著者
丹保 健一
出版者
三重大学
雑誌
三重大学教育学部研究紀要. 人文・社会科学 (ISSN:03899241)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.1-20, 1992

多義語に見られる語義分割(意味立項)の実態を、「多い」「無い」「新しい」「重い」「強い」「難しい」「青い」「明るい」「甘い」「痛い」「美味しい」「寂しい」「寒い」を数種の辞書によって調査し、これらの形容詞の語義分割の基準として、①具体性、抽象性 ②モノ性、ヒト性、コト(ガラ)性、 ③実質、刺激、時間、価値、数量、程度、機能、体力、能力、姿態、性格、態度、心情、 ④体感、心感、 ④存在、所有、 ⑤原因・要因、 ⑥評価、が重要な位置を占めることを示した。
著者
吉岡 基 鳥羽山 照夫
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

実験対象予定個体の飼育事情により,研究内容を変更して行い,以下の成果を得た.まず,シャチの精液採取訓練については用手法による精液採取を可能とするための訓練を続けたが,最終的に安定した精液採取には至らなかった.カマイルカ精子のストロー法による凍結保存を新たに試みたところ,従来のペレット法と同様な成果があげられることが明らかになった.シャチを含む10種の鯨類精子の外部形態を比較したところ,精子サイズには種間差が認められ,シャチの精子は平均頭幅が最も広く,かつ頭部は団扇型をしており,他鯨種とは大きく異なった形態をしていることが判明した.バンドイルカとカマイルカのペレット法による凍結融解精子を用いて,4℃と36℃で精子運動率,精子速度,精子直線性,精子頭部振幅を解凍直後から48時間後まで精液自動解析装置を用いて測定したところ,それらの値は新鮮精子を用いたヒト,ウサギ等の結果とよく一致していることがわかった.また,雌雄それぞれについて超音波画像診断装置を用いた生殖腺の観察を実施したところ,バンドウイルカ,カマイルカについて,黄白体や胎児の存在が確認できた他,季節による精巣の発達度合いの違いをみることができた.さらに,イルカ類における妊娠関連ホルモンに関し,黄体と胎盤がともに妊娠期間中のプロゲステロンの分泌源となり得ることが示唆された.また妊娠診断指標としての利用の可能性を探ることをふまえ,妊娠特異タンパクの存在を調べたところ,対象鯨種(パンドウイルカ他2種)の血中および胎盤組織中にはその存在を確認することはできなかった.また妊娠診断,胎盤機能の指標となり得るエストロンサルフェートについて調べたところ,妊娠イルカの血中にこのホルモンが検出され,妊娠期間中の,種による異なる変動パターンの存在が示唆された.
著者
櫻谷 勝美
出版者
三重大学
雑誌
三重大学法経論叢 (ISSN:02897156)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.B67-B89, 2004-03-15

論説 / Article
著者
冨野 孝生
出版者
三重大学
雑誌
三重大学教育学部附属教育実践総合センター紀要 (ISSN:13466542)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.67-74, 2004-03

地域創生の新しい行方が多岐にわたって模索、構築されている時代である。これまでにも同様な企画に沿って地域の社会教育や生涯学習が動き出して来た趣はあるが、真に地域に根ざした地域人の視点から生まれ育って来たものは少なかった。豊かな地域づくりや町づくり、安心と潤いが感じられる豊かな生活に向けた生涯学習環境の構築と拡充は、差し当たってわれわれが現代に強く求めている重要課題でもある。地域の生涯学習センターを起点にいろいろな学習講座が開設されているが、生活のゆとりと向上に関連した企画が主流を成しており、基本的な生活基盤である地域環境の見直しや生き物の生存に関わる将来的な見通しにある学習活動は意外に少数を数えるに過ぎない。環境教育を軸にして、われわれの足下から安心できる学習目標をこの際しっかりした地位に据えることを切望するものである。本報告は、いくつかの生涯学習講座にかかわった経験から、環境問題関連学習をすすめるために環境教育の実績をあげ、同時に進め方のテクニックに触れたものである。