2 0 0 0 OA 資料編 年表

出版者
北海道大学
雑誌
北大百二十五年史
巻号頁・発行日
vol.論文・資料編, pp.1089-941, 2003-02-21
著者
鈴木 仁 佐藤 淳
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

私たちはハツカネズミ(Mus musculus)の進化史理解のため、第8染色体上の毛色関連遺伝子Mc1rを含む近隣7遺伝子のハプロタイプ構造の解析を行った。その結果、3亜種グループの中東・インドにおける自然分布域を特定するとともに、インド亜大陸内の亜種castaneusが空間的に2系統存在することを明らかにした。また、歴史的放散前に亜種内、亜種間の遺伝的交流が存在したことも判明した。さらに。この遺伝子領域のうち、Mc1rにおいて塩基多様性のレベルの著しい低下があり、選択的スイープ現象の存在が示唆され、Mc1r遺伝子への自然淘汰の関与があったと考えられた。
著者
谷口 勇仁 岩田 智 小田 寛貴 平本 健太
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2018-06-29

本研究は,大学院理系研究室のマネジメント,すなわち「ラボラトリーマネジメント」について,大学院理系研究室を対象とする詳細な実証分析に基づき,効果的なラボラトリーマネジメントを解明することを目的とする.本研究は3ヶ年計画で実施され,第2年度にあたる2019年度の研究実績の概要は以下の3点である.第1に,大学院理系研究室の組織構成員に対し,研究室の運営(研究室の制度,文化,リーダーシップ)に関するインタビュー調査を行った.前年度に明らかになった理論研究室と実験系研究室のラボラトリーマネジメントの違いが明らかになったため,ラボラトリーマネジメントがより重要であると考えられる実験系研究室に焦点を当てて研究をすすめることとした.第2に,ラボラトリーマネジメントに関連する文献ならびに各種資料をサーベイし,PIのリーダーシップと学生のモチベーションとの関係について検討を行った.特に,学生の研究に対するモチベーションを「リサーチ・モチベーション」と位置づけ,リサーチ・モチベーションを高めるPIのリーダーシップ行動について検討を行った.Deciのアンダーマイニング効果などを参考にしながら,学生が,「研究は労働であり,卒業する対価として研究活動が行われている」として解釈してしまうことの危険性が明らかになった.第3に,現在理系大学院研究室に所属している組織構成員(教授,准教授,助教,PD,博士学生)を対象に,ラボラトリーマネジメントに関する研修を2回実施した.研修後に,受講者から①研修の内容,②ラボラトリーマネジメントに関する課題についてフィードバックを得た.様々な課題が提示されたが,PIは,修士(博士前期課程)で卒業する学生と博士(博士後期課程)に進学する学生との間のマネジメントの違いに難しさを感じていることが確認できた.
著者
谷口 勇仁
出版者
北海道大学
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.179-187, 2009-12-10
被引用文献数
1

2000年6月に発生した雪印乳業株式会社の集団食中毒事件は社会的に大きな注目を浴び,製品の安全性に関するエポックメイキングな事件として位置づけられている。また,学術的にも,雪印乳業集団食中毒事件は様々な観点から検討がなされている。特に,食中毒事件の発生原因について,直接の原因や組織的原因等,様々な要因が検討されている。 本稿では,雪印乳業集団食中毒事件の発生原因について考察された研究を検討し,その発生原因として指摘されている様々な要因について整理・検討を行うことを目的とする。まず,雪印乳業集団食中毒事件について概観し,雪印乳業集団食中毒事件に関する公式見解とメディアの見解を検討する。その後,雪印乳業集団食中毒事件の発生原因について考察している先行研究を整理し,(1)競争環境の激化,(2)事故経験の忘却,(3)利益優先主義の企業風土,(4)安全意識の欠落という要因を抽出した。
著者
工藤 剛治
出版者
北海道大学
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.13-33, 2009-12-10

