著者
片山 めぐみ 岩田 有佐
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.85, 2012 (Released:2012-06-11)

本研究は、筆者が飼育員と共に施設デザイン携わった、札幌市円山動物園「エゾヒグマ館」を事例とし、動物本来の行動を引き出し、効果的に伝える展示施設のデザインについて、観覧者の発話に注目して考察することを目的としている。当該施設に飼育されている、エゾヒグマ1頭の行動観察および観覧者の発話の聞き取りを実施し、ヒグマの行動時間配分および観覧者の発話を内容毎に分類した。本研究では、動物に対する畏怖や共感につながる表現として、【感嘆】および【親しみ】の発話に注目し、このような発話がされた際のヒグマの行動や両者の位置関係を含む周辺の物理的状況について分析し、ヒグマの自然な行動が効果的に伝わるデザイン手法についてパターン化した。結果、放養場の奥行きや高低差、観覧スペースと放養場の境界のつくり(床レベルの差、接近性を重視したガラス窓もしくは音や匂いを伝える格子窓)などが両者の関係をとりもつ効果的な効果的なデザイン手法と考えられた。
著者
田中 俊 小野 健太 小原 康裕 八馬 智 蘆澤 雄亮 渡邉 誠
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.168-168, 2011

昨今、日本において、男性化粧品業界で清涼感がひとつのキーワードとして、重用しされている。例えば、CMにおいて男性用化粧水はよく清涼感を強く押し出して宣伝されている。また、現在販売されている男性用化粧水を見てみると、ほとんどの男性用化粧水にメントールが配合されており、使ったときに清涼感を感じさせる使い心地になっている。 そこで、現状の「清涼感」を売りにした男性用化粧水を調査してみたところ、近年の男性化粧品の充実化により、多種の男性用化粧水が販売されているが、それらは、ブルーを基調にしたカラーやグラフィックに「清涼感」のアピールを頼っており、造形も似通っているため、似たような印象をうけてしまう事がわかった。そのためそれぞれの製品の特徴を打ち出していく為にはブルーを基調にしたカラーやグラフィックだけではない「清涼感」を表現する事で差別化を行う事が必要になってくると思われる。本研究において、ブルーを基調としたカラーやグラフィックではなく、造形により「清涼感」をアピールできる化粧水ボトルを提案することを目的とする。
著者
石 王美 嘉数 彰彦
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.63, 2016

スマートデバイスの補給と共に多様なアプリの開発はユーザーの情報消費の形をより能動的にしている。本研究はこのようなユーザーの能動的な参加現象を地域観光に応用するスマートデバイスアプリを企画・制作することで、地域観光の活性化を目指している。岡山市の後楽園を対象に観光客、地域住民、誰でも簡単に参加でき、続けて使えるアプリを提案することでユーザーと地域団体が協働で観光地を活性化するシステムを企画・提案する。アンケートの結果に基づき、写真を中心にするアプリを提案した。 岡山の後楽園は季節によって多様なお花や植物を見ることができ、訪れる地域住民や観光客に親しまれる公園である。 他の人が取った写真を観ることだけではなく、自分が後楽園で撮った写真をアプリでアップロードできる仕組みはユーザー参加のモチベーションを向上させられると思われる。
著者
永見 豊 滝沢 正仁
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.60, 2013

高速道路に自転車や歩行者が進入する事案が後を絶たない。、2012年に高速道路に立ち入り、保護されたケースは189件あり、立ち入り理由で最も多かったのは「道に迷った」、次いで「認知症」、「故意」であった。「道に迷った」では、高齢者などが高速道路の入口や出口につながる道路を進むうちに、知らないまま高速道路まで立ち入ってしまうことが多いという。首都高速道路では、出口部と入口部に立入禁止看板を設置し立入防止対策に取り組んでいるものの発生件数は横ばいである。 本稿では、誤進入の原因を想定し、それぞれの対策方針を設定し、首都高速道路東京湾アクアライン浮島入口を対象として、誤進入対策のフォトモンタージュを作成して、見え方を確認した。誤進入対策に効果的と考えられる提案は、路面のカラー舗装と「首都高速」の表示であり、さらに壁面や柱にも首都高のイメージカラーを加えた案は「空間の差別化」が図れ効果的と考える。次にイメージハンプを配置した「視覚的な遮蔽」、自転車・歩行者の目に入りやすい設置位置、見落とした場合にも目に付くような連続配置であった。
著者
工藤 芳彰 富澤 俊紀
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.193, 2015 (Released:2015-06-11)

