著者
平井 伸幸 五十嵐 浩也
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.112, 2015 (Released:2015-06-11)

音楽のライブコンサートの魅力の1 つに大音量の重低音による振動が考えられる。この研究の目的はどのような場所でも音響的な制約に縛られることなく、また遠く離れた場所でも低音によるライブコンサートの臨場感を味わうことができる「リモートライブ」用に低音を身体に入力するウェアラブルデバイスを制作するため、人間の上半身の周波数毎の低音の振動感度と振動伝播範囲のデータを得、振動の入力に適した部位を特定することを目的としている。実験では上半身の複数の点においての振動感度を3 つの周波数で測定を行った。それと同時に振動が伝播した範囲がインタビューによって報告された。実験から、4 点の測定点において振動感度が高かったことや振動の伝播が周波数に依存する傾向があることが確認された。
著者
林 大一郎 大島 卓 鈴木 雅和 五十嵐 浩也
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.182, 2013 (Released:2013-06-20)

福島県鏡石町と須賀川市にまたがる、「岩瀬牧場」は、明治13年に設立された日本最初期の西欧式官営牧場であり、その後様々な変遷を経て規模は縮小されたものの、民営化され現在も経営が存続している。当牧場は文化財的価値を有する建築群や明治の牧場の原風景を残しているが、知名度は低く一般にその価値が認識されていない。著者らは建築・環境・プロダクト・情報デザインの観点から岩瀬牧場の価値を再評価し、地域振興に寄与する目的で研究を継続している。本論文では、岩瀬牧場に残されている農業機械群のうち、フォードソン社製造のF型トラクターに注目し、その現状調査と保全意義の考察を行った。
著者
久保 倫太郎 吉岡 聖美 蓮見 孝 五十嵐 浩也
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.59, 2012

この活動は、病院の環境をより快適にするためのアート展示とワークショップである。 患者、病院スタッフ、患者の家族、ボランティアの人々が参加できるワークショップを開催した。ワークショップの参加者は葉っぱを模ったオブジェとメッセージカードを制作した。我々学生スタッフは、それらの作品を展示に付け加えた。それはまるで森が成長するように見える。そして、病院の中に森をイメージした展示を造り出した。 この活動は、病院の療養環境を改善し、患者のQOLを向上させることができると考えられる。
著者
趙 麗華 山本 早里 五十嵐 浩也
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.1_41-1_50, 2018-07-31 (Released:2018-08-30)
参考文献数
47

本研究は,延辺朝鮮族自治州の3つの民俗村における現地調査を通して,それらの変遷過程と現状の考察を行い,文化的観光デザインの特質を明らかにすることを目的としたものである。民俗村の形成に至るまでの背景とそこで行われている観光活動について整理した結果,以下の知見を得た。(1)自発的移住に基づいて形成された伝統村は共同意識が比較的高く,管理型・政治型移住に基づいて形成された伝統村は共同意識が比較的低いことが確認できた。(2)民俗村の形成に影響する要素として,村の共同意識と周辺の有名観光地の開発があげられる。(3)民俗村における文化的観光デザインの特質を4つの要素にまとめた。それぞれ,伝統文化,民俗芸能,商業型観光活動,村民の参画である。(4)民俗村の形成初期は伝統文化と民俗芸能を中心としていたが,近年,商業型観光活動が増加している。特に,企業による商業型観光活動の増加は村民の参画の減少につながることが明らかになった。
著者
國村 大喜 五十嵐 浩也 蓮見 孝
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第57回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.P31, 2010 (Released:2010-06-15)

私達は足を怪我した場合、松葉杖を使用する。松葉杖は、使用時に両手で握らなくてはならず、手が使えない不便な生活を強制する製品といえる。それにも関わらず、大昔からその形状は変わっていない。 ここに問題点を見いだし、本研究では片下肢を完全免荷したままでの歩行を可能にする歩行補助具「pivot-walker」およびそれを用いた歩行方法である「ピボット歩行」の提案を行った。pivot-walker は移動時に片手を自由に、直立位で両手を自由にすることが出来る。 松葉杖生活は両手が使えない、という常識を覆す画期的な歩行補助具といえる。

1 0 0 0 パタパタ

著者
三崎 大地 五十嵐 浩也 高橋 紀元
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.15, no.15, pp.72-77, 2010-03-30

本作品は、帝国器材株式会社と筑波大学五十嵐研究室による、学校空間のための新しい木製家具の開発に関する共同プロジェクトの成果物である。日本の伝統的な玩具である「パタパタ」から着想を得た本作品の基本構造は、梯子状の四枚の板からなり、互いに帯で結合されている。この構造は、柔軟に変形し梯子の間に板を渡すことで、机や書棚、ベンチ、掲示板等の用途を持たせることができる。この変形可能な使用方法により、本作品は現在の学校環境に求められる様々な空間機能に、幅広く適用することを可能にする。
著者
小峰 優佳 岩田 祐佳梨 貝島 桃代 五十嵐 浩也
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.114, 2013 (Released:2013-06-20)

筑波大学では、病院との協力でQOLの向上に向けたアートデザイン活動を行っている。本稿では平成25年2月より筑波メディカルセンター病院を対象として実施している「はるまちポケット」という企画について報告する。この企画は、芸術系の学生団体が主体となり、病院外来の待ち合い(時間)をデザインする目的に実施した。5ヶ月の期間を経てリサーチやヒアリングを行い、待ち時間の利用方法について病院スタッフと協議を重ね、企画の実施に至った。待ち時間を有効に活用し、患者とススタッフ間のコミュニケーションの向上を図るため、椅子の背もたれを利用してポケットを設置し、そこにカードを入れた。カードの片面はスタッフ紹介になっており、もう片面は外来に上手にかかるためのメモ欄を設けた。その結果, カードの使用枚数は徐々に増加してきている。まだコミュニケーションに対する効果は不明であるが、患者教育としての効果が期待できると考える。また椅子の背もたれを利用したことで、患者が情報を手に取りやすくなり、情報発信の場として椅子のデザインの可能性もあると考える。
著者
柴 嘉一 五十嵐 浩也
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.54, pp.252-253, 2007-06-20

Various digital media have intimate relationship with every field of communication that produces certain message while accepting information and make conversation. Also, technical characteristics of new media change the individual way of communication. In this research, we believe that we can make communication affluent by introducing classified items like movement of icon representing emotion, gesture, situation, and so on. This can be done by comparative analysis between context and visual stimulation of icon. In other words, it becomes possible to find out the way to be a integrated communication tool that can deal with emotional change among people.
著者
藤澤 正視 稲村 哲也 渡部 森哉 福山 洋 菊池 健児 高橋 浩 五十嵐 浩也 山本 紀夫 川本 芳 大山 修一 大貫 良夫 阪根 博 ワルテル トソ セノン アギュラール カルロス サバラ 鶴見 英成 藤井 義晴 阿部 秋男
出版者
筑波技術大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

ラス・シクラス遺跡の発掘を実施し、同遺跡の中核的遺構の北マウンドの様態を解明した。マウンド上部の建築群は形成期早期(紀元前2900~1800年)の神殿建築であり、少なくとも8回の神殿更新が認められた。その過程で多量のシクラが使用されたのがこの遺跡の特徴である。シクラ構造を模擬した試験体で振動台実験を行った。その結果、一定の制振効果をもつことが確認される一方で、ある条件のもとでは、その効果がなくなるという特徴が示唆され、シクラを持つ神殿の地震動に対する挙動と被害軽減効果を確認した。