日本は第2次大戦に敗北し,占領軍によって社会経済上の大きな変革を迫られた。この「GHQ革命」は農地解放や財閥解体を断行し,労働組合の合法化を実現したが,そのことによって,戦後日本の階級構造は戦前日本,戦時期日本あるいはGHQが想定したアメリカ型の階級構造とは著しく異なるものになっていった。大企業の場合,経済パージによって中堅・若手の経営幹部が経営トップの位置につき,また株式の相互持合なども活用しつつ,資本と経営の分離を加速していった。その結果,他国に例を見ないほど,資本所有者からの経営者の自立が促された。これら新経営者にとって長年勤めてきた企業こそ,その権力母胎であったから,彼らは企業を共同体とみなすイデオロギーを発達させた。その結果,対労働の関係では,彼らは階級的労働組合を嫌い,企業内労働組合=第 2組合を育成する政策を採用した。こうして戦後日本の大企業経営者は,資本と労働をともにコントロールする「経営者革命」の達成に成功した。このユニークな階級構造を反映した経営スタイルこそ「日本的経営」と呼ばれるものであった。
著者
今村 央
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

分子系統学的研究で示されてきたタラ目とマトウダイ目、およびアンコウ目とフグ目の近縁性を形態学的に検証した結果、これらはそれぞれ姉妹関係にあると推定された。タラ目とマトウダイ目は、さらにサケスズキ目とギンメダイ目と単系統群を形成するという分子系統仮説も支持された。この一群は、本研究では観察しなかったステューレポルス科とも近縁であることがごく最近の研究で示唆されており、これら5分類群を側棘鰭上目に位置づけることを初めて提唱した。アンコウ目とフグ目はヒシダイ科と姉妹関係にあるという分子系統仮説も支持されたが、この一群に対しては他の分類群との類縁関係が解明された後に分類群名を検討すべきと判断した。
著者
植村 哲也 近藤 憲治
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

半導体中の核スピンは量子力学的な重ね合わせ状態を長く維持することができ,量子計算機の量子ビットとして有望である.本研究では,強磁性電極から半導体への電気的スピン注入と核電気共鳴(NER)効果を併用し、電気的制御のみで核スピンをナノメートルスケールの空間分解能で選択的に制御できる素子を開発した.具体的には,高いスピン偏極率を有するCo2MnSi電極からGaAsへの高効率スピン注入と,スピン注入信号のゲート電圧による高効率制御を実証した.さらに,注入した電子スピンを用いて,GaおよびAs原子の核スピンを高効率に偏極し,ゲート電極に印加した高周波電場により核スピンに対するNER操作を実証した.
著者
藏田 伸雄 古田 徹也 久木田 水生 近藤 智彦 村山 達也 佐藤 岳詩 森岡 正博
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本年度は北海道哲学会でシンポジウム「人生の意味」(研究代表者・藏田伸雄、研究分担者・森岡正博、研究協力者・山田健二)、日本倫理学会でワークショップ「「人生の意味」の哲学的・倫理学的議論の可能性」(研究代表者及び研究分担者・村山達也、研究協力者・文武吉沢、研究協力者・長門裕介)、科学哲学会でワークショップ「分析哲学/現代形而上学で「人生の意味」や「死」について「語る」ことはできるのか」(研究代表者及び研究分担者・久木田水生、研究協力者・鈴木生郎)を実施し、本研究の研究成果の一部を公開した。また研究代表者の藏田は日本生命倫理学会で「「人生の意味」というカテゴリーを生命倫理領域で用いる場合に注意しなければならないこと」と題する発表を行い、「人生の意味」に関する議論を終末期医療に関する生命倫理問題に接続することを試みた。また研究分担者と研究協力者による研究会も開催し、研究協力者の北村直彰氏によって死の形而上学について、また杉本俊介氏によって「人生の意味」とWhy be Moral問題についての検討を行った。また本研究課題に関連する問題についていくつかの論考を発表している研究分担者の山口尚氏の一連の論文を批判的に検討することを通じて、人生の意味と「決定論」や「自然主義」との関連について明らかにすることができた。特に、今年度は青土社の雑誌『現代思想』が分析哲学に関する別冊を発行したが、その中で研究分担者の森岡、村山、研究協力者の山口がこの研究班での研究の成果や、本研究と関わる内容について論文を掲載している。また本研究班での研究内容とは異なるが、研究分担者の近藤と古田は「道徳的な運」に関する研究成果を発表している。「道徳的な運」の問題は、本研究の直接的なテーマではないが、「人生の意味」に関する問題とも深く関わる。
著者
池中 良徳 水川 葉月 中山 翔太
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

