著者
吉田 敏臣
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.32-36, 1979-04-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
1
被引用文献数
2
著者
岡本 洋子 吉田 惠子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.97-102, 2014

味の感じ方に及ぼす温度の影響を調べることを目的に,甘味料および市販甘味飲料を用いて官能評価法によって甘味強度を測定した。甘味料として,スクロース,D-グルコース,D-フルクトース,D-マルトース,エリスリトール,キシリトール,D-ソルビトール,マルチトールの8種類,市販甘味飲料としては11種類を用いた。実験参加者は年齢18~20歳の健康な女子学生27名である。検査の液温は,7°C,25°C(基準),43°Cとした。8種甘味料のうちD-フルクトースおよびキシリトールについては,温度による甘味強度の変化がみられたが,それ以外の甘味料は温度による呈味性の変化はみられなかった。一方,市販甘味飲料については,7°Cでは25°Cに比べ甘味強度が弱く,43°Cでは25°Cに比べ甘味強度が強い飲料が多かった。また,甘味料群では,甘味強度について温度要因の統計的な主効果に有意性はなかったが,市販甘味飲料群では,その効果に有意性がみられた。市販飲料に含まれる甘味料以外の成分について,呈味性に及ぼす影響を検討する必要が示唆された。
著者
深井 洋一 酒井 長雄 齊藤 康一
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.341-350, 2010 (Released:2014-08-22)
参考文献数
21
被引用文献数
1

平成20年に長野県農事試験場で栽培したコシヒカリを用いて,稲の収穫時期別に成熟期前から成熟期後までの6段階について,食味,外観および炊飯品質,官能評価を行った。帯緑5%は,帯緑色籾0%と比して,粒厚分布において2.0mm以上の割合が高い。外観品質は,整粒が有意に高く,胴割粒割合が有意に低い。糊化特性値はブレークダウンが有意に高く,最終粘度およびセットバックが有意に低いことがそれぞれ示された。官能評価は,帯緑5%および帯緑0%の双方ともに他の収穫時期と比して食味が有意に優れた。得られた結果について,主成分分析を行ったところ6試料は3つに大別され,帯緑5%と帯緑0%は第一および第二主成分の正に布置された。因子分析では,官能評価の「硬さ」に関連する負の因子構成,官能評価の「総合」および「味」に関連する正の因子構成がそれぞれ推定された。これらの結果から,帯緑5%の状態で稲を収穫することで,帯緑0%と比して,粒厚分布,外観品質および糊化特性が良質であることが示された。
著者
柴田 圭子 渡邉 容子 安原 安代
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.304-312, 2008-10-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
31
被引用文献数
9

和風のだし汁の食味特性を検討するため,かつおだし,煮干しだし,昆布だし,混合だしを日常使用頻度の高い濃度において調製した。更に市販だしも調製した試料と比較した。かつお-昆布だし(かつお2%,昆布1%)は4%かつおだしよりも官能評価では有意に高く評価され,また,抽出を促進する加熱時間の延長はスコアを向上させなかった。かつお-昆布だしをはじめ,煮干し-昆布だし(煮干し2%,昆布1%は)においても,呈味成分(Glu,5′-IMP)の測定,官能評価により相乗効果が確認された。主成分分析の結果より,各単独だしおよび混合だしのそれぞれの持つ特徴が確認できた。即ち,かつおだしはより強い酸味を持ち,煮干しだしは若干の苦味と生臭みを持ち,昆布は穏やかな甘味のあるうま味を持ち,混合だしは単独だしよりも複雑な食味を持っていた。
著者
横塚 弘毅
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.94-101, 1989-06-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
57
被引用文献数
1

1 0 0 0 OA 食品の乾燥(2)

著者
林 弘通
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.66-75, 1992-02-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
4
著者
川崎 太志 飯 聡 西村 由二三 白土 男女幸 濱田 明美 仲井 朝美 芳田 哲也
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.123-128, 2009 (Released:2015-03-20)
参考文献数
8

和包丁における,様々な刃先形状と官能評価の関係を明らかにするために,熟練者が研いだ4つの完成度(50%,70%,80%,100%)の包丁について,刃先粗さ,“切れ味”および“研ぎ味”を測定し,これらの項目間の関係を調査した。顕微鏡写真から測定された刃先粗さに関しては,70%の刃先は他の完成度のものよりも粗かった,その一方で100%の包丁は最も刃先粗さが小さかった。レーザー変位計を用いて測定した刃表面粗さと刃先角度は,完成度間で類似した傾向が認められた。“切れ味”および“研ぎ味”については,シェッフェの一対比較法を用いて評価を行った結果,100%の包丁が他の完成度に比べて高い点数を示した。100%の包丁の切れ味は50%の包丁に比べて高い値を示したが,包丁の刃先粗さは100%の包丁が小さかった。また,刃先粗さは“切れ味”との関係において有意な負の相関(p<0.05)が認められた。このように,表面粗さや刃先角度の変化が比較的小さいとき,刃先の細かい粗さが“切れ味”を向上させることが示唆された。