著者
星 真人 中島 洋平 上田 義弘 渡辺 誠 杉山 和雄
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.176, 2005

近年、携帯電話市場では同じスペックの新しい製品が登場し、デザインによる差別化をはかろうと各社努力している。しかしながら、現状では何が消費者の興味を惹いているのか、またどの部分のデザインが購買意欲に結びついているのかは明確ではなく、デザイナーが注力すべき部分や素材の選定などが困難である。そこで本研究では、多変量解析を用いて購買意欲につながる構成要素を明らかにすることを目的として行った。その結果、全体的にカラーが最も購買意欲に影響を与えており、さらにセグメントごとに、着目点は異なり、サブディスプレイ周りやカメラ位置に着目しているセグメントもあることが分かった。
著者
庄子 晃子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.29, 2003

昭和3年に仙台市に設立された商工省工芸指導所は、海外にも受け入れられる漆器の創出が指向し、所員小岩峻(古明)が外国人の嗜好に合う鮮明色の漆塗装方法の研究開発に携わり、昭和7年に『工芸ニュース』誌(1巻1号)上で発表、昭和8年に特許を申請、同10年に「漆器新塗飾法」として特許110460を得るに至っている。これがいわゆる玉虫塗である。 工芸指導所は、東北帝国大学金属材料研究所と協力して、研究成果の商品化とそれらの流通を図るために昭和8年に「東北工芸製作所」の設立を支援し、昭和14年に同所に「漆器新塗飾法」の特許を使用することを認めた。同年12月に第一回玉虫塗新作発表会が仙台の三越デパートで開催され、以後、玉虫塗漆器は同所の主力商品となった。本稿では、玉虫塗漆器の研究開発と商品化および流通面での跡づけを行なう。
著者
今出 圭祐 共田 圭吾 藤戸 幹雄 木谷 庸ニ
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.59, 2012

既存の経験価値研究では、経験価値創造において“物語”を活用することが提唱されているが、その原理や効果については明確にされないまま使用されている。本研究では、文化人類学や組織論、ブランド研究、文学論、実施事例など、多角的な視点から物語を整理し、経験価値創造に物語を活用するための新しい視点を提示した。 本研究では、経験価値における“物語”を、“情報としての物語”と“実経験としての物語”の二つに分類した。 “実経験としての物語”に対しては、先行研究として「ディズニーランド」と「祭り」に対しての文化人類学研究と、お化け屋敷の実施研究の成果に加え、事例研究を通して、その原理と効果を示した。 “情報としての物語”に対しては、文学論、ブランド研究、感性工学、ストーリーテリングでの先行研究に、映画鑑賞経験の現象学的アプローチによる分析結果を加えて、その効果と原理を示した。 この2方向からの研究アプローチにより、既存の経験価値研究に対して、日常から非日常世界へ「行って帰る」構造を持つ物語経験が、集団の連帯感を形成する事を指摘した。一方で、「近づきがたさ」の感情を与えるデメリットがあることも示唆された。
著者
落合 太郎 大嶺 茉未
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.62, 2015

本研究は音楽が時間経過の感覚にどのように影響を与えるか?という命題を簡単な実験によって検証したものである。音楽が人の情緒に直接作用することは経験上誰もが知っていることであるが、これが時間経過の感覚にどのように作用するかはまだ解っていない。西洋音楽の3要素であるテンポ、ハーモニー、メロディをはじめ印象や音の高さが、どのように実際の時間経過時間と感覚時間の差となって表れるかを検証した。誰もが知っているモーツアルト「きらきら星」(k.265/K.300e)の主題と12の変奏曲のなかから特徴的な9曲を選定していずれも60秒に編集し、感覚時間等を18名の被験者に聞いた。全曲が同じ時間であることは被験者に伝えず、曲の要素を変えながら感覚・イメージへの影響をアンケートで設問した。仮説としては、速いテンポの曲が短い時間経過を感じると想定した。しかし結果は真逆で、静かでスローな曲は時間経過が短く、ダイナミックでアップテンポな曲は時間経過を長く感じさせた。2011年に著者らが発見した「逆浦島時間」の仮説と符合して、音楽が感覚を活性化して「逆浦島時間を誘発する」という結果となった。
著者
奥田 稔 中島 健 山本 一生
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.48, 2013 (Released:2013-06-20)

