著者
松井 博和
出版者
北海道大学
巻号頁・発行日
1984-12-25

203p.
著者
劉 冠偉
出版者
北海道大学
巻号頁・発行日
2021

文学研究科(言語文学専攻)
出版者
北海道大学
雑誌
北大百年史
巻号頁・発行日
vol.通説, pp.29-74, 1982-07-25

第一節 札幌農学校の創設; 第二節 札幌農学校の教育と生活; 第三節 開拓使廃止後の札幌農学校
著者
尾崎 晃
出版者
北海道大学
雑誌
北海道大學工學部研究報告 (ISSN:0385602X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.155-171, 1973-09-25
著者
田中 愼一
出版者
北海道大学
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.1-20, 2006-06-08

明治10年代に,東京府南葛飾郡在住のくみ取り人が本所区在住の地主を相手どって東京裁判所に訴えでた民事訴訟が起こっていた。この事件は第一審で原告側くみ取り人が勝訴したものの,その判決に不服な被告側地主が控訴した第二審では逆転敗訴となったため,さらに上告したが,第三審で敗訴が最終的に確定したのであった。訴訟の前提となる事実関係を再構築したうえで,裁判の進行過程を復元しつつ,訴訟当事者の利害状況を明らかにしようとした。くみ取り人は下掃除代を差配人に前払いしていた。その差配人が地主に罷免され,その地主的所有地には別のくみ取り人が来るようになり,元のくみ取り人は代金を取り戻せないまま,その地主的所有地から排除されたらしく,約束が違うと地主を訴えたのであった。下掃除代を交換価値とする肥料の交換が行われており,訴訟当事者には譲りがたい利害対立が醸成されていったのだった。こうしたことを追究しようとした。
著者
橘 雄介
出版者
北海道大学
巻号頁・発行日
2018-03-22

212p
著者
高谷 邦彦
出版者
北海道大学
巻号頁・発行日
2016-03-24

「インターネットは、印刷術以来の最も重要なメディア」(ギルモア, 2004[2005], p.381)であることを否定する者は今やいないだろう。インターネットは個人のライフスタイルを大きく変えただけでなく、20 世紀には想像すらできなかったビジネスモデルを生み出し、さらに、2011 年にアフリカ諸国で起きた政変のように、革命の武器として国家を揺るがすほどの力すら備えていることが証明された。私たちは今、メディアの革命期に生きている。1990 年代後半に広く社会に普及したインターネットと呼ばれるコンピューター・ネットワークと、そのネットワークを利用した電子メールやウェブ(World Wide Web)などの各種サービスが、私たちの生活スタイルや社会、ビジネス、考え方、行動などをすっかり変えてしまった。ポケットに入る小さなウェブ端末のスマートフォンがあれば、どこにいてもプライベートから仕事までたいていの用事を済ませることができる。私たちのコミュニケーションのスタイルも大きく変化した。20 世紀までの手紙や電話を主体としていたパーソナルなコミュニケーションがインターネットを介した電子メールや各種メッセージサービスによって強化され多様化しただけでなく、個人レベルでもマス・コミュニケーションを実現することが容易となり、世界中の不特定多数の人々と様々なスタイルでコミュニケーションを取ることが可能となった。 インターネット、特にウェブが、この10 数年間で世界と私たちを一変させたのである。私たちは情報の発信者となった。1999 年9 月に米国パイララボ社(Pyra Labs)がBlogger.com というブログ作成サイトを開設したのを契機として、誰でも気軽に利用できるブログ(Weblog:ウェブログ)サービスが日本を含む世界各国に普及するようになり、以降、プロフェッショナルの書き手ではない一般の生活者による文章がウェブに溢れることになった。2000 年代後半になってブログ・ブームが一段落してからも、短文投稿サービスのTwitter や、動画共有サイトのYouTube、日記や近況を時系列で管理するブログ的な要素を持つSNS が人々の生活に定着し、日々の出来事や何気ないつぶやきを投稿したり、自ら撮影した写真やビデオを公開したりするなど、日々のプライベートな生活の様子をウェブという公開の場に記録し発信するという行為がごく日常的なものとなっている。ウェブには多数の個人のプライベートな行動の記録がマルチメディアなデジタルデータとして集積され始めた。特に日本人が運営するブログは「ウェブ日記」的な内容が多いと言われる。『ソーシャルメディア白書2012』(トライバルメディアハウス& クロス・マーケティング, 2012)によると、ブログの利用目的では「自分の個人的な雑感などを発信するため」が最も多い(26.9%)。日記というのは「その個人が生きた時代と社会的背景を共有して生きた人びとの生活を紐解くための資料」(水越, 2002, p.37)であり、学術的に貴重な資料である。しかし日記というものは公開を前提としたものではないため、著名人や作家など一部の例外はあっても、不特定多数の生活者の日記を自由に閲覧することは困難であった。したがって一般人の日記を資料とした研究はなかなか発展してこなかったわけであるが、2000 年代になって日記がウェブという公開の場で書かれるようになり、個人的な生活の記録(ライフログ)を分析することで、2000 年代に生きる人々の生活や行動を紐解くことが可能になった。 多数の人々が個人的な生活の記録を公開して、いわゆる「ビッグデータ」が入手可能になった。それを分析することで、2000 年代の人々の生活や行動を紐解くことが可能になろうとしている。現在、情報ネットワーク分野の研究では、アンケート調査、各種ログの収集解析、テキストマイニングなどによる定量的な分析手法が主流となり、さまざまな成果を上げている。一方で、グローバリゼーションとパーソナライゼーションの2極化が進んだ現代の多様化した個人の特性は、数値化した膨大なデータの定量的分析では見落とされてしまうのではないかという疑問もある。「マスの時代」から「多様な個の時代」へと変容を遂げた社会背景のなか、マス・データを扱うのではなく、生活者個々人の日常的なコンテキストに注目することによって初めて見えてくる事実もあるのではないか。本研究の最大の関心はそこにあり、ミクロ的視点で個人ユーザのライフログを観察・分析することにより、現代の人々のウェブにおける行動原理の一端を明らかにしようとするものである。
著者
西條 玲奈
出版者
北海道大学
巻号頁・発行日
2014-12-25

