著者
飯島 章 山下 健一
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.997-1002, 2012

リング張力低減,ボアとピストンの粗さ低減,ベアリングの幅減少とモリブデンコート,カムシャフトのニードルベアリングを用い,3.0Lディーゼルエンジンの摩擦損失を低減した.ダミーヘッド加工により,リング張力低減によるLOCとブローバイの増加を抑えた.ボアとピストンにモリブデンショットを行い,ボアとピストンの粗さ低減によるスカッフを防止した.ピストンリングにディンプルを施すことで摩擦損失が低減することも確認した.
著者
木村 賢治 池田 幸洋
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.137-140, 2008

一時停止交差点での出会い頭事故を低減する為、一時停止交差点に接近する行動を調べ、ドライバが一時停止に気づき、スムーズな減速を促進する為の情報提供のタイミングを検討した。
著者
川和田 達也 渡辺 亮
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.133-137, 2016 (Released:2018-01-29)
参考文献数
7
被引用文献数
1

電気自動車の動力源となるバッテリーの劣化は航続距離の減少を招く.本発表では充電中にバッテリーを冷却することで劣化の抑制を試みる.冷却に要する電気料金と劣化抑制によるバッテリーコストの削減からバッテリー冷却の効果を費用の観点から検証し,充電中のバッテリー冷却の有用性を示す.
著者
二藤 優 渡部 誠也 佐々木 信也
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.574-581, 2021 (Released:2021-04-13)
参考文献数
20

金属ベルト式CVT用潤滑油下で摩擦試験を行い,形成されたトライボフィルムの機械的特性を,ナノインデンテーション装置で測定した.加えて表面分析を行い,トライボフィルムの構成元素および膜厚さを測定した.トライボフィルムの機械的特性ならびに表面分析結果と摩擦現象との関係性について考察した結果を報告する.
著者
山口 恭平 草鹿 仁
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.32-38, 2020 (Released:2020-01-24)
参考文献数
16

気体燃料と軽油による圧縮着火燃焼は低負荷域で気体燃料の未燃排出が増加し熱効率低下を招くことが課題である.本研究では燃焼室形状に着目し,数値熱流体計算コードKIVA-4と最適化手法である遺伝的アルゴリズムを連成した燃焼室形状の自動最適化プログラムにより未燃排出低減を可能にする燃焼室形状を明らかにした.
著者
児玉 勇人 杉谷 浩規 須賀 茂幸 神谷 周
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.542-547, 2021 (Released:2021-04-13)
参考文献数
11

近年の環境規制・燃費規制に対し,ディーゼルエンジンでは高出力化と高筒内圧化が進められている.軸受としては,鋼裏金と銅合金から成る2層軸受上に,軟質オーバレイを設けた3層構造の軸受が主に使用されているが,オーバレイの耐疲労性が課題となっている.本研究では耐疲労性に優れたエンジン用軸受について報告する.
著者
壁谷 泰典 神谷 周
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.548-553, 2021 (Released:2021-04-13)
参考文献数
4

エンジンオイルの低粘度化等により,エンジン軸受は,より油膜が薄い状態で使用されるようになってきている.このような状態では,軸受に異物が侵入した場合,焼付き損傷が発生しやすくなる.本報では、新たに開発した耐異物焼付きを向上させた樹脂コーティング付きエンジン軸受の性能評価結果を報告する.
著者
佐藤 稔久 河原 純一郎 熊田 孝恒 赤松 幹之
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.1451-1458, 2013 (Released:2018-01-25)
参考文献数
14
被引用文献数
3

長時間運転して疲労を感じている際に,その疲労がさらに大きくなる要因を検討した.ドライバー100名にアンケート調査を行い,高速道路や高速道路走行後の一般道での交通状況等で疲労の蓄積に影響を与える要因を分析した.その結果,5つの因子が抽出された.この因子を基に,ドライバーの感じる疲労のタイプ分類を試みた.
著者
北村 顕一 落合 和樹 小林 俊也 山下 信太朗 大聖 泰弘 草鹿 仁 紙屋 雄史
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.477-482, 2010

実験用の燃料電池とNi-MHを用いたシリーズハイブリッドシステムを構築し,軽量2人乗りの車両に搭載した.主要コンポーネントの性能特性を把握した上で,走行性能と燃費特性を予測する数値シミュレーションモデルを作成し,各種走行条件において車両効率を向上させるための適正な制御条件を探った.
著者
川村 淳浩 佐藤 由雄 及川 洋 長沼 要 山根 公高 高木 靖雄
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.909-914, 2011 (Released:2011-09-01)
参考文献数
9

国土交通省「次世代低公害車開発実用化促進事業」における対象車種のひとつとしてトラック用水素エンジンシステムの研究開発に取り組んだ.高い比出力と低NOx性能を高効率に獲得するために採用した高圧水素ガス筒内直接噴射弁等の各種要素技術や多気筒水素エンジンでの取り組みと,得られた成果や課題等について報告する.
著者
原 哲之理 金子 哲也 景山 一郎
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.462-468, 2021 (Released:2021-03-11)
参考文献数
17

操舵角に応じて内傾角を与えるPMVは大キャンバ角による横力で旋回するため,旋回時のタイヤ接地荷重中心の横移動を考慮する必要がある.そこでステアリング軸回りモーメントへのタイヤ6分力の影響を整理した上で,旋回時の接地荷重反力による外乱の幾何学的最小化条件を含めて,ステアリング軸諸元の設定方法を求める.
著者
原口 哲之理 金子 哲也 景山 一郎
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.931-937, 2020 (Released:2020-09-30)
参考文献数
8
被引用文献数
1

