著者
小澤 真一郎 岡室 彰 高橋 裕一郎
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.397-407, 2009-03-31

可溶性および膜タンパク質の精製においてカラムクロマトグラフィーは最も有効な手法の一つである.本章では,一般的によく使われるカラムクロマトグラフィーの方法について紹介する.
著者
中村 尚 本田 明治 高谷 康太郎
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.5-12, 2007-03-23

オホーツク海は大河が注ぐ中緯度の浅海で、その西方と北方をアジア大陸が囲むという地理学的特徴を有する。これを反映し、夏季には加熱される大陸との間に顕著な地表傾度が形成され、冬季にはその気温傾度は反転し、最南に位置する大規模海氷域となる。これら特徴的な地表の熱的状況とその変動が、半球規模の大気循環変動と如何に関連するかという観点から、冬季海氷域の経年変動が大規模な大気循環変動に及ぼし得る影響、並びに夏季の冷涼なオホーツク海高気圧の形成について、データの力学診断と数値モデリングに基づき解説する。
著者
野口 巧
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.491-496, 2009-03-31

共鳴ラマン分光法は,光合成試料中におけるクロロフィルやカロテノイドなどの色素の構造や相互作用を調べるのに極めて有効な手法である.本稿では共鳴ラマンスペクトルの測定法と解析法について解説する.
著者
大槻 圭史 台坂 博 武田 隆顕
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.73-81, 2008-03-31

リング・衛星系は巨大惑星形成過程の自然な副産物であると考えられる.本稿では,土星リングを構成する氷粒子の物性がリングの力学進化や構造形成に及ぼす影響について述べる.氷粒子の反発係数はリングの力学進化を考える上で重要な物理量であり,室内実験結果が理論研究に使われてきた.粒子表面の摩擦は粒子自転を引き起こし,土星リングからの熱輻射の観測結果を解釈する上で重要となる.また粒子間の非重力的吸着力がリングの進化や構造形成に及ぼす影響,隕石衝突によるリング組成進化に関する研究等も行なわれているが,これらについては今後さらに詳しく調べる必要がある.
著者
竹内 由香里 兒玉 裕二 石川 信敬 小林 大二
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 物理篇 (ISSN:04393538)
巻号頁・発行日
no.51, pp.p63-76, 1992
被引用文献数
1

積雪の有無は地表面熱収支特性を大きく変え,大気の温度変化にも影響をおよぼしていると予想される。そこで積雪が地表面や大気の温度変化におよぼす影響を明らかにするために,消雪日をはさんで約4週間の地上気象観測を行なった。融雪期と消雪後の接地境界層の熱的特性を比較した結果,積雪は,高いアルべトのため融雪期の正味放射量を消雪後の半分にしていること,融雪期には日中でも表面温度が 0℃に保たれ,地表面が吸収した熱量の80%が融雪に使われることが示された。消雪後には正味放射で得た熱量の60%を蒸発の潜熱で失っていることも明らかになった。この蒸発には土壌の表面付近に残った融雪水がおもに寄与していると推察できる。また,消雪後の気温は表面熱収支に依存して決まることが示唆されたが,融雪期の気温と表面熱収支の関係は不明瞭である。
著者
寺倉 清之 池田 隆司 Boero Mauro
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (Low temperature science) (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.57-69, 2006-03-22

多様な状況下で多様な振る舞いを示す水の性質の解明は,長い研究の歴史にも拘らず,なお物理化学, 生物の主要な研究課題となっている.第一原理分子動力学法に基づく計算機シミュレーションによる 水の研究から,水の基本的性質,超臨界水の物理と化学,高圧下のメタンハイドレードなどについて 解説する.
著者
成川 礼 岡本 忍
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.673-678, 2009-03-31

近年のゲノム解析の進展と,それにともなうゲノムレベルの様々な網羅的解析手法の開発により,膨大な量の計測データがデータベースに蓄積され続けている.生物学者は研究を進める上で,これらの情報を有効に活用する必要性に迫られている.本章では,光合成生物に関連するオミックスデータベースの内容と所在について紹介する.
著者
飯高 敏晃
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.47-55, 2006-03-22

Water,ice,and methane hydrate are substances that have important influences on life on earth. In this article, I introduce my research on methane hydrate, solid argon, and MgSiO3 post-perovskite,and discuss about my aim of deciphering the history of life and the universe from first principles.