著者
貝田 さおり 玉川 雅章 渋川 祥子
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 = Journal of home economics of Japan (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.147-154, 1999-02-15
参考文献数
5
被引用文献数
3

The optimum frying conditions for beef were determined by heating a 20 mm×50 mm dia. piece of beef in a pan at various temperatures (120, 160, 180, 200 and 220℃). The respective heating times that were necessary to make the center temperature of a samples reach 55, 70 and 85℃ were measured. After heating, the weight loss, thickness, surface color and hardness were also measured. The results indicate that the hardness and thickness were directly related to the center temperature, regardless of the pan temperature. On the other hand, the pan temperature had strong influence on the surface color, and the range of time for good browning at various pan temperatures could be defined. The heating time calculated by applying the unsteady heat conduction in a semi-infinite plate and the surface browning time range were used to determine the optimum heating conditions for beef.
著者
塚原 典子 麻見 直美 江澤 郁子
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 = Journal of home economics of Japan (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.7, pp.673-682, 1999-07-15
参考文献数
18
被引用文献数
1

日本の国技である相撲の世界は,特殊な食生活形態および身体的特徴を有し,さらに稽古量も多いことから,これらが骨に与える影響は大きいと考えられる.そこで本研究では相撲界における,体格,日常の食生活および身体活動状況等が骨密度に及ぼす影響について経時的観察(1年間)を実施し,さらに,同年代の一般男子学生の骨密度との比較検討も併せて行った.その結果,力士の骨密度は,一般男子学生に比べ,いずれの部位においても有意な高値(p<0.001)を示した.また,力士の番付けと体格の間に関係が認められたことからも,力士にとって体格を増進し,骨格筋等の筋力アップとそれに伴う骨の強化は,最も重要な課題であると考えられる.また,入門1~2年の力士で,1年間で上腕骨および大腿骨の骨幹部の骨密度の増加が認められたことから,骨幹部は体重や稽古(荷重やメカニカルストレス)の影響を受けやすい部位である可能性が考えられる.さらに,入門歴6~8年の力士において大腿骨近位部骨密度の増加が認められたことからも,しこを踏むという相撲独特の運動(稽古)が各部位の骨密度を高めるものと思われる.
著者
村上 和保 門出 清香 表 彩子 佐藤 佑子 竹森 真由美 立道 洋子 和田 貴臣 三好 真理
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 = Journal of home economics of Japan (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.57, no.12, pp.793-798, 2006-12-15
参考文献数
16

真空調理法の安全性を評価する目的で,耐熱性食中毒起因菌であるセレウス菌の真空調理過程における消長を調べた.実験には牛肉スライスを真空包装にした検体を用い,加熱条件は,初回加熱が58℃・40分,67℃・40分および80℃・15分の3条件,再加熱は一律80℃・10分とした.なお,セレウス菌の消長を調べる際には,栄養体あるいは芽胞を実験的に接種した検体で検討した.その結果,次のような結果が得られた.(1)使用した牛肉は加熱前では,一般生菌数が5.4×10^4個/g,大腸菌群およびセレウス菌は検出されなかった.その後,一般生菌数は,58℃・40分の初回加熱後でのみ5.4×10^2個/g検出されたものの,再加熱後では検出されなかった.(2)接種したセレウス菌栄養体(4.0×10^4個/g)は初回加熱後に完全に死滅した.(3)接種した芽胞(3.2×10^2個/g)は初回加熱後で微量生残したが,再加熱により完全に死滅した.本実験結果をみる限り,真空調理法によって作られた料理は概ね安全であるといってよいが,安全性を確保するためには再加熱工程が非常に重要であると考えられた.
著者
川端 博子 松本 あゆみ 吉澤 知佐
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.139-146, 2007
参考文献数
7