操舵角に応じて内傾角を与えるPMVは主にキャンバ角による横力で旋回するため,操舵トルク特性は巻き込み側となり自動車のそれとは大きく異なる.PMVの操舵トルク特性を整理し,低μ路やカウンタステア時の挙動も考察した上で,キャスタトレールと共に仮想横加速度に比例した復元トルクを付加する是正方法を提案する.
著者
三田 修三 長倉 弘幸 勝見 則和 堀田 滋 川合 清行 村上 元一
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.799-804, 2014 (Released:2018-01-25)
参考文献数
8

シリンダボアのクロスハッチ形状を考慮した潤滑モデルを開発し,ピストンリング列-シリンダボア間の摩擦特性予測に適用した.クロスハッチ角の縮小(30°→10°)に伴い,油膜形成が促進されて摩擦平均有効圧が1kPa 以上低減できることを予測し,実部品を用いたラボ計測および浮動ライナ法での実動時測定により効果を確認した.
著者
堀子 喜浩 三好 崇之 山下 徹 小酒 英範 益子 正文
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.881-886, 2012

ディーゼル燃料噴射装置のノズルシート部の摩耗機構の解明のために,市販のコモンレール式燃料噴射装置を基に製作した摩耗試験機を用いて,燃料添加剤濃度,シート部温度をパラメータとして試験を実施し,摩耗量計測,摩耗部の電子顕微鏡による観察,EPMAによる摩耗表面元素分析を行っている.得られた結果より,シート部摩耗機構として,シート面に生成される酸化スケールの剥離による摩耗の可能性を示している.
著者
五十住 巧 田崎 勇一 永野 光 横小路 泰義 亀岡 翔太
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.615-620, 2021 (Released:2021-04-13)
参考文献数
11

自動車の遠隔操縦では視覚情報をカメラ映像に依存しているため,映像品質(解像度とフレームレート)が遠隔操縦の運転操作にどの程度影響を与えるかを明らかにする必要がある.本論文では,さまざまな映像品質設定の下で実車両を用いての遠隔操縦実験を行い,遠隔運転操作への影響を評価した.
著者
加藤 由博 河上 充佳 槇原 孝文 寺門 晋
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.932-937, 2019 (Released:2019-05-24)
参考文献数
7
被引用文献数
2

Aピラー・ドアミラーまわりで発生する風切り音を非線形音場方程式を用いた手法で計算した.特に,横風のある場合と無い場合を比較したところ,Aピラー下部およびドアミラーからの音波の強まりが見られた.音波の伝播の様子を可視化したところ,サイドウィンドウへ到達する音波はドアミラー起源の音が主要であった.
著者
秋田 時彦 三田 誠一
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.113-118, 2021

実験車に設置したミリ波レーダにて駐車車両と構造物をスキャンし,蓄積した反射強度マップから,独自設計した畳み込み深層学習器にて元の形状を推定した.並列/縦列駐車車両,縁石,壁に対し,クラス識別及び全体形状の推定精度97%以上,駐車車両近傍部形状に対する最大輪郭誤差を平均7.3cm以下で形状復元できた.
著者
山添 孝徳
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.107-112, 2020 (Released:2020-01-24)
参考文献数
14

大都市を中心に広がる大気汚染対策と,気候変動対策として,各国がガソリン車やディーゼル車の販売を禁止する方針を打ち出すなど,電気自動車(EV)が一気に普及していく可能性が高まっているが,EV普及の為の課題の一つとして,充電時間が長いということがある。現状の充電時間は,50kW級の急速充電器を使用して,約30分から1時間程度である。これに対して,ユーザはガソリン給油時間と同等の充電時間 約6分程度を望んでいる為,各充電インフラ会社では350kW級の超急速充電器を開発することを決め,2020年頃から広範囲に設置する予定である。一方,超急速充電を受け入れる方の電池は,充電中に電池温度が上昇し,電池の劣化が加速される懸念がある為,電池の冷却は必須である。 本稿では,超急速充電時に適したEV電池の冷却方式として,相変化材料(PCM)を用いた冷却方式を検討した。その結果、EVに搭載された電池パックを350kWで6分間急速充電した時の,電池パック内セル温度の上昇に対して,セルの通常使用温度の上限60℃以下にする為に,PCMをセル間に配置しセルの熱をPCMに吸収させて温度上昇を軽減させることが有効であることがわかった。100個のセルとセル体積の4%の体積のPCMで構成された電池パックを想定し,セル温度をシミュレーションした結果,環境温度40℃の条件でもセル温度は60℃以下になることを確認した。また,PCMを使用した時の課題であるPCMに溜まった熱の放熱については,急速充電後に走行中の風などで空冷することで,5時間毎に急速充電してもセル温度は60℃以下になることを机上計算で確認した。
著者
相原 建人 渡邊 啓太 土肥 永生 金子 祥平
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.1313-1318, 2019 (Released:2019-09-25)
参考文献数
6

これまでCPVAの性能向上を目的として,CPVAの振動低減性能について解析可能な理論解析法を構築してきた.また構築した理論解析法により性能向上に寄与する振り子重心軌道を提案している.本研究では実際に重心軌道が異なる二つの実機を試作し,性能評価試験を行い理論解析結果と比較することで理論解析法の有効性を検証する.
著者
乾 浩敏 佐藤 栄一 鍛冶 俊彦 重住 慎一郎
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.545-550, 2015 (Released:2018-01-25)
参考文献数
7

アルミ合金粉とセラミック粒子の混合材からなるシリンダスリーブは,軽量,高出力化に有効である.しかし,母相強化のために添加するCu の影響により,押出し速度向上と薄肉化に限界があった.筆者らは,Cu の添加を廃止し,Fe-Si 系化合物を分散させることで,耐磨耗性,耐焼付き性を損なうことなく上記の課題を解消した.