かつては大きく重く、長時間持ち運ぶことも苦労だったノート型のパーソナルコンピュータも、ウルトラブック、タブレットPC、スマートフォンになり、常時携帯する道具となってきた。これらの携帯電子機器は、最先端のデバイス開発によって性能を競い合っているが、結局は性能だけでなく、機能そして造形まで画一化してきている。そのため、携製品を薄く軽量に仕上げるための高剛性の素材、良い触感の表面仕上げに加え、差別化された高級感、先進性を表現する加飾技術が必要とされている。実際に製品例を示しながら、携帯電子製品のCMF加飾技術の動向を検証する。
著者
LEE Eunjin 山本 早里 西川 潔
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.175, 2012 (Released:2012-06-11)

本研究の目的は、都市景観要素としての屋外広告物デザインに求められる条件を探り、その現状の特徴を明らかにすることである。そのために、アジア都市の東京・ソウル・シンガポール・香港の中心商業地域を対象に、現在施行されている屋外広告物関連の法律や条例、ガイドラインなど及び広告物実態の現地調査を行った。その結果、屋外広告物に求められる条件として「秩序」「自由・個性的な表現」「調和」「アイデンティティ」のキーワードが取りあげられた。東京の銀座では「調和」「自由・個性的な表現」の方が高く求められ、ソウル鐘路通りでは「秩序」「調和」「アイデンティティ」が他の都市に比べ高く求められるが、「自由・個性的な表現」は相対的に低い現状の特徴が分かった。シンガポールは4つのキーワードがバランスを取っている特徴の事例としてあげられる。香港の九龍では「自由・個性的な表現」の方が他の都市に比べてももっとも高く求められ、相対的に「調和」の方はもっとも低い現状の特徴が分かった。
著者
鈴木 晴子 永見 豊 鈴木 淳一 滝沢 正仁
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.64, 2017

高速道路での逆走が問題になっている。現在、看板や路面標識などの視覚的対策がされているが、どの対策がどれほどの効果をもたらすかは明らかにされていない。そこで、どの対策や組み合わせが効果があるのか検証する。場所はパーキングエリアの入り口を想定した。路面舗装、指摘する看板の数、指摘する看板の色、路面標識を組み合わせて検証した。CGでサンプルを作ってドライブシミュレータで実験をした。その結果、空間を占める赤色の面積を大きくするほうが効果が高まることが分かった。
著者
Li Yu-Yun Li Yi-Xuan Lo Tsai-Yun
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.229, 2015 (Released:2015-06-11)

台湾では、今でも民間信仰が盛んで、各地に、そのような寺院が多く見られる。そして、毎年、 多様な場所で、多様な時間に、多様な祭りが行われている。祭りの行列は「陣頭」と呼ばれ、踊り 子、祭り囃子の奏者、神輿などが列をなし、町をねり歩く。「官将首」は「陣頭」の一つで、新荘の 地蔵庵が発祥である。「官将首」の「陣頭」は二人が基本の形であり、地蔵菩薩の護法将軍の仮 装をしている。二人、三人、五人、七人、またはそれ以上の将軍で構成され、各将軍の仮装やア クセサリーもまちまちである。例祭の時には、行列の前に立ち、厄除祈念や招福祈願の儀式をし、 町をねり歩き、人びとに加護を与える。現代では、生活様式が変わったことで、この祭りにおける住 民の連携は薄くなり、その文化的意義も薄まりつつある。 本研究の目的は、「官将首」の文化を再認識する事ができる生活用品の開発である。研究成 果として、「官将首」の民俗文化から、意匠特質を抽出し、「官将首」がもつ「加護」と「先導」とい う信仰的意味をのせた緊急用の照明器具を開発した。
著者
山本 桂佑 小関 勝弘 塩見 弘幸
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.G04, 2004

この報告は、「形」に対する人の感情と、そのときの目の動きとの関係を実験的に明らかにし、そこに何らかの法則性を見出すことを目的とし、終局的に構造デザインの一助にするものである。実験に使用した非接触眼球運動測定装置は、被験者の注視箇所、注視時間、および注視軌跡が測定できる。刺激として提示した「形」は丸や三角といった単純な図形である。被験者は38名の大学生が選ばれた。<br>実験の結果、「幸福」というような、人にとって良いイメージの図形に対しての注視時間は長く、反対に「怒り」というような悪いイメージの図形に対しては、注視時間は短いという傾向が示された。「怒り」や「破壊」のイメージを表す図形に対する注視点は分散しているが、「驚き」のイメージを表す図形に対しては、注視点の分散が少ない。<br>
著者
木内 正人
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.60, 2013

