著者
井上 順子 平野 北斗 豊嶋 哲志
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.62, 2015

本研究では、インフォメーショングラフィックス表現の拡張性として、情報の立体化、立体表現の可能性について報告する。 インフォメーショングラフィックスは、情報を効果的・魅力的に伝える手法として注目が高まっている。見る人に印象強さや関心を与える力を持つことから、簡素で明快かつ魅力的な表現が模索されている。モーショングラフィックスに加え、最近では情報を立体的に表現しようとする傾向も見られる。 オマーンの新聞社「Times of Oman」が制作した「ON THE BALL, An in-depth look at the 32 national teams」では、情報を立体模型に再構成するアイデアを適用している。この事例は、インフォグラフィックスにおける立体的表現の可能性を確認できる好例である。インフォメーショングラフィックスの新たな視覚体験を提供できるアプローチとして、情報の立体化に着目し「情報に触れる体験」が理解とコミュニケーションを向上させる可能性について探求した。その結果、情報を立体化することで見る人の意欲的・知的欲求を引き出す特性を指摘することができた。
著者
森 優子
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.65, pp.446-447, 2018

東大阪市に位置する花園ラグビー場が、2019年のラグビーワールドカップ開催地の一つとなったことから、海外からも多くの人が市を訪れることが予想されるため、現在、公共サインの整備が進行している。東大阪市では、公共サイン設置基準等により基準が定められていたが、デザインに関する具体的な基準はなかった。本研究は、東大阪市における良好な景観形成のための公共サインの整備推進に寄与するピクトグラムデザインを提示することを目的に、2016年度より開始された東大阪市公共サインデザイン整備推進事業の一部として行った制作過程について考察する。
著者
澁谷 智志 木村 健一
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.95, 2015 (Released:2015-06-11)

本研究では、美術初心者が持つ写実性制約が、絵を創作する行為にどのような影響があるかを実証的に検討する。芸術創作は、表現対象に対して知覚と創作行為を繰り返しながら表現を探索していく活動である。こうした知覚と行為の中での創造性を捉えるならば、知覚対象に対する認知的志向と創作行為には不可分な関係があると考えられる。美術初心者は、絵画に描かれた具体的事物に固執して絵画を見るという「写実性制約」があり、その制約が絵画鑑賞において、多角的に見ることの妨げになることが、指摘されてきた。 本実験では、図柄を配置することで絵を構成する課題について、具象画の図柄を用いた試行と、抽象画の図柄を用いた試行とで実施し、実験参加者のデッサン技能の有無によって、各々の試行の試行錯誤の度合いに違いがあるかを調べた。実験の結果から、デッサン技能の有無は、具象画の操作の試行錯誤の度合いに影響は与えないが、デッサン技能を有することは、抽象画の操作の試行錯誤を促進することがわかった。このことは、美術初心者は写実性制約に沿って解釈できない対象に出会ったとき、創作の試行錯誤が抑制される傾向があることが明らかになった。
著者
駒込 大輔 小野 哲雄
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.P23, 2007

本研究では,人間に対して模倣と創造を促すコミュニケーションロボットのインタラクションデザインについて考える.ロボットは物理的な身体を持ち,ネットワークやアーカイブ機構を持っているため,人間の創造活動を支援する為に適したメディアであると考えられる.しかし,ロボットが実世界の文脈情報を的確に読み,能動的に情報支援・創造支援することは非常に困難である.そこで,我々は人間の模倣能力に注目する.模倣は単なるコピーではなく,過去の優れた事例を組み合わせて,新たな創造へと導く行為である.そのため,我々はロボットを社会的なメディアととらえ,人間がロボット独自の行動を模倣するかどうかを検証する予備実験を行った.その結果,人間は非生物であるロボットを無意識的に模倣する能力を持っていることが分かった.
著者
坂本 久子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.60, 2013

本報告は、1876年前後の主としてフランスとイギリスにおける日本趣味を感じさせる美術と工芸の作品5点、すなわち、クロード・モネの「ラ・ジャポネーズ」、ファリックス・ブラックモンの「セルヴィス・パリジャンの皿」、エミール・ガレの「壺・日本の怪獣の頭」、ジェームス・A・M・ホイッスラーの「孔雀の間」、ミントン社の「日本風俗図扁壺」を事例的に取り上げ、その作品が生み出された経緯、日本の美術と工芸品との関わり、作者の簡単な略歴などを紹介して、この時代のヨーロッパ、主にフランスとイギリスにおけるジャパネスク・スタイルの状況を考察するものである。僅か5点の作品から状況をみるのは困難であるが、これらの作品に関った人々は、19世紀後半の新しい芸術と工芸の胎動に寄与した人々であり、日本の美術と工芸がいかに多くの示唆を与えたかを知ることが出来る。
著者
治部 晶子 村田 侑紀奈 木谷 庸二
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.63, 2016

