著者
磯部 〓三
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.34, no.10, pp.830-837, 1979-10-05

宇宙空間には, 一立方センチ当り10^<-13>個程度の固体微粒子(星間塵)がある. その存在に関する示唆は, すでに18世紀に暗黒星雲の実視観測からハーシェルによってなされていた. 光学観測が中心であった今世紀半ばまでの天文学においては, 星や散光星雲の光を背景にしてのみ星間塵の観測がなされていた. しかし, 近年の赤外線, 紫外線, 電波の観測により, 星間塵自身の諸性質およびそれを取り巻く環境がより細かく観測されるようになり, 星や太陽系の誕生等の問題に星間塵が重要な役割をはたしていることが判ってきた. ここでは, 星間塵に関する観測結果を列挙し, その組成の解明がどのように進んできたかを書いてみる.
著者
大場 一郎
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.65, no.8, 2010-08-05
被引用文献数
1
著者
北島 正弘 長谷 宗明 Petek Hrvoje
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.888-892, 2004-12-05

フェムト秒レーザー技術の進歩により種々の物質でコヒーレントに励起された格子振動や分子振動を実時間領域で観測でぎるようになった.しかし,100 fs(1 fs=10^<-15>秒)以下に現れるコヒーレントフォノン生成のダイナミクスは未知の研究領域であり,光励起キャリアとフォノンの強い相互作用の観測が期待できる.我々は10 fsの超短パルスレーザーを用いることにより,シリコンのコヒーレントフォノンの発生,およびコヒーレントフォノンの発生前の信号の中から光励起キャリア系とフォノン系との結合によるファノ干渉を実時間で明確に観測することに成功した.その結果の詳細および物理的意義等について紹介する.
著者
中島 信一 長谷 宗明 溝口 幸司
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.53, no.8, pp.607-611, 1998-08-05
被引用文献数
1

フェムト秒レーザーによって励起されたコヒーレントフォノンは, 時間領域で観測される位相の揃った原子の集団振動である. このコヒーレントフォノンの性質や, 発生メカニズム等については未知の部分も多い. 時間領域分光法は, 従来の振動分光法であるRaman散乱と比較して, フォノンのダイナミクスを調べる新しい研究手段として期待されている. 本稿ではフェムト秒時間領域のコヒーレントフォノンの振舞について述べる.
著者
北島 正弘 長谷 宗明 Petek Hrvoje
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.888-892, 2004-12-05
参考文献数
15

フェムト秒レーザー技術の進歩により種々の物質でコヒーレントに励起された格子振動や分子振動を実時間領域で観測でぎるようになった.しかし,100 fs(1 fs=10<SUP>-15</SUP>秒)以下に現れるコヒーレントフォノン生成のダイナミクスは未知の研究領域であり,光励起キャリアとフォノンの強い相互作用の観測が期待できる.我々は10 fsの超短パルスレーザーを用いることにより,シリコンのコヒーレントフォノンの発生,およびコヒーレントフォノンの発生前の信号の中から光励起キャリア系とフォノン系との結合によるファノ干渉を実時間で明確に観測することに成功した.その結果の詳細および物理的意義等について紹介する.
著者
黒川 信重
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.696-699, 1998-09-05

数学における基本的で重要な関数はRiemannゼータ関数である. Riemann予想はRiemannゼータ関数の本質的零点の実部がすべて1/2であるという, 1859年に提出された予想であり, 現代数学の最大の難問と言われている. Riemann予想を解こうとするさまざまな試みから, ゼータ関数論をはじめとする数学のたくさんの分野が成長してきた. 懸案だったFermat予想が最近350年ぶりに解かれたのもゼータ関数論の一応用である. 物理学とRiemannゼータ関数との関連は, 場の量子論, 超弦理論, Casimir効果, カオスなど多様な面から深く考察されてきた. 長年にわたる研究の結果, Riemann予想解決の鍵は量子空間にありそうなことがわかりつつある. これは現状の概観である.
著者
亀淵迪 江沢 洋
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.50, no.7, 1995
被引用文献数
1