著者
木村 友哉 松村 真宏
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.4D3GS1203, 2020 (Released:2020-06-19)

電源が入ると人形が踊りだす屋外式エアー看板の一種「スカイダンサー」が人々の行動を変えるかを定量的に測定した。その結果、スカイダンサーに対し積極的な反応を示した人数は通行量の2.0%から4.9%に増加したほか、視認率は4.6倍になった。この装置を応用し、イベント会場のゴミ箱に併置してポイ捨ての量を減らすことを試みたところ、イベント翌日に拾得されたゴミの量が前年比で約半分になった。
著者
河合 珠空 小野 淳平 小方 孝
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.3D1OS22a04, 2020

<p>歌舞伎舞踊『京鹿子娘道成寺』は,道成寺伝説の一種の後日譚でありながら,もともとの伝説を越えた独自の内容を持った作品として,古くから多くの優れた女形によって上演されて来た.本研究では,渡辺保による『京鹿子娘道成寺』の分析を参考に,人物・背景(舞台装置)・音楽(楽器,演奏者,ジャンル)・詞章と台詞,さらに場面ごとの核心的な精神的主題などを主な構成要素とする,その「舞台上演構造」の詳細な分析を試みる.さらに,物語生成システムのアニメ―ションツールとして以前に筆者らが開発したKOSERUBEと呼ばれるシステムを用いて,その舞台上演構造を簡易な可視的イメージとして構成する.本研究は,物語生成システムの一表現方式,コンピュータゲーム,自動生成コンテンツなどへの応用を目指して進められている.</p>
著者
園田 亜斗夢 鳥海 不二夫
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回全国大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.2H11in1, 2017 (Released:2018-07-30)

本研究では、ゲームの勝敗がプレイヤー同士の情報交換に依存する「コミュニケーションゲーム」である「人狼ゲーム」を研究対象とする。人狼ゲームでは,会話を通して,他のプレーヤーと協力したり,騙したりしながら自らの勝利条件の達成を目指す。そこで、信頼と説得に特化したゲームとしての人狼ゲームに注目し,ゲームプレイの中で短期的な信頼がどのように確立していくのかを明らかにする.
著者
福田 和維 小野 淳平 小方 孝
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.3D1OS22a03, 2020

<p>筆者らは,物語のストーリー・深層の修辞的構造(物語言説)・表層的な表現を生成する,「統合物語生成システム」の開発を進めて来た.本研究では,この統合物語生成システムを用いて,「蘊蓄」―特定の対象や主題に関する詳細(で過剰)な知識内容―を生成する機構を提案する.具体的には,統合物語生成システムの主に名詞概念辞書中に,Wikipediaその他から個々の名詞概念に関する自動獲得された属性概念を格納し,システムによって生成された物語の合間に随時その属性情報を編集して埋め込むことで,ある対象や主題についての蘊蓄生成を可能とする.研究の焦点は,ある対象や主題に関連した属性情報の自動獲得及びその編集による利用方式である.今回は,対象・主題を歌舞伎とし,歌舞伎に関する蘊蓄生成機構の実装を試みる.</p>
著者
小川 泰弘 佐藤 充晃 駒水 孝裕 外山 勝彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.4E2OS7a02, 2019 (Released:2019-06-01)

本研究の目標は,日本法令の要約を提供することである.そのためにランダムフォレストによる重要文抽出に基づく自動要約を提案する. 従来の自動要約に関する研究においては,原文書の情報のみが用いられてきた.近年では機械学習に基づく手法なども提案されている. しかし,そうした機械学習において利用される学習データの量は,特に日本語においては,充分でなかった. それに対し,本研究の法令の要約においては,政府が作成する「法令のあらまし」を利用することにより,この問題を解決する. さらに,従来利用されてきた決定木やSVMを使った手法に代えて,ランダムフォレストを用いた重要文抽出を提案し,その性能が従来手法を上回ることを示す. 本論文の貢献は,従来よりもサイズの大きな要約用コーパスを作成した点と,重要文抽出におけるランダムフォレストの有効性を確認した点にある.
著者
日永田 智絵 堀井 隆斗 長井 隆行
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.3G3OS18a02, 2019

<p>感情は人において重要な要素であるといわれているが,そのメカニズムは完全には明らかになっていない.その中で有名な仮説として,神経科学者のDamasioは,情動を身体シグナルとし,外部の刺激によって引き起こされる身体シグナルが意思決定を効率化しているというソマティック・マーカー仮説を提唱した.本研究では感情メカニズム解明への足掛かりとして,計算機シミュレーションにて,ソマティック・マーカー仮説の検証を行った.具体的には,深層学習を用い,行動方策を学習するネットワークを構築し,身体シグナルがあることによって,報酬の高い行動の選択が行われるかを検証した.結果として,身体シグナルがあるものが最も報酬の高い行動を選択できるようになっていることが明らかとなった.</p>
著者
杵渕 哲彦 伊藤 毅志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第28回全国大会(2014)
巻号頁・発行日
pp.1E35, 2014 (Released:2018-07-30)

