著者
福井 七子
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.35-45, 1996-03-31

ベネディクトは、文化は個人や社会変化に対する可能性と開放を含むものであり、ひとたび人間が文化の力を意識し始めると、社会の要求に合うように修正され得るもので、文化は望まれる将来の世界への鍵のようなものと考えていた。
著者
山内 晋次
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
Jiangnan Culture and Japan : A Rediscovery of Resources and Human Exchange
巻号頁・発行日
pp.201-211, 2012-03-23

江南文化と日本 : 資料・人的交流の再発掘, 復旦大学(上海), 2011年5月27日-29日
著者
井上 章一
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
Jiangnan Culture and Japan : A Rediscovery of Resources and Human Exchange
巻号頁・発行日
pp.167-173, 2012-03-23

江南文化と日本 : 資料・人的交流の再発掘, 復旦大学(上海), 2011年5月27日-29日
著者
ガデレワ エミリア
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.11-33, 2000-10-31

『古事記』と『日本書紀』にみえるスサノヲの描き方に矛盾がある。一方、彼は高天の原で天つ罪を犯し、姉アマテラスを困らせるが、他方出雲国でヤマタノオロチを退治し、イナダヒメを助ける。それに対して『風土記』では、スサノヲの性格に悪い面が一つも見えない。この神の解釈が多くあるが、ここでは上述の三書や他古代史料の総合的なアプローチによる、私の仮定を述べてみた。スサノヲの矛盾的な役のもとには、政治的な意図があったことをいうだけでは、説明できない。この神の性格には、本来から善悪両面があったと思われる。彼は、豊饒に必要な雨水をもたらし、課題を果たしたことにより性格が良いか悪いかということが決められた。また、彼が崇拝された神社では、神々の食料と考えられたクマという聖なるお米や水がささげられたと考えられる。さらに、スサノヲとアマテラスとの関係についていえば、日の神―水の神のペア崇拝をもとにして、柳田国男がいうヒコ―ヒメ関係がその描き方を決定されたのではなかろうかと思われる。
著者
小川 順子
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.73-92, 2006-10-31

本論の目的は、美空ひばりが銀幕で果たした役割を考察することによって、チャンバラ映画と大衆演劇の密接な関係を確認することである。戦後一九五〇年代から六〇年代にかけて、日本映画は黄金期を迎える。当時は週替わり二本立て興行が行われており、組み合わせとして、現代劇映画と時代劇映画をセットにするケースが多かった。そのように大量生産されたチャンバラ映画を中心とした時代劇映画のほとんどは、大衆娯楽映画として位置づけられ、連続上映することから「プログラム・ピクチャア」とも呼ばれている。映画産業を支え、発展させ、もっとも観客を動員したこれらの映画群を考察することには意義があると考える。そして、これらの映画群で重要なのが「スター」であった。そのようなスターの果たした役割を看過することはできないであろう。本論では、戦後のスターとして、あるいは戦後に光り輝いた女優として活躍した一人であるにもかかわらず、「映画スター」としての側面をほとんど語られることがない「美空ひばり」に焦点を当てた。そして、彼女によってどのように演劇と映画の関係が象徴されたのかを検証することを試みた。
著者
児玉 望
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.231-222, 1996-03-31

筆者は十五年間、ドラヴィダ語学を学んできた。そこでドラヴィダ言語学の立場から、大野説を検討した結果、次のような問題点が明らかとなった。
著者
鈴木 貞美
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.293-303, 2000-02-29

日本の「大衆文学」を代表する『大菩薩峠』の著者、中里介山の独自の仏教思想を検討する。まず、彼の「文学」概念が明治初・中期の洋学者や啓蒙主義者たちが主張した広義の「文学」の枠内で、感情の表現をも重んじる北村透谷や木下尚江のそれを受け継ぐものであることを指摘し、それゆえに仏教思想を根幹におく文芸が展開されたとする。次に、介山の青年期の宗教観について、ある意味では同時代の青年たちの一般的風潮を実践したものであること、それがなぜ法然に傾倒したかを問い、そして、介山の代表作の一つと目される『夢殿』について、明治から昭和戦前期までの聖徳太子像の変遷と関連させつつ、二十世紀前半の力の政治に対して、仏教の教えによる政治という理想を主張したものと結論する。
著者
笠谷 和比古
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.73-88, 1995-06-30

本稿は、拙著『士(サムライ)の思想』において論述した日本型組織の源流と、同組織の機能特性をめぐる諸問題について、平山朝治氏から提示された再批判に対する再度の応答である。今回の論争の争点は、一、日本型組織を分析、研究するに際しての方法論上の問題。ここでは平山氏の解釈学的方法に対して実証主義歴史学の立場から、学の認識における「客観性」の性格を論じている。二、イエなる社会単位の発生の経緯とその組織的成長の特質をめぐる問題。ここではイエの擬制的拡大という、本来のイエの組織的成長の意味内容が争点をなしている。三、拙著で論述した近世の大名家(藩)なる組織と、イエモト型組織との組織原理をめぐる問題。ここでは西山松之助氏のイエモト観が取り上げられ、家元が流派の全体に対して絶大な権威をもって臨むイエモト型組織と、藩主が組織の末端の足軽・小者にいたるまで直接的支配を行う大名家(藩)の組織との、組織原理上の移動をめぐる問題が論じられる。そして付論として、日本の在地領主制と西欧の封建領主制との比較検討、特に日本の家と西欧の「全く家」との異同をめぐるやや専門的な問題を取り上げている。
著者
グエン トゥ フーン
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日越交流における歴史、社会、文化の諸課題
巻号頁・発行日
pp.177-184, 2015-03-31

日越交流における歴史、社会、文化の諸課題, ハノイ, 2013年11月13日-15日
著者
佐藤 正幸
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.177-204, 1998-09-30

人が「年」を認識することは、順序数をただ並べるだけの単純な行為ではなく、極めて政治的・歴史的な知的行為であり、何よりも文化的な行為である。