著者
三谷 茂 中嶋 唯夫 宗田 太郎 柳下 晃 畑山 道子 高柳 和雄 足立 康弘 金子 豊 関本 英也 檀上 忠行
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科学会雑誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.16, no.6, 1964-06

1. 日本赤十字社産院における昭和11年より昭和36年6月に至る満25年間における帝王切開実施1238例について, これを戦前, 戦時, 戦後及び最近期に分類して, 母, 児の予後に対する検討を行い, その変遷を追求した. 2. 母体死亡率は昭和11~16年9.52%から最近期1.47%と低下した. 3. 児の周産期死亡率も戦前30.95%から6.81%と低下したが, 尚高率である. 4. 術式の上から母, 児の予後を見ると, 腟式は戦後行われていないが, この際には児の死亡率が高いのみならず母体死亡率も高く, Porro氏手術でも同様のことがいえる. 5. 帝王切開時の出血量は子宮収縮剤の使用の有無に拘らず, 25年間著しい変化を見ず, 601CC以上の症例が20%にも見られ, その対策を考慮する必要がある. 6. 母体の術後合併症中37.5℃以上の発熱を40%にも見る. 又最近耐性菌による感染が認められた. 7. 術創不全は非破水群では少い, 但し破水後経過時間との間に有意の差を見ない. 8. 適応の上から予後を見ると, 母体死亡率は減少しても尚今日晩期妊娠中毒症, 心, 肺疾患, 出血に留意する必要がある. 9. 常位胎盤早期剥離群では今日尚50%の児死亡を認め, 子宮破裂, 前置胎盤群での予後も悪い. 又児側適応による帝王切開術が最近屡々行なわれるが, 児の死亡率は高率で, 17.14%であり, この点に十分留意すべきである. 10. 非破水群の児の予後は最近0.99%の低死亡率で極めて良好であるが, 破水群では低下したといえ尚高率である. しかし破水後の経過時間の長短との関連はない. 11. 体重別に児の予後をみたが2000g以下の朱熟児では依然として70%余と予後の改善を見ないし, 未熟児では予後が依然として不良であるが, 2501~3500gの生下時体重群の死亡率は好転している.
著者
三谷 靖
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科学会雑誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.338-341, 1969-03
著者
沢住 和秀 隣 雅晴 酒井 公平
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科学会雑誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.p589-593, 1982-05

分娩前のオキシトシン負荷試験(以下OCTと略), 血中エストリオール(以下E_Sと略), 子宮内での胎盤付着部位, 分娩後の胎盤所見, 新生児出産体重の関連を206例について検討した.1.妊婦血中E_3値とOCTの結果とは必ずしも一致しなかった.2.OCT陽性及び疑陽性例では新生児出産体重と胎盤重量が小さく,胎盤異常所見のあることが多かった.3.胎盤重量と新生児出産体重はよく相関するが,妊婦血中E_3値とは相関が低い.4.胎盤の右後壁付着にOCT陽性,疑陽性の頻度が高く,左前壁付着に低い傾向があった.
著者
内藤良一
雑誌
日本産科婦人科学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.15, no.11, pp.1-4, 1963
被引用文献数
1
著者
須田 稲次郎
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科学会雑誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.18, no.10, pp.1197-1206, 1966-10