セミフレアスカートにおける裏地の効果について,着用評価とスカートの裾線形状から追究した.3種の裏地(キュプラ,差別化ポリエステル,ポリエステル一般裏地)に,2種の異なるパターン(スカートと同型でフレア状に裁断したものと脇スリット入りのストレートな形状のもの)を組み合わせた6枚のスカートについてテストした.13人の女子学生が着用評価を行った結果,フレア形状の裏地をつけたスカートは快適と感じられ,中でも動作性に優れていた.また,キュプラ裏地のものは肌ざわりにおいて他より優れていた.動作分析法により,マネキンに着せたスカートの裾線の形状を静的・動的状態で観察した.静的状態においてフレア形状の裏地のスカートの裾面積は大きく,かつ裾線形状は左右対称であった.スカートの動きの観察から,フレア形状の裏地のスカートは裾面積および裾の移動距離が大きかった.また,フレア形状の裏地のスカートでは表地と裏地の間隙が少なく,一体となって動く様子が捉えられておりこのことも動作性を高める要因と考えられる.キュプラ裏地のものは裾面積が小さく広がりの少ない形状を呈したが,もっとも移動量が多く躍動感のある動きを示していた.このことは裏地のかたさと動的振動係数とかかわると推察される.これらのことから,スカートの快適性と形状は裏地のパターンと種類の両方から影響を受けることが明らかとなった.
著者
松本 晴美 丸山 良江
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.p263-268, 1993-04
被引用文献数
2

We studied on the effect of egg white with acid on decoloring the brown color and on taking off ashes called "aku" components in the soup stock of dried shiitake mushrooms. The following results were obtained. 1) The optical absorption of the soup stock became lower than those of original soup stock by adding 3-5% egg white with 0.5% vinegar. The ash content were also decreased. 2) When 3 or 5% egg white was added to the soup stock adjusted pH to 5.40, 5.20, 5.00, 4.80 and 4.60, the optical absorption of the soup stock became lower according to the decrease of the pH. On the contrary, the ash content of soup stock adjusted to pH 5.20 was low, and that of pH 4.60 was high. 3) The boiling time (2, 5, 10, 15 and 30 min) after adding 3 or 5% egg white had no effect on the optical absorption and the ash content of the soup stock.
著者
水島 かな江
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 = Journal of home economics of Japan (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.69-79, 2008-02-01
参考文献数
75

