著者
稲垣 和久 水田 準一 野村 佳洋 池戸 隆人 植田 玲子
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.1120-1125, 2018 (Released:2018-11-26)
参考文献数
9
被引用文献数
1

ディーゼルのさらなる熱効率向上のためには,エンジン筒内から壁への熱損失の予測が重要になる.第1報では,熱損失に大きく影響する壁面熱伝達率の式を,噴霧相似理論を用いて実験的に同定した.その結果,従来のWoschni式と比べ,熱伝達率に対する代表速度の依存性を示す指数が約半分になることを示唆した.
著者
巽 健 前田 篤志 宮田 哲次 小橋 好充 桑原 一成 松村 恵理子 千田 二郎
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.1291-1296, 2016 (Released:2018-01-29)
参考文献数
7
被引用文献数
9

ディーゼル機関は高い熱効率を有しているが,投入熱量の20~30%が冷却損失として失われており,熱効率を向上させる上で壁面熱伝達メカニズムの解明は重要である.そこで壁面挿入型定容燃焼容器を用いて火炎直接撮影および熱流束測定を行なうことでディーゼル火炎と壁面熱損失の相関性を調査した.
著者
景山 一郎 栗谷川 幸代
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.789-795, 2019 (Released:2019-05-24)
参考文献数
6

本研究は二輪車の操作性に関係する極低速・停止時の直立安定性について検討したものである.まず停止時の運動方程式を誘導し、これを用いて直立安定性について検討を行った。次に状態フィードバックを用い、安定化について検討を行った。その結果、停止時の直立安定性が確保できることを示した。
著者
中島 卓司 伊藤 裕一 貴家 伸尋 池田 真巳 加藤 由博 北山 真司 鬼頭 幸三 郡 逸平 小山 隆太郎 嶋田 喜芳 花岡 雄二 桧垣 竜彦 福田 紘大 山村 淳 李 曄
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.1439-1445, 2016 (Released:2018-01-29)
参考文献数
8

車両空力CFDの性能評価,特に境界層発達と流れの剥離の予測精度評価に有用な計測データを得るため,剥離点を固定しない緩やかな曲面の上面形状を持つ簡易車両モデルを対象に風洞試験を実施した.流れの剥離を誘起する付加物有無の2条件で,空力6分力と表面圧力,周囲速度場を計測し,各定量値と関連する空力現象を示した.
著者
伊藤 紳一郎 塚田 由紀 松井 雅人
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.587-592, 2017

すれ違い用前照灯の照射方向を検出する手法を開発し,前照灯試験機に試行的に適用し,その有効性について検証した.
著者
國分 三輝 大濱 吉紘 樋口 和則 佐々木 和也
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.1623-1628, 2009 (Released:2010-06-18)
参考文献数
16
被引用文献数
2

教習所指導員の運転診断ノウハウに基づいた安全運転評価指標を開発した.指導員へのインタビュー調査と従来尺度調査により選ばれた38個の評価項目をもとに,469名の一般ドライバの運転に対する評価を試行し,4因子・15項目の評価指標を構成した.また,安全運転の定量評価モデルを提案し,妥当性を検証した.
著者
河口 篤志 濱﨑 透 稲垣 英人 田中 利幸 平松 剛 増田 義彦
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.739-744, 2018 (Released:2018-07-25)
参考文献数
5

シリンダ変形予測計算において,シリンダヘッドガスケットを構成するゴムコーティングや金属プレートの個々の材料特性を考慮可能なシリンダヘッドガスケットモデルを提案し,実測と検証を行った.その結果,提案モデルによって組み付け時のシリンダヘッドガスケット接触面の摩擦せん断力予測精度が向上することがわかった.
著者
佐々木 慶多 御室 哲志
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.557-563, 2019

宅配サービス等に用いる小型商用車は,市街地走行や多頻度の停車により燃費の悪化を招きやすい.走行環境に依存する実燃費調査手段として,車両ユーザ自身がWEB上に投稿した「ユーザ投稿給油データ」の利用が考えられる.本研究では1年分のデータと,独自に実施した走行試験の結果を用い軽商用バンの燃費特性を考察する.
著者
赤井 直紀 竹内 栄二朗 山口 拓真 モラレス ルイス 洋一 吉原 佑器 奥田 裕之 鈴木 達也 二宮 芳樹
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.675-681, 2018 (Released:2018-05-25)
参考文献数
19
被引用文献数
1

自動運転を行うためには,走行すべき経路との相対位置関係や,注視すべき物体の情報を得ることが有用であり,そのためにも,自己位置推定は重要な技術である.本稿では,デッドレコニングとマルチレイヤーLIDARによる位置推定結果を融合することで,一般道における高精度位置推定,および自動運転を達成したので報告する.
著者
稲垣 英人 勝見 則和 山田 智久 野沢 右 川合 清行
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.393-398, 2013 (Released:2018-01-25)
参考文献数
17
被引用文献数
1

吸気管負圧(エンジンブレーキ)時におけるオイル上がりに対するピストンリン諸元の影響を調べた.エンジン各部への付着オイル量によってオイル上がり特性を評価した.その結果,トップリング合口の縮小の影響が大きいことがわかった.ピストン周辺部のオイル挙動,圧力,リング挙動を計測し,そのメカニズムを推定した.
著者
三觜 康弘 古川 修
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.39-44, 2012 (Released:2012-04-16)
参考文献数
9
被引用文献数
3