エレクトロニクスの一つである超音波診断法は, 胎児に対して無害であるとされるので, 産婦人科領域でも, 頻回に実施出来, 方法も簡単, 且つ正確度が高く, 患者に無害, 無痛の点から学会でも注目される様になつた. 日本無線製SSDII型診断器を使用し(振動子2.25及び5MC), (1)胎児児頭大横径計測, (2)妊娠早期診断(3)その他, 産婦人科で日常臨床上興味ある疾患の診断等について検討し, 種々の知見を得た. (1)本法による胎児大横径計測値は90%以上の例について実測値との差が±0.3cmであつた. 帝切, 及び骨盤位分娩例も, 同様の成績であつた. (2)正常妊婦に就いて, 妊娠経過に伴う胎児大横径計測値より, その胎児成長過程を知り, これと中毒症例の連続的な大横径値の変動とを比較し, 後者は, 殊に混合型では正常妊婦に比べて低値を示すものが多かつた. (3)本法により, 分娩前に測定した胎児大横径値とその児体重とは相関関係があり, その回帰直線により, 成熟児ではほぼ±200g程度の偏差で, 子宮内児体重の推定が可能であつた. (4) 妊娠早期診断(経腟法); 妊娠週数が進むにつれて子宮腔エコーの高さも増大の傾向を示し, 妊娠7週以後, 妊娠診断はかなりの精度で可能であつた. (5)その他卵巣腫瘍, 子宮筋腫, 胎位, 胞状奇胎等の診断及びその鑑別について検討し, 補助診断法として有意義である事を認めた.
著者
柳沼 〔ツトム〕 泉 陸一
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科学会雑誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.p289-294, 1980-03
被引用文献数
1

分娩時期は,比較的平穏な妊娠状態から,新しい生命を生み出して産褥期こ至る,母体にとっては一大変換期である.この時期においては,既に知られた生理的.生化学的変動もあるが,なお多くの未知のものがあると考えられる.このうち既知のものに関しても,これらが実際にどのようた臨床的意義を有するか不明のものが多い.もしもこれらが臨床上の事象と結びつくならば,それらは臨床上の指標として極めて価値あるものとなる.かかる意図における研究の一環として,本研究において,分娩前後の母体血清Cortisolの変動を観察した.(1)陣痛発来前の25.86±1.10(S.E.)μg/dlに比較して,陣痛開始による入院時には41.98±4.62μg/dlに上昇し(Pp<0,005),分娩直前にはさらに67.91±5.97μg/dl上昇する(Pp<0.001).分娩直後にはこれよりもやや上昇するが有意差はない(70.42±7.39μg/dl) 産褥第1,日の早朝には,陣痛前のものとほぼ同じになり,第2日,5日と次第に減少する.(2)胎児娩出時の血清Cortisolと分娩時間との間には統計学的に有意な高い相関が認められる(r=0.70, p<0.005).(3)陣痛中の血清Cortisolと分娩時間との間にも統計学的に有意な相関が存在する(r=0.79, p<0.005).(4)初産婦の分娩時間は経産婦のそれよりも有意に長い(夫々9.40±1.57,および5.58±1.76時間,p<0.5).これを反映して,初産婦の胎児分娩直前のけ血清Cortisolは経産婦のそれより有意に高い(夫々81.65±8.50,および58.63±4.78μg/dl,p<0.025).これらの結果は,陣痛が母体に対してストレスとして作用することを示すものであり陣痛に関する諸要素のうちの持続時間すなわち分娩時間が母体のの血清Cortisolの増加すなわちストレスに対する反応の大きさを決定する重要な因子であることを示唆する.従って分娩が還延した場合には,その管理のために副腎機能がまだ充分考慮されねばならない.
著者
矢吹 朗彦 木村 晋亮 桑原 惣隆
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科学会雑誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.30, no.12, pp.p1681-1686, 1978-12