近年、地域再生のために地域ブランドが注目を集めている。ブランド総合研究所の都道府県の魅力度ランキングやテレビ番組等を通して、都道府県に対する関心が高まりつつある。しかし、県は地域性が希薄という問題点がある。また、観光地ブランドは、地域が活性化しやすいという特徴がある。 そこで本研究では、県の観光協会のホームページに着目し、ステークホルダーがホームページを見ることによって形成されるイメージが地域のブランドイメージにどのような影響を与えるのか、地域のブランドイメージを形成する一助になることを目的とした。 県の観光協会のホームページを用いてアンケート調査を行い、ブランドイメージに影響を与えるホームページのイメージとデザイン要素を抽出した。嗜好度に関連のある評価項目を抽出し、「イメージ」「影響度」「県らしさ」に関係しているデザイン要素を示した。また、ホームページの提案例を作成し観光協会の方に評価して頂き、どのような場面で使える知識であるかを考察した。
著者
近藤 存志
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.D10, 2004

18世紀のイングランドにおけるピクチュアレスクの流行は、クロード・ロランやサルヴァトール・ローザ等の風景絵画に影響を受けると同時に、ウィリアム・ギルピンの活動に代表されるように、イングランド特有の自然や風景、気候などに対する関心を高める契機となった。ピクチュアレスクの流行はイングランド人によるイングランドの再評価を啓発したが、この点で「イングランド性の美的表現」を必要なこととして主張していたオーガスタス・ウェルビー・ノースモア・ピュージンの芸術意識と共通する側面を有していた。実際のところ、ピュージンは19世紀のイングランドにゴシック・リヴァイヴァルの確立を推し進める一方で、前世紀中に異教的芸術の影響下に萌芽的に出現しながら「純粋にイングランド的な美的趣向」として確立されたピクチュアレスクについて言説を残している。その内容からは、ピュージンが正当なピクチュアレスク建築の在り方をゴシック建築の機能主義的デザイン姿勢の派生的な帰結として位置付けていたことが読み取れる。こうしたピュージンのピクチュアレスク理解は、「機能主義的ピクチュアレスク観」と表現し得るものである。
著者
井上 勝雄 広川 美津雄 岩城 達也 加島 智子
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.40, 2015 (Released:2015-06-11)

今日、スマートフォンなどに代表される多機能な情報通信機器の普及により、誰でも直感的に使用することのできるインタフェースデザインが求められている。 そこで、報告者らは数年前から直感的なインタフェースデザインの設計論について研究を行ってきている。アンケート調査や心理実験、心理学に関する文献調査の結果から、直感的なインタフェースデザインは「知覚と行為の円滑な結合」であることが明らかになった[1]。そのためには心理学の「体制化」と「親近性」を拡張した考え方を設計論に応用することができると考え、その考え方をもとに、直感的なインタフェースデザインの10原則を提案した。
著者
安武 伸朗
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.62, 2015

デザインシンキングにおいてグラフィックレコーディング(以下GR)を用いた振り返りやファシリテーションの活用が進んでいる。しかしGRの記録を活用する方法は定まっているとは言えず、記録の目的の明確化や効果の検証、記録品質の評価がなされていない状況といえる。一方、大学教育でアクティブラーニング(能動的学習)の実践が期待されている。本稿ではGRの複数の事例を比較して、表現手法と効果の関係について考察し、出来事をグラフィカルに構造化するプロセスに潜む、アクティブラーニングとしての効果について言及する。
著者
長谷川 聡
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.185, 2012 (Released:2012-06-11)

インターネットを通じリアルタイムであらゆる情報を入手できる現代の生活環境は場所性を薄れさせ、デザインにおけるグローバリゼーションをもたらした。それは、独自の技術や材料といった国際的競争力を持つことが不可欠だ。そして、大きなパイではなくとも、特異なデザイン資源を引き立てる製品のデザインは土着的なデザインの考え方や在り方が必要且つ、重要になってくるのではなかろうか。ここでは、絹織物を取り扱う企業が、ものづくり企業としてとりまとめ、自らの商材を引き立てるために木工製品としての試作を行い、展示会や専門家の評価を受けるとともに、ビジネスとしての可能性を検証した。
著者
大森 正夫
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.85, 2003

