とした500店舗の情報やストリート紹介、対談、カメラルポなどの情報にわたって紹介する書籍を企画・発行するにあたり、本書のための写真撮影を行った。
著者
益岡 了 谷本 尚子 尾崎 洋 池田 岳史 川合 康央
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.11, 2014 (Released:2014-07-04)

フレンチトーストピクニックは、2000年金津創作の森美術館で開催された今村幸次郎氏の作品展の関連企画として開始された。車を中核としたイベントは国内各地で頻繁に実施されているが、当時福井県内では大規模な開催例が無く、他の地域の同類のイベント実績を参考にしながら、より文化政策と適合しつつ地方振興としての側面を強調した運営が決定された。 第一回開催は、創作森美術館開館以来、最大の入場者数の動員が見られた。参加者・スタッフの感想も概ね好評であり、圧倒的な来場者数や地域振興の意義が評価され、以降の毎年開催が終了直後に決定された。 僅かな予算と限られた有志の協力で15年以上に渡って数千人規模のイベントを継続できたことは、美術館・施設の有効活用だけでなく、地域全体へ波及と活性化との視点からも注目できる。 現在では、旧車の同乗走行会も実施され、これは年少から壮年まで参加者に好評であり、文化遺産の学習体験の機会とも考えられる。希少車の実走行を含めた展示は注目され、雑誌や新聞、テレビの取材も増えた。この様に北陸地域の車文化を全国に伝え、活気ある交流の場として、地域振興の舞台として、その存在が知られつつある。
著者
小峰 優佳 岩田 祐佳梨 貝島 桃代 五十嵐 浩也
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.114, 2013 (Released:2013-06-20)

筑波大学では、病院との協力でQOLの向上に向けたアートデザイン活動を行っている。本稿では平成25年2月より筑波メディカルセンター病院を対象として実施している「はるまちポケット」という企画について報告する。この企画は、芸術系の学生団体が主体となり、病院外来の待ち合い(時間)をデザインする目的に実施した。5ヶ月の期間を経てリサーチやヒアリングを行い、待ち時間の利用方法について病院スタッフと協議を重ね、企画の実施に至った。待ち時間を有効に活用し、患者とススタッフ間のコミュニケーションの向上を図るため、椅子の背もたれを利用してポケットを設置し、そこにカードを入れた。カードの片面はスタッフ紹介になっており、もう片面は外来に上手にかかるためのメモ欄を設けた。その結果, カードの使用枚数は徐々に増加してきている。まだコミュニケーションに対する効果は不明であるが、患者教育としての効果が期待できると考える。また椅子の背もたれを利用したことで、患者が情報を手に取りやすくなり、情報発信の場として椅子のデザインの可能性もあると考える。
著者
田丸 恵理子 廣瀬 吉嗣 蓮池 公威 大山 努
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.F18, 2004 (Released:2005-06-15)

インターネットの普及によって、仮想スペース上での商品の売買がさかんになる一方、物理的な店舗空間の意味の再考が求められている。店舗は単に商品を売るという場所から、新しいサービスを提供する場へと変化が求められている。このような背景から考えると、店舗を評価する際、「ユーザ体験」という観点からの捉えなおしが必要となってくるであろう。店舗という空間は、単に建造物そのものとして成り立っているのではなく、むしろ、人と空間とのインタラクションで構築されていると言える。それゆえに、空間のデザインや評価は、物理的な空間を評価することではなく、そこでのユーザの体験を評価することである。このような観点から、われわれは感性評価、視線分析、インタラクション分析を融合し、店舗のような空間でのユーザ体験を評価・分析するフレームワークを提案する。さらに、本フレームワークを、新しいコンセプトに基づいて構築された銀行の試験店舗に適用し、この店舗空間がどのような顧客の新しい体験を創出できるのかを評価した。この結果から、本フレームの有効性を確認した。