本稿の主張は、演劇や音楽のような芸術作品は具体物である、というものである。こうしたジャンルの芸術作品は、同じ作品が複数の出現をもちうるため、反復可能であると呼ばれる。反復可能性を説明するために、芸術作品の存在論では、作品を普遍者として、出現をその事例として分析することがある。普遍者とは抽象的でその事例となるものに一定の特徴を付与する存在者とされている。これを芸術作品の普遍者説と呼ぶ。対して、作品とはその個々の出現の集まりであるとみなし、作品そのものに相当する普遍者の存在を否定する立場がある。こうした立場は唯名論と呼ばれる。本稿は、唯名論的立場が普遍者説に劣らず、むしろ理論的に優れていることを示そうとするものである。そのために、芸術作品の唯名論の利点を示した上で、これまで指摘されてきた困難を克服する。唯名論の利点は、具体的存在者のみを措定すればよいという単純さと、特定の作品の出現であるために十分な条件は何であるのか、その曖昧さを柔軟に適切にとらえられるところにある。一方、唯名論の困難とは、複数の非常識な帰結を含意することである。(1)同じ作品の出現同士の質的類似性を説明できない。(2)同じ作品の出現が同じような効果をもたらすことを説明できない。(3)作品の存在が出現の存在に依存してしまう。(4)上演されないような出現の存在しない作品の存在を否定する。(5)作品全体が鑑賞できなくなる。(6)作品の反事実的可能性を拒否してしまう。これらのうち(1)から(5)までは普遍者説ならば比較的容易に回避できるものである。そして既存の唯名論では(3)から(6)までは対応できても、(1)と(2)を説明することができない。こうした難点を克服するため、本稿ではまばらさ(sparseness)という概念を導入する。任意の事物の集まりの中でも、1つの芸術作品の出現の集まりに相当するものをまばらな集まりとして区別するのである。こうした集まりは、演劇を例として述べると、特定の作品を上演しようとするパフォーマーの(I)制作意図が存在し、その上演が適切な(II)因果的源泉をもつという2つの条件を満たす上演から構成される。その結果として、普遍者を導入しなくとも、互いに質的に類似し、同じ因果的役割を担う上演の集まりを区別できるのである。この区別を導入することで、(1)と(2)の問題に対応し、唯名論の利点を確保しつつ、普遍者説と同様に芸術作品にまつわる現象を位置づけられる芸術作品の存在論を提案する。
著者
見延 庄士郎 増永 浩彦 山本 絢子 杉本 周作 佐々木 克徳 時長 宏樹 釜江 陽一
出版者
北海道大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2019-06-28

日本の南岸に沿って流れる黒潮は,膨大な熱を熱帯から運びそれを日本付近で大気に放出する.この熱放出があることによって,中緯度大気が様々な影響を受けることが,最近十年間の高解像度観測データ解析および数値モデル実験で報告されてきた.しかし,この中緯度海洋が大気に及ぼす影響が異なる数値モデルでも同じように再現されるのか,またこの作用が将来の温暖化においてどのような役割を果たすのかは不明であった.そこで本研究では,これらの問題を解決することを目的として,多数の気候モデル,特に高解像度モデルデータの収集と解析を行う.