京都の東山慈照寺(通称・銀閣寺)には、建造物のみならず庭園内に向月台や銀沙灘など月に由来するものが数多く、その回遊式庭園における誘導性の因子として「観月」が重要であったことが偲ばれる。また、現在の庭園は樹木が茂り、十分な観月環境にはなっていない。そこで、東山殿として創建された室町時代の庭園池と銀閣が観月施設として如何に機能していたのかを検討するために、その当時(1489年)の月の軌道をサイバースペース上に再現し、視点移動に伴うヴィスタを再現した。観月空間のCGシミュレーションによって建物の配置、庭園池の位置づけなどを明らかにすることができた。さらに、園池で催された観月の宴日として想定される十五夜(中秋の名月)と十三夜(後の名月)での軌道の相異は、観月の場所と銀閣の配置にも大きな影響を与えていることが推察できた。
著者
やまおか としき ふじかわ まゆこ
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.D08, 2007

直接観察を行う際,ある規準を決め,ある現象に対しその規準との差分が大きいとき,特徴のある行動と把握している.一方,グラウンデッドセオリーはデータに基づいて(grounded)分析を進め,データから概念を抽出し,概念同士の関係づけによって理論を生成しようとする研究方法である.本研究は観察方法の範囲を広げるべく,このグラウンデッドセオリーのコーディング,プロパティ及びディメンションに注目して,観察とデータ処理をする方法を検討した.事例として,和歌山市役所のエレベータの乗車行動を観察し,プロパティとディメンションを使い観察データを分解し切片化した.切片化したデータは,アソシエーションルールを使いて,データ間の関係を解明した.結論として,プロパティとディメンションという視点から人のしぐさや行動を定量的に分析することができた.
著者
野宮 謙吾 西田 麻希子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.61, 2014

和文書体の制作は、文字数の多さからかなりの労力が必要となる。そのため、時間及び経費の問題により中小規模の組織・団体におけるVI指定書体を策定するにあたり、新規制作が困難な現状がある。また、近年コンピュータの利用により制作の労力は軽減されてきているはいえ、そのプロセスは複雑であり品質の高いものをデザインしようとした場合、少人数かつ短時間での制作には限界がある。そこで本学VI指定書体を新規制作することを最終目的とし、和文書体における効率的な制作手法を探る。予備実験段階では、異なるタイプのオリジナル書体を2種設定し、分担制作した場合に形状の統一が図れるかどうか検証した。その結果、漢字部分については実験制作の手法及びプロセスにより、設定した造形ルールにほぼ近い形状の字形を制作できることが確認できた。しかし、実施した実験手法では細部の微妙な形状の再現が困難であり、完成形に至るためには数回のチェックと修正作業を要した。効率的に書体制作を行うためには、素材内容やガイダンス内容を見直し、書体の造形ルールをさらに正確に伝達、共有する必要がある。本研究ではこれらについて検討し、実験制作により検証を行った。
著者
山内 貴博
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.62, 2015

街の雰囲気のちがいとは何かという探求から始めた本研究は、秋田の街を調査対象地域に設定して「都市を緑地化する可能性を探る」ことが主な目的である。まず始めに街の風景に関する調査を行った。記録にはFacebookを利用した。調査方法は、街路空間の中を主に自転車を利用して移動しながら「印象に残る風景」をカメラ撮影する方法(現地調査)と、移動経路を地図上に色線で明記する方法(机上調査)を行った。調査から、特に秋田駅周辺市街地に関して「メヌキとミドリ」と題した仮説を設定することが出来た。この仮説は、人々で賑わう景観に配慮した屋外空間の創出を目的としたまちづくりの提案である。景観デザインスタディーとして「メヌキとミドリ」のシステムを秋田駅西口の駅前空間に展開した場合の提案例を提示した。その中における現在は屋外駐車場の敷地を対象にして、その場所が広場に変わった場合を条件にした設計演習を行った。まとめとして設計例を立案した。<br>
著者
立部 紀夫
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.D07, 2004

筆屋の看板が初めて絵画資料に描かれるのは、1487年(文明19)に成った「星光寺縁起絵巻」であり、筆売りの家に小さな看板が描写されている。続いて、室町時代後期に制作された町田本・高橋本の二つの「洛中洛外図」には筆屋の看板が同じ形態で複数描かれていることを知る。当時の看板は町屋正面の格子窓の中央上部の位置に掲出されており、絵馬形の板の中央に、筆を単体で縦に大きく描いた簡潔な意匠であった。色彩は白・赤・黒が使われていた。
著者
立部 紀夫
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.190-191, 1999

