7 0 0 0 OA スラムダンク

著者
井田 茂
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, 2008-06-25
著者
藤村 彰夫 安部 正真
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.211-213, 2010-09-25
被引用文献数
2

小惑星イトカワを探査したはやぶさ探査機が地球に帰還し,大気突入3時間前に切り離されたカプセルが無事回収された.本稿では、カプセルの回収・輸送作業および,キュレーション設備へのカプセル搬入後,サンプルコンテナの開封実施,内部の観察およびサンプルの取出し開始に至るまでのキュレーション作業の状況と,その後の作業の展望について報告する.
著者
矢田 達 安部 正真 岡田 達明 中村 智樹 野口 高明 岡崎 隆司 石橋 之宏 白井 慶 上椙 真之 唐牛 譲 八亀 彰吾 上野 宗孝 向井 利典 吉川 真 川口 淳一郎 藤村 彰夫
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.68-77, 2013-06-25

地球外物質の採取・記載・保管および配布の目的で発足したJAXAキュレーションセンターでは,現在は小惑星イトカワにタッチダウンした探査機「はやぶさ」の試料を取り扱っている.「はやぶさ」から分離して地球帰還した再突入カプセルを受け入れ,その内部の試料コンテナを取り出してクリーンチェンバー内に導入し,開封を行った.試料コンテナ内の残留ガスから地球外起源の希ガスは検出できなかったが,キャッチャー内部からは主にケイ酸塩鉱物から成る微粒子を回収した.初期記載の結果,それらの鉱物比・鉱物組成がLL4-6コンドライト隕石に近いことが分かり,イトカワ試料と確認された.現在までに400個以上の粒子の回収・初期記載を行い,そのうち8割がイトカワ粒子だった.キュレーションセンターではこの試料を初期分析チーム,NASA,国際公募研究に対して配布し,多様な科学成果が挙がっている.
著者
笠井 康子 佐川 英夫 関根 康人 黒田 剛史 菊池 健一 西堀 俊幸 真鍋 武嗣 JUICE-SWI日本チーム
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.140-148, 2014-06-25

欧州宇宙機関の次期木星圈探査機JUICEに搭載される科学観測装置の一つに,サブミリ波分光計Submillimetre Wave Instrument(SWI)がある.深宇宙探査機の歴史の中で,サブミリ波を用いた惑星観測はこれまでに例がなく,SWIが世界で初めての提案となる.サブミリ波分光計とは何か?本稿ではサブミリ波観測の紹介を皮切りに,我々がSWI開発に至った経緯,SWIが拓くと期待されている科学,それを達成するための観測装置,そして最後にJUICEミッションへ向けた抱負を述べる.
著者
竹内 洋人 宮本 英昭 丸山 智志
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.23-27, 2010-03-25

小惑星は,一般には衝突と再集積を繰り返すなど様々な進化過程を経ていると考えられるが,こうした過程に関する時間スケールを知ることは容易ではない.小惑星に関連した年代の測定法としては,クレーター数密度に基づく表面年代,同位体分析に基づく放射年代,そして衝突確率と天体サイズで推定される衝突寿命,といったいろいろな年代推定法が存在する.しかしながら,こうして与えられる年代が小惑星の形成年代であるかというと,必ずしもそうではない.そこで,小惑星イトカワの高解像度画像で岩塊表面に発見された高輝度スポットに着目した.高輝度スポットはマイクロクレーターと解釈できる.その数密度から岩塊の暴露年代を求められる可能性があり,小惑星進化を考察する新しい年代の尺度として利用できると考えられる.
著者
井上 朋香 本田 隆行 出村 裕英 二村 徳宏
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.73-76, 2007-03-25

前号に引き続き,残りの3セッションを紹介する.地質と地理,潮先と表面状態,そして他ミッションについて,大学院生のメモから書き起こされたものだ.前回と重複するが,これは口頭発表の聞き書きであって査読を経たものではなく,今後の研究の進展によっては変わる可能性もある.それを踏まえて,楽しんでもらえれば幸いである.
著者
武谷 賢 並木 則行
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.113-126, 2005-09-25

地球の海洋プレートや金星リソスフェアのテクトニクス, 熱進化において, 冷却するマントルの不安定性の発達は重要な役割を果たしていると考えられる.地球の海洋プレートは70Maまでは単純な半無限媒質の静的な熱拡散モデルで巧く説明できるが, 70Maを越えると地形や熱流量のflatteningが起きる.一方, 金星では300〜700Maに惑星規模のglobal resurfacingが起こったと推測される.われわれは, これらの問題を考えるために, 非圧縮粘性流体の熱拡散問題にブジネスク近似と温度依存の粘性率を取り入れただけの簡単なモデルを構築する.また, 熱境界層の不安定性に固有な新たな時間定数を導入し, 従来の研究成果との比較を行う.そしてこのモデルに線型安定性理論と境界層理論を適用して, secondary convectionが果たす役割について考察を行う.その結果, 地球の海洋プレートではsecondary convectionの熱輸送によって, 50Ma付近でプレートが熱的に定常状態に近づきflatteningがおこることが明らかになった.一方, 金星ではマントルの粘性が高いため, secondary convectionの波長も500〜1000kmと長くなる.この波長は大型火山やコロナ, ridge beltのサイズと調和的であるが, secondary convectionがglobal resurfacingの引き金になるとは考えにくい.
著者
橘 省吾 はやぶさ2サンプラーチーム
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.261-268, 2013-12-25

