著者
向井 志緒子
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.221, 2013 (Released:2013-06-20)

広告や商品パッケージに施されている文字デザインの表現は多岐に渡る。その視覚的要素の強さから,近年,マーケティングの分野においても関心が寄せられるようになり,文字デザインを含むパッケージデザインは企業目標達成に有効なツールだということが明らかにされた。文字デザインは広告や商品に対する印象へ影響を与えるひとつの要因と考えられるが,現状では,商品と文字デザインとの組み合わせはデザイナーの感性に頼られており,明確かつ客観的な指標は無い。そのような限界を踏まえたうえで,本研究では紙媒体に印刷された和文書体フォントに着目し客観的な指標の位置付けの示唆を得ることを目的とした。調査では9種類の和文書体フォント毎に36項目の形容詞対を用いて,SD法による7段階の印象評価に関する質問紙による個別回答を求めた。探索的因子分析(主因子法,プロマックス回転)の結果,それぞれのフォントにおいて3ないし4因子が抽出され,先行研究と同様の傾向の結果が得られた。さらにこの結果を基に,フォントの印象を決める際に重視するポイントとして「親しみやすさ」「活発さ」「安定性」「快適さ」の4つのカテゴリーに分類できた。
著者
勝谷 祐太 永井 由佳里 森田 純哉
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.59, 2012 (Released:2012-06-11)

本研究は,音楽の調性が人間のドローイングプロセスにどのような影響を与えるかを調査したものである.本研究では,明るい印象・暗い印象の二種類の自作音楽刺激を用いて積極的・非積極的の二種類の聴取条件でドローイング実験を行なった.積極的音楽聴取条件の実験では,音楽刺激を二種類聴取させ,それぞれの音楽から思い浮かぶ風景を描画させた.結果,明るい印象の音楽刺激を聴取しながらドローイングを行なった場合,音圧とストローク速度が相関を示すことが確かめられた.非積極的音楽聴取条件では,予めドローイングテーマを与え,音楽刺激は外音遮断の目的として用いると教示することで音楽から意識を遠ざけた.ドローイングテーマは,予め音楽刺激の印象評価を行なった際に曲からの想起語句を書き出させており,その中から頻出していた単語を用いて作成した.明るい音楽刺激のドローイングテーマは「春の朝のカフェ」,暗い音楽刺激のドローイングテーマは「雨の降る夜の湖」である.実験の結果,積極的音楽聴取条件と同様に,明るい印象の音楽刺激を聴取しながら行なった場合,音圧とストローク速度が相関を示すことが確かめられた.
著者
張 英裕 邱 奕程 劉 靜文 歐 耘秀
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.66, 2019

<p>「捏&#40629;」とはいわゆる日本のしん粉細工である。本来中国伝来の民間工芸の一つであり、中国では面塑、面花、礼&#39309;、花&#31957;と呼ばれる。その材料は主に小麦粉及びもち米粉で、水と塩あるいは砂糖を入れ、かき混ぜたあとに蒸し、着色し、できた生地である。そして「捏&#40629;人」はこの多彩な生地及び小さな鋏などの道具を使い、実在である動物、植物、花、人物や空想上の神仙、龍、鳳凰、麒麟などの造形物を製作する。<br/>台湾における捏&#40629;人は昔冠婚葬祭、長寿祝い、祭典などの民間イベントに多用されており、食べることもあったが、時代の変化とともに、材料も前述した食用材料から化学材料と変わってきており、現在は観賞用だけで、食用不可となっている。</p>
著者
良知 耕平 日比野 治雄 小山 慎一
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.211, 2012 (Released:2012-06-11)

本研究ではレビューのフォーマット中に含まれる情報の種類が消費者に与える印象を評価した。実験刺激としてノートパソコンに関する4種類のレビューを使用した。4種類のレビューは、レビューを書いた人間、評価、コメントが同じであり、含まれる情報フォーマットのみが異なっていた。レビューA:満足度、名前、コメントのみ。レビューの最低限の要素(基本情報)で構成されたもの。レビューB:レビューAにレビュー制作者の人物像がわかる要素(人物情報)を加えたもの。レビューC:レビューAにレビュー作成者の商品熟知度がわかる要素(商品熟知度情報)を加えたもの。レビューD:基本情報、人物情報、商品熟知度情報の全てを含んだもの。被験者(学生24名)はひとつの実験刺激を見ながら8種類の印象評価(信頼性,親しみやすさ等)を行った。結果、人物情報を含んだレビューBよりもレビューAの方が信頼できるという評価になった。一方、商品熟知度情報を含んだレビューCはレビューAよりも親しみを感じさせていた。ノートパソコンのレビューでは「どんな人がレビューを書いたか」よりも「どれくらい商品に詳しいか」の方が信頼や親しみに強く影響することが示唆された。
著者
鈴木 勇波 川本 真也 肥田 不二夫 土田 修
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.211, 2014 (Released:2014-07-04)