当該研究では、比較生物学・系統解析により、脊椎動物におけるグルクロン酸抱合酵素(UGT)の種差を明らかにする事で、その生体内での役割と分子メカニズムについて解明することを試みた。その結果、UGT1A6活性が低いと報告されていたネコ以外にも、鰭脚類で極めてその活性が低い事が明らかになった。更に、ネコやアザラシではUGT1Aに加えUGT2B活性が低く、偽遺伝子化している事が示唆された。この結果から、グルクロン酸抱合は哺乳動物にとって極めて重要な解毒反応であると共に、欠損している動物では化学物質にとってのハイリスクアニマルであることが示唆された。
著者
呉 琳
出版者
北海道大学
巻号頁・発行日
2017-03-23

III, iii, 180p
著者
佐伯 宏樹 原 彰彦 清水 裕
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

イクラやタラコの喫食によって起きる魚卵アレルギーは、日本の食習慣と密接に関わる食物アレルギーである。本研究では、魚卵中のアレルゲンタンパク質の同定と構造決定、魚卵間のアレルゲン交差性の調査を試みた。得られた成果は次の通りである。(1)11魚種(シロザケ、イトウ、ニジマス、アメマス、オショロコマ、スケトウダラ、アサバカレイ、ババカレイ、ホッケ、シシャモ、カペリン)の卵黄タンパク質とイクラ・アレルギー患者血清との反応を調べたところ、いずれの卵黄中にもシロザケβ'-c抗体と反応するタンパク質が含まれており,アレルギー患者血清中の特異IgEはこの成分と反応していた(サケ科魚類では100%、スケトウダラ38%、アサバカレイ69%、ババカレイ77%、ホッケ85%、シシャモ38%、カペリン23%の患者血清で反応が観察された)。(2)また、リポビテリン軽鎖についてもIgE反応の交差性が見られた。(3)サケ科魚種間とタラコ中の主要アレルゲンは,いずれもβ'-c(および類似構造成分)であった。(4)サケ科魚卵間、およびイクラとタラコ間には、いずれもβ'-cを介したアレルゲン交差性が見いだされた。(5)ニジマス・ビテロジェニンのアミノ酸配列を鋳型として、シロザケβ'-c(2成分のうち16K Da成分)とタラコのβ'-c(3成分のうち17K Da成分)の一次構解析をおこなった。また,シロザケ肝臓からmRNAを抽出し、ニジマス・ビテロジェニンの塩基配列を基にプライマーを作製してPCRを行ない,シロザケ・β'-cをコードするcDNAを得た。これらの結果両β'-cアミノ酸配列の60-70%を決定した。以上の学術的知見は、「魚卵アレルギー」の理解と食事指導における有益な情報である。
出版者
北海道大学
雑誌
北大百二十五年史
巻号頁・発行日
vol.通説編, pp.135-147, 2003-12-25

第一節 大学の管理・運営; 第二節 教育・研究組織の充実; 第三節 学術情報システムの整備
著者
田口 正樹 佐々木 健 林 信夫 加納 修 大月 康弘 小川 浩三 松本 英実 鈴木 直志 新田 一郎 櫻井 英治 粟辻 悠 西川 洋一 佐藤 公美 小林 繁子 神寳 秀夫 佐藤 雄基 佐藤 彰一 石部 雅亮
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

前近代の西洋と日本について、法律家を中心に、公証人、弁護人、軍人、商人など多様な専門家を取り上げて、専門家と専門知を存立・機能させる環境、専門家と専門知が権力構造において占める位置、専門家間の組織形成とネットワークの広がりといった側面を検討して、専門家と専門知の発展を国制史に組み込んだ。ドイツの研究グループとの学術交流により、専門家に関する文化史的視点を補強して、その意味でも従来の国制史の枠を広げた。