「はやぶさ2」計画では,地上での汚染や大気圏突入によるサンプリングバイアスのないC型小惑星試料を地質情報とともに複数地点から採取し,地球にもちかえることをめざす.リターンサンプル(<5mm)の詳細分析と,リモートセンシング機器,小型ランダーで得る天体スケール(km)から表層粒子スケール(cm-mm)での構造・物質・熱といった現在の情報をリンクさせ,対象小惑星(1999 JU_3)そのものの形成と現在までの進化を理解するだけでなく,太陽系の誕生から最初期の物質進化,そして,地球の海や生命の材料となる揮発性元素の最終進化の場としての小惑星の役割を明らかにする.
著者
杉本 大一郎
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.211-221, 2011-09-25
参考文献数
11

中澤清さんが「林太陽系の日々」と題して,「林忠四郎先生の人となり」について,3回にわたって連載された.そこでの話は,中澤さん(林研究室大学院8期生)が京都大学に在籍された時期(1965〜1982年度)に,また研究については太陽系起源に限ったものであるとされている.それを補うものとして,林研究室開設の頃のことと,林先生の京都大学定年退官(1985年3月)以降のことについて書いて欲しいと,小久保編集委員に頼まれた.そう言われても,私が林研究室に在籍したのは大学院生の5年間(1959〜1964年度)だけだし,私は物事が済んだらさっさと片付けてしまう性格なので,記録は殆ど残っていない.それでも,林先生の研究のもう一つの大きい柱である星の進化をとおしての関係だったし,中澤さんが関係されなかった側面のことがいくつかあるので,それを紹介したい.ただし話は,私が直接に関わったことを断片的に述べるだけのことになるのを,お許しいただきたい.
著者
脇田 宏
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.105-110, 1999-06-25
参考文献数
7
著者
國中 均
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.109-112, 2013-06-25

宇宙工学は,宇宙への往来の実現を目指し,技術を切磋琢磨してきた.その成果の端的な例は,「はやぶさ」にて実現された地球〜小惑星間往復航行(2003年〜2010年)である.それにより,科学や技術分野を越えて,より大きな世界観を得ることができた.次の新しい知見を得るために,科学的な意義はもちろんのこと,「宇宙を自在に往来する独自能力の維持発展」と「人類の活動領域の宇宙への拡大」という宇宙工学・宇宙探査に跨る目標を担い,「はやぶさ2」小惑星探査ミッションが開発中である.
著者
津田 雄一
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.149-155, 2014-06-25

はやぶさ2は,小惑星サンプルリターン探査技術を推し進めるミッションであり,初代はやぶさの技術蓄積を橋頭保として,サンプルリターン探査技術を確実なものとし,かつ新たな探査技術を実証するプログラムである.はやぶさ2は,基本設計思想は初代はやぶさを踏襲することで,開発期間の短縮とヘリテージに依拠した信頼性確保を目指している.一方で,システム設計には,工学上の挑戦的要素を随所に配して,探査技術の発展とミッション価値の増大に貢献している.小天体探査を工学面で持続的に発展させるには,技術の継承と革新の両面をにらみながら,ミッションを組み立てていくことが重要である。はやぶさ,はやぶさ2,そしてその次へ.我が国の小天体探査は続く.

2 0 0 0 OA ALMAの紹介

著者
立松 健一
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.185-188, 2008-09-25

日米欧の国際プロジェクトとして建設中のALMAに関して,計画の概要と現在の進捗を説明する.日本は,全部で80台のアンテナのうち,16台(ACAと呼ばれる)を担当している.日本のアンテナ4台と北米のアンテナ5台が,既にチリ現地に設置されている。また,ACA用の相関器をチリ現地に設置完了した.2008年2月には米欧に先駆け,日本のアンテナを用いて,ALMAに納入されるアンテナとして初めて天体の電波写真の撮影に成功した.
著者
平田 直之 宮本 英昭
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.271-280, 2011-12-25

土星系の魅力的な衛星は,タイタンやエンセラダスだけではない.カッシーニ探査機の活躍によって得られたさまざまな知見は,その他大勢の小型衛星も,太陽系科学において極めて興味深い対象であることを示している.小型衛星は,その小さな重力場や弱い熱的変成履歴という意味で小惑星と対比できるだけでなく,その特徴的な形態や表層の状態が,ほかの衛星や周囲の環と複雑な相互作用の結果であることから,土星系における衛星や環の形成や進化の鍵を握っていると考えられる.本稿では,こうした多様性に富む土星系小型衛星の姿と推定される内部構造,さらには進化史について概説するとともに,今後の探査で期待される観測について議論する.