これは産学共同プロジェクトの一つとして行った手洗い衛生環境を考えたハンドドライヤーのデザイン開発研究である。 近年、流行性感冒はじめ様々な感染による疾病発生により人々の手指衛生に対する意識・要請が高まってきている。従来型のハンドドライヤーの多くは送風により手に付いた水滴を吹き飛ばし、手を乾かすだけで多くの水滴は霧状となり様々な細菌とともに周囲に飛散飛沫させていることが近年明らかになってきた。このような衛生問題を改善するため完全吸引循環式ハンドドライヤーの普及を進めている(株)T社と連携し、理想的な手指衛生環境を実現させるために現在業務用機を民生用機として公共の場にも設置する必要があると考えている。 本研究はデザイン本来の目的の一つである人の心理、行為に訴える「機能」と「造形」の高い次元での調和であるが、 人々の安全・衛生を守り健康的な生活を送ることが「幸せ」 な生活の基本であることをその根本において人間工学とユニバーサルデザインの観点から人に優しく親近感のあるデザインを目標に進めて来た研究成果報告である。
著者
吉田 茉由 田村 俊明
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.63, 2016

私たち日本人は現代に至るまでに独自の食文化を産み出し、それとともに食器や食事をする環境を確立させてきた。 明治以降海外の食文化が入ってきたことにより新たな食事スタイルを取り入れ、そして現代になると私たちの食事は料理も食器も環境も自由に選択ができるようになった。 こうした現代では食事をしているときに部屋や使用するもの、一緒に食事をする人など周りの環境がより食事の質を高めていると考えられる。食事と人と空間の関係はどのような効果を私たちに与えているのかを調査し、研究することは今後の新たな食器の開発や伝統を生かしていくことにつながるといえる。 そこで「歴史性」、「日常性」、「人間性」という食事の要素に絞って、現代の私たちの食事に対する人とモノと場の関係を今日の日本映画に登場する食事シーンに求めて考察する。
著者
三友 奈々
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.62, 2015

米国では、「プレイスメイキング(Placemaking); 以下、 PM」という考え方の下、公園や広場、街路といった公的空間(パ ブリックスペース)の計画・設計、運営が行われ、周辺の住民 や就業者のサードプレイスとなっている。また、都市部の公的空間の一部は訪問者や観光客の「居場所」になっている例も見られる。 我が国では、2014 年度に国土交通省都市局主催で PM フォーラムとシンポジウムが開催される等、本概念に注目が集まり、 様々なまちで検討・試行されはじめている。 しかし、コミュニティの再生や賑わいの創出といったまちな かの居場所づくりに寄与する概念であると確信しながらも、その定義は曖昧であり、具体的手法もほとんど示されていない。 本稿では、文献調査からPM の定義を概観し、PM の原則について示した上で、PM における公的空間の場の評価項目について考察し、本概念の明確化を試みることを目的とする。&nbsp;<br>
著者
黒川 威人
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.117, 2013 (Released:2013-06-20)

明治維新以降,我が国は西欧の合理主義を国策として発展して来た。しかしその中で失われた固有の文化・文明も少なくない。本論は万葉集や古今和歌集など、日本の古代の詩歌を読み解くことにより,日本固有の美学がいかなるものであったのかを明らかにしようとするものである。結果として「雪、月,花」を平安時代から日本人は愛して来たこと,中でも「雪」に対して特別の愛情を抱いて来たことが明らかとなった。その雪は日本特有の温暖な気候下に降る柔らかな雪である。そこから様々な日本美が生まれて来たことと、今日のモダンデザインがシンプルであることを是とする日本人の精神性の根源をうかがい知ることができた。
著者
コ エンテツ 阿部 眞理 白石 照美
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.281, 2014 (Released:2014-07-04)

本研究では、中国結の要素を取り入れた生活用品を提案することで、中国結をさらに多くの人々に伝え残すことを目的とした。まず中国結の歴史、種類と現状について調査した。その結果、一旦腐れた中国結であったが、今、再び生活の中に取り入れ始められていることがわかった。現在、生産されているアイテムは正月飾りやアクセサリーであるが、その他の活用例はあまり見受けられなかった。今後は、中国結を生活の中に幅広く取り入れるためのデザインを提案する。
著者
川端 久美子 中田 悠理 木谷 庸二
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.64, 2017

