著者
鷲田 豊明 大沼 あゆみ 坂井 豊貴
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究の主要な研究成果は次のようにまとめられる。(1)複数の地域でお金を出し合って迷惑施設を建てる問題において,効率的かつ公平な意思決定を実現するゲーム理論的なメカニズムについて,実験により実際的な性能を検証した。(2)生物が狩猟される状況の下での狩猟許可証配分の効果を、密猟を考慮した場合に分析した。(3)温暖化対策において、国家間の相互関係が環境政策に与える影響をゲーム論とシミュレーション的手法によって分析した。
著者
フォルテン コンラッド
出版者
上智大学
雑誌
アメリカ・カナダ研究 (ISSN:09148035)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.21-68, 1989-03-20

多くの人々はカナダ人を完全に二言語主義の国と考えているが, 1981年の前回の国勢調査では, 実際にフランス語と英語を話せるのは370万人のカナダ人で, これは人口の13%にしか相当しない。1971年の国勢調査時からは2%の増加しかみられない。だが歴史的にみると, 二言語政策はニューフランスが英国の植民地となった1763年に始まる。つまり英国による征服以前は, ニューフランスの全住民がフランス人であり, 公共機関も完全にフランス式のものであった。フランス人は自分たちの言語を守るために長年イギリス人との政治闘争にかかわったが, 1867年にようやく英領北米法により英語とフランス語の併用が認められ, 1982年憲法の「自由と権利の章典」につながるのである。当初, カナダのフランス語はフランスで使用されている言語のまねであったが, 次第に独自の言語に発展して特有の発音と語いをもつほどになった。また英語は, 元来, 1776年のアメリカ革命への参加を嫌ったロイヤリスト(王党派)がカナダにもたらしたイギリス英語とアメリカ英語の混合英語である。労働力, 公務執行, 言語教授法, 英仏両系の少数民族教育などの分野で二言語の使用能力上の問題があり, 今日のカナダ人の大半が支持している二言語政策の発展を遅らせている。
著者
桝田 絢子
出版者
上智大学
雑誌
人間学紀要 (ISSN:02876892)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.49-77, 2006-12-20

「人間学」では、人間とは何かをさまざまな側面を通して学んでいく。人間学がなかった時、人々はどのようにして人間のあり方を考えたのだろう、という問いかけにこの論文は発している。宗教、慣習、神話、伝説とある人類の遺産から、特に身近にある昔話に焦点を絞り、その中でも、世界的に読まれ続けている『グリム童話集』を取り上げた。この『童話集』の価値がどこにあり、なぜ、ここまで、永きに渡って読まれているのかを、今回は、昔話を蒐集し、編纂したグリム兄弟の生い立ちと業績から考察した。ヤーコブとヴィルヘルムがまだ少年時代、父の死による、母と六人兄弟という困窮生活で、父親に代わって一家を受けとめ、伯母や恩師、仲間に助けられて世界的な学者となって前進してゆく姿は、昔話に登場する一番下の子供が冒険に勝利を収めていく姿を髣髴とさせる。彼らの生き方そのものが『童話集』に集められた話には満載されている。そればかりでなく、兄弟の学識の広さと深さと徹底性が、彼らの『童話集』を類まれな古典とした。
著者
新倉 真矢子 菅原 勉 小島 慶一 平坂 文男 井上 美穂 菅原 勉 小島 慶一 平坂 文男 井上 美穂
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究は英語、ドイツ語、フランス語の「らしさ」が「リズム」に関係するとの前提から日本人学習者を初級者と中・上級者のグループに分けてコーパスを構築し、外国語発話における「リズム」の分析を行った。リズムを構成する音響パラメータのうちアクセント表示機能と境界表示機能そして韻質の特徴において日本語話者が的確に制御できずに母語の影響が大きく関与していることが結論づけられた。また、自立学習用のオンライン学習ソフトの開発を行った。
著者
石井 米雄
出版者
上智大学
雑誌
上智アジア学 (ISSN:02891417)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.1-16, 1999-12-27

石井米雄先生古稀記念 タイ研究特集号(Festschrift in Honor of Professor Yoneo Ishii)