コンピュータ将棋はプロ棋士に迫るレベルになっているが,アマチュアにとっては将棋を楽しむ為の対局相手でもある.既存の棋力調整方法では,人間が手に不自然さを感じるという問題点が指摘されている.この問題に対し,コンピュータに人間らしいミスを犯させるという手法が考えられる.本研究ではこれを実現する為の基礎研究として,ミスを犯した際の思考についてインタビューを行い,人間がミスを犯す際の認知モデルを提案した.
著者
武田 惇史 鳥海 不二夫
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.3F3OS14a03, 2019 (Released:2019-06-01)

近年,人工知能研究において,人狼ゲームが注目されている.本研究では,今後の人工知能大会における5人人狼のレギュレーションにおいて,あらゆる戦略に対して優位となるような戦略が発見されるかを調べるため,戦略進化のシミュレーション手法を提案する.シミュレーションの結果,常に優位となる戦略は発見されず,戦略は周期的に変化し続けるようになることが明らかとなった.
著者
伊藤 冬子 廣安 知之 三木 光範 横内 久猛
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.127-135, 2009 (Released:2009-01-06)
参考文献数
16
被引用文献数
3 4

In interactive genetic algorithms (iGAs), computer simulations prepare design candidates that are then evaluated by the user. Therefore, iGA can predict a user's preferences. Conventional iGA problems involve a search for a single optimum solution, and iGA were developed to find this single optimum. On the other hand, our target problems have several peaks in a function and there are small differences among these peaks. For such problems, it is better to show all the peaks to the user. Product recommendation in shopping sites on the web is one example of such problems. Several types of preference trend should be prepared for users in shopping sites. Exploitation and exploration are important mechanisms in GA search. To perform effective exploitation, the offspring generation method (crossover) is very important. Here, we introduced a new offspring generation method for iGA in multimodal problems. In the proposed method, individuals are clustered into subgroups and offspring are generated in each group. The proposed method was applied to an experimental iGA system to examine its effectiveness. In the experimental iGA system, users can decide on preferable t-shirts to buy. The results of the subjective experiment confirmed that the proposed method enables offspring generation with consideration of multimodal preferences, and the proposed mechanism was also shown not to adversely affect the performance of preference prediction.
著者
鈴木 宏昭
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.145-153, 2004 (Released:2004-01-27)
参考文献数
30
被引用文献数
5 1

The dynamic constraint relaxation theory predicts crucial roles of the initial diversity and evaluation in creative problem-solving. We reported the experimental evidence supporting these predictions, using an insight problem. The experiments showed that the degrees of making different types of trials and the appropriate evaluation were closely related to individual differences in insight problem-solving, and that evaluation became more appropriate by making the problem-solving goal explicit. The review of the research in related fields showed that these experimental findings were in congruent with the evidence obtained from different types of creative activities.
著者
高野 雅典 水野 寛
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.1B304, 2018

<p>現実の社会関係では相談しにくいことも匿名のオンラインコミュニケーションではしやすくなる。しかし日本の若者が主に利用するオンラインコミュニケーションツール(Facebook、Twitter、LINE)は現実の社会関係を多く含む。そのような現実とその拡張の社会関係を補完するコミュニケーションツールは重要であろう。本研究は、アバターチャットサービス「ピグパーティ」におけるソーシャルサポートについて考察することが目的である。そのためにサービス運営者によるインタビュー結果をオンラインソーシャルサポートの観点から整理した。</p>
著者
福島 良典 大澤 幸生
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第26回全国大会(2012)
巻号頁・発行日
pp.3E1R66, 2012 (Released:2018-07-30)

ソーシャルメディアにたまった個人ログ,集合知を活用し,その人が今まで気付いていなかったが重要だと感じるニュースの推薦を行う.従来の研究では,自分が今まで過去に見た情報に似たニュースを推薦する研究が多かった.本項では,そういった過去に見たものに似た情報ではなく,過去に見た情報のログに基づき,その人が次に興味を持ちそうな情報を予測して,推薦することを目的とする.
著者
加藤 拓也 稲本 万里子 小長谷 明彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.2D105, 2018 (Released:2018-07-30)

源氏絵とは,『源氏物語』を題材とした絵画の総称である.源氏絵の絵師には土佐派をはじめ狩野派,岩佐派,など多数の流派があり,各流派独自の個性がある.これまでに見つかった作品にはどの流派の絵師が描いたかわからないものがあり,美術史の専門家たち中でも意見が分かれている.そのため新たな知見から流派を判断する手法が望まれる.近年,深層学習の一種である畳み込みニューラルネットワークの画像分類能力の向上は著しく,一部の分野では人間よりも高いという報告もある.深層学習では特徴量がデータから学習されるため,これまで人間が発見していない特徴量に基づく分類をすることが期待できる.本稿では,深層学習による物体検出手法を用いて顔を自動認識し,畳み込みニューラルネットワークにより流派を推定する.5分割交叉検証を行った結果,96.5%の精度で分類することに成功した.
著者
北条 伸克 井島 勇祐 杉山 弘晃 宮崎 昇 川西 隆仁 柏野 邦夫
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.A-J81_1-17, 2020-03-01 (Released:2020-03-01)
参考文献数
46