ソーシャル・ネットワーク・サービス(以下、SNS)の利用者は年々増加している人気のサービスである。しかし、SNSは過剰に使用すると、SNS依存やSNS疲れなどの精神的病に掛かる危険性をはらんでおり、その要因のひとつとして、「いいね」やコメント等の投稿に対するリアクションが指摘されている。本研究では、SNSに於ける「いいね」に着目し、「いいね」がユーザーに与える心理的影響を観察し、SNS特有の楽しさを維持しながら、SNS依存やSNS疲れを誘発しない「いいね」のデザイン方法を明らかにする。
著者
曽和 具之 上田 信樹 上田 信行
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.A20, 2004 (Released:2005-06-15)

パーティは人々の交流の場であるばかりではなく、人との出会いによって、自分のそれまでの経験を振り返ったり、日々の生活や仕事について再考する機会でもある。本研究の目的は参加者自身が自らのパーティーの経験を振り返り、意味づけすることができるリフレクションの装置を開発し、その効果を検討することにある。具体的には時系列にスナップショットを取り、ほぼリアルタイムでオープンテラスに貼り出すリフレクションボード、パーティーの人の動きをビデオで撮影し、パーティーの最後にリフレクション映像として映し出すための「メタカメラ」である。
著者
曾 啓雄 劉 百堅
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.130, 2013 (Released:2013-06-20)

林家花園は台湾の今、ただ一つしかない古典庭園である。その假山は在来の蘇州庭園で現れる太湖石の皺、透、漏、痩での選石と違って、中国山水絵で黃公望的山水に似て、特に黃公望的披麻皴特色に看られる。假山を含めて全体の雰囲気は当時文人の理想居として空間と具體化された。
著者
佐藤 慈 青木 幹太 井上 友子 佐藤 佳代 進藤 環 星野 浩司
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.66, 2019

<p>福岡県の伝統的工芸品である博多人形の振興および地域の活性化を目的として、九州産業大学芸術学部、博多人形商工業協同組合、福岡市の産学官連携により、福岡の企業10社をイメージしたオリジナル博多人形「ハカタオフク」が制作された。「ハカタオフク」は、2018年11月にマリンメッセ福岡で開催された「KOUGEI EXPO IN FUKUOKA」で初公開され、その後も福岡市内の施設(はかた伝統工芸館、福岡市美術館、イムズ)において展示された。これらの展示に併せて、「ハカタオフク」のPRと人気投票を行うためのデジタルサイネージが開発された。このデジタルサイネージでは、AIとセンサーデバイスを活用することにより、効果的な情報提供および効率的な情報収集を目指した。本研究では、「ハカタオフク」のために開発されたデジタルサイネージの概要とその成果について報告する。</p>
著者
吉田 瑠美 富加見 美沙都 木谷 庸二 藤戸 幹雄
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.148, 2012 (Released:2012-06-11)

1990年以降集客やイメージ向上の効果から、商業施設等民営の公共トイレのデザインが積極的に改善されてきた。しかし公営の公衆トイレについては、福祉設備の充実やメンテナンスの改善がみられる一方で、依然として5K(暗い、臭い、危険、汚い、怖い)のイメージが払拭されていない報告が目立つ。また屋外の公共トイレでは屋内に比べ、利用者は一層デリケートな心理状態になっており、ユニークなデザイントイレが、過度なデザインとして不快感を高める要因になることも指摘され始めている。官民が協力した公共トイレの適正配置が見直され、屋外の公衆トイレの整備が進む近年において、利用者の求めるイメージ、及びそれらを形成するデザイン要素に注目し、設計者への知識の獲得を試みた。
著者
落合 太郎 大嶺 茉未
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.63, 2016

2014年に実施した音楽が時間経過に及ぼす影響を測る実験結果では、静かで緩やかな曲が時間の経過が短くむしろダイナミックでアップテンポの曲の方が長く感じるという結果であった。この実験過程で曲ごとに異なる色彩イメージを連想するという副次的結果を得たため「和音」に着目し,派生する色彩感覚を追加実験によって検証した。追加実験ではC(ド)のmajor,minor,sus4,diminishを代表和音としてデザイン学科学生を対象に聞かせた。色彩トーンや色相の連想イメージを聞くと一定の傾向が見られ,先行研究で報告された色聴保持者と共通する結果が得られた。和音は色彩イメージを誘発し,さらに当該色彩を介して環境デザインで指定された機能イメージと連動させることが理論的に可能となるため,和音が「言語」に替わるサインとして空間に機能するということが示唆された。
著者
加藤 頌健 安井 重哉
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.64, 2017

