著者
本望 修
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.182a, 2015-10-10 (Released:2015-12-26)

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著者
北口 勝康
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.112-116, 1999-07-20 (Released:2010-06-08)
参考文献数
27

血管拡張薬と脳血流について検討した。トリメタファンは脳血流量への影響は小さいが散瞳を起こし, 術後の神経学的評価を困難にする。ニトログリセリン (TNG) は頭蓋内圧亢進状態では灌流圧の低下により脳血流量が減少する可能性が高い。ニトロプルシド (SNP) は脳血流量は不変であるとされ, 効果も強力であるがシアン中毒の危険があり, 大量投与を避けるため他剤との併用が望ましい。プロスタグランジンElは頭蓋内圧に対する影響も少なく脳血流量は保たれる。脳虚血による細胞死に対して, 血管拡張作用に加えてTNGやSNPが放出するNOの血小板凝集抑制や, PGE1の赤血球変形能改善, 膜安定化作用などが有用となる可能性がある。
著者
森近 雅之 御村 光子 井上 光 並木 昭義
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.35-37, 2002-08-10 (Released:2010-06-08)
参考文献数
7

硫黄入浴剤服用による中毒症例を経験した。57歳女性。入浴剤六一〇パップを約200mL服用し, 約1時間後に救急搬送された。来院時, 意識レベルはJCS-II-30・せん妄状態で著明なチアノーゼ, 過換気と代謝性アシドーシスを認めた。胃洗浄施行後, 精神科病棟に入院させた。その後呼吸不全, ショックとなり, ICUに収容した。人工呼吸下に再度胃洗浄行い, 活性炭投与, 強制利尿等を施行した。硫化水素 (HS) 中毒に対する特異療法としてニトログリセン持続静脈内を投与開始したが, 来院17時間後に死亡した。六一〇ハップは広く市販されているが, 服用時の毒性については知られていない。今後市民への啓発等の対応を要すると考えられる。
著者
重臣 宗伯 佐藤 ワカナ 柴田 繁啓 越村 裕美 円山 啓司 吉岡 尚文
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.145-148, 2001-07-20
参考文献数
6
被引用文献数
1

高齢者の入浴中の心肺停止の原因を発生状況と地域性から明らかにするために, 発生率によって秋田・青森群と非秋田・青森群の2群に分けて比較検討した。秋田・青森群の発生率は3.51で, 11月に発生のピークがあるのに対し, 非秋田・青森群では2.24で12月に発生のピークがあった。全発生数に占める高齢者の割合, 性別, 発生場所, 水没の有無, 浴槽の形状, 家族との同居の有無, 入浴前飲酒の有無, 既往歴には明らかな差を認めなかった。高齢者の入浴中の心肺停止は外気温が10℃を下回る時期から発生数が増加し, その発生には脱衣場・浴室内の温度の低さが関係していると考えられた。寒冷な時期での脱衣場・浴室内の暖房の必要性を啓発する必要がある。

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出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.55-114, 1986-03-01 (Released:2010-06-08)
著者
塚本 昇 藤田 尚 瀬尾 憲正
出版者
The Japanese Society of Reanimatology
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.118-122, 2007-07-20
被引用文献数
1

膝蓋骨骨折に対し深部静脈血栓症の予防を図ったが, 手術の執刀直前.下肢の駆血によって肺血栓塞栓症を発症した症例を報告する。72歳, 女性。左膝蓋骨骨折にて, 膝関節は固定されるが足関節を自由に動かすことができる装具を装着されて自宅待機し, 受傷後第10病日に手術が予定された。全身麻酔下, 下肢を駆血した直後に肺血栓塞栓症を発症した。ヘパリンの静注で状態は安定し, 循環器科専門医のいる病院に転送後, 下大静脈フィルターの留置と抗凝固療法を受けて安全に手術が施行された。静脈血栓塞栓症を完全に予防することは困難であるため, 発症後はヘパリンを投与し, 循環器専門医のいる施設に転送することが救命のために重要である。
著者
山本 光昭
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.110-112, 1997

新たな災害医療体制の方向性の要点は, 「初動の遅れの解消」, 「地域単位の対応の強化」, 「住民主体の活動の支援」, 「日常からの訓練・備え」であり, その観点から, 災害拠点病院の整備, 広域災害・救急医療情報システムの整備, 災害医療に係る保健所機能の強化, 搬送機関との連携などが必要である。災害時における初期救急医療体制の充実強化には, 住民をはじめ, 医療関係者, 救急関係者の支援, 協力を得ることが重要であり, 積極的に推進されることが期待される。
著者
小林 一哉
出版者
The Japanese Society of Reanimatology
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.123a-123a, 2014

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著者
Yuta Horikoshi Tetsu Kimura Toshiaki Nishikawa Takashi Horiguchi Koji Sato Masahiko Ohbuchi
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.14-21, 2015-04-14 (Released:2015-05-21)
参考文献数
31