ホームの訳語としての家庭と,Horticultureの訳語としての園芸は,ともに近代に入って使われるようになった言葉である.この二つの語を含み,その目的を家族の団らんとする「家庭園芸」は,明治期後半に登場した.本稿では,この「家庭園芸」を対象とし,家庭がどのような経緯で園芸との関係を深め,「団らん」をその領域に浸透させていったのかという疑問を解くことを目的として研究を行った.主に用いた資料は,ホームと団らんに関する言説の発祥とされる女学雑誌と明治期に入って出版された園芸書である.その結果,以下のような流れで,家庭と園芸の関係が生じ,園芸領域に団らんが浸透していくことがわかった.1)女学雑誌の中での流れ(1)巌本による「一家の和楽団欒」とホームの登場.(2)「一家の和楽団欒」の担い手=女性という位置づけ.(3)女性の役割として,家内における装飾,清潔等の家事の抽出.(4)家事をまとめた「家政」が項目として登場.(5)「家政」の中に,技術としての「庭つくり」が登場.(6)「家政」の中に「農業園芸」「園芸法」が登場.以後連載として定着.女学雑誌における以上のような流れとは別に,「園芸」領域には,以下のような流れがみられた.2)園芸書からの流れ(1)博覧会資料に,「Horticulture」の訳としての「園芸」が登場.しかし一般には造庭の意味の園芸で移行.(2)「Horticulture」の意味での日本園芸会が設立され,雑誌の発行が開始される.しかし最初の園芸書は,造庭の意味のものとして出版され,一般の辞書にも,その傾向は続くが,明治40年ころから蔬菜,果樹,花卉を含む現在用いられている意味が現れる.(3)従来の農産に属するものを省略し,果樹花木など植物を生育させるための説明をするという『簡易園芸法』という書物の登場.女学雑誌にもその広告が出され,園芸書の女性領域への参加が始まる.このような,産業方面の園芸とは異なる園芸書の出版を経て,(4)日用百科全書の一つとして『住居と園芸』が登場.団らんの場として,住居と庭の重要性が述べられ,家族が団らんする姿を含む庭の挿絵が登場する.この挿絵の背景は盆栽等も含む日本庭園だが,主人公は庭ではなく団らんする家族である.このような家族の団らん風景を描いた挿絵の登場後,(5)「家庭園芸」をそのタイトルに含む『家庭園芸談』が登場する.以上のことから,女学雑誌における巌本の「一家の和楽団欒」や「ホーム」の提唱が次第に広がる中,その和楽団らんの担い手として女性が位置づけられていったこと,そして,その女性の役割として,清潔,装飾を重視する家事が強調され,それらが「家政」項目としてまとめられていく流れの中で,園芸が取り入れられていったことがわかる.そして,このような家政項目に園芸が取り入れられる状況を経て,園芸書と家政書がともに並ぶ下地ができ,園芸という領域の中に団らんを目的とする「家庭園芸」が生じてきたと考えられる.つまり,近代家族の源流と見られるホーム,団らんに関する言説の登場は,それを機に,その団らんの担い手としての女性の役割を明確にさせ,さらに庭や園芸も家庭領域に取り込んでいくという大きな広がりを見せることが明らかになった.今後はこの様な流れの中で,主に近代家族の中心となった新中間層の人たちを対象とし,庭と家族,家庭のあり方の関係の具体的変化について,さらに深く調べていきたいと考えている.
著者
植竹,桃子
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, 2000-02-15

To determine the effect of fingernail length on handwork efficiency, 4 subjects performed 4 types of handwork tests with fingernails of 4 different lengths(0, 2, 4 and 6mm). In a plain stitch test, 4- and 6-mm fingernails reduced work efficiency. In a thread knotting test, 2-, 4-, and 6-mm fingernails markedly reduced work efficiency. In a writing test, 4-mm and 6-mm fingernails caused fatigue of the hands and arms. In a match board test, 6-mm fingernails markedly reduced work efficiency. Analysis of variance and multiple comparison showed results consistent with these findings. Young subjects tended to perform well with long fingernails. Fingernails of 2 mm were considered to be fashionable and feminine. Therefore, the desirable fingernail length may be 2 mm or less when students attend lecture classes and 0 mm when they attend sewing lessons.
著者
松本,仲子
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌
巻号頁・発行日
vol.43, no.9, 1992-09-15

All examples of egg dishes described in cookery books published over the Edo period were collected and examined. Eggs, which has characteristics of heat coagualation and foaming, have been widely used not only as the material but also as a side material in various dishes. These cooking properties of eggs were fully utilized in the Edo period. Therefore the egg dishes collected from the literature include almost all those which have been known today. Egg dishes appeared in the literature of the Edo period for the first time. However some egg dishes, for example, "Fuwafuwa" and "Funoyaki" reached the golden age in early Edo period. This fact suggests that these dishes might have been known before the Edo period.
著者
鈴木 洋子
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 = Journal of home economics of Japan (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.733-741, 2004-09-15
参考文献数
14
被引用文献数
3

