著者
久野 靖 角田 博保
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.29, no.9, pp.854-861, 1988-09-15
被引用文献数
3

近年 ピットマップ画面とマウス装置を持ち Unixオペレーティングシステムを搭載した高機能ワークステーションが多く見られるようになっている.しかし実際にこれらのシステムの使われ方を見ると 利用者は単にピットマップ画面上に複数の端末窓を開き その上で作業をしているにすぎないことが多いように思われる.そこで筆者らはそのような環境の問題点を分析し ごく少数のツールを作成することでその欠点を補うことを試みた.これらのツールは既存のUnix環境を置き換えるものではなく Unixの多数の指令群と有機的に組み合わせて使えるようなものとした.これらのツール群は起動されると端末窓とは独立に窓を開き そこに表示された情報は利用者が陽に指示するまで消えることなく利用可能である.これらのツール群により非常に多数の窓が作られるため その有機的な関係を整理し使いやすくすることにも留意した.またこれらのツール群の有効性を調べるための簡単な模擬実験も行ったが その結果 必要な情報がスクロールして消えて行ってしまうという端末窓の問題点が大幅に改善されたとの感触を得た.
著者
由井薗 隆也 重信 智宏 榧野 晶文 宗森 純
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.161-171, 2006-01-15

リアルタイムなコミュニケーション行為であるチャットに意味タグを付加したセマンティック・チャット機能を提案し, 進捗報告を行う電子ゼミナールに適用した事例を報告する.電子ゼミナールはタスクとして伝達会議であるが, 10人規模の大学生の参加者がいて, 進捗報告と関係なくセマンティック・チャット機能を利用可能であった.会話に付加できる意味タグは, Idea, 質問, 回答などであった.その結果, (1)タグ情報により, ゼミナールにおける参加者の行動形式を明示でき, 参加者のインタラクションとして, 質問に対する回答のチャットが多いこと, (2)ゼミナールで参加者が直接付加したタグと後から付加したタグの多くは異なること, (3)従来のチャットと比べて, セマンティック・チャットを用いた場合のチャットデータ数および意見データとしての可用性について差はみられなかった.また, (4)セマンティック・チャットは, 上級生がチャット参加の主流ではあるが, ユーザの参加を促したことが分かった.今後は, 意味タグを対話場面での様々な情報処理に応用することが期待される. : The semantic chat function allows users to add semantic tags to text-based chat, which is one of real-time communication activities. The function has been applied to an electronic seminar system in which ten university students participated to report their study progress. The types of semantic tags are idea, question and answer, etc. The results were as follows : (1) the tag information represented participation activity and the number of answer action was more than that of question action, (2) the kind of tag by one who showed the chat in a seminar was frequently different from the kind of tag added by another person later, (3) both the number of chat data and the idea data availability of chat data with semantic chat function was not different from those of conventional chat data, and (4) the semantic chat function, which was mainly used by upper-class students, encouraged the user's participation. In the near future, semantic tags will be applied to the information processing in various interactive situations.
著者
中宮 正樹 岸野 泰恵 寺田 努 西尾 章治郎
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.1374-1386, 2008-03-15
被引用文献数
1

本研究では,コストマップと呼ぶ移動コストを表す地図を用いた移動型センサノードの経路探索手法を提案する.提案手法を用いることにより,従来の研究では扱われていなかったセンサのセンシング範囲やノード移動時の障害物,ノードの移動特性といった実用上の問題を考慮した経路探索が可能となる.提案手法では,センシング領域を4 つのパラメータを用いて定義し,コストマップを用いた最小コスト経路探索アルゴリズムを提案する.さらに,経路探索に広く用いられているA*アルゴリズムと提案手法をシミュレーションにより比較し,提案手法の有効性を確認した.また,提案手法を実機のセンサノードに実装し,実環境で正しく動作することを確認した.In this research, we propose a route planning method for mobile sensor nodes using cost map. The proposed method achieves a novel path planning that can solve several practical problems in previous works: the limitations of sensing area, barricades on nodes' path and restrictions on nodes' movements. We propose a method to define the sensing area as four parameters to deal with many kinds of sensors and a route planning method using cost map. The method can find the path that has the lowest energy consumption. Furthermore, we compared the proposed method to A*algorithm which is one well-known route planning algorithm. We also implemented prototypes of sensor nodes to verify our algorithm in the real environment.
著者
服部 哲 呉寧 安田 孝美 横井 茂樹
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.12, pp.3307-3313, 2000-12-15
被引用文献数
4