Shinto shrines and Buddhist temples in Japan displayed a wooden frame on the upper portion of their buildings known as "hengaku (framed picture)". The workers who produced these frames were skilled wood carving or engraving artisans known variously as "ongakushi", "gakuhorishi"or by other names. As commerce flourished after the beginning of the Edo period in 1603,merchants began to display large signs and it was the ongakushi who produced the signs for them. In this study, I clarify the vigorous activities of these ongakushi as sign-making artisans in pre-modern Japan.
著者
安達 満 長沢 伸也
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.60, 2013

ナチュラルコスメブランドは消費者の自然派志向や環境やエコに対する意識の高まりを背景に、製品機能(プロダクトデザイン)の拡張、新たな販売チャネル(環境デザイン)を変化させ成長を維持している。この点において、ナチュラルコスメブランドはナチュラルコスメと言う化粧品を消費する消費スタイルを提供しているのではなく、ナチュラルコスメ(もの)を消費することで消費者がどのように感じるのか、化学原料ではない良質な植物成分でどのようにして幸せになれるのかまで考えデザインされている。しかしながら、全てのナチュラルコスメブランドが成功しているわけではない。高品質オーガニック・ナチュラルコスメにもかかわらず、製品価値やブランドが広く認知されず苦戦しているナチュラルコスメブランドも多く存在している。非オーガニックブランドのL&rsquo;OCCITANEは他のコスメブランドがマネすることの出来ない製品と価格を超えた価値デザインを創造し、独自の環境デザインを提供し、ブランドデザインを確立させ成功している。
著者
菊地 貴 八田 一利 長尾 徹
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.157, 2008

昨今の工業技術の発展によりカーナビゲーションシステム(以下カーナビ)は進化を続け、多くのドライバーに普及している。その一方でカーナビの扱う情報は増加し、それに伴い操作方法や表示も複雑さを増しており、その複雑さが安全性や使いやすさの低下を助長しているようにも思われる。カーナビの画面表示部分のほとんどを占める地図には多くの情報を含まれており、その情報を一目で(特に運転とカーナビ情報閲覧のダブルタスク下においては)判断する事は容易ではないが、その情報のなかにはドライバーにとって必要性の低い情報も少なくはない。しかし、ナビゲーションという事に焦点を絞った場合には、ドライバーにとって必要性の高い情報を地図情報から吸い上げて提示することで使いやすさや安全性は向上するのではないだろうか。本研究では地図を表示せずに行うカーナビゲーションの方法の一つとして「曲がるべき交差点の情報のみをアイコン示し、そのアイコンを紙芝居式に次々とドライバーへ提示する」というナビゲーション方法を提案した。
著者
新井 青磁 山崎 和彦
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.5, 2011

現在ではタッチインターフェースは銀行のATMや駅の券売機などのパブリックユースの端末に加えて、ゲーム機、携帯端末などパーソナルユースの端末にも盛んに導入されている。 ユーザーの求める操作インターフェース、及び企業の傾向としてCUI→GUI→PUIのように主流となるインターフェースが移り変わっている。その一方で、これらを開発する段階で使用するプロトタイプ手法には大きな変化が見られないことが、これまでの調査からわかった。移り変わる主流インターフェースに対応して、より効果的なプロトタイプ手法を考案すべきなのではないかと考え、研究に取り組んでいる。提案する手法はラピッドプロトタイプ(ペーパープロトタイプ)・デジタルプロトタイプの段階で、操作状況を多角的な視点(俯瞰・手元・全体)で撮影し、プロトタイプの画面と同一の画面で映像を観察という方法で、被験者を募り評価実験を行った。
著者
伊藤 俊樹 長田 純一 藤田 善弘
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.P24, 2007

2006年名古屋万国博覧会のロボットステーションで、NEC製のパーソナルロボット「パペロ」を展示、デモンストレーションを行った。そこで子どもたちはパペロに触れ合い、パペロとコミュニケーションを行った。来場した子供の中には、特に「パペロ」が気に入り、期間中何度もパペロに会いに来た子どもたちがいた。本研究では、そのように何度もパペロとの触れ合いを求めてやってくるリピーターの子どもたちを対象にして、何故彼らがそれほど「パペロ」に惹かれるかを調べることを目的とした。具体的には、リピーターの子どもたちに「パペロのイメージ」というテーマでコラージュを作ってもらい、そのコラージュを中心にしてデプス・インタビューを行った。その結果から、リピーターの子どもたちが、何故「パペロ」にそれだけ惹かれるのかを探ることとした。