著者
古水 雄志 朝長 由夏 田上 修 上岡 龍一
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.168-172, 2007-03-20
参考文献数
17
被引用文献数
2 2

現在,日本の化粧品市場における美白のニーズは高く,女性のシミやクスミの解消に対する関心は大変高いのが現状である.一方,筆者らや他の研究者は,焼酎蒸留粕の海洋投棄が2007年に全面禁止となるため,廃棄物を有効な物質(例えば医薬品や化粧品)に転換する試みをしている.今回は,B16-F0メラノーマ細胞を用いた美白化粧品開発のための基礎研究を行った.その結果,安全な低濃度条件(10 μg/mL)で,麦焼酎粕パウダーが(1)目視確認にて細胞を美白化し,(2)メラニン産生抑制効果が顕著であり,(3)チロシナーゼ活性抑制効果を大きくすることを初めて明らかにした.これらのことから,将来,麦焼酎粕パウダーの美白剤としての応用の可能性が高くなった.

2 0 0 0 OA 対流伝熱

著者
水科 篤郎
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学 (ISSN:03759253)
巻号頁・発行日
vol.27, no.9, pp.675-681, 1963-09-05 (Released:2010-10-07)
参考文献数
5
著者
Kazuhisa Sato Chouji Fukuhara Toshikuni Yonemoto Teiriki Tadaki
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
JOURNAL OF CHEMICAL ENGINEERING OF JAPAN (ISSN:00219592)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.81-87, 1991 (Released:2006-03-20)
参考文献数
19
被引用文献数
11 11

Ionic transport in a continuous Donnan dialyzer with a parallel-plate channel and an agitated tank was studied for a bi-ionic exchange system. A theoretical model of the system was formulated on the basis of diffusion equations in terms of diffusion, migration and convection of each ion. Theoretical solutions were obtained by numerical calculations using a finite-difference technique. Simultaneously, continuous Donnan dialytic experiments were conducted for the K+–H+ exchange system with a cation-exchange membrane. The validity of this model was confirmed by comparison with experimental results for mean dialytic rates. The numerical calculation also provided distributions of ionic concentrations and the electric potential in the parallel-plate channel. An effectiveness factor was introduced to discuss the proportion of the mass transfer resistance in the membrane phase to the overall mass transfer resistance. The influence of Reynolds number and channel height on the mean dialytic rates and the effectiveness factor was also examined.
著者
O.A. Hougen
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学 (ISSN:03759253)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.227-235, 1958-04-01 (Released:2009-07-09)

本講演において私はアメリカにおける化学工学教育の範囲と化学工学技術者の職能,さらにこの専門に関する二,三の誤解について申し上げました。またウィスコンシン大学における化学工学教育の歴史的発展,現在の教科課程の説明,およびその課程の特徴をお話ししました。興味あると思われる二,三の一般的な問題,化学工学技術者と他の関連した専門家との関係,工業化学の役割,学士課程の4年制と5年制の問題,工業界との協力教育,アメリカにおける学科課程の認定制度,博士の学位に対する資格などについても申し上げました。
著者
井坂 和一 豊田 透花 大前 周平 高橋 悠 大坂 利文 常田 聡
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.217-223, 2021-11-20 (Released:2021-11-20)
参考文献数
30
被引用文献数
1

高濃度窒素排水の処理方法として,嫌気性アンモニア酸化(アナモックス)反応を用いた排水処理システムの実用化が進められている.化学工場の排水や天然ガス採掘で発生するかん水などは,37°Cを超える高水温になる場合がある.さらに国内の夏季気温が40°Cを超えることがあることから,高温条件がアナモックスプロセスへおよぼす影響について,実排水処理を想定した長期的な影響評価が必要である.本研究では,アナモックス細菌を包括固定化担体と付着固定化した異なる2種類の担体を用いて連続試験を行い,高温条件がアナモックス活性へおよぼす影響を評価した.その結果,包括固定化担体を用いた試験系では,37°C条件とすると活性は徐々に低下し,窒素変換速度は1週間で37%低下した.また,38°C条件に設定すると,1週間で49%の窒素変換速度の低下が確認された.付着型担体を用いた試験系においても,37°C条件とすると活性の低下傾向が確認された.16S rRNA遺伝子に基づくアンプリコンシーケンシング解析により,アナモックス細菌の優占種は“Candidatus Kuenenia stuttgartiensis”であることが明らかとなった.これらの結果から“Candidatus Kuenenia stuttgartiensis”を優占とするアナモックスプロセスでは,37°C以上の運転は困難であり,36°C以下で運転する必要性が示された.さらに,高温条件下におけるアナモックス反応比について調査した結果,アンモニアの除去量(ΔNH4+)に対する硝酸の生成量(ΔNO3−)の比(ΔNO3−/ΔNH4+)およびアンモニアの除去量(ΔNH4+)に対する亜硝酸の除去量(ΔNO2−)の比(ΔNO2−/ΔNH4+)は,共に低下する傾向が確認され,高温による活性低下を検知する1つの指標が示された.
著者
松本 隆 野口 正雄
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学 (ISSN:03759253)
巻号頁・発行日
vol.37, no.9, pp.882-886, 1973-09-05 (Released:2010-10-07)
参考文献数
54

1 0 0 0 OA 高温発生法

著者
城塚 正
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学 (ISSN:03759253)
巻号頁・発行日
vol.30, no.12, pp.1059-1066, 1966-12-05 (Released:2010-10-07)
参考文献数
41
著者
窪澤 駿平 大西 貴士 鶴岡 慶雅
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.141-151, 2022-07-20 (Released:2022-07-20)
参考文献数
16
被引用文献数
1

化学プラントの運転では,製品の品質を一定に保ちつつ生産コストを最小化することが求められる.このためには,製品の品質に関わるプロセス変数の計測と,計測した値に基づく対応操作すなわち制御が必要である.ところが,組成や粘度など,物質を装置から採取した後にオフライン分析しなければ取得できない変数もある.そこで,計測が容易な指標から,リアルタイムに取得できない変数値を推定する機能としてソフトセンサがある.ただし,ソフトセンサでも,データのみから統計的に構築する手法の場合は,過去の類似データがない状況での推定精度(外挿性)に課題がある.そこで本稿では,化学工学知識に基づく物理モデルを利用したダイナミックシミュレータと,AI技術のひとつである強化学習によって,プラントの詳細な内部状態を推定し,各状態変数値をソフトセンサとして利用する方法を提案する.また,こうしたソフトセンサを利用したプラント運転の展望と,提案するシステムに必要な予測モデルの入手についての方法論を述べる.
著者
松井 達郎 小島 裕史 薮 穣
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.117-123, 1999-01-10 (Released:2009-11-12)
参考文献数
4

湿気硬化1液型シーリング材の材料設計, 施工設計において硬化速度を把握しておくことは重要である.大気中の湿気によって硬化していく代表的な4種類の素材を用いて硬化速度を実測し, そのモデルについて検討した.擬定常状態を仮定すると硬化時間は硬化厚みの2次関数で表現できる.そのパラメーターを実験により求め, それの物理的意味を考察した.パラメーターは膜素材と硬化機構により決定される.硬化速度を速くするには膜の水分透過速度を速くすれば良くこの相関は実験値と本モデルの計算値と良く一致した.しかし低湿度領域で硬化速度が遅くなる系は反応機構に依る所が大きい.本モデルは逆反応が無視できない硬化機構や, 硬化膜が十分形成されていないで擬定常モデルが成立しない領域では再考を要する.