1 0 0 0 OA 1/f ゆらぎ

著者
武者 利光
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.226-229, 1982-04-01 (Released:2017-06-02)
著者
松永 悟行 平原 達也
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.67, no.8, pp.331-338, 2011-08-01 (Released:2017-06-02)
参考文献数
11
被引用文献数
2

頭部伝達関数は相反法を利用することにより短時間で計測できる。相反法を利用した頭部伝達関数の計測には超小型スピーカユニットをシリコーン印象材に埋め込んだ耳栓スピーカが必要となる。この耳栓スピーカに用いる三種類の超小型スピーカユニット(DTEC-30008,ED-29689,SR6438NWS,Knowles)を自由空間で用いた場合の音響特性を計測した。いずれのスピーカユニットも高域では60dB程度の出力音圧レベルが得られるが,低域の出力音圧レベルは低かった。スピーカとマイクロホン間の距離が0.2mの場合,暗騒音レベル16dBの計測室において出力音圧レベルのSN比が0dB以上となるのは,DTEC-30008では120Hz〜20kHz,ED-29689では170Hz〜20kHz,SR6438NWSでは260Hz〜20kHzであった。また,いずれのスピーカユニットを用いた耳栓スピーカも10kHz以下では無指向性であった。DTEC-30008は12kHz〜17kHzにディップが生じ,それらの周波数と深さが方位によって大きく変化した。他のスピーカユニットは10kHz以上でほぼ無指向性であった。いずれのスピーカユニットも印加電圧を増加すると大きな2次及び3次高調波歪が発生した。それらのレベルを基本波レベルよりも小さくするためには,DTEC-30008,ED-29689,SR6438NWSへの入力電圧はそれぞれ1V,250mV,550mV以下にする必要があった。これらの結果より,DTEC-30008,ED-29689,SR6438NWSは相反法による頭部伝達関数の計測に利用できることが分かった。各スピーカユニットの有効周波数範囲は,暗騒音レベルが16dBで距離が0.2mでは120Hz〜10kHz,170Hz〜16kHz,260Hz〜20kHz,1.0mの距離では170Hz〜10kHz,280Hz〜16kHz,290Hz〜20kHzであった。
著者
中臺 一博
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.74, no.7, pp.394-400, 2018-07-01 (Released:2019-01-01)
参考文献数
32
著者
蘇 勲 金 基弘 岩宮 眞一郎
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.65, no.11, pp.555-562, 2009
参考文献数
13
被引用文献数
4

映像メディアにおいて,あるシーンが別のシーンに転換するとき,様々な切り替えパターンが用いられ,切り替えパターンを効果的にするために効果音が付加される。本研究では,映像の切り替えパターンと音高の変化パターンを組み合わせたときの調和感を,日本人・韓国人・中国人を対象とした印象評価実験によって検討した。上下方向の映像の切り替えに関しては,映像と音高の変化方向が一致している場合に高い調和感が得られる。拡大縮小パターンでは,拡大パターンには音高の上昇,縮小パターンには音高の下降が調和感を形成する。左右方向の映像の切り替えに関しては,右方向の移動と音高の上昇,左方向の移動と音高の下降の組み合わせが調和する。
著者
渡邉 亮
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.168-178, 2013-04-01 (Released:2017-06-02)
参考文献数
15

LPC法など過去に提案されたホルマント推定法と同様に,我々が提案,開発した逆フィルタ制御(IFC)によるホルマント推定法では,分析次数(推定すべきホルマントの個数に関する次数)をあらかじめ指定する必要がある。本研究はIFC法の最適分析次数を自動的に推定し,話者情報が未知の音声から,適正なホルマント軌跡を得る方法を提案したものである。その方法では,可能性のある三つの次数における分解信号のそれぞれから零交差周波数分布のまとまりの度合いと平均ホルマントレベルを計算し,それらの荷重和が最大のものを選択する。まず,合成音声でその有効性を示し,実音声に適用したときの分析結果,すなわち,話者が入れ替わる複数の発話のホルマント軌跡を例示する。
著者
岸 憲史 長内 隆
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.274-280, 1991-04-01 (Released:2017-06-02)

アイソパラメトリック要素を用いた有限要素解析法により、チェロの駒単独の振動の3次元解析を行った。具体的には、材質・形状の異なる3種類の駒について、拘束が全くない場合と脚部底面を固定した場合の固有振動モードと固有周波数を求めた。その結果、(1)従来観測されている振動モードのほとんどすべてが求まること、(2)面内振動モードよりも低い固有周波数を持つ面外振動モードが多数存在すること、(3)固有振動モードとその固有周波数の順序は等方性の駒と異方性の駒の間でほとんど違いがないこと、(4)拘束のない駒の自由振動の固有周波数は同じ材質でも形状によってかなり異なること、等が分かった。
著者
西田 鶴代 筧 一彦 穂刈 治英 島田 正治
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.735-741, 1999-11-01 (Released:2017-06-02)
被引用文献数
4

聴覚による音源の方向定位は,視覚的な手がかりによって影響を受けることがよく知られている。このため,一般に音源定位の実験においては音源に関する視覚情報を与えないようにしている。しかし,スピーカを多数配置する場合には,音源に関する視覚情報の手掛かりは小さいとしてスピーカが見える状態で実験を行っている例が多い。この影響を検討するため,スピーカが見える場合(視覚情報"あり")と見えない場合(視覚情報"なし")で音源栄位受聴試験を行い,その実験データをもとに知覚のファジィ論理モデル(FLMP)を用いて,音源定位における視覚情報の影響の強さを定量的に示した。この結果に基づいて,音源定位実験の実験方法に関する考察を行った。
著者
白土 保 柳田 益造
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.426-433, 1998-06-01 (Released:2017-06-02)

継時的な音列の聴取における音程の適確さの判断に関し, 仮説:"音程はずれ検知の範ちゅう化の強さは, 言語的な音程(音程名, あるいは半音何個分の音程か, などの非知覚的情報)の予測し易さに依存する"を立てた。この仮説の妥当性を検証するため, 継時的な二つの音からなる音列を用い, 音程はずれ検知に関する聴覚実験を行った。実験では音程はずれの判断に際し, 言語的な音程に関する情報を被験者に事前に知らせる条件, 及び知らせない条件の二つの条件を設定した。実験の結果, 事前情報ありの場合はなしの場合に比べ音程はずれ検知がより範ちゅう的に行われることが示され, 先の仮説が支持された。

1 0 0 0 OA 視聴覚統合

著者
スペンス チャールズ 五十嵐 由夏 北川 智利
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.83-92, 2007-02-01 (Released:2017-06-02)
参考文献数
56

過去50年以上にわたる多くの実験研究によって,低次の空間・時間的要因が,視覚と聴覚の多感覚統合にとって重要であることが立証されてきた(例えば腹話術効果の研究で示されるように)。ここでは,多感覚統合における空間的・時間的要因の役割を明らかにする証拠について概説する。また,多感覚統合に影響する要因として,視覚信号と聴覚信号間の時間相関,刺激の運動,モダリティ内とモダリティ間の知覚的群化,モダリティ間の意味的一致性,及び,一体性の仮定の役割についてもそれぞれ議論する。総合すると,構造的,認知的な多くの異なる要因が[1,2]視聴覚情報の統合(又は結びつけ)に共同して寄与しているという見解が,これらの証拠によって支持されるのである。