著者
山口 真悟 宮本 俊幸 内平 直志 葛 崎偉 本位田 真一
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.1_58-1_65, 2008-07-01 (Released:2011-05-01)
参考文献数
19
被引用文献数
1

学生チームが企業から提供された課題「マルチカーエレベータの群管理制御問題」を解決するアルゴリズムを競い合う「CSTソリューションコンペティション2007」を実施した.本稿ではその活動を通じて得たアルゴリズムの知見と評価ツールなどについて解説する.
著者
伊藤 洋一
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.205-213, 2016-01-01 (Released:2016-01-01)
参考文献数
21
被引用文献数
2

空中超音波の基本的性質を通してその特徴(長所,短所)を示し,強力な空中超音波を発生させるため,まず大出力の超音波を効率良く空中に放出する音源(周波数20kHz)の構成について示した.次に,この音波を使って強力な音波を発生させるための方法と現在最も実用的と考える音源について,その基本特性を含めて紹介している.更に,強力空中超音波特有の効果について取り上げ,それを利用した各種応用技術について,既に実用化したものから,実用化間近なもの,研究開発中のものについて,その概要を分かりやすく解説している.
著者
上田 修
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.294-304, 2013-04-01 (Released:2013-04-01)
参考文献数
25

各種化合物半導体多層薄膜から作製されたLEDや半導体レーザといった半導体発光デバイスは,現在,社会,産業,家庭における様々なシステムや機器に搭載されている.このような発光デバイスは,機器への不適切な実装や過酷な条件での使用などで劣化し,機器やシステムの不具合や障害,事故の原因となる.そこで,本稿では,赤色・赤外デバイスを中心とした発光デバイスの種々の劣化モードについて,劣化メカニズム,解析事例,及び抑制方法について解説する.
著者
眞田 克
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.293-301, 2012-04-01 (Released:2012-04-01)
参考文献数
16

水道管からの水漏れと同じくLSIも欠陥箇所を介して電流が漏れ出し故障に至らしめる.この漏れ電流現象はLSIを評価する重要なパラメータの一つである.しかしながらDSM(Deep Sub-Micron)化に伴うデバイス技術の進展は電流値を用いた評価を困難とした.この問題を克服すべく,テスト技術は統計処理による正常/異常値間の差分の顕在化による識別法更には電源電流の波形の相関比較やフーリエ変換による数理処理により異常の有/無を顕在化する技術が開発されている.故障診断技術は漏れ電流の特徴を用い,論理情報と組み合わせることで簡易で高精度に故障候補を特定する技術の開発で評価技術の向上が図られている.
著者
韓 太舜 小林 欣吾
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.229-243, 2015-04-01 (Released:2015-04-01)
参考文献数
45

マルチユーザ通信路符号化問題,なかんずく,干渉通信路の符号化問題は,その重要な基本的特質のゆえに近年多くの通信理論研究者が多大の関心を持って精力的に研究に取り組んでいる.特に,問題の本質的な性格を把握するために,2 組の送信者・受信者の場合がよく研究されてきた.韓と小林によって1981 年に提示された一般の干渉通信路に対する達成可能な領域,すなわち,HK 領域の表現は現在に至るまで最良であり続けてきた.本稿では,HK 領域の解説を中心に据えて,その領域の表現を簡略化する研究や,既に容量域の決定されている干渉通信路の部分クラスに関する解説を与える.また,Han-Kobayashi スキームのごく簡単な適用でも,ガウス干渉通信路の容量域に対してSNR(SN 比, 信号対雑音比)とINR(干渉対雑音比)を大きくした漸近的な状況では最適であることを示したEtkin, Tse, Wang による研究を解説する.更に,その出現以来35 年後の今年になって,Han-Kobayashi 領域をしのぐ伝送レート対の存在することがNairらによって明らかにされてHan-Kobayashi 領域の最適性が否定されたという話題にも触れ,干渉通信路研究に新しい転機が訪れたことを伝える.
著者
中村 健太郎
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.249-255, 2014-01-01 (Released:2014-01-01)
参考文献数
16
被引用文献数
1

超音波振動から直線運動や回転運動を得る超音波アクチュエータについて,摩擦駆動の超音波モータを中心に,その原理と構成例,得られる特性について解説する.圧電セラミックス素子で発生した往復運動である振動から一方向運動を得るための原理として,複合振動形と進行波形に分けて説明し,複合振動形を例に得られるべき性能を論じる.また,それぞれの方式で直線運動を得る構成方法,回転運動を得る構成方法を具体的に紹介する.また,効率や寿命を改善する最近の試みについても述べる.
著者
三浦 道子
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.1_57-1_65, 2009-07-01 (Released:2011-07-01)
参考文献数
17

これまで産業界をけん引してきたMOSFET の微細化を推進することが難しくなってきている.これは,微細化によって達成された高性能化を有効に利用する用途が限られてきたことのほかに,微細化によって応用を難しくするMOSFET の特性が顕著になってきたことが挙げられる.一方,エコ社会の実現には,低消費電力回路設計への要求が高い.これを実現するには,MOSFET の微細化は避けて通れない.1970 年代に回路シミュレータが開発されて,たくさんのトランジスタを複雑に組み合わせて様々な性能を持った回路が設計できるようになった.このとき以来長く用いられてきたのが,Meyer モデルで,様々の近似を用いてトランジスタ特性を簡潔な式で記述している.しかし複雑な特性を呈する微細MOSFET にはモデルの精度が不十分になってきた.そこでトランジスタ特性を物理原理に基づいて記述する,表面ポテンシャルモデルが開発され,モデルの主流になりつつある.この変遷をMOSFET特性に基づいて解説する.
著者
木村 康則 Matthew DEPETRO 谷岡 秀昭
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.311-317, 2011-04-01 (Released:2011-04-01)
参考文献数
27

米国で医療制度改革法案が成立したことにより,医療現場の効率化や健康保険制度の改革などが進んでいる.本稿では,これらを推進するための有効な手段と考えるmHealthと呼ばれる考えを紹介し,それを実現するための生体情報を取得するためのセンサ技術特に血圧と血糖値の測定手法に関して現状を紹介する.また,このアプローチが真に実現されるための課題も述べる.