本稿は、知的障がい者の歯磨き支援を目的としたアプリケーション「いっしょにはみがき」の開発について報告するものである。開発にあたり、筆者らは人間中心設計の手法を用い、ユーザビリティやユーザエクスペリエンスを高め、実用的なアプリケーションを制作することを目指した。具体的には、スモールステップ法と強化刺激を用い、複数の支援施設における検証実験に取り組んだ。結果として、開発したアプリケーションは軽度から中等度の知的障害者において自発的な歯磨き行為を誘発することを確認した。また、歯磨き行為に対する関心を促した例も確認した。
著者
鈴木 英怜那 須永 剛司
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.63, 2016

本稿では、観光学や観光人類学において重要なテーマとされる「真正性」(本物らしさ:authenticity)をもとに、食品系観光みやげのパッケージに頻出するデザイン的要素を分析した。観光土産の真正性を担保する要素として「非近代性」「ものがたり性」「贈答性」があることを明らかにし、観光土産において頻繁に用いられる視覚的要素との関連性を論じた。観光土産のパッケージについて観光学的視点を用いて検討することで、新たな観点からのパッケージデザインの考察を試みる。
著者
則竹 真和
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.62, 2015

本研究では1960年代日本でのイラストレーションという領域について述べる。宇野亜喜良と横尾忠則という二人のデザイナーが描いた、演劇集団・天井桟敷公演「毛皮のマリー」のポスターを比較することによって、 当時起こったイラストレーションという領域の形成がどのようなものであったか明らかにすることが目的である。研究を通してイラストレーションという領域を捉えるにあたって、絵画的であるか、デザイン・構成的であるかというふたつのコンセプトが考えられることがわかった。本研究で取り上げた 宇野は絵画とイラストレーションを区別しないで表現しているのに対し、横尾は絵画とイラストレーションを完全に異なるものだと認識していることがわかった。
著者
鷹取 万里子 須永 剛司
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.62, 2015

「mini-cam」とは、旅行やお出かけのシーンで、風景や料理といった撮影対象と一緒に自分の「mini」が写り込んだ写真が撮れるカメラアプリである。「mini」とは、自分の顔写真から生成したアバターのことで、ファッションやメイクなど詳細な設定ができる。「mini」はカメラのファインダの中を自由に動きまわっていて、他にも「性格設定」によって様々な振る舞いをする。「mini-cam」の特徴的な良さは大きく3つある。1つは「mini」が旅の写真に映り込んでくれること。2つめは「mini」の姿や振る舞いが可愛いこと。3つめは旅ごとに「mini」の「かわり映え」を楽しめることである。<br>
著者
赤松 明 渡辺 薫恵
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.60, 2013

2010年ものつくり大学学長プロジェクト「世界を変えたモノに学ぶ・原寸プロジェクト」により、ル・コルビジェの建築に対する考え方を学ぶことを目的に、「カップ・マルタンの休暇小屋」を実測し復元するプロジェクトが実施され,レプリカを学内に制作した。これらの実測結果と制作を通して休暇小屋内の「洗面棚」を取り上げ、ル・コルビュジエのモデュロールと日本人の人体比例との関係を検討し、モデュロールが日本人の体格を考慮した家具設計に活用できる可能性について考察した。<br>その結果<br>1.休暇小屋の家具はモデュロールに準じて設計されている。<br>2.モデュロールは人体寸法に基づいた尺度である。<br>3.モデュロールを用いて設計された洗面棚は183㎝の人に使いやすいもので、日本人女性のような小さい人には使いづらい。<br>が明らかになり、使いやすい家具を設計するためにモデュロールの基本身長を自分の身長に合わせてことで利用できると考えられる。
著者
水野 沙奈 原田 泰
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.136-136, 2011

本研究の目的は動物の動きの視覚化です。動きの図鑑(カタログ)をゴールとし、その為の試作を行った。まず動きをアニメーションで表現するための方法を検討し4つの手法を試した。そのうち複数のドットの位置の変化で動物の動きを表現する方法を摘要した。動物の動きは上野動物園で行った。それによって制作したコンテンツでは、ひとつの動物の動きを見るモードと複数の動物の動きを重ねて表示するモードが用意されている。インタフェースデザインが今後の課題である。
著者
木本 圭子 宮崎 亮一
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.56, pp.P35-P35, 2009

ニュートンの運動方程式によると質点に働く力が決まると質点の運動が決まるが、「変化」とは化学反応なども含めた、より広い概念である。これを記述するのが状態空間という概念であり、より一般の「変化」を考えることができる。本報ではシステムの変動とそれを幾何学的に捉える状態空間を用いて、リズムの生成を考える。<BR> 状態空間は微分方程式または写像により定義される。状態空間と変動する仕組みを表す方程式をあわせて力学系という。<BR>我々はこの変動の仕組みの内包された状態空間を表現のメディア(キャンバス)と見なしていく。このキャンバスは質的に異なる複数の状態を内包しており、システムのパラメータを動かすことで流れを制御できる。透視図法という数理が遠近法という絵画構成の手法となり、双曲幾何が平面充填パターンへと応用されたように、動的表現においては状態空間が動きとリズムの表現手法となると考える。<BR> また、状態空間の座標に変換を施すことで、リズム生成のメディア自体も変換の対象とし、動的表現の可能性を探っていく。<BR>
著者
三谷 悠 渡邉 慎二
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.63, 2016