二輪車用タイヤは,四輪車用タイヤとは挙動が大きく異なる.二輪車用タイヤの場合,路面に垂直な軸まわりに,キャンバ角に起因するモーメントが大きく発生する.これまでこのモーメントの発生メカニズムが明らかでなかった.本報ではこのモーメントの発生メカニズムや計算方法,車両の挙動に与える影響について述べる.
著者
篠崎 勇二 川島 久宜 石間 経章 松村 修二 津田 康裕 不破 健雄
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.293-298, 2012

環境対応車の需要が急激に高まる中、排気系による燃費向上や排ガス浄化などの技術向上が期待されている。今回それらの性能に大きく関わるエキゾーストマニホールド内の流れを理解するため、常温非定常流を発生させ熱線風速計及びレーザー計測を行い流れの特性を明らかにする。本実験により、排気集合部の流れが計測できた。
著者
木本 裕輔 小橋 好充 加藤 聰
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.817-822, 2014 (Released:2018-01-25)
参考文献数
18

バイオマスから生成可能なエタノールをガソリンに混合する場合,その共沸現象や蒸発潜熱が蒸発挙動に大きく影響する.本研究ではこれらの影響を再現可能な液滴蒸発モデルを構築し,単一液滴を用いた実験値との比較からその妥当性を評価した.さらに,このモデルをKIVA3V に組み込み蒸発噴霧の挙動を解析した.
著者
金子 豊治 山下 実 大堀 正衛 村上 元一
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.837-841, 2009 (Released:2010-07-26)
参考文献数
1
被引用文献数
1

Euro5によるPM規制及び欧州CO2 140g/kmに対応するため、世界に類を見ない低S.Ash(硫酸灰分)で低燃費なディーゼルエンジンオイルDL-1/C2 0W-30を開発した。高信頼性、低S.Ash、低燃費を高次元で実現し、排ガス後処理装置のDPFに対応しながら、B1 5W-30と比較して車両燃費向上率で2%、CO2削減で3g/kmを達成した。
著者
澤田 正英 相知 正人
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.283-288, 2009

著者らは、追突された際に乗員の頭部と胴体の相対的な動きを抑える独自コンセプトシートの開発を実施して来た。今回アクティブヘッドレストの開発では従来の考えを更に進化させ、様々な体格や乗車位置・姿勢にも配慮した。ダミーを用いた社内試験では頚部傷害指標を低減した。市場でのむち打ち傷害発生の低減が期待できる。
著者
矢元 雄介 本田 知己 宇佐美 初彦 三原 雄司
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.199-204, 2018 (Released:2018-03-27)
参考文献数
7

エンジンしゅう動部品の表面改質方法の耐焼付性は十分に評価されていない.本研究では新しい表面改質法を用いた試験片の摩擦特性と耐焼付き性を評価した.その結果,新たな表面改質をした試験片は低摩擦性と耐焼付き性が向上した.スズをショットピーニングして母材に処理すると,MoS2と母材との接合強度が向上した.
著者
松下 詩穂 五十嵐 智貴 杉山 央 平尾 章成 美記 陽之介
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.451-456, 2017

近年,パドルシフトの採用が増えてきており,幅広いユーザーにとって使い易いパドルシフト開発が必要である.本論文において,パドルシフトの機能展開を行い人間工学的要因を特定した.操作性要因としてレイアウト要件を,操作感要因としてFS特性要件を設定し,要件を満たす試作品の操作性と操作感が良いことを確認した.
著者
加藤 春哉 安藤 郁男 大島 康嗣 土田 康隆 須貝 真也 古田 秀樹 熊田 拓郎
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.593-598, 2018 (Released:2018-05-25)
参考文献数
5

2017年に次世代ラグジュアリーハイブリッドクーペ車が発表され、新開発のマルチステージハイブリッドシステムが採用された。新システムは、動力性能や環境性能、ドライバビリティを向上させるため、従来システムに変速機構を設置した構成をとる。新システムの特徴と、採用に向け開発した制御技術について説明する。
著者
宮本 勝彦 棚田 浩 山下 正行 田辺 健
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.65-71, 2008

北米アウトランダーに適用したSULEV対応技術をベースに,(1)HC-trap触媒と2ndエアの特徴とそれぞれの最適化について (2)HC-trap触媒制御の要件として,温度上昇履歴や空気付加のタイミング最適化 (3)HC-trap排ガス低減制御として空気供給手法の効果とドラビリの両立 (4)継続改善による排ガス低減を紹介する。
著者
篠原 一彰 駒場 智美 橋本 克彦 伊藤 文人 岡田 恵 石田 時也 横山 秀之 松本 昭憲
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.1105-1110, 2014 (Released:2018-01-25)
参考文献数
24

過去17.5年間に,運転中に意識障害発作を発症し当院に救急搬送された203例について検討した.車両の内訳は四輪車165例(四輪車運転手の3.6%),二輪車38例(二輪車運転手の1.1%)で,発作の原因としてはてんかん発作77例,脳血管障害62例などであった.運転中の意識障害発作は稀ではなく,自動運転技術開発の意義は大きい.