地理情報システムの利用が広がり,さまざまな都市情報が蓄積され始めているため,ネットワーク上に分散した都市情報のデータベースを効率良く管理することができる分散型都市データベースの構築が重要となってきている.一方,インターネット上の新しい情報リポジトリとして,LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)ベースのディレクトリサービスのシステム(以降,LDAP)が注目されているが,LDAPは分散されたデータベースを管理するのに有用な特徴をいくつか持っていると考えられる.本論文では,LDAPをデータベース管理のコアとして利用することで,効率的な分散型都市データベースの構成を提案するとともに,試作システムを開発した.試作システムの都市データベースはデータ提供サイトと管理サイトから成る.管理サイトは,データ提供サイトに分散されたデータベースが1つのデータベースとして機能するように管理する.我々はLDAPをコアとして管理サイトを構築するので,都市情報の分野で利用するためにLDAPの機能を拡張する.システム試作の結果,LDAPの利用により効率的に管理システムを構築することができ,拡張機能は分散型都市データベースに有効であると分かった.In recent years, the use of the geographic information has been spreading and various urban information has begun to be stored. Therefore, importance of building distributed urban databases that can manage the database of urban information distributed on the network efficiently has been growing. On the other hand, a directory service based on LDAP (Lightweight Directory Access Protocol) (hereinafter referred as to LDAP) has attracted attention as a new information repository on the Internet. LDAP has some useful features to manage distributed databases. In this paper, we propose an efficient structure of distributed urban database system using LDAP as a core of database management, and developed a prototype system. The prototype urban database system consists of data provider sites and a management site. The management site uniformly manages distributed databases provided by several data providers. We constructed complimentary function for effective usage of the urban information. As a result of the prototype system, we proved that a management system of a distributed urban database based on LDAP was easily developed and a complimentary function was effective in a distributed urban database.
著者
平田 敏之 國藤 進
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.34, pp.7-12, 2006-03-23
被引用文献数
2

近年の情報科学技術の進歩は我々を時間と場所の制約から解放しつつある.さらに近年,位置情報などの個人情報を共有することによりユーザのプレゼンス情報を共有し,適切な通信手段を提供するシステムの研究が盛んにおこなわれている.しかしながらこれらの既存のシステムでは, 現在のユーザのプレゼンス情報や適切な通信手段を知ることはできるが,その情報が必ずしもユーザが望むプレゼンス情報でないことがある.そこで,我々はユーザのプレゼンス情報の変化をトリガとしたメッセージングシステムを提案する.本システムにより,従来非同期だったために発生しなかったコミュニケーションを支援することが可能になるが考えられる.In recent years, the advancement of information science has been promoting decentralization of our working surroundings and asynchronous work timings. We are able to communicate with others at any time and anywhere and are free from the restrictions of time and place. And, we have researched the information sharing system based on location information for understanding the situation of members. We are able to understand situation of other members using these system. However, there is often different from information for which we want. Therefore, we propose the messaging system using presence information. We think that this system is able to support asynchronous communication.
著者
梅田 勇一 沢村 一
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.1518-1527, 2002-05-15
被引用文献数
4

エージェント指向コンピューティングの世界では,それぞれのエージェントが各自の持つ情報を生かしながら協調・合意して問題解決にあたることが求められている.本論文では,議論の導入がこの問題に有効であるとの考えのもとで,次のような機能を持つエージェントシステムを提案し,実際にネットワーク上で現実の問題に適用して有効性を示す.(1)複数のエージェントが各自の知識ベースをもとに議論・反論を行う.(2)反論に行き詰まったら,相手の議論への補強を考えることによって協調を試みる.(3)この2つを行っても結果が定まらないとき,弁証法的な合意形成を行う.In the upcomming networked society, it is desired that several computers on network can resolve conflicting problems or make better solutions through argumentation. In this paper, we propose a novel approach to agent systems where several agents communicate, argue with each other, reinforce other arguments for cooperation and finally make a dialectical agreement through argumentation from distributed knowledge bases. By applying it to a variety of application, we show the potential and practical usefulness of the system.
著者
田中 哲 渡部 卓雄
出版者
情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.73-74, 1995-09-20
被引用文献数
1

自己反映計算とは、通常の計算対象だけでなく計算を行なっている自己をも対象として計算を行なう、という概念である。自己反映的プログラミング言語とは、自己(動作中のプログラムや処理系の状態など)をその言語自身の枠組の中で扱うことができるようなプログラミング言語のことである。自己反映的なシステムでは、自己の構成、状態を動的に変更することが可能である。従って、自己反映的プログラミング言語は問題領域に合わせて自分自身をカスタマイズでき、柔軟なソフトウェアの構築に有用であることが認識されている。また、プログラム自体を扱う部分(メタレベル)と、問題を扱う部分(ベースレベル)に分けるという意味でモジュール化の促進を可能とする。本稿では、手続き的自己反映計算(ベースレベルを何らかのプログラムとすると、メタレベルをそのプログラムを実行するインタプリタとする枠組)において、モジュール化という側面を重視し、メタレベルの再利用性を考慮した自己反映的プログラミング言語のアーキテクチャを提案する。