著者
高橋 智
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

小・中学校だけではなく高校においても特別支援教育を構築し、高校生が抱える多様な困難・ニーズへの支援の具体化が早急の課題となっている。公立高校では徐々に特別支援教育に関する取り組みが検討され始めているが、私立高校においてはほとんど未着手の状態である。しかし高校の特別支援教育の実態そのものが不明であり、その解明は不可欠の課題である。本研究では、高校における特別支援教育の現状と当面の検討課題を探るため、(1)近年の文部科学省や都道府県・政令指定都市教育委員会等の高校特別支援教育施策、(2)学界・当事者団体等における高校特別支援教育に関する論議や調査研究、(3)高校現場で取り組まれている発達障害等の特別な配慮を要する高校生への教育実践について整理し、高校特別支援教育の全体的動向を把握した。高校特別支援教育のシステム開発をしていくための検討課題として、以下の点を指摘できる。第一に、高校はその入り口と出口で多様な接続・連携が求められている。中学校と高校の接続の課題、高校以降の進学・就労等に関する進路指導・移行支援の課題など検討すべき課題は多い。高校の場合、入学者選抜試験を経ている等の理由からわが子の障害を認めない保護者も目立つ。しかし障害者手帳の取得や外部専門機関(教育相談・医療・福祉・就労)との連携が特別な配慮を要する生徒の将来を切り拓くきっかけになることから、発達障害者支援センター・就労支援センターなどと連携する必要がある。第二に、特別な配慮を要する生徒の困難・ニーズの実態をふまえて入学試験、欠時数、単位取得、進級・卒業認定の配慮など、これまでとは異なる評価基準の検討や教務規定の弾力的な運用を行う必要がある。そのためには文科省レベルでの法令整備や都道府県・政令指定都市教育委員会によるガイドラインの作成等が必要である。第三に、国・自治体からの財政措置の問題である。高校における特別支援教育支援員や専門職の配置、教員の加配、教職員の研修、学習環境のユニバーサルデザイン化などの体制整備に行政による財政措置は不可欠である。とくに私立高校には特別支援教育推進の経費が国・自治体から支給されておらず各校の自助努力に任せられている。このことの見直しも不可避である。
著者
渡邉 正樹
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

本研究の目的は,学校を中心とした効果的な歯科健康教育プログラムの開発を目指して、子どもたちの口腔保健行動の実態を明らかにし,家庭や地域との連携のありかたを検討することにある。まず最初に,現在の日本における学校歯科健康教育の実態を総括し,問題点を明らかにした.つづいて,小学生の口腔保健行動の特徴と関連要因に関する調査結果について報告した.その概要は次のとおりである.口腔保健行動には,歯口清掃行動,摂食行動,受診受療行動があり,それらには性差と共に学年ごとの特徴ある変化があるため,それぞれ別々に考えていく必要がある.歯口清掃行動は,学年が上がるにつれ,適切な行動がとれるようになる.摂食行動と受診受療行動は,学年が上がるにつれ,適切な行動がとれなくなってくる.口腔保健行動は,男子より女子の方が適切な行動がとれるという傾向がある.また口腔保健に関する自己効力・態度・意欲からも女子の方が積極性に取り組もうとする傾向がみられる.ここではさらに学年に応じた歯科健康教育の達成課題についても明らかにした.その次に養護教諭を対象とした歯科保健指導の問題点に関する調査の結果について報告した.その中で,地域・家庭・学校との連携が不可欠であること,しかし実際には多くの障害があることなどを明らかにした。特に家庭との連携の困難さは深刻であった.これらの結果に基づいて最後に,米国の包括的学校保健プログラムを参考に,新たな包括的学校歯科健康教育プログラムの提示を試みた。
著者
高橋 修 真山 茂樹 松岡 篤 竹村 明洋 真山 茂樹 松岡 篤 竹村 明洋
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

一般に,生きている放散虫類は共生藻をもっている.それらは黄緑色ないし黄褐色の微小な球状で,そのサイズは3~10マイクロメータの大きさである.共生体を持っている現生の放散虫類の大部分が共生体から光合成によって固定された炭素の供給をうけ,貧栄養環境下でその共生関係を維持している.この研究では、Euchitonia elegans (Ehrenberg), Dictyocoryne truncatum (Ehrenberg),およびSpongaster tetras Ehrenbergの分子系統および超薄切片観察により,Dinoflagellates、chlorophytes、およびhaptophytesなどの藻類がこれらの放散虫に共生していることを特定した.そのうえ,これまで共生藻をもたないとされていたDictyocoryne profunda Ehrenbergの表面に,数多くのシアノバクテリアが共生していることを明らかにした.本研究の結果,異なった種の放散虫は異なった共生体を持ち,それらは強い特異性もつことを示した.もし,仮に同じ放散虫が異なった藻類を複数,共生体として持つならば,それは選択の柔軟性があることを示すかもしれない.しかしながら,現在の結果はこの仮説を否定する.これらの間の柔軟性の欠如は,放散虫に共生体の認識と選別ための一般的なメカニズムがある事を示すものと考える.
著者
木下 ひさし
出版者
東京学芸大学
雑誌
学芸国語国文学 (ISSN:03879135)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.99-106, 1996-03
著者
南塚 信吾
出版者
東京学芸大学
雑誌
史海 (ISSN:02886731)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.27-38, 2010-05-31
著者
保立 道久
出版者
東京学芸大学
雑誌
史海 (ISSN:02886731)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.1-19, 2005-06-26