偽造防止策が必要とされる印刷物(以下セキュリティ印刷物)、すなわち紙幣、国債、株券などの有価証券類、または証明書等には、複雑かつ不思議な形態をした幾何学模様が描かれている。この模様を国立印刷局では「彩紋(さいもん)」と呼んでいる。欧米では「ギロッシュ」とも呼ばれている。手書きでは描画不可能な彩紋は、セキュリティ印刷物の固有のデザイン・エレメントとして「偽造防止」と「装飾」という2つの機能を担い、近代紙幣デザインの特質を形作っている。しかし、彩紋がいかにして今日のセキュリティ印刷物のデザイン・エレメントとして定着していったのかは、手掛かりとなる資料に乏しく不明な点が多い。そこで、彩紋の起源とその後の進歩の過程を明らかにし、将来のセキュリティ印刷物が目指すべきデザインの方向性を見出す契機にしたい。
著者
櫻井 祐輔
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.61, 2014

この研究の目的は、江ノ島電鉄沿線における住民の活動の実情を明らかにすることです。 調査の方法は、鉄道線路の住民の活動を克明に記録し、居住者への生活の様相を聞取り、景観の断面図を作成することにより行なわれました。<br>その結果この研究は、鎌倉における住民の特殊な景観構築活動を記録、評価し、現状における問題点との関係性を提示しています。
著者
井上 順子 小山内 靖美
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.211, 2006

現在インターネットや携帯電話等における情報検索サービスが発展し、誰もが必要な情報を入手できるような基盤が整ってきている。探すことのデザインには、大別すると2種類のタイプがある。あらかじめ目的がはっきりしている「検索」と目的が曖昧もしくは無い「探索」である。ネットワーク上の情報を活用するためには、「探索」を目的とした情報空間のデザインの必要性が高まると考えられる。本研究では、Webサイトでの情報探索のかたちを発想する手がかりとして、人が日常空間で情報を探す活動を調査した。その活動から情報探索サービスの提案を行った。日常空間における情報探索の調査、インタフェースのデザインプロセスについて報告する。
著者
木内 正人
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.G16, 2004

独立行政法人国立印刷局は、明治4年(1871年)「大蔵省紙幣司」として創設以来、紙幣をはじめ各種有価証券や公文書を専門に製造してきた。今日に伝わる紙幣のデザインは、明治維新以後急速に近代化した歴史を色濃く残し、西洋から輸入した様々な技術をベースに、日本の民族的慣習を織り交ぜ独自のスタイルを築いてきた。また紙幣のデザインには、信頼、安全といったセキュリティー面からの役割と、国の威厳、品格、あるいは利用者の誇りや尊厳を支える役割をも担っている。それには、デザインの中に人々に"重み"を感じさせるデザインエレメントの存在が鍵となっている。本研究は、紙幣にみるデザインエレメントの特徴から鑑み、紙幣のデザインと社会との関係を考察するものである。
著者
柴田 一樹 渡口 ひかり 渡辺 裕之 武藤 衣純 松崎 さおり 植田 憲
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.65, pp.400-401, 2018

千葉県木更津市にて、潜在化している地域資源を地域住民に提示することで、地方における新たな観光のあり方を創出する。具体的には、空き店舗の活用や地域住民に対するミニツアーを通して潜在化した地域資源を提示することで、今まで当たり前のように感じていたものこそが特別であり、観光資源となりうることを認識してもらう。
著者
土屋 伸夫
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.105, 2005

<B>研究意義</B>_-_デザイン史においては、1953(昭和28)年における多くの建築家が 創立に関わった国際デザインコミッティーの結成や1961(昭和36)年におけるグッドデザインコミッティーが「グッドデザイン」展開始というような日本デザインコミッティーの前身に関わる事象を取り上げている。しかし、デザインギャラリーそのものについては、その系譜となるものが充分研究されていない。つまり、先行研究がほとんど見あたらない。<BR><B>研究目的</B>_-_デザインギャラリーを通じて、特にその企画展からデザイン史を俯瞰しようとするものである。<BR><B>研究方法</B>_-_文献や企画展案内状などの資料などを活用して行う。研究結果_-_戦前期においては、資生堂ギャラリーがデザインギャラリーの黎明として位置づけることができる。<BR><B>研究考察</B>_-_資生堂ギャラリーは美術展を中心に活動していたが、その一部に今日のデザイン領域である建築・デザイン・写真の企画展が開催されている。ギャラリーの役割としては会期が3_から_6日間と短かった。ただ、学芸員の存在はいなかったが、福原信三という目利きによって、企画展の質が保たれ、建築家・デザイナーの新作発表支援と同時にデザイン啓蒙支援やデザイン流通支援に貢献した。<BR>
著者
土屋 伸夫
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.82, 2008

