- 著者
 
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             渡辺 美知子
             
             広瀬 啓吉
             
             伝 康晴
             
             峯松 信明
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 一般社団法人日本音響学会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.62, no.5, pp.370-378, 2006-05-01 
 
          
          
          
          - 被引用文献数
 
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             7
             
             
             
          
        
 
        
        
        自発発話において,直前にフィラーのある,句や節などの主要構成素は,そうでない主要構成素に比べ,長い傾向がある。そのような傾向を聴き手が経験的に把握し,フィラーを,後続句の長さや内容の複雑さを予測する手掛かりとして用いているかどうかを,句境界のフィラー,「エート」について調べた。「エート」の後続句が指し示す対象を聴き手が同定するのにかかる時間は,「エート」がない場合と比べ,後続句が長い場合のみ短く,後続句が短く単純な場合は有意差がなかった。この結果から,句境界の「エート」は聴き手にとって,後続句の長さ,内容の複雑さを知る上での手掛かりとなっていることが示唆された。