近年情報技術の発展に伴いオフィスでの働き方が時間や場所に制約されなくなってきている。そのような中、自由席での業務スタイルが生まれ、コストダウンのみならずコミュニケーション活性化が注目されたフリーアドレスオフィスは増加傾向にある。一方こうしたオフィス形態の変化は、個人が対応すべき環境の制約もあり全体的な仕事満足度への影響も報告されている。本研究ではフリーアドレスオフィスという環境のなかで、個人の仕事環境を向上させることを目的とした。調査を踏まえ、「交流」の場で「集中」の場を確保することと、公共空間をパーソナライズすることの2点に着目した。個人所有の机上用品にパーテーションの効果を持たせることを提案の方向性とし、デザイン要件を、①周囲は普段通り話しかけられること(交流の確保)②作業中はパーティションとして機能すること(集中の確保)③自分のものでデスク環境を構築できること(公共空間のパーソナライズ)の3つを抽出した。「交流」の場でのパーテーションのあり方という観点で試作を繰り返し、最終的にはユーザーの所作に合わせて形状が変化し、パーテーションを作るという製品を提案した。
著者
蓮見 孝 植松 知恵 田中 真一 星 幹男
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.196, 2006 (Released:2006-08-10)

つくば市は、2006年4月1日からコミュミティバス「つくバス」を運行を開始した。284.07平方kmの広大な地域における移動の利便性を保証しようとするもので、市内全域の集落をめぐる13路線の「地域循環」と、センター地区・筑波山を結ぶ「北部シャトル」、センター地区を回る「センター循環」の3路線からなり、1000を超えるバス停留所を持つ地域交通システムである。つくバスは、つくば市と関東鉄道株式会社により運営されるもので、つくば市と連携協定を結んでいる筑波大学が、公募された「つくバス」の名称選定、外装グラフィックデザイン、室内デザイン、バス路線ガイド・マップ、バス停留所の標識デザイン等を担当した。デザインを進めるにあたり、より多くの住民や来訪者の利用促進を図るため、誰にでも乗りやすいバスのデザインをめざし、「ユニバーサルデザイン」の考え方を積極的に取り入れた。
著者
蓮見 孝 松井 彩乃
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.33-33, 2005

QOLを計る新たな尺度を開発するための基礎調査として、人が潜在的に持つと思われる「かくあるべきとする生活の質」が、どのようなイメージによって形成されているのかについて調査を行った。幸福感に満たされている状況にある人を対象に、「こうありたい」というような夢(あるべき生活の質)を表現するフリーコメントを収拾し、分析した。具体的には、2005年3月25日に行われた筑波大学卒業式において、卒業学生を対象に、「願い事プロジェクト」と称する感性的調査を企画・実施した。卒業式を終えた学生200人(男性100、女性100人)を対象に、卒業の時点で思い浮かぶ「願い事」をカードに記入させた(一人一件)。お祭り気分を阻害せず、被験者がリラックスして記入できるようにするために、学生調査員3名には、「縁屋さん」と呼ばれる仮装を施した。分析1:被験者によって記入されたカードを、KJ法的に、内容が似ていると思われるもの同士のグループに分類し「願い事マップ」を作成した。コメントの偏りを是正するため、「願い事マップ」を新入生に閲覧させ、「同感」と思われるグループにマークを付けさせるとともに、「自分の願い事」を落書き的に自由に追記させた。その結果、共感が全く得られないコメントは除外し、追記されたコメントで共感が得られたものについては、新たに「願い事マップ」に追記した。このようにして「願い事マップ」に掲載されたフリーコメントを全数点検し、そこからキーワードと思われるワードを抽出して、「キーワードリスト」を作成した。キーワードリストに掲載された全てのキーワードの相関関係を得るために、クラスター分析を行った。以上の調査研究から、「生活の質」は、「Physical activity(心身の健康度合い)」「Social communication(社会とのつながり度合い)」「Lifespan-management(人生設計における欲求の度合い)の3軸によって計れるものと判断された。
著者
戸崎 幹夫 寺沢 秀雄 水谷 元
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.258-259, 2001

The capability trained by studying information design is considered as follows. A) Evaluating the relation between object and man, B) Arranging and analyzing information, C) Constructing the process, D) Cooperate in a group, appealing to society, E) Representing by applying technology. In order to enhance the above mentioned A) and B), we have conducted a message transmission game in the information design class. In this game, students were experienced the unusual method of communication, thus they could learn how to analyze the game results from various points of cognitive science view. As a result, we have concluded that the message transmission game was an effective method in the information design education.
著者
飛田 真理子 藤戸 幹雄 木谷 庸二
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.119, 2015 (Released:2015-06-11)