●研究意義-デザイン史においては、1953(昭和28)年における多くの建築家 が創立に関わった国際デザインコミッティーの結成や1961(昭和36)年にお けるグッドデザインコミッティーが「グッドデザイン」展開始というような 日本デザインコミッティーの前身に関わる事象を取り上げている。しか し、デザインギャラリーそのものについては、その系譜となるものが充分 研究されていない。つまり、先行研究がほとんど見あたらない。●研究目的-デザインギャラリーを通じて、特にその企画展からデザイン史 を俯瞰しようとするものである。●研究方法-文献や企画展案内状などの資料などを活用して行う。●研究結果-戦後において、デザインギャラリー銀座・松屋がデザインギャ ラリーの基本モデルとして位置づけることができる。その結果をふまえ て、東京デザイナーズ・スペース(TDS)と比較検証することで、TDSの特徴 がより鮮明に理解することができる。●研究考察-戦前は資生堂ギャラリー(第52回日本デザイン学会春季大会口 頭発表)、戦後はデザインギャラリー銀座・松屋(第53回日本デザイン学 会春季大会口頭発表)がデザインギャラリーの存在を公に認知させてき た。その後、デザインギャラリー銀座・松屋やTDSの企画展により、デザイ ン文化の形成およびデザイン文化の向上に対して大いに貢献してきた。特 に、TDSは、新作発表支援・デザイン啓蒙支援をもとに展開されてきたこと が明らかになった。
著者
若林 尚樹 安齋 利典 倉持 歩 山岡 美紗希 宮浦 志穂
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.65, pp.490-491, 2018

本研究は,視覚的な表現をともなった対話のための手法に注目した.落書の手法を応用し、話をしながら描いたり、聴きながら描くことで,対話を活性化できることが期待される.落書きを分析することで,視覚的な対話の活性化のための要因を分析し,「落書きコミュニケーション」としての手法を提案することを目的としている.デザインコンセプトを検討するワークショップで,机の上に貼った模造紙に学生が社員の話したことを図やキーワードとして描きながら,話し合いの内容を視覚化しながら共有できるようにした.分析の結果次のことがわかった.画面内の図形や文字の要素の分類を、描く方法や出てきた関係を表す記号に応じて、「接続方式」,「領域方式」,「配列表方式」の3種類に分類できる.落書きのレイアウトは,それぞれのグループで話し合われた内容や話題間の関係性,そして話し合いの進め方が落書きとしての配置の特徴として顕著に現れていることがわかった.
著者
邊 ミンジュ
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.B22, 2004

: This research is designed to analyze character type of Korean characters from philosophical, psychological, and literary viewpoint. This is to characterize general fancy, game, and animation characters, and it can contribute to storytelling, motif, creation and marketing of characters on the basis of this analysis. A very significant fact here is that all kinds of characters are flat character type, which verifies distinctiveness is the most important element in creating character. Again, this research is to understand character type, which is the nature of characters, and to discuss the weakness and the direction of Korean characters.<br><br>
著者
田中 裕子 小野 梨奈
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.63, 2016

本研究は、オーロラ現象やその生成に関係する太陽風・磁気圏・電離圏相互作用メカニズムの解明を目的とした研究機関、国立極地研究所 宙空圏研究グループのWebサイトリニューアルを、サイエンスアウトリーチの視点から企画・開発したプロジェクトの効果を検証するものである。科学技術のさらなる発展に向けて、研究内容や成果を国民にわかりやすく説明し、双方向コミュニケーションを通じて国民のニーズ把握を行う「アウトリーチ活動」の重要性が年々高まってきている。本研究の目的は、アウトリーチ活動の取組みのひとつとして、大学や研究機関が、最新の研究成果をわかりやすく、かつ簡単・スピーディに公開するためのWebサイトのデザイン設計・構築を行い、Webをベースにしたアウトリーチ活動の効果を検証する。情報拡散手段としていまや欠かせないソーシャルメディアとも連携し、Webサイトを情報収集源として活用している国内外の優秀な大学院生や若手研究者に向けて情報を効果的に発信することで、優秀な人材を確保し、研究グループの研究力強化につなげるWebサイトを目指した。
著者
島田 達
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.28, 2014 (Released:2014-07-04)

今日日本は超高齢社会の問題に直面している。高齢者が増えるということは同時に寝たきり老人の増加を意味する。そこで私は寝たきり老人のためのリハビリテーションに着目した。なぜなら彼らは自分の身体をほとんど動かすことができないため、リハビリテーションを取り入れることが難しいからだ。寝たきりをとりまく様々な症状や問題の原因は拘縮である。本研究では治療部位を手指の拘縮に限定し、手指の他動運動によるリハビリテーションが手指拘縮を改善すると同時に認知症の治療にもつながるという仮説を立てた。実地調査や実験を行なうことでリハビリテーション治療を行なうシステムについて研究し、デバイスの制作要件の抽出を行なった。結論として、シリコーンボディを用いた柔らかい素材によるデザインを採用した。