本研究では、出力される実行結果を立体化させた立体造形を用いることで、立体造形を見る際の視覚情報と立体造形を触る際の触覚情報を利用しユーザがインタフェースを操作する際に行う結果の予測と実際の結果が一致するインタフェースを制作する。また、その効果を検証することを目的とする。そのようなインタフェースを制作することで、より操作性の良いインタフェース創出の足場となるのではないかと考える。本研究では、音のクロスフェード切り替えを対象とした。インタフェースを提案するにあたり、アイデアを広げるために、アクリル板や発泡スチロールやインダストリアルクレイなどの素材を用いながら、様々なインタフェースの形状を考案し、制作を進めた。形状の考案と評価を繰り返し行うことで、ユーザに適切に情報を与えるようなインタフェースを制作し、評価を行った。効果を検証した結果、出力される実行結果を立体化させたインタフェースは視覚的、触覚的な観点で有用性があることが分かった。
著者
伊藤 俊樹 松永 泉
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.56, pp.P10, 2009

大阪人(関西人)と東京人の間では気質の違いがあると一般に言われているが、そのことを実証的に研究したものは少ない。本研究では、臨床心理学で用いられる投影法の技法を応用して、大阪人と東京人の人間関係の持ち方の違いを明らかにすることを目的とした。具体的には、なんらかの人間関係(特に何らかの葛藤あるいはネガティブな状況を推測させるもの)を投影できるような場面を4 場面(カフェ、コンビニ、電車の車内、店内)設定し、図版を4 枚作成した。被験者にはその図版を見て、過去、現在、未来に渡る物語を作ってもらい、その物語の違いを大阪人と東京人の間で比較検討した。被験者は大阪環状線の内側に位置する6 区に所在する事業所(30 名以上)に勤務する18 ~ 59 才の男女37 名(女性12 名、男性25名 平均年齢34.7 才)。東京山手線の内側に位置する12 区に所在する事業所(30 名以上)に勤務する18 ~ 59 才の男女36名(女性15 名、男性21名 平均年齢34.4 才)である。結果は、大阪人の方が東京人より人と人との間に何らかの人間関係をみることが多く、感情表現がよりはっきりしており、大阪には東京よりも物語が生まれやすい土壌があることが分かった。
著者
本田 敬
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.65, pp.308-309, 2018

本研究は、介助犬の訓練センターと共同でチャリティグッズの開発を行ない、デザイン教育との相互作用について考察したものである。チャリティグッズは、介助犬の広報イベント時や公式HPのサイトで販売され、センターの運営資金として寄付金以外の貴重な収入源となっている。しかしながら、現状では商品アイテム数も少なく、今後広く介助犬の存在を伝える上でも、拡販していくことが急務となっていた。そこで本学の学生に商品開発を実践的に学ばせる機会を兼ね、約8ヶ月に渡ってチャリティグッズ開発のプロジェクトを行った。現状の問題点と今後の展開など、ヒアリングと調査を行い、流通やコストなど、通常の授業では大きな制約にならない現実的な問題解決にも取り組み、10人の学生によって提案された14商品は順次販売を開始している。チャリティグッズという点から、通常の商品と原価率が大きく異なることや、デザイナーの報酬が発生しない等、一般の商品開発との差異も多く含まれてはいたが、安価で買える日用品であっても、デザインの業務が多岐にわたり、細かな検討を重ねて商品となることについて、学生自身が経験して理解する貴重な機会を創出できた。
著者
范 以欣 田中 みなみ 宮崎 清
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.47, pp.400-401, 2000

The marriage preparation is the substance used for marriage ceremonies. The marriage preparation is arranged by a bride or her household. And it is conceived that is the foundation of a family's daily life. Based upon the field survey taken from Taipei and Tainan, the usage of marriage preparation at different eras-Japanese colonial period (1895-1945), the period of KUOMlN Administration (1946-1979) and present (1980-). Historical transition of marriage preparation has been related to their status in wedding life as well as reflecting the social circumstances at each period.
著者
田中 佑弥 上田 慎治エジウソン 寺内 文雄 青木 弘行
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.150, 2013 (Released:2013-06-20)

近年デザイン開発では製品・サービスなど基本的な機能である機能的価値に加えて、人の心地や感覚、感動といった感性的価値を考慮したものづくりが盛んに行われている。モノの長期使用を考えたとき、感性価値はなくてはならない要素であるが、機能的価値とは異なり主観的な価値であるため、使う人の年代や経験に左右されやすい。本研究ではこうした感性価値の中から実際の製品コンセプトとしても取り上げられることの多い「温もり」という印象に着目し、世代別の価値観の違いを共分散構造分析(SEM)を用いた因果モデルにより視覚的に表し、各世代の評価差を明らかにすることを目的とした。20代、40代、50代の各世代の因果モデルの比較によって、20代の世代が「生物的な」という評価項目に対して「温もり」を感じていることがわかった。この傾向は他の世代では見られず、20代に特有のものであった。そこで、「生物的な」という感性的価値をデザイン要件とした検証モデルを複数制作し、実際に20代の被験者を用いてVAS法とSD法による印象評価を行い検証した。