本研究では、近年急増する訪日外客を対象とし、鉄道駅券売機の問題点と券売機の造形に対する印象を明らかにし、券売機および周辺表示のデザイン提案を行う事を目的とする。訪日外客の鉄道駅券売機利用時の問題点を明らかにするために、京都駅中央口において、券売機およびみどりの窓口を利用する訪日外客に対し、券売機の利用状況や問題点についてのヒアリングを行った。得られた問題点を分析し、抽出された問題点をもとに、訪日外客の券売機利用時に経験する問題のエクスペリエンスマップを作成した。また、券売機の機器と画面に対する印象を明らかにするために日本人と外国人を対象に海外の券売機の印象評価を行った。これにより、日本人・外国人それぞれにおける、印象の良い機器および画面に共通するデザイン要素の傾向が明らかになった。最後に、得られた問題点と造形に対する印象の傾向をもとにきっぷ売り場の新たな周辺表示と券売機の機器・画面のデザイン提案を行った。
著者
周 臻 木本 晴夫
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.89-89, 2008

概要: 本研究は、トンパ文字の象形性、絵画性と西夏文字の論理性、システム性を利用し、新しいピクトグラムデザイン方法を探求することを目的とする。トンパ文字、西夏文字を研究対象として、おのおの造字構成法の特徴を分析した。それらの造字構成法から下記のピクトグラムデザイン手法に転化した:象形的な表現法、抽象的な表現法、組み合わせ表現法。提案したデザイン方法の特徴について述べる。また、この方法よって、漢方薬に関するピクトグラムデザインを作成した。作成したピクトグラムの解読性についてアンケート調査を行った。その結果、トンパ文字、西夏文字に基づくピクトグラムデザイン方法の有効性が明らかになった。
著者
両角 清隆 湊 貴恵 敦賀 雄大
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.44, 2006 (Released:2006-08-10)

コミュニティにおけるコミュニケーションのような複雑で目に見えにくい活動を支援する道具作りは難しい。これまで適切な仕様を抽出しそれをベースに適切なデザインをする方法は探索的に試みられているが,明確になっているとは言い難い。これまで,特に活動の適切な記述方法が無かったと言える。そこで,現実の活動の記述から抽象化・モデル化を行い,パターンを抽出し,それをベースとして仕様を決定し,それに基づいて設計を行うプロセスを考え,記述方法としては,Contextual Designを参考とした5つの視点「関係モデル」「手順モデル」「文化モデル」「物理環境モデル」「人工物モデル」で記述し,モデル化・パターン化する“活動のパターンをベースとしたデザイン方法Activity Pattern-Based Design”を考案した。このデザイン方法により,複雑で目に見えにくい活動であっても抜け漏れを少なくして記述・分析できると考える。
著者
杉浦 文哉
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.B08-B08, 2010

昭和30年代に台頭した女性用自転車は、現在日本における自転車利用のおよそ8割を占めるシティ車の原型となっている。シティ車の誕生とともに自転車は最も身近で手軽な交通手段として人々の生活に定着したが、現在その利用環境には多くの問題が生じている。放置自転車や交通事故等に代表される自転車利用の諸問題に対し行政や自治体により対策が行われているが、依然として解決の兆しは見えておらず、現状の利用環境において自転車が移動手段として持つ優位性を十分に発揮出来ているとは言い難い。自転車利用の問題は昭和後期における自転車利用率の急増とともに表面化し始めたが、その本質にはシティ車を中心として形成された日本独自の自転車文化の性質が深く関わっているものと推測される。 本研究では日本における自転車の利用形態がどのように形成されてきたのか、調査・考察を行う。それにより日本の自転車利用における文化的特性を明らかにし、現在の利用環境をめぐる諸問題についてその要因の一端を明らかにする。
著者
大沢 拓也 橋田 規子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.63, 2016

近年、多くの図書館で新しい建築方式や空間コンセプトの変化に合わせて、美しく魅力的な空間が増えている。その一方で既存のブックポストは昔から形が変わる事がなく、あまり意匠的に優れておらず、図書館空間とのずれが生じている。それに加え、直方体の単純な構造は返却物の破損の原因にも繋がっている。本研究は、芝浦工業大学図書館に設置するブックポストのデザイン提案をきっかけに、新たな構造とデザインを探求したもので、将来的には製品化を目的とする。 近代的な図書館空間に合った意匠に加え、既存のブックポストが抱える問題点を改善したプロダクトを提案する。このことによって、図書館空間に合ったデザインを提案するだけでなく、図書館員と利用者にとって使用しやすい機能を取り入れる事で、意匠性と機能性の2つを向上させる事を目的とする。