Background:Both dexmedetomidine and hypothermia are known to reduce brain injury following ischemia. We examined whether a combination of dexmedetomidine and hypothermia reduce brain injury after asphyxial cardiac arrest in rats to a greater extent than either treatment. Methods:Male SD rats were assigned to one of four groups(n = 7 each);control (C, saline and temporal muscle temperature 37.5℃), dexmedetomidine (D, dexmedetomidine 10μg/kg and 37.5℃), hypothermia (H, saline and 35.0℃), and dexmedetomidine - hypothermia (DH, dexmedetomidine 10μg/kg and 35.0℃). Dexmedetomidine or saline was administered intraperitoneally 30 min before insult. Predetermined temperature was maintained from 30 min before asphyxia until 60 min after resuscitation. Cerebral ischemia was induced with asphyxia of 5 min, resulting in cardiac arrest of about 2 min. Rats were resuscitated by chest compression and intravenous epinephrine. Neurological score was assessed at 24, 48, and 72 hours after insult, and brain was fixed and stained with hematoxylin and eosin. Results:Neurological scores were greater in groups H and DH than groups C and D at 24 hours after insult (P < 0.05), whereas they were similar at 48 and 72 hours. Percentages of intact neurons in hippocampal CA1 were greater in groups D, H, and DH than group C (P < 0.05). Conclusions:Dexmedetomidine and hypothermia improved histologic outcome compared with the control group after asphyxial cardiac arrest, whereas the combination of dexmedetomidine and hypothermia provided comparable neuroprotection with either of two therapies alone.
著者
西山 純一 長谷川 啓一郎 吉野 利尋 鈴木 利保
出版者
The Japanese Society of Reanimatology
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.118-121, 2006-07-20

東海大学医学部付属病院において, 2004年7月からの1年間に6名の救急救命士が気管挿管実習を行った。対象総患者数184名 (男性95名: 女性89名) , 平均年齢48.5±16.0歳, IC取得率約75%, 平均気管挿管成功率89.3±6.9%, 合併症発生率1.1% (口唇損傷2例) であった。気管挿管成功30例達成までの症例数は平均30.7±0.8例, 実習期間平均46.2±13, 4日という結果であり, 実習は約一ヶ月半の期間を必要とした。全員が実習を修了し, 認定登録を受けた。実習は重大な合併症の発生なく安全に行えたが, 実習システムは, 手技主体の指導になること, 規定症例数達成までの実習期間, 症例数に制限がなく, 実習参加が修了認定と同義となっていること, 実習が麻酔科医の献身性によってなりたっていること等の問題があり, 実習施設数の増加, 指導医の業務負担軽減, 行政等による広報他, いくつかの改善策が必要と考えられた。
著者
早津 恵子 冨田 美佐緒 傳田 定平 遠藤 裕 下地 恒毅
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.50-53, 1998-04-20 (Released:2010-06-08)
参考文献数
15

5例の意識障害患者に対するESCS (epidural spinal cord stimulation, ESCS) の経験をレトロスペクティブに調査し, 同療法の有用性を検討した。5例中3例で臨床症状の改善をみたが, 結果は全例が植物症として意識障害を残した。植物症の分類では1段階の改善にとどまり, 植物症から脱却した症例はなかった。ESCS後の検査所見では改善がみられた症例が3例あった。これらの結果が自然回復によるものかESCSによるものかは, 厳密には評価できなかった。客観的な効果判定のためにも, 定期的な生理検査を行う必要性を感じた。
著者
伊藤 寛 小川 幸恵 清野 浩昭 川合 宏仁 山崎 信也 奥秋 晟
出版者
The Japanese Society of Reanimatology
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.82-87, 2005-07-20
被引用文献数
17

歯科治療における死亡事故報告は後をたたない。我々は, 各種メディアから知り得た歯科治療に関連した重篤なショック, 心肺停止報告200例について分析した。その結果, ショック45例, 心肺停止155例, 死亡126例であった。これらの多くは局所麻酔や観血処置に起因し, 何らかの全身的合併症を有していたものが全200例中75例 (38%) であった。また小児, 障害児者に多く行われる抑制治療が起因と思われる死亡は19例で, 全死亡例の15%であった。このような事故を回避するために, 歯科医師の医学知識全身管理能力の向上が必要であり, 特に, 最低限のリスクマネージメントとしてBLS, ACLSの習得は必須であると思われた。
著者
原口 義座 星野 正巳
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.145b-145b, 2012-10-25 (Released:2013-02-12)

PDFファイルをご覧ください。
著者
佐藤 圭路 氏家 良人 長野 修 足羽 孝子
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.23-27, 2010-03-25 (Released:2011-03-15)
参考文献数
6

岡山大学病院における院内急変シミュレーションの現状について述べた。シミュレーションは,院内各部署で行われ,事後のアンケート結果からは,おおむね有用であり継続開催の希望が多かった。また,院内緊急連絡システムの改善がなされ,緊急メールシステムの運用が開始された。シミュレーション開始後,院内でのAED(Automated External Defibrillator)使用例では,13例中5例に心拍再開が得られた。院内救急システムを円滑に活用するためには,ワーキングフィールド内での急変シミュレーションを行うことが有用と思われた。
著者
小林 英司
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.3_31b-3_31b, 2010-08-25 (Released:2011-07-20)

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著者
荒木 尚 師田 信人 横田 裕行
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.98-102, 2010-06-25 (Released:2011-05-13)
参考文献数
12

2010年7月17日には「臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律(いわゆる改正臓器移植法)が施行され,本人の臓器提供に関する生前意思が存在しない場合,家族の承諾により脳死下臓器提供が可能となる。また年齢制限の撤廃により,15歳未満の小児からの脳死下臓器提供も可能となる。今後国内の脳死下臓器移植並びに脳死下臓器提供の増加が予想される一方,小児の脳死を人の死とする是非についての議論が尽くされたとは言い難いという主張があることも否めない。今回小児脳死判定に纏わる歴史的推移を踏まえ,小児脳死判定基準,施設基準や判定医の資格など本邦における諸問題について述べる。