著者は,無脳症の発生要因として,遺伝的因子を基盤に,サイトメガロウイルス(CMV)とコクサッキーウイルスB (Cox B)の重複感染が関与する可能性について報告を行つて来た.本稿では,正常児妊娠母体と無脳症妊娠母体に於ける両ウイルス抗体保有の比較,及び無脳症娩出後再妊娠経過中の母体血中の両ウイルス抗体価の推移と分娩結果について検討した. 無脳症妊娠母体群のCMVとCox Bタイプ4及び5 (Cox B-4,5)の補体結合反応(CF)抗体保有率は,各々92.3%と76.9%であり,両ウイルス抗体同時保有率は69.2%であつた.一方,正常児妊娠母体群に於ける上記抗体保有率は,各々52.5%,12.5%及び5.0%であり,2群には明らかな差が認められた. 無脳症娩出後非無脳児を出産した母体3例に於ける血中CMV抗体は,妊娠経過での追跡調査で,CMV潜伏性持続感染を裏ずける価を持続していた.しかしながら,Cox B抗体は陰性化し,再妊娠経過中,本ウイルス感染が胎芽に影響を及ぼした事実は認められなかつた. 以上の結果から,持続感染,即ちヒト染色体上に組み込まれたCMV遺伝子が,妊娠及びCox Bらのウイルス感染の条件下で誘発活性化され,無脳症発生の共通baseとして共存するgenomeと結びつく時,宿主細胞をteratogenicな方向へtransformする能力を有して来ると推定された.
著者
岩井 正二
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科学会雑誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.10, no.10, 1958-09
著者
高野 昇 吉田 哲夫 園田 俊雄 桧垣 康二
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科学会雑誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.p559-566, 1980-05

不妊症における卵管性不妊因子診断の向上ならびに適切な治療指針を得るため,卵管形成術症例のhystrosalpingography(HSG)像にみられる卵管陰影を分析し,その病理組織学的所見との比較検討を行なった.1年以上術後経過を観察することのできた91例の卵管形成術例を対象とし,HSG像については,テレビ観察のもと造影剤注入卵管陰影確認直後,造影剤追加注入腹膜陰影確認直後,つづいて側面像,さらに造影剤注入終了5分後の4枚撮影により検討を加えた.卵管の一部を採取する機会のあった症例については光学顕微鏡ならびに走査型電子顕微鏡標本を作製L,これらの所見とHSG像とを対比した.91例140卵管中73卵管52.1%に1年以上の疎通性回復を認め,16例17.6%に妊娠の成立をみた.卵管陰影の走行方向(位置),走行形態に異常のみられる例では,癒着,子宮内膜症あるいは腫瘤の存在する傾向がみられ,卵管陰影自体に異常を認める場合,高頻度に病理組織学的に変化がみられた.現在までの観察結果では妊娠例の術後HSG像ならびに一病理組織像は全例正常生理的範囲と考えられる所見を示している.
著者
浅田 昌宏
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科学会雑誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.p996-1004, 1981-07
被引用文献数
1

超音波検査を中心として, すべての胎児を妊娠初期から分娩に至るまで, 経時的に監視する流れをシステム化し, この流れに従つて, 下記の如く, 実時間超音波断層法による胎児の発育診断を行つた.1)妊娠初期においては, 羊水腔径や胎児坐高長の計測を打つだ.BBT起算による妊娠日数と羊水腔径との相関係数は0.914であり, 胎児坐高長との相関係数は0.990であつた.また, 妊娠日数の推定の誤差範囲は, それぞれ, ±5日, ±3日であり, 胎児の直接的計測値である坐高長の方が, 間接的計測値である羊水陸径より優れた胎児発育診断のパラメータであることが知られた.2)BBT起算による坐高長発育曲線を利用して, 最終月経起算による坐高長値をブロつトすると, 妊娠日数の推定が1週間以上ずれる症例が7.1%みられた.3)妊娠中期以降は児頭大横径や胎児腹囲の計測を行つたが, これら単独計測では, 正常月経周期を有し, 最終月経が明確な妊娠においても, 正常胎児発育群から, 発育異常群を明確に除外診断しがたく, 児頭大横径によるSFDの正診率は54.3%であり, 胎児腹囲による場合は63.7%であつた.しかし, 胎児腹囲によるLFDの正診率は81.3%であつた.4)児頭大横径と胎児腹囲を同時測定後, 1週間以内に出生した73例の未熟児分娩の判別式は, Z=0.6012X+3, 100Y-45.204となり, 正診率は, 90.4%, 偽陽性率は38.5%, 偽陰性率は3.6%であつた.10例のIUGRのうち9例が出生前に診断された.5)児頭大横径, 胎児腹囲, 超音波検査時点での妊娠日数と子宮底長の4項目による多変量解析から胎児体重推定値を求め出生体重との相関を求めるとR=0.852で, 1S.D.=±281gであつた.
著者
酒井 潔 山本 哲三 神谷 博文
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科学会雑誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.p757-763, 1983-06