学校教育の限られた時間内に効率よく安全に包丁技能を習得させることを目的に,「きざみ:被切断物を包丁を手にしていない手指で押さえ,包丁の刃を押し出す様に切る切り方」練習に用いる披切断物の高さと幅を,寒天ゲルを用いたモデル実験により検討するとともに,参考として「包丁指導の際に用いる教材の配列」を家庭科担当者への調査を通して検討した結果,以下のことが明らかになった.1)「きざみ」時の包丁操作には,被切断物の高さよりも幅の影響がみられ,切断後の被切断物の状態については若干ではあるが幅より高さに影響がみられた.2)非熟練者の場合は,幅の広い被切断物を切断した際に,包丁を振り上げてから切断を開始するまでの時間が熟練者に比べると長いことがわかった.3)包丁操作の「きざみ」練習を行う際の披切断物の高さは包丁の刃幅の半分程度で,幅は2.5cm程度がよく,小学校家庭科における「きざみ」練習の教材に長年に渡り採用されてきたきゅうりのうす切り(輪切り)とキャベツのせん切りを比較すると,幅が狭いきゅうりの方が適している.4)現行の小学校家庭科第5学年の教材として広く取り人れられているきゅうりのうす切り(輪切り)やキャベツのせん切りは難易度が高いことから,低・中学年期に包丁練習の初期段階として厚めの「小口切り」や「イチョウ切り」の練習を積極的に取り人れるとよい.
著者
布施谷 節子
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.p551-558, 1991-06
被引用文献数
3

In this second report, all the questionnaires obtained were divided into several groups in consideration of the respective regional communities, the respective ages of the children and the order of a child's birth in the family after the factor analysis of the first report. The frequency distribution of the choices was calculated according to each group.The following results were found. (1) It is demonstrated that regional characteristics have an effect on buying the top-brand articles or the fashionable goods. (2) As the children grow, their mother begins to pay attention to her appearance and to their appearances and to allow her children's tastes in clothings. (3) The order of child's a birth in the family is one of the most important factors that influences a mother when she fits the new dresses on her children in selecting their clothings.
著者
久保 加織 川勝 聡美 堀越 昌子 石永 正隆
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 = Journal of home economics of Japan (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.351-358, 2001-04-15
参考文献数
21

The possible utilization as food of linseed oil containing a large proportion of α-linolenic acid, an n-3 poly unsaturated fatty acid, was studied. Linseed oil was oxidized very slowly during storage at 4℃, so we judged that it could be stably kept for 8 weeks at 4℃. Linseed oil was gradually oxidized at 20℃, but the addition of roasted sesame oil was effective for suppressing this oxidation. The fatty acid composition of linseed oil scarcely changed during the storage, showing that the content of α-linolenic acid was more than 50%. Mayonnaise made from linseed oil remained stable in a refrigerator and its composition scarcely changed during 8 weeks. The addition of roasted sesame oil to the mayonnaise further improved its oxidative stability and acceptability.
著者
金田,利子
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌
巻号頁・発行日
vol.41, no.12, 1990-12-15
著者
冨岡,典子
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, 2001-06-15

The following are the results of a study of the introduction and the spread of edible burdock into Japan as a food material for Japanese cooking. The edible burdock was first used for medicinal purpose, but in the Heian Period, "nisime-gobou" and "tataki-gobou" appeared. In modern times, "nisime-gobou" becomes popular as a nationwide dish prepared for New Year's, whereas "kinpira-gobou" is popular in the northern part of Kantou, and "tataki-gobou" in the Kinki area. These dishes are thought to have originated from "nanukadaki-gobou, " "kara-gonbo" and "denbugobou" which had been handed down throughout Japan. The edible burdock was used in folk remedies and was highly evaluated for nutritious and medicinal food. From the facts combined with previous reserch, it is inferred that the edible burdock which formed an indispensable part of New Year's festivals in ancient times becomes an important food of the Japanese New Year's as one of "osechi ryouri(special dishes with simbolic meanings of longevity and good fortune)." Also, the eating of the edible burdock in Japan was influenced by the eating of the foreign edible burdock which was similar to Japanese wild thistles generally eaten at that time.
著者
西念,幸江
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, 2003-07-15

