著者
松井 知己 吉瀬 章子 宮代 隆平 宮本 裕一郎
出版者
中央大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

1.一様な巡回トーナメント問題に関する近似法 本拠地間の距離が一様な巡回トーナメント問題に対し、移動距離(回数)最小化問題に対するトーナメントスケジュールの作成法を、平成18年度国際会議の論文特集号(Lecture Notes in Computer Science)に本年投稿し、採択された。本手法は,カークマンスケジュールと呼ばれる特殊なスケジュールを改変することで,2重総当たり戦の移動回数最小化問題の良質な解を構築する.本手法によって、最適解に非常に近い解が得られることを,理論的に保証した.提案手法により,2重総当たり戦の移動回数最小化問題について,チーム数22,28,34,40,46の場合には既存の世界記録を凌駕する新たな解が得られ,さらに得られた解は最適解であることを保証することに成功した。2.半正定値計画緩和に基づく試合場決定問題の解法試合場決問題について、半正値計画緩和と、形計画緩和に基づく解法の提案を行った。(この結果は、Pacif1c Joumal of Optimizationに採択されている。)両手法について、1重と2重総当たり戦の両方の問題に適用する計算実験を行った。その結果、1重総当り戦では、線形計画緩和に基づく方法は、殆どの問題例において最適解を生成する事が確認された。2重総当たり戦では、線形計画緩和に基づく方法では、劣悪な解しか得られないことが判明した。これに対し半正定値計画緩和に基づく方法は、どの問題例でも高品質の解を生成することが確認された。半正定値計画緩和は、計算時間の短縮が検討課題として残されている。
著者
西田 治文 植村 和彦 栗田 裕司 朝川 毅守 山田 敏弘 植村 和彦 栗田 裕司 朝川 毅守 山田 敏弘 寺田 和雄 矢部 淳 LUIS FELIPE HINOJOSA O. MIGUEL RANCUSI Herrera
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

チリ南部の南緯33度から54度までの地域で、白亜紀後期から中新世の植物化石の採集調査を行い、鉱化ゴミ化石群という新たな概念の化石群集を含む良質の化石植物群を発見した。産出時代決定に当該地域では初めて渦鞭毛藻類による生層序区分を試み、有望な成果を得た。化石の解析から、第三紀初期のフロラが温暖な要素を含み、同時代の南極との植物地理学的関連が確認された。鉱化ゴミ化石の高解像度X線CTという新手法も試みた。
著者
赤江 雄一
出版者
中央大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005 (Released:2005-04-01)

本研究の目的は、活版印刷術に先立つ大量言説普及装置であった托鉢修道会の説教の諸側面を研究することのうち、本年度は、その中心課題であった、托鉢修道会の説教の「心的暦」(mental calendar)について、成果をまとめることに多くの力を注いだ。具体的には、説教集執筆の段階で「心的暦」が説教執筆者に及ぼした規範的な影響と、そのなかで執筆者がどのような創意工夫を発揮しようとしたかを、ひとつの説教集全体を取りあげ分析する「垂直的アプローチ」の成果を、これまでの主な研究が用いた、多数の説教集の一部のみを扱う「横断的アプローチ」の成果と組み合わせることによって、なぜ同じジャンルの範例説教集が新たに数多く執筆されねばならなかったのかという問いに一定の結論を出した。この内容については論文を2008年1月に学会誌へ投稿した(現在、査読・審査の結果をまっている)一方、「心的暦」を復元する過程において検討することが必要となった説教形式について、ベルギーの国際的学術出版社Brepolsから共著書を出すことができた。この説教形式の探求の結果は、聴衆がどのように説教を理解(情報処理)することを説教者が期待していたか、という説教の受容に関する問題系に示唆するところが大きく、古代の記憶術とアウグスティヌスの「記号論」の関連を論じるにあたって、説教形式の問題を含みこむかたちで成果を論文にまとめているところである。
著者
小宮 一夫
出版者
中央大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2000 (Released:2000-04-01)

1.今年度も、直接の研究対象時期である日清戦後(1895〜1903)に期間を限定せず、第二次大戦後の五五年体制形成期までの政党政治の足跡を視野に入れ、幅広い観点から文献や史料の調査を行った。具体的には、国立国会図書館憲政資料室や徳富蘇峰記念館(神奈川県二宮町)、福岡市立博物館で、政治家の書翰を中心とする原史料の調査を行った。昨年度と同様、本年度も研究に利用できる史料を数多く見つけることができた。とりわけ、福岡市立博物館で調査した鍋島直彬宛書翰(「鹿島鍋島家文書」所収)によって、日清戦後から明治末年にかけての貴族院議員の政治ネットワークを解明する一端が得られた。2.日清戦争前と戦争下に行われた二度の総選挙を、自由党と敵対した対外硬派の視点から分析し、その成果を今年度の日本選挙学会の研究大会で報告した。本報告では、現職代議士の不出馬による不戦敗などの事例を踏まえ、対外硬派が党勢拡大に失敗した理由のひとつとして、組織力の弱さという論点を打ち出した。この報告原稿を土台に、データの補充を行い、活字化する準備を行っている。3.今年度は、日清戦争前後に対外硬派の一角を占めた立憲革新党の動向を、ジャーナリスト徳富蘇峰の政治戦略と絡めて分析した。そして、責任内閣と自主的外交という政治理念を共有する徳富と立憲革新党は、同党の長谷場純孝を介して密接な関係にあったことを明らかにした。その成果は、鳥海靖教授の古希記念論文集(吉川弘文館より刊行)に掲載される予定である。4.西欧列強による半植民地が進む中国情勢に即応するためにも、衆議院の過半を占める強固な一大政党の結成が必要だという論理も、明治33(1900)年に立憲政友会が結成されていく過程で無視し得ない論理であることが明らかになった。このように、外交問題は、政界再編の流れを加速させる上で重要な役割を果たすのである。
著者
原田 純孝
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

「平成の農地改革」を標榜した2009年の農地制度改正について、その課題並びに内容と特徴を農政改革の全体的な文脈のなかで分析し、(1)農地貸借の自由化により農地制度の方向性が逆転したこと、しかし、(2)それが農業の構造改革にどう寄与するかは未知数であるうえ、制度改正自体も「道半ば」の状態にあり、(3)その行きつく先の如何(とくに所有権取得の自由化の成否)によっては、土地法制全体にかかわる様々な問題が生じうることを明らかにした。
著者
徳永 江利子
出版者
中央大学
雑誌
法學新報 (ISSN:00096296)
巻号頁・発行日
vol.116, no.11, pp.291-319, 2010-03