This paper aims at improving naturalness of synthesized speech generated by a text-to-speech (TTS) systemwithin a spoken dialogue system with respect to “how natural the system’s intention is perceived via the synthesizedspeech”. We call this measure “illocutionary act naturalness” in this paper. To achieve this aim, we propose toutilize dialogue-act (DA) information as an auxiliary feature for a deep neural network (DNN)-based speech synthesissystem. First, we construct a speech database with DA tags. Second, we build the proposed DNN-based speechsynthesis system based on the database. Then, we evaluate the proposed method by comparing its performance withtwo conventional hidden Markov model (HMM)-based speech synthesis systems, namely, the style-mixed modelingmethod and the style adaptation method. The objective evaluation results show that the proposed method overwhelmsthe style-mixed modeling method in the accuracy of reproduction of global prosodic characteristics of dialogue-acts.They also reveal that the proposed method overwhelms the style adaptation method in the accuracy of reproduction of sentence final tone characteristics of dialogue-acts. The subjective evaluation results also show that the proposed method improves the illocutionary act naturalness compared with the two conventional methods.
著者
池田 圭佑 榊 剛史 鳥海 不二夫 栗原 聡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
JSAI大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.3P1NFC00a1, 2018-07-30

<p>東日本大震災時Twitterなどのソーシャルメディアが重要な情報源として積極的に利用された.一方でTwitter利用にはデマが拡散してしまうなどの問題がある.我々はこれまでデマ収束を行うための前段階として情報拡散モデルを構築し, デマの拡散メカニズムの同定を目指してきた.CHIDRIは本年で卒業とのことより,これまでの研究成果から得た知見をまとめ,今後の情報拡散制御手法構築へ向け考察を行う.</p>
著者
鈴木 惇
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.2E204, 2018

<p>本研究は、主に Web 上で投稿されている、台本形式小説 (SS: ショートストーリーもしくはサイドストーリーの略とされる) を自動生成することを目的とする。 本研究は既存のニューラル対話モデルを各話者の特徴を考慮して拡張する。提案モデルである three-step unified LSTM interlocution producer (TULIP) は発話符号化LSTM, 文脈更新 LSTM 発話復号化 LSTM の三つのLSTMの結合によりなっている。本研究では提案モデルに Web 上 の台本形式小説を学習させ、直接既存の小説を加工することなく一から小説を生成した。本研究では、質的、量的の双方の観点から出力した小説を評価し、提案するLSTMベースの手法が自然な日本語列を生成することを確認した。さらに、既存の定量評価手法の問題点についても指摘した。</p>
著者
近藤 まなみ 長谷川 拓 森 直樹 松本 啓之亮
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.1N103, 2018 (Released:2018-07-30)

近年,AIの分野で人狼ゲームが注目を集めている.人狼ゲームはコミュニケーションゲームの一種であり,不完全情報ゲームに分類される.人狼ゲームには未知の情報があるため,このゲームを攻略する戦略の一つとして,未知の情報を予測に基づいて判断することが挙げられる.人狼ゲームにおいてプレイヤが知ることができる情報は限られており、その中には虚偽が存在する可能性がある.本論文では限られた情報を学習することで不確実な情報下での予測を試みるため,人狼ゲームの持つ時系列性を考慮し,LSTMを用いた.また,得られた予測モデルを用いてゲーム分析をした.
著者
中山 浩太郎 伊藤 雅弘 Maike ERDMANN 白川 真澄 道下 智之 原 隆浩 西尾 章治郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.549-557, 2009 (Released:2009-10-20)
参考文献数
25
被引用文献数
5 4 2

Wikipedia, a collaborative Wiki-based encyclopedia, has become a huge phenomenon among Internet users. It covers a huge number of concepts of various fields such as arts, geography, history, science, sports and games. As a corpus for knowledge extraction, Wikipedia's impressive characteristics are not limited to the scale, but also include the dense link structure, URL based word sense disambiguation, and brief anchor texts. Because of these characteristics, Wikipedia has become a promising corpus and a new frontier for research. In the past few years, a considerable number of researches have been conducted in various areas such as semantic relatedness measurement, bilingual dictionary construction, and ontology construction. Extracting machine understandable knowledge from Wikipedia to enhance the intelligence on computational systems is the main goal of "Wikipedia Mining," a project on CREP (Challenge for Realizing Early Profits) in JSAI. In this paper, we take a comprehensive, panoramic view of Wikipedia Mining research and the current status of our challenge. After that, we will discuss about the future vision of this challenge.
著者
辻井 康一 津田 和彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第28回全国大会(2014)
巻号頁・発行日
pp.4A13, 2014 (Released:2018-07-30)

インターネット宿泊予約サイトの宿泊レビューには、5段階の数値評価と感想コメントが記載されている。数値評価のすべての項目のうち、1つだけの評点を変える宿泊者が存在する。この宿泊者のこだわりと考えられる数値評価に対し、感想コメントには数値評価を変えた理由となる具体的な評価内容が記載されていると想定される。テキストマイニングを用いて感想コメントから評価表現を抽出し、その特徴を検証する。