真空調理した鶏肉と茄で加熱した鶏肉の加熱経過に伴う肉の中心温度の変化を測定し,食味及び物性を比較した.さらに,食塩で調味後,真空調理した鶏肉の物性及び調理性についても検討した.(1)加熱方法が物性,食味に及ぼす影響「湯煎温度:70 ℃,中心温度:70 ℃,加熱保持時間:5分」の条件で真空調理した鶏肉は,茄で加熱(湯煎温度:95〜100℃,中心温度:85℃)に比べ,歩留りが高く,軟らかく,ジューシーな食味になった.(2)食塩添加が物性,食味に及ぼす影響下処理時の1%食塩の添加は加熱時間を幾分か短縮し,収縮の抑制,水分保持に関与し,歩留りやテクスチャー及び総合的な嗜好性を向上させる効果がみられた.
著者
高鴨 沙里 中山 徹
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 = Journal of home economics of Japan (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.421-430, 2006-06-15
参考文献数
11
被引用文献数
2

This study aims to grasp the outline of the organizational structure and the housing production in the sector of housing industry that focuses public attention on the use of local wood. A questionnaire was distributed to 325 organizations and responses were received from 110 businesses. The survey clarified the following five items:(1) Organizational structure (cooperation or coordination, leadership, constituent members and scale or size), (2) Purpose and content of activity, (3) Housing supply and cost, (4) House definition and wood used, and (5) Problems. Seventy-two point seven percent are managed in cooperation of businesses of different types: the majority of the constituent members are design offices, construction companies and sawmills. Those members are mostly small or medium scale businesses. Leadership-wise, the respondents may be divided into two types: those by the housing industry and those by the forestry or wood producing industry. They aim to conserve natural environment while trying to create closeness between producers and customers. It is to be noted that the number of houses respectively supplied by 68.2% of the organizations in a year averaged only less than ten. More than 60% of the wood used by many respondents were locally produced, but about half of the organizations used imported wood either limited by budget or otherwise. A problem cited by 60.4% was the difficulty of obtaining customers. The direct participation by wood producers in the housing industry may lead to an increased use of domestic wood. However, the organizations are divided into those led by the housing industry and those by the wood producers. Therefore, it will be necessary to clarify the commonness as well as the differences between the two in terms of their structure and housing philosophy.
著者
宮崎,陽子
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, 2008-04-15

The purpose of this study is to examine the learning contents of the housing field of home economic education given at senior high schools. Some university students were chosen for our questionnaire survey so as to analyze the contents of the housing sector of home economic education at senior high schools as well as to find out how they viewed this part of home economic education. The results are as follows : 1) More than half of the respondents had studied it only insufficiently in their high school days. 2) Those who admitted its usefulness tended to recognize the necessity of learning it. 3) The respondents' view of housing education greatly varied, to wit, what they had learned may not be what they wished to learn or what should be taught. It is to be noted that those contents which they considered important were related to social viewpoint, and that the majority of respondents felt the need to deal with housing issues or problems as well as housing policy. To some up, the contents which the respondents considered important for home economic education in high schools would be useful for social life. On the basis of this report, we will further try to clarify what stands in the way of introducing better contents with a view to improving the housing education curriculum at high schools.
著者
増田,啓子
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌
巻号頁・発行日
vol.51, no.12, 2000-12-15

本研究はアメリカの家政系学部がスコッツデール会議(1993)における名称変更の決議をどのように受け止め, 家政学についてどのような問題意識をもっているかを明らかにする事を目的とする. アメリカ家政系学部の部科長を村象に1995年9月にアンケート調査を実施した結果, スコッツデール会議で採択された新しい名称「Family and Consumer Sciences(FCS)」については, 支持する回答が61.0%を占め, それに伴い学部名称をFCSに変更する動きがみられた. さらに1998年の追跡調査によると, FCSを用いている大学は20校から46校に増加し, Home Economicsは60校から28校に減少した. アメリカ家政学の名称変更をめぐる背景には, プロフェッションの認識とそのアイデンティティをめぐる様々な問題に対し, 名称変更によってその状況を改善しようとする動きが見られた.