斗南病院で4年間に子宮全摘除術を受けた632例の患者に手紙を出し,アンケート調査に対する協力を依頼した.応募数は214例で回収率は38.4%であった.このうちから両側卵巣摘除群,無配偶者群,およびMPIテストにおけるL-スコア高値群を除く171例が調査の対象となった.手術後性反応の変化についてみると,性的欲求は減退67例(39.2%),不変89例(52.0%)また性交時分泌物では減退79例(46.2%)が不変68例(39.8%)を上まわった.年齢との関係でみると,高年で手術をうけるほど術後の減退は著明で30代では7例(24.1%)が術後性的欲求が減退したのに対して50代では13例(72.2%)に減退がおこった.術後,子宮喪失感を自覚する女性が77例(52.0%)ありこの群で術後性交時分泌物が減退したものは54例(70.1%)におよんだ.それに反して子宮喪失感を自覚しない群では性交時分泌物の減退を訴えるものは25例(35.2%)にとどまった.子宮摘出後,性交時に子宮からえられる感覚がなくなったと自覚する女性が39例(27.1%)あった.このなかで性感の獲得が困難となったと訴えたものは27例(69.2%)におよんだ.一方,性交時子宮感覚を自覚しない群では術後性感の獲得が困難となったものは19例(18.1%)にすぎなかった.一般に性交時子宮からえられる感覚を自覚しない群では子宮摘出後性反応の低下は軽微であるのに反して,性交時子宮感覚を自覚する群が子宮摘除術を受けた場合,術後性反応の低下が著明におこることがあきらかにされた.
著者
高水 松夫
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科学会雑誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.p363-372, 1975-05

胎盤のaromatization能から胎盤機能を知ろうとする方法としてのdehydroepiandrosterone-sulfate (DHEA-S)負荷試験法のうち,短時間で判定の可能な母体静注後の経時的採尿法について検討を加えた.1) 4時間ごとの尿中E値日内変動(20例),DHEA-S 50mg, 100mg及び200mg負荷後の血中E及びDHEA値の時間的推移並びに尿中E及び17KS値の4時間ごとの変動(3例),^3H-DHEA-Sと共に上記量を負荷したあと4時間ごとの尿中放射性E分画及び中性分画の回収率(7例)について検討し,(1)尿中E値の有意に増加するのは負荷後8時間までであることから,採尿時間は負荷前4時間及び負荷後4時間ごとに8時間までとした.(2)DHEA-Sの負荷量については,この採尿法で8時間後までの4時間ごとの有意差の尿中E値の増加は100mg以上負荷ではほぼ100%・50mg負荷でもほぼ80%の例にみられる事が示された.2) 妊娠後期の妊婦80例について本試験を行い(DHEA-S 50mg負荷30例,100mg負荷20例,200mg負荷30例),(1)尿中E値の増加量には負荷量による明らかな増量はみられないこと,及び(2)急増型(投与後4時間E値が最高で,前値より2mg/4h以上増加),漸増型(投与後8時間値が最高で,前値より2mg/4h以上増加)及び不全型(増加E値が2mg/4h以下)の3型に分類出来る.3) 3型分類の成績と母体並びに児の予後(異常妊娠の有無並びに切迫仮死,胎内死亡率及び低体重児出生率)との関係を検し,急増型は胎盤機能が良く母児の予後の良好な型,漸増型は胎盤機能軽度低下が疑われる要警戒型,不全型は胎盤機能の不良な母児の予後の悪い危険型と考えられる成績が得られた.4) 非負荷の尿中E値による胎児胎盤系機能検査法と本負荷試験の併用により児の予後をより的確に判定出来ることが示された.
著者
柴山 雄一
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科学会雑誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.18, no.12, pp.1435-1444, 1966-12

