著者
中西 晃 赤堀 侃司 野田 一郎 木村 達明 斉藤 耕二 藤原 喜悦
出版者
東京学芸大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1985

1.帰国子女の文化的アイデンティティの形成に関する調査研究現在は社会人として活躍しているかっての帰国子女が, 自分の青少年時代の異文化体験をどう評価し, それが現在の個人の人格形成にどのような関わりがあるかを調査研究した.(1)研究の手法 青少年時代に海外で生活し, 現在は社会に出ている異文化体験者に対し, 質問紙法及びインタビューによって調査を行った. 質問紙法では同年代の未異文化体験者を統制群とし, 比較検討を行った. (2)研究の成果 (1)職業, (2)余暇, (3)友人, (4)職場, (5)父母, (6)結婚, (7)人生観・人格, (8)異文化体験の影響の8項目にわたっての調査を統計的に分析した結果, 当初想定していた程ではなかったものの, 異文化体験群と統制群とではそれぞれの項目について有意な差が検出された. 面接法によっての調査からも, 個人の人格形成にとっては異文化体験はその成長を促すものであり, プラスの関与があったことが伺えた.2.帰国子女の国際感覚に関する意識の調査研究帰国子女の国際感覚が一般生とどのように異なるかを対比することによって, 帰国子女の国際感覚の特質を明らかにする調査研究を行った.(1)研究の手法 帰国子女のうち, 中・高校生を対象に質問紙法による調査を行った. 同年齢の一般の生徒を統制群として比較検討した.(2)研究の成果 (1)日本の印象, (2)外国語, (3)差別, 偏見, (4)生活習慣, (5)個性, (6)将来・進路の5つの内容について統計分析の結果, 帰国生と一般生の間には各内容に有意差が見られた. 帰国生には外国語・差別偏見に対する意識, 海外での進学・就職志向に顕著な特徴が見られた. また, 帰国前の日本の印象, 生活習慣の変容, 周囲に合わせる傾向から, 帰国生の日本への適応の様子の一端を窺うこともできた.
著者
中山 昌久
出版者
東京学芸大学
雑誌
東京学芸大学紀要. 人文社会科学系. I (ISSN:18804314)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.1-28, 2013-01-31
著者
田子 澄子
出版者
東京学芸大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2017

本研究目的は、教職専門性向上と教員支援体制を模索し、効果的な教員支援システム構築を推進することにある。つまり、国立大学と附属学校との連携・協働による研修システムを検討するものである。近年の国立大学附属学校では、法人化後の人件費削減、労働時間増加、中間世代教員の減少等から、教員採用人事において困難な状況が継続し、初任者教員採用を余儀なくされる実情を耳にする。本研究が目指す初任者研修システムは、従来型の職場内徒弟制研修やトップダウン型伝達研修ではなく、国内外の人的・知的資源を活用した機能的・融合的なシステムを目指すものである。平成29年度は、平成25年度からの継続研究を踏まえて、下記に示す全国的な基礎調査を実施した。1. 研究目的 : 国立大学附属学校における教員採用人事、教員組織・環境、教員研修体制、等を調査し、初任者教員採用と初任者研修の実際、現職教員環境の実情等を検討。2. 研究方法 : 全国国立大学附属学校へのアンケート調査と事例調査を実施。(1) アンケート調査…平成28年度実施の附属幼稚園調査を基に、小学校・中学校・高等学校・特別支援学校など209校(今年度は幼稚園51園舎を除く)を対象に、自記式記述回答調査を実施。(2) 事例調査…実地調査として全国より数校を抽出。教育改革事例・教育活動の特色等を現地調査。3. 研究成果 : アンケート調査より計量的傾向を、事例調査より質的特徴を検討。(1) 基礎調査…平成29年度附属学校209校対象の調査回答率は、平成30年度末約43%。アンケート集計結果による計量分析、及び、知見等を総括して研究発表予定。(2) 事例調査…調査対象抽出校は、岩手大学附属小学校・同中学校、茨城大学附属幼稚園、奈良教育大学附属中学校、神戸大学附属幼稚園・同中等教育学校、大分大学附属幼稚園・同小学校、以上8校。(3) 研究発表…平成29年6月 : 日本教育経営学会茨城大会にて、これまでの調査結果等の知見を研究発表。
著者
佐藤 紘司
出版者
東京学芸大学
雑誌
学芸地理 (ISSN:09112693)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.46-52, 2007