正常分娩の子宮収縮を知るため, Balloon法により, Planimeter値, 振巾, 及び収縮回数の分娩経過による変化を計測し, これ等を統計的に観察して, それぞれの基準曲線を得た. また, 子宮収縮剤であるOxytocinの分割注射並びに点滴静脈内注射の効果について研究し, 次の成績を得た. I. 分娩時子宮収縮の時間的経過(i) (a)Planimeter値: 平均値及び分散ともに時間経過に従つてバラツキに大小があつた. 平均値は, 分娩前50分まではほゞ安定し, 140~100mmHg分であつて, 分娩前40分になると148mmHg分とやゝ増加し, 分娩前30分値167, 20分値173, 10分値191mmHg分と上昇する. (b)振巾: 時間的経過につれて平均値及び分散が均一でない. 振巾はあまり一定の傾向の変化は認められないが, 分娩前6時間の収縮が平均47.2mmHgと比較的高く, 5~4時間値37.8mmHgと低くなり, その後, 2時間半までは40~45mmHgである. その後, 再び38mmHgに低下し, 38~40mmHgが分娩前40分まで続く. 分娩前30分になると, 49mmHgと上昇する. 振出の異常に高いのは96mmHgであつた. (c)収縮回数: 分娩前6時間までは10分間3回であるが, 2時間から4回以上となり, 分娩前50分では4.7回, 20分値4.9, 10分値5.5回と増加した. 回数の少い場合は1.1回以下, 多すぎるのは7~8回以上である, (ii)過強陣痛として, Planimeter値300mmHg分, 振巾80mmHg, 収縮回数7回以上が該当し, 微弱陣痛は, Planimeter値50mmHg分, 振巾10mmHg, 回数1回以下である. (iii)初産と経産とでは, Planimeter値収縮回数は殆んど差がないが, 振巾のみが, 分娩前2時間から50分までの間で経産婦が大きくなつている. (iv)分娩に要する子宮収縮のPlanimeter値は, 初産婦5956, 経産婦2775mmHg分. 振巾の合計は, 初産婦10586, 経産婦5221mmHg, 収縮回数は, 初産婦254回であり経産婦では119回であつた. II. 分娩時Oxytocin分割注射並びに点滴静脈内注射による子宮収縮増強(i) 0.5単位及び1.0単位の効果は顕著であるが, 1.5単位以上の使用は, 単に前回注射の効力の維持に過ぎない. (ii)分割注射は0.5~2.0単位を30分おきに皮下注射したが, 0.5単位皮下注射により10分間で, 収縮回数1.6回, Planimeter値54.8mmHg分の上昇を見, 20分後には振巾が増加したが回数は増加せず, 振出は30分後には最高の12.9mmHg増加となつている. 即ち, Oxytocin皮下注射によりまず収縮回数が増加し, 少し遅れて振巾が増加する. Oxytocinを増量追加すると, 振巾は増加するが, 回数は殆んど変化しない, Planimeter値は回数とほゞ同じ傾向を示す. (iii) Oxytocin点滴静脈内注射による子宮収縮は, 10分後には平均73.9mmHg分と著明に増加し, 0.5単位皮下注射のときの値に近い. 20分後79.7, 30分後77.2, 40分後69.9とやゝ下降し, 50分86.8, 60分99.0mmHg分と再び上昇する. 10mU/分の速度によるOxytocin点滴静脈内注射は, 自然分娩に近い収縮を示している. 即ち, 分娩時間を基準にしてみると, 分娩前40分値がやゝ高いが, その他は分娩1時間前はOxytocin点滴静脈内注射による子